中央公論新社作品一覧

非表示の作品があります

  • 「観光公害」を克服せよ
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 (目次より)●「京都、富士山等の混乱に学び“観光亡国”を防ぐ」アレックス・カー(東洋文化研究者)聞き手・清野由美(ジャーナリスト)●「中国人個人旅行客が日本に望むこと」中島恵(ジャーナリスト)●「ブータン、ボツワナ、鹿児島…… 環境にやさしい富裕層旅行」山口由美(ノンフィクション作家)●「知られざる全国インバウンド観光地」旅行読売編集部●「民泊はシェアリングエコノミーの試金石」松村敏弘(東京大学教授)●「インバウンドだけでは観光立国にはなれない」星野佳路(星野リゾート代表)
  • 観光亡国論
    4.0
    右肩上がりで増加する訪日外国人観光客。京都、富士山をはじめとする観光地へキャパシティを越えた観光客が殺到し、交通や景観、住環境などでトラブルが続発する状況を前に、東洋文化研究家アレックス・カー氏は「かつての工業公害と同じだ」と警鐘を鳴らす。本書はその危機感を起点に世界の事例を盛り込み、ジャーナリスト・清野由美氏とともに建設的な解決策を検討する一冊。真の観光立国を果たすべく、目の前の「観光公害」を克服せよ!
  • 韓国愛憎 激変する隣国と私の30年
    4.0
    ここ30年間で韓国は大きく変わった。独裁から民主国家へ、発展途上国から先進国へと。20世紀に日本が「弟」と蔑んだ韓国は過去のものだ。他方、元慰安婦を始め歴史認識問題が顕在化、日韓の対立は熾烈さを増す。21世紀に入り、政治、経済から韓流、嫌韓まで常に意識する存在だ。本書は、1980年代末、途上国だった隣国に関心を抱き、韓国研究の第一人者となった著者が自らの体験から描く、日韓関係の変貌と軋轢の30年史である。
  • 韓国現代史 大統領たちの栄光と蹉跌
    4.2
    一九四八年、日本の植民地から米国の占領を経て、建国した大韓民国。六〇年の間に、独裁国家から民主国家、途上国から先進国へと大きく変貌した。本書は、歴代大統領の「眼」と「体験」を通し、激変した韓国を描くものである。「建国の父」李承晩、軍事クーデタで政権を奪った朴正煕、民主化に大きな役割を果たした金泳三、金大中、そして「ポスト民主化」時代の盧武鉉、李明博。大統領たちの証言で織りなす現代史の意欲作。
  • 韓国済州島 日韓をむすぶ東シナ海の要石
    3.0
    朝鮮半島本土から南へ90キロ沖の東シナ海にあり、古代は耽羅と称した済州島だったが、地理的位置から日韓中三国が密接に絡み合う元寇や倭寇の基地となり、李朝時代は政治犯の流刑地、植民地時代は日本への労働供給地として、島の自主性は奪われていた。解放後も本土との軋轢から、その歴史は平坦ではなかったが、恵まれた自然と温暖な気候を活かした園芸、観光産業によって、韓国一豊かな島に変貌した。離島ゆえの宿命をたどる。

    試し読み

    フォロー
  • 韓国大統領列伝 権力者の栄華と転落
    3.7
    独立以来8人を数える韓国大統領のうち、1人は暗殺され、3人は任期途中で下野、2人は退任後、逮捕された。反日親米の国づくりを進めたものの、民衆の支持を失い亡命した李承晩、独裁統治で高度経済成長を達成したが、酒宴の最中、ナンバー2に暗殺された朴正煕……。クーデタ、逮捕、断罪、特赦、亡命など転変きわまりない浮沈を重ねた歴代大統領の生い立ちから、権力掌握のプロセス、その挫折までを活写する。
  • 韓国とキリスト教 いかにして“国家的宗教”になりえたか
    3.9
