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勤め先は倒産、泊まったホテルは火事、怪しげな新興宗教には追いかけられ……。不幸のどん底にいた相澤真琴(あいざわまこと)は、葉崎(はざき)市の海岸で溺死体(できしたい)に出合ってしまう。運良く古書店アゼリアの店番にありついた真琴だが、そこにも新たな死体が! 事件の陰には、葉崎市の名門・前田(まえだ)家にまつわる秘密があった……。笑いと驚きいっぱいのコージー・ミステリの大傑作!
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Posted by ブクログ
この事件、もし太平洋戦争前後に起きていたら、横溝正史だなあ、と思いました。この登場人物の絡み方。家柄とか血筋とか。 ということは、いろいろな凄惨な事件も葉埼で起こるとこう言う雰囲気になるのかな、なるのだろうな、と思った次第。 実にサービスたっぷりの一冊でした。 巻末のロマンス解説は、なんだか、この本...続きを読むの後日談を読むような得した気分。解説の妙も味わいました。 各章のタイトルもおまけ感がたっぷりで嬉しいものでした。 ゴシックロマンスの伏線、にんまりです。 それに限らず伏線の張り方と回収はこの作者ならではと言ってもよいくらいの見事な展開だと思います。 駒持警部も大変だなあ。いろんなバディとの捜査でも揺るがないところは素敵です。 さらりと読めるところが、この作品の面白さの中核と言えるかとも思いました。 満足しました。
作中にも登場する『見つめる家』のエピグラフの変奏曲ともいうべきオチに思わず唸る。解説で池上冬樹さんも書いておられるが、物語の枝葉の部分、細かい部分が面白い。たとえば、満知子社長がいたときには目立たなかったオフィスのインテリアが、満知子がいなくなるとその存在を高らかに主張してくる場面(276)や古川恒...続きを読む子を見て五木原が貝殻を背負わぬやどかりを思い浮かべる場面(356)が殊のほか印象に残っている。
最後の最後になって、真実が暴かれるが、思いもよらない結末に、どいつもこいつもやるな~と関心しました。ふふふ。
面白かった! この人怪しい、これって結局どうなの?…と思っていた事が最後に明らかになり、そういう事だったのか・・・と納得できた。
「葉埼市シリーズ」第二弾。 各章に有名な映画をもじったタイトルがつけられていて、目次を見ただけで面白そうです。 勤め先が倒産、泊まったホテルが火事、怪しげな新興宗教に勧誘され、二階から飛び降りて左足首を捻挫したという不運続きの相澤真琴が、葉埼市の海岸で人間の死体を発見してしまう。 さらには〈古書アゼ...続きを読むリア〉の店番をすることになり…。 ユーモア・ミステリーなので、物語は軽快に進んでいくのですが、終盤に近づくにつれ、葉埼市始まって以来の名家、前田家にまつわる凄まじい過去が明らかになっていきます。 シリーズものだけあって、前作で登場した「鬼頭堂」や、「黄金のスープ亭」や、その他の人物が、長い説明もなくチラッと出てくるところが心憎い。 真琴のアリバイを成立させるのに、ヴィラ・マグノリアに住んでいる塾講師までささやかに登場するところも見逃せませんでした。 金と権力に執着する前田家の争いに意表をつかれ、その反面で、中学時代の同級生や幼なじみや町のひとたちとのつながりが優しく人情味があって、この葉埼市シリーズにどんどんはまってしまいそうです。
〈葉崎市シリーズ〉第2弾。 第1弾である『ヴィラ・マグノリアの殺人』に出てくる〈鬼頭堂〉ではなく、〈アゼリア〉という古本屋をとりまく事件と、ロマンスと、お家騒動の話。 『ヴィラ・マグノリア』でも少し名前だけ登場した、葉崎の名士「前田家」の家系と資産にまつわる殺人。 外から来た、相澤真琴という不運...続きを読むが重なりすぎて葉崎にリフレッシュしに来た女性が、いざ海に向かって叫ぶと波間から男の死体が……。 という、真琴には悪いが少しコミカルな描写から物語ははじまる。 しかし、そこからは「前田家」の資産をめぐる骨肉の争い、さまざまな謀りや疑惑が噴出し、そのうち死体も増え、ますます複雑な事件となってくる。 私が今回一番好きだったキャラクターは、アゼリア店主の前田紅子だった。矍鑠とした威勢のいいおばあさんで、ロマンス小説をこよなく愛し、自分の店をロマンス小説専門店にしたほどだ。前田家の名前のついた、生年育英基金も立ち上げている、面倒見のよいひとなのである。 作品の序盤から好きだったけど、最後まで読んでもやっぱり好き。「とあること」(核心にふれるので詳細は省く)を思うと、とても切ない。 今回読んで分かったんだけど、固定で出てくる登場人物は駒持警部補だけなのね。ちらっと名前だけ登場とかはあったけど。知ってる名前が出てくると「おっ」って嬉しくなりますよね(笑)。
