生島治郎の一覧
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ユーザーレビュー
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生島治郎『黄土の奔流 冒険小説クラシックス』光文社文庫。
過去に刊行された傑作冒険小説の再刊企画の第1弾。第2弾の胡桃沢耕史『天山を越えて 冒険小説クラシックス』を読んでみたら非常に面白かったので、本作も読むことに。
1965年刊行の紅真吾シリーズの第1作。これぞ冒険小説のお手本というようなワク
...続きを読むワクするストーリーに心が踊る。今の時代に読んでも面白い、このような優れた作品が1960年代に日本で刊行されていたことにも驚かされた。
頭脳明晰で将来を期待されていた紅真吾は父親の事業の失敗により中国に渡る。父親と共に上海に小さな商社を立ち上げたが、父親の死後に事業は傾き、倒産。破産した真吾はある日偶然知り合った大手商社の支店長・沢井和彦から揚子江を船で遡り、重慶で豚毛を買い集めるという儲け話に誘われる。真吾は素性の知れない8人の猛者たちと重慶を目指すが……
本体価格840円
★★★★★
Posted by ブクログ
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疾走感あふれる「ほぼ自伝小説」。
昭和31年に早川書房に入社して編集者として成長し、昭和39年に退職して処女作を上梓するまでを描いた成長物語。
ただ、著者自身の歩みを描いていると同時に、日本推理小説界の発展期を描いているので自伝なのに群像劇になっている。
入社試験で面接官を務め、上司となった田村隆一
...続きを読むの謎に大物感あふれるエピソードの数々でいきなり読者はつかまれる。
「作家が行くといえばとことんついていくのが編集者だ」と言って江戸川乱歩に引き連れられて飲み歩くが、最後にはくたびれた乱歩がタクシーに飛び乗って逃げ出すのを怒鳴りながら追いかけるとか。
佐藤春夫の重鎮エピソードも面白い。そのほか、この時代にデビューした世代の作家たちがぞろぞろ登場するので、楽しめる要素はほかにもある。
なお、冒頭に「ほぼ自伝小説」と書いたのは、登場人物たちは本名なのに、著者自身に仮名を割り当てているからだ。
「だが、私はこういう小説を書きたかったのです」と振り切ってしまうところは、編集者というよりは作家の考え方だと思う。この一文で著者自身の作家への転身という選択が正しかったことを表していると思った。
Posted by ブクログ
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ミステリ作品の編集を手掛けるうちに、自分でも書いてみようという欲望を抱くようになった編集者が作家に転向したその後の話。映画化、直木賞受賞などいくつかの成功を収めつつも、睡眠薬中毒に陥り、芥川やら三島やら太宰やらと自身を並べ、作家の孤独を説いて悦に入る。 チャンドラーを敬愛する妻小泉喜美子については、
...続きを読む鼻っ柱は強いが話の合う女が、一方的に自分に惚れ、結婚してほしいと懇願してきた、と宣う。結婚してやる条件として、彼女の執筆活動を禁じておきながら、自身は好きなだけ創作に時間を費やし、挙句の果てに呑む打つ買うのやりたい放題。作家は人間として魅力的な人物であってほしいと思うこともあるが、この作品については、感嘆ものの鈍感さを備えた作者への侮蔑や憤りが、ページをめくる原動力となった。そして悔しいけれど、私小説としてもブックガイドとしても大変面白かった。この作者、生涯、編集者であれば、違った人生を送れたのではないか。
Posted by ブクログ
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「君に届け」の次は大人の恋愛小説。
小泉喜美子ファンの私は手放しで絶賛出来ない。小泉さん(生島治郎と離婚後)の元カレ内藤陳と本書映画化の際、主人公越路(生島治郎がモデルとされる)役の二谷英明お二人の追悼気分で手に取ったが、複雑な心境だ。映画はまだ見てません。本書が「恋愛小説の傑作」「現代における稀
...続きを読む有なピュアなラブストーリー」とか言われると小泉ファンはチラいのよ。
Posted by ブクログ
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個人的には生島氏はハードボイルドというより冒険小説の書き手で、学生時代にイネスやマクリーンがお気に入りだった頃に、よく読んだ記憶がある。今回久しぶりに氏の冒険小説を読んでみて、「血湧き、肉躍る」感じはあるなあと思いつつも、一番気になったのは主人公の子供っぽさ。ハードボイルドな男たちが、ここだけは譲れ
...続きを読むないと我を張るのではなくて、甘やかされた子供が拗ねるような感じで、突っ張る。昨今のタフガイ小説の主人公たちの多くが「大人の男」であることを競い、薄汚くて妥協的であることをむしろ誇ることを思うと、色んなことを考えてしまうね。
Posted by ブクログ
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