    宗教人口の過半数を、キリスト教信者が占める韓国。教派間の拡大競争は、大統領選挙の動向や、北朝鮮支援事業に強い影響を及ぼす一方、しばしばカルトや他宗教との衝突といった社会問題を引き起こしている。本書は、一八世紀以降の朝鮮半島における受難の布教開始から、世界最大の教会を首都ソウルに置くにいたった現在までを追い、日本では報じられなかった韓国社会の実情と問題を解き明かす一冊である。
  • 韓国のイメージ 戦後日本人の隣国観 [増補版]
    3.5
    今日の日本人の韓国像は、一方に文化相対主義的理解があれば、他方に伝統的蔑視があり、イデオロギー的立場からの賞賛や沈黙の一方に、若い文化的関心層があって一様ではない。それでは、戦後日本の韓国像はどのように変化してきたのか。戦後日本人の韓国観の変遷を二十年ごとの三つの時期区分で論じた名著に、今回新たに四つめの時期となる「韓流の時代」を論じる章を増補し、あの狂騒の時代を歴史のなかに位置づける。
  • 韓国の若者 なぜ彼らは就職・結婚・出産を諦めるのか
    3.5
    先が見えない日韓情勢。一方で若者の生き辛さを描いた翻訳文芸書やドラマが日本国内でもヒット。その実態への関心が高まっている。実際、大卒者が国民の8割近くを占めるも多くが希望する職を得られず、アルバイトも奪い合いという格差社会の中で絶望感が拡大。結果として多くの若者が、反日の枠すら越えて日本への就職を選び始めた。この本では彼らを取り巻く過酷な現実を緊急レポート。かの国は地獄(ヘル)か!
  • 韓国併合 大韓帝国の成立から崩壊まで
    4.0
    日清戦争の結果、朝鮮王朝は清の「属国」から脱し大韓帝国を建国、皇帝高宗のもと独自の近代化を推進した。だが帝国日本は朝鮮半島での利権を狙い侵食。日露戦争下、日韓議定書に始まり、1904~07年に三次にわたる日韓協約によって外交・財政・内政を徐々に掌握し、10年8月の併合条約により完全に植民地化する。本書は日韓双方の視点から韓国併合の軌跡と実態を描く。今なお続く植民地の合法・不法論争についても記す。 <目 次> 序 章 中華秩序のなかの朝鮮王朝 第1章 真の独立国家へ―1894~95年      1 日清戦争の勃発      2 甲午改革      3 宗属関係の終焉 第2章 朝鮮王朝から大韓帝国へ―1895~97年      1 閔妃暗殺、露館播遷      2 「皇帝」即位の熱望      3 大韓帝国の成立 第3章 新国家像の模索―皇帝と知識人の協和と不和 1 独立協会の結成      2 皇帝のロシア接近と独立協会の反対      3 独立協会の強制解散 第4章 大韓帝国の時代―皇帝統治の現実と限界      1 儒教宗主の専制君主      2 皇帝国の文化 第5章 保護国への道程―日露戦争前夜から開戦のなかで      1 大韓帝国の外交      2 日韓議定書      3 第1次日韓協約の締結 第6章 第2次日韓協約の締結―統監府設置、保護国化      1 欧米の承認、皇帝への強要      2 調 印      3 ハーグ密使事件 第7章 大韓帝国の抵抗と終焉―1910年8月の併合へ      1 一進会と義兵運動      2 南北巡幸と伊藤博文の思惑      3 韓国併合条約の締結 終 章 韓国併合をめぐる論争―歴史学と国際法
  • 還魂の花燈 長安異神伝
    3.0
    飾り提灯に唐の都が華やぐ元宵節の夜。花燈見物の最中に美女・翠心とその侍女が何者かにさらわれた。人の姿をとった神・二郎真君は恋人の行方を探すが――。

    試し読み

    フォロー
  • 漢詩百首 日本語を豊かに
    3.7
