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新緑まぶしい春。小学5年生の和也は県内の小さな町から憧れの仙台市に引っ越してきた。隣家に住む同級生ユキヒロとナオミと友達になろうとする和也に対して彼らは冷たい態度を取る。二人がクラスで浮いた存在で、江戸時代から続く因習がその原因であることを和也は知る。偏見にとらわれない子供たちの無垢な姿と、昭和の時代背景をノスタルジックに描いた傑作。
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Posted by ブクログ
あっという間に読み終えてしまった。280ページを一気に。区切るのが読みやすいのと次が気になって止まらないので、本当に熊谷達也さんは読み応えあるものでも、時間が掛かるものでも次に進める。3人の出会いと想いと共感できる。今も昔もあるイジメに逃げないで大人の手を借りないで解決するのか、どこがゴールとかない...続きを読むけど、行動するのが一番、また人ごとの様に話をする自分には嫌気するけど、イジメをする人間こそ消えて欲しい。周りの同調するものも同じ、中学2年の担任のやり方がとても良かった。先生とはあーいう人だと思っていたが自分は
部落差別やいじめなど、考えさせられる内容もあるが、子供たちの世界が生き生きと描かれていて気持ちが良い話。その後の話もぜひ読んでみたい。
自分の中にある正義、それに気付く事とそれを貫く事。 少年がこれに迷いなく邁進していくさまが、とっても気持ちよかった。 良質な一冊。
宮城県の小さな街から仙台に引っ越して来た小学五年生の和也の甘酸っぱく、輝かしい一夏の物語。読みながら、小学校時代を思い出した。自分も小学校時代に転校を経験したが、確かに転校生への反応って、こんな感じだったよなと共感する描写が多かった。 蛇足になるが、作中に登場する仙台市から北東に60キロという描写...続きを読むから、T町は登米町で、N町は中田町ではないだろうか。
私は作者と同い年、そして仙台生まれ仙台育ち。 仙台市内の地名町名などを思い浮かべながら少年時代を思い出しました。
いじめと差別。小学生の主人公の目を通してみる、社会の歪みの縮小版。友達を通して、真実は何なのか、正義を貫く様子は痛感に気持ちがいい。振り返れば、きっといい少年時代。
爽やか。 子供の頃の、いじめいじめられ、を思い出す。どっちにも子供なりの論理があるんだよね。 和也の父。遠くから丸。素敵な態度。
自伝なのかフィクションなのか?大人になって子供を振り返るスタンスで描かれる作風には読者として安心して読める雰囲気がある。悔しさも悲しさも誇らしさも甘酸っぱさも経験し大人になったからこそ振り返れる当時。 あの頃があったからこそ今の自分に誠実に向き合えるといった作風は凄くいいな~と思う。
同和問題を扱った作品です。とは言うものの、主題はむしろ少年の成長の物語でしょう。 良い話です。いじめがあり、友情があり、淡い恋があり、生き生きした中にどこか照れくささや懐かしさもあります。安子ねえ、沼倉のおんちゃんと言った脇役も個性が際立っているし、主人公の3人の少年少女も見事に描かれています。そし...続きを読むて、彼らが最後に起こす行動は痛快で、どこか寂しい終わり方にも好感が持てます。 それにしても、熊谷さんはえらく幅が広がっていますね。デビュー当時は東北と動物の作家さんだと思っていましたが、時代物を書いたり怪奇物を書いたり、こうした少年物を書いたり。あまりに幅を広げ過ぎていなければ良いのですが。
少年の日の思い出的な作品かと思って読み始めたら、そんな単純な話ではなかった。部落差別の町に引っ越してきた少年が、差別に巻き込まれ・・・という話。差別やいじめ、先生の無関心など、重いテーマで、考えさせられた。部落差別の存在は知っていて、差別が今現在もあることも頭ではわかっているけれど、実際に差別に遭遇...続きを読むしたことのない私に何か言う権利なんかないのかもしれない。けど、子供らしく、差別は正しいことじゃないと言い切る主人公達を応援したいと思う気持ちは間違ってないと思う。差別をする側には回りたくないし、自分の子供にもそう教育するつもり。でも、そんな簡単なことじゃないんだろうな・・・
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