やっちまった。ただ今、5月5日の午後12時。 〆切は明日朝1番なのに「未だ大丈夫」と思いながら、祝日の今日1日は、「つい」これを読み始めて一気読みしてしまった‥‥。どうすんだオレ。とりあえず、感想は置いてといて、徹夜覚悟で書き始めよう‥‥。 ーーーーーーーーーーーm(_ _)m 12時間後。 ...続きを読むもはや、葉崎市の海岸に打ちあげられた溺死体、或いはアゼリア古書店で発見された撲殺死体の気分です。死んでしまえ!私。先月の教訓はどうなったんだ!いや、すみません。後もう少し‥‥。 ーーーーーーーーーーーーー\(^o^)/ 20時間後。 いやあ、すみません。とりあえず終わりました。いや、終わらせましたとも!ところで本書の感想ですが、感想といってもサスペンスですからね、ネタは話せません。ともかく、ダメだダメだと思いながら、最後まで読ませるチカラは身ももって証明しました!だって、終わりに近づくほど面白くなるんだから仕方ない。しかも、ダブルどんでん返し。 葉崎シリーズ第2段。若竹七海を年に10冊は読もう計画継続中(昨年は未遂、今年も怪しい)。今回は前書でヴィラ・マグノリアの土地を所有していた前田一族をめぐるアレコレの作品でした(←何ことやらサッパリわからん)。クスリとはするコージーミステリだけど、若竹七海だから人の持つ「毒」も仕込まれています。 ※話とは関係ないけど、巻末に古書店アゼリアの店主・前田紅子による「ロマンス小説注釈」がある。葉村晶シリーズで、古本屋店主・富山泰之のミステリ注釈が巻末にあるのと同じ体裁、ていうか、こちらが最初か。 ※経緯は言えないけど、死体を発見した女・相澤真琴が棺に潜り込む場面がある。 「病院から死体を盗む映画、あったよね」 「滝田洋二郎監督、高木巧脚本のピンク映画。あれ、俺マジ好きだな」 というセリフが気になって、調べたら「タイム・アバンチュール絶頂5秒前(1986)」(田中こずえ、杉田かおり、若葉忍出演)が検索でヒットしたのだけど、肝心の病院云々の関係が一切わからない。同年2人は内田裕也も仲間に入れて「コミック雑誌なんかいらない!(1986)」という名作もモノにしている。とすると、このピンク映画、傑作か?
私はイヤミスは避けて通るんですが 若竹さんは全然okです。 ですよね〜という納得感があります。 あと何回騙しにくる? ページ的にまだまだでしょw 楽しかった〜
「葉崎市シリーズ」の2冊目。 今度は、前作でも当地の名家として紹介されていた前田家を巡る騒動の顛末。 海岸で発見された溺死体に行方不明になっている前田家の御曹司・秀春の可能性が浮上。 かつて秀春の失踪事件を担当した駒持警部補が過去のお家騒動をなぞりながら五木原巡査部長とともに捜査にあたる。 秀春を...続きを読む巡って、紅子に満知子に初穂に結衣にしのぶに麻衣、居並ぶ女性陣は皆、いわくあり。 とは言え、前田家の人々のみならず、葉崎FMのメンバー、東銀座商店街の面々、そしてトラブルに見舞われ続ける相澤真琴など登場人物は皆、なんとなく憎めない感じの人ばかりで、筋書きはとても面妖な話なのだが、それを感じさせない軽やかな語り口でどんどん読ます。 途中で挟まれるロマンス小説カルトクイズ(?)やプチ蘊蓄も嬉し。 方々に撒かれた伏線がきちんと回収された巧みな収束を改めて行きつ戻りつで確認するのもまた楽しいが、そこで単純には終わらない最後の10ページ。 今回もまた、警察の捜査では暴くことが出来ない腹の中の一物がごちられたラストに、本当によく練られているなぁと感心した。
葉崎シリーズ二作目。 あー面白かった! 葉崎の名家、前田家をめぐる事件の数々に、地元民みたいにのめりこんで一気読み。 駒持警部補、さすが鋭い。 真琴ちゃんの災難続きには気の毒だけど笑ってしまった。これから五木原巡査部長とうまくいくのかな。きっと紅子さんの口添えで幸せに暮らすのでしょう。 紅子さんのお...続きを読む店、探してみたくなった。 ロマンス小説も少しは読んでみようかしらん。
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