    返り点と送り仮名の発明によって、日本人は、ほんらい外国の詩である漢詩を自らのものとした。その結果、それを鑑賞するにとどまらず、作詩にも通暁する人物が輩出した。本書は、中国人六〇人、日本人四〇人の、古代から現代に及ぶ代表的な漢詩を精選し、詩人独自の読みを附すとともに、詩句の由来や作者の経歴、時代背景などを紹介。外国文化を自家薬篭中のものとした、世界でも稀有な実例を、愉しみとともに通読する。
  • 漢字再入門 楽しく学ぶために
    4.2
    漢字の宿題が苦痛だった人も多いでしょう。小中学校では約二千字の漢字一つひとつについて、筆順、とめ・はねなどの字形、音読みや訓読み、部首などを習います。しかし、漢字を学び、楽しむために本当に大事なものとはなんでしょう。漢字学の第一人者が、漢字の意外な成り立ちや読み方の歴史、部首のふしぎなど、学生時代に知っておけばよかった知識を伝授し、真に必要な知識を解説、さらに望ましい漢字教育を提言します。
  • 漢字の構造 古代中国の社会と文化
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 漢字の成り立ちと字形の変化の歴史には、古代中国の生活や風習、祭祀儀礼や社会制度などが反映されている。本書では、複数の字形を組み合わせて動作や様子を表した会意文字を主な対象として取り上げる。これまでに蓄積された出土文字資料を整理して、相互の継承関係を跡づける字形表を作成し、漢字の構造に封じ込められた社会と文化の記憶を解き明かすとともに、先行研究の問題点を検証する。新しい方法論に基づいた字源研究の成果。
  • 漢字の字形 甲骨文字から篆書、楷書へ
    3.5
    「馬」の字からはタテガミをなびかせ走るウマの姿が見えてくる。しかし「犬」からイヌを、「象」からゾウの姿を想像することは難しい。甲骨文字から篆書、隷書を経て楷書へ――字形の変化を丹念にたどると、祭祀や農耕など中国社会の変化の軌跡を読み取れる。漢字がもつ四千年の歴史は、捨象と洗練と普及の歴史なのだ。本書では小学校で習う教育漢字を取り上げた。眺めて楽しい字形表から漢字の歴史が見えてくる。
  • 患者力 弱気な患者は、命を縮める
    4.5
    重い病気にかかったり、手術を受けなければならなくなった時、あなたならどうする? すべて医師任せというのは絶対にいけない。患者は自分の意志をしっかりと医師に伝えなければならない。その際に必要な知識・テクニックを、わが国屈指の心臓外科医が、あくまで患者の立場に立って伝授する。

    試し読み

    フォロー
  • 感染症 増補版 広がり方と防ぎ方
    4.3
    グローバル化による人やモノの大移動によって、病原体が世界的に拡散するリスクは劇的に高まった。本書では、伝染病対策の歴史、病原体の種類や性質、伝播経路と遮断法など、感染症の脅威に正しく対処するための基礎知識を伝える。コレラから新型インフルエンザまで、多様な感染症をわかりやすく解説したロングセラーに、新型コロナウイルスの特徴や予防法を考察した新章「新型ウイルスが広がりにくい社会」を加えた増補版。
  • 感染症の中国史 公衆衛生と東アジア
    3.7
    一九世紀末、列強に領土を蚕食されるなか、中国では劣悪な栄養・衛生状態、海外との交流拡大によって、感染症が猛威を振るう。雲南の地方病であったペストは、香港や満洲に拡大し、世界中に広がることになる。中国は公衆衛生の確立を迫られ、モデルを帝国日本に求める。本書は、ペスト、コレラ、マラリアなどの感染症被害の実態、その対応に追われる「東亜病夫」と称された中国の苦悩とその克服に挑む姿を描く。
  • 「感染」の社会史 科学と呪術のヨーロッパ近代
    -
    「見えない恐怖」は止まらない――。コレラなどの疫病が「感染」するものと認識されてから、たかだか一五〇年ほどにすぎない。だが病気をもたらす不可視の微生物への恐怖と不安は、呪術的思考と絡み合いながら、人と人とのつながりや社会のあり方を一変させた。それは効果的な感染予防の福音を伝えた一方で、ジェノサイドを招く火種ともなった。本書は十九世紀末の「細菌学革命」にまつわる光と影、その後のヨーロッパ世界の激動を、臨場感溢れる多数の図版と共に追う。
  • “勧善懲悪”大いに結構 西部劇は男のロマン
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 逢坂剛さんと月村了衛さんが、愛してやまない「西部劇」について語り合った。逢坂剛さんの「西部劇ベスト10」には何が入っているのか? 月村さんの「マカロニ・ウェスタントップ10」は? そして、西部劇に復活の可能性はあるのか? ファン必読。
  • 完全版 南蛮阿房列車(上下合本)
    -
    ただ汽車に乗るためだけに、世界の隅々まで、鉄道旅を敢行。遠藤周作、北杜夫、開高健ら、珍友・畸人を道連れに、異国の鉄道を乗りまくる。著者ならではの、ユーモアと臨場感が満載の漫遊紀行の歴史的名作。全20篇を網羅した完全版。
  • 完全版 若き日と文学と
    -
    1巻1,320円 (税込)
    青春の日の出会いから敬愛する作家、自作まで。親友の二人が闊達に語り合う。ロングセラーに単行本未収録を含む五篇を増補、全対談を網羅した完全版。 Ⅰ 若き日と文学と  まえがき 北杜夫  若き日を回想しながら/トーマス・マンを語る/いささか人生論風に  あとがき 辻邦生 Ⅱ ぼくたちを作ってきたもの トーマス・マンについての対話/長篇小説の主題と技法/『星の王子さま』とぼくたち ぼくたちの原風景/文学が誘う欧州旅行 旧版解説 篠田一士 〈巻末エッセイ〉辻邦生と北杜夫 辻佐保子
  • 肝臓のはなし 基礎知識から病への対処まで
    4.3
    現代の日本人は、四~五人に一人の割合で、肝機能に異常があるとされる。「沈黙の臓器」である肝臓の異変に気づかぬまま、慢性の病で死に至る場合も多い。本書では、健康診断以外で意識しづらい肝臓について、基礎知識をイチから解説。飲酒やダイエットとの関係、健診項目の見方、主な肝臓病と最新の治療などを、医学史の流れをふまえつつ紹介する。健康な毎日のために知っておきたい、人体最大の臓器をめぐる医学講義。
  • 漢帝国―400年の興亡
    3.7
    漢字、漢民族という表現が示すように、漢は中国を象徴する「古典」である。秦を滅亡させ、項羽を破った劉邦が紀元前202年に中国を統一(前漢)。武帝の時代に最盛期を迎える。王莽による簒奪を経て、紀元後25年に光武帝が再統一(後漢)。220年に魏に滅ぼされるまで計400年余り続いた。中国史上最長の統一帝国にして、中国を規定し続けた「儒教国家」はいかに形成されたのか。その興亡の歴史をたどる。
  • 関東軍―満洲支配への独走と崩壊
    3.8
    関東軍は、一九一九年に中国・関東州と南満洲鉄道附属地の保護を目的に成立した。しかし、一九二八年の張作霖爆殺事件や三一年の満洲事変など、日本政府・陸軍中央の統制から外れて行動し、多くの謀略に関与した。「独走」の代名詞として悪名高い組織は、どのようにして生まれたのか。軍事・外交史研究の蓄積に、中国側の史料も踏まえ、組織制度、軍人たちの個人的特性、満洲の現地勢力との関係から解き明かす。
  • 関東大震災がつくった東京 首都直下地震へどう備えるか
    4.0
    一九二三年、東京は関東大震災により未曾有の被害を被った。しかし元禄・安政地震の記録をひもとくと、関東大震災の被害が地震規模に対して著しく大きかったことがわかる。被害を拡大させた要因は何か。江戸という町の発展と震災後の帝都復興をたどれば、見えてくるのは都市計画の果たす役割の大きさだ。科学技術が進んだことが、新たな問題を生んではいないか。現在の東京が抱えるさまざまな問題を指摘し、都市の在り方を考える。
  • 艱難辛苦 五輪への道
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 (目次より) ●東京オリパラ組織委事務総長に迫る 開催できるか? 苦難の末にある「最後の詰め」 武藤敏郎 聞き手:岸 宣仁 ●岩田健太郎、ウスビ・サコ、畑野君枝、原武史ら14人 五輪推進派と反対派、いま言いたいこと 小林哲夫 ●組織委理事インタビュー ジェンダー平等は取り組むべきテーマ 來田享子
  • 観応の擾乱 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い
    4.2
    観応の擾乱は、征夷大将軍・足利尊氏と、幕政を主導していた弟の直義との対立から起きた全国規模の内乱である。室町幕府中枢が分裂したため、諸将の立場も真っ二つに分かれた。さらに権力奪取を目論む南朝も蠢き、情勢は二転三転する。本書は、戦乱前夜の動きも踏まえて一三五〇年から五二年にかけての内乱を読み解く。一族、執事をも巻き込んだ争いは、日本の中世に何をもたらしたのか。その全貌を描き出す。
  • 看板学部と看板倒れ学部 大学教育は玉石混交
    3.8
    中央の法、慶應の経済など伝統系や資格系は安泰か?早稲田の国際教養など新設ブランドの実力は?国際、福祉、看護など“流行学部”の真贋。当局の“マーケティング戦略”の実態。珍名学部が増えた理由。東海の航空宇宙学科など隠れたオンリーワン…看板から大学の未来が見える。
  • 環八イレギュラーズ
    3.8
    「弟さんは、今、私の中に、いると思う」コミュニケーション障害とオタクを自覚している高校2年生の喚子。ある日、彼女の身体に「何か」が侵入してきた。その「何か」は「脱獄囚」を追って他の宇宙から来た「刑事」だと名乗り、30分以内に同級生の弟に触れないと喚子の人格が消えると通告。なんとか触れたまでは良かったが、「何か」は同級生の弟へ、弟の人格は喚子の中へ転移してしまう。元の身体を取り戻すため、喚子ら二年B組イレギュラーズは刑事の捕り物を手伝うことになるが……!? 規格外の大型新人デビュー! コミュ障女子+自閉症男子が地球を救う!

    試し読み

    フォロー
  • 韓非子 不信と打算の現実主義
    3.8
    紀元前三世紀、韓の王族に生まれ、荀子に学んだ韓非は、国を憂えて韓王を諫めるも容れられず、憤慨して著述に向かう。その冷徹な思想は秦の始皇帝をも魅了し、「この人物に会えたら死んでもよい」と言わしめた。人間の本性は善か悪か。真の為政者はいかにあるべきか。『韓非子』五十五篇を読み解くのみならず、マキアベリ、ホッブズらの西洋思想と比較して、いまなお輝きを放ち続ける「究極の現実主義」の本質に迫る。
  • カンブリア 邪眼の章 警視庁「背理犯罪」捜査係
    3.9
    1~3巻902~1,034円 (税込)
    《能力》って、そんなに役に立つものじゃないんですよ。 物を持ち上げたければ手を使えばいい。 誰かと意思疎通したければ、その相手と話せばいい。 でも、あることに限り絶大な効果があるんです。 それは――犯罪です。 三鷹の賃貸住宅で若い女性が死亡した。当初は急性心臓死と思われたが、尾島警部補と相棒の閑谷巡査は過去にも同じ部屋で女性の突然死があったことを突き止める。だが怪しいと睨んだ大家・水田をいくら調べても、証拠は出てこない。感じたことのない奇妙な感覚を抱く中、尾島はこの事件の鍵を握る青年と出会い……。 虚ろな瞳が見つめる先には、若い女性の標的が。 常軌を逸した犯罪者を、黒ずくめのクールな刑事が追う!
  • 完璧な病室
    4.0
    弟はあの病室のあのベッドの上で、完璧に優しかった―― 病に冒された弟と姉との時間を描く表題作、海燕新人文学賞受賞のデビュー作「揚羽蝶が壊れる時」、 第二作品集収録の「冷めない紅茶」「ダイヴィング・プール」。 揺らぐことのない美をたたえ、みずみずしい輝きを放つ秀作群。 作家小川洋子の出現を告げる最初期の四篇に、著者あとがきを新たに加え、カバーデザインをリニューアルした新装版。
  • 完本 私の昭和史 二・二六事件異聞
    -
    二・二六事件を頂点とする「昭和維新運動」の推進力であった「青年将校グループ」とは、どのような人たちだったのか。彼らはなぜ二・二六事件を起こさねばならなかったのか――。グループの中心人物であった著者が、自身の体験したことを客観的に綴る本書は、貴重な昭和史第一級史料であるとともに、三島由紀夫に「見事な洗煉された文章」として激賞されたことでも知られる。長年読み継がれてきた名著に、拾遺八篇と同時代書評を増補した決定版。〈解説〉筒井清忠 「私の人生の本」といえば、この本をあげなければなるまい――三島由紀夫 昭和維新運動の全体像を構築するためにも、私に非常に多くのことを教えてくれる――橋川文三 【目 次】 まえがき   Ⅰ 残  生/大岸頼好との出合い   Ⅱ 天剣党以来/十月事件の体験/出征から凱旋まで/十一月二十日事件(その一)/十一月二十日事件(その二)/十一月二十日事件(その三)/相沢事件の前後(その一)/相沢事件の前後(その二)/相沢事件の前後(その三)/相沢事件の前後(その四)/蹶起の前後(その一)/蹶起の前後(その二)/青雲の涯   Ⅲ 大岸頼好の死  拾 遺 赤化将校事件/青森連隊の呼応計画/刑場の写真/夏草の蒸すころ/続・夏草の蒸すころ/素描・竹橋事件/有馬頼義の『二・二六暗殺の目撃者』について/映画「脱出」について  付録……同時代書評(*は電子には未収録) 利用とあこがれ……三島由紀夫(*) 人生の本―末松太平著「私の昭和史」……三島由紀夫(*) 末松太平著『私の昭和史』について……橋川文三 〈解説〉筒井清忠 索 引
  • 完訳 フロイス日本史 大友宗麟篇(合本)
    -
    信長秀吉から庶民まで西欧人が戦国期の日本を描き、現代語訳された初めての日本史(全12巻)。毎日出版文化賞、菊池寛賞受賞。大友宗麟篇Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ(6~8巻)を収録する。 大友宗麟篇Ⅰ(第6巻) 弥次郎との邂逅に始まるザビエル来朝の経緯や、布教の拠点が山口から宗麟の豊後に移る様子を取り上げる。草創期のキリシタンと宗麟の周辺を描く。 大友宗麟篇Ⅱ(第7巻) フランシスコの教名で改宗した大友宗麟は、キリシタンの理想郷建設を夢みて日向に進出。しかし、耳川の合戦で島津軍に敗れ、宗麟は豊後にもどる。 大友宗麟篇Ⅲ(第8巻) 島津軍に敗れた大友宗麟は、関白秀吉に援軍を請い、キリシタン宗門も豊後を追われる。国主宗麟の死後、嫡子吉統は棄教し、キリシタンを迫害する。
  • 完訳 フロイス日本史 大村純忠・有馬晴信篇(合本)
    -
    信長秀吉から庶民まで西欧人が戦国期の日本を描き、現代語訳された初めての日本史。全12巻。毎日出版文化賞、菊池寛賞受賞。 大村純忠・有馬晴信篇Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ(9~12巻)を収録する。 大村純忠・有馬晴信篇Ⅰ(第9巻) フロイスが横瀬浦で日本での布教の第一歩を踏み出してから後、十年余りの五島列島・島原・天草における布教、及び長崎の開港、有馬義貞の改宗を描く。 大村純忠・有馬晴信篇Ⅱ(第10巻) 西国諸侯の改宗相次ぐ中、佐賀の竜造寺隆信の軍勢が島原に侵攻。島津の援兵を得た有馬軍は宗門の命運を賭した死闘のすえにこれを潰滅させる。 大村純忠・有馬晴信篇Ⅲ(第11巻) 黒田官兵衛の改宗、関白秀吉の九州征伐やバテレン追放令、大村純忠・大友宗麟・コエリュ師の死去など、重大事件があいつぎ、西九州は動揺する。 大村純忠・有馬晴信篇Ⅳ(第12巻) 弾圧と迫害の中、着実にしかも強固に信仰の広がりを見せる天草・島原のキリシタンや、日本人初のイエズス会員ロレンソを描く。 キリシタン年表付。
  • 完訳 フロイス日本史 織田信長篇(合本)
    -
    信長秀吉から庶民まで西欧人が戦国期の日本を描き、現代語訳された初めての日本史(全12巻)。毎日出版文化賞、菊池寛賞受賞。織田信長篇Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ(1~3巻)を収録する。 織田信長篇Ⅰ(第1巻) 信長前史と堺の殷賑を描く。 織田信長篇Ⅱ(第2巻) フロイスの観察と描写は委曲をつくし、わけても信任厚かった信長の人間像は躍如としている。仏僧との激越な論争や、南蛮寺建立の顛末も興味深い。 織田信長篇Ⅲ(第3巻) 信長の安土築城とセミナリオの建設、荒木一族の処刑と本能寺での信長の劇的な死、細川ガラシア・名医曲直瀬道三の改宗等、戦国史での重要事件を描く。
  • 完訳 フロイス日本史(全12巻合本)
    -
    信長秀吉から庶民まで西欧人が戦国期の日本を描き、現代語訳された初めての日本史。全12巻合本版。毎日出版文化賞、菊池寛賞受賞。 【全巻構成】 1 将軍義輝の最期および自由都市堺(織田信長篇Ⅰ) 2 信長とフロイス(織田信長篇Ⅱ) 3 安土城と本能寺の変(織田信長篇Ⅲ) 4 秀吉の天下統一と高山右近の追放(豊臣秀吉篇Ⅰ) 5 「暴君」秀吉の野望 (豊臣秀吉篇Ⅱ) 6 ザビエルの来日と初期の布教活動(大友宗麟篇Ⅰ) 7 宗麟の改宗と島津侵攻(大友宗麟篇Ⅱ) 8 宗麟の死と嫡子吉統の背教(大友宗麟篇Ⅲ) 9 島原・五島・天草・長崎布教の苦難   (大村純忠・有馬晴信篇Ⅰ) 10 大村・竜造寺の戦いと有馬晴信の改宗   (大村純忠・有馬晴信篇Ⅱ) 11 黒田官兵衛の改宗と少年使節の帰国   (大村純忠・有馬晴信篇Ⅲ) 12 キリシタン弾圧と信仰の決意   (大村純忠・有馬晴信篇Ⅳ )
  • 完訳 フロイス日本史 豊臣秀吉篇(合本)
    -
    16世紀後半に来日し30年余り滞在したイエズス会の宣教師フロイスによる「日本史」の完訳版。毎日出版文化賞、菊池寛賞受賞作。全12巻のうち豊臣秀吉篇Ⅰ・Ⅱ(4・5巻)を収録する。 豊臣秀吉篇Ⅰ(4巻) 大坂築城がなりバテレン一行を接見する秀吉と城内の様相を臨場感豊かに描く。諸国征伐を終えた秀吉は、高山右近を追放し、キリシタン禁教令を布く。 豊臣秀吉篇Ⅱ(5巻) 後陽成天皇の聚楽行幸、遣欧使節の謁見、小田原北条氏征伐など、全盛期の秀吉を描く。天下人となった「暴君」秀吉の野望はついに朝鮮侵寇に至る。
  • 完訳 ロビンソン・クルーソー
    4.4
    無人島に漂着したロビンソンは、持ち前の才覚と粘り強さを武器に島の生活を切り開いていく。原文の息遣いを伝える新訳とともに、文化史研究の第一人者が不朽の名作を世界史的経済から読み解く、大人のための翻訳・解説決定版。訳者解説「大西洋世界のロビンソン・クルーソー」

    試し読み

    フォロー
  • 官僚制批判の論理と心理 デモクラシーの友と敵
    3.8
    多くの人が福祉社会を志向しているにもかかわらず、それを支えるはずの行政への不信が蔓延している。本書では、目まぐるしく変わる政治状況を横目に見ながら、官僚制批判のさまざまな連関が辿られていく。トクヴィル、カフカ、ハーバーマス、シュミット、アーレントら幅広い論者が呼び出され、ウェーバーの官僚制論が現在との関連で検討される。官僚制と戦う強いリーダーが待望される現実と対峙する鋭利な政治思想史。
  • 官僚の没落
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 == 特集 == 官僚の没落 ◆国家公務員制度担当大臣インタビュー お役所を良くするのも政治の仕事 人材・やりがい・多様性▼河野太郎 ◆データで見るエリート学生の進路事情▼本誌編集部 ◆安倍元首相退陣後も漂い続ける「首相の意向」 官邸官僚が生み出した「無責任体制」▼牧原 出 ◆敗戦で経済官僚たちは変わったのか 今もさまよう統制の亡霊▼中村宗悦 ◆〔対談〕江戸の役人、令和の官吏 「現代の大岡越前」は現れるのか▼大石 学×北村 亘 ◆米英独仏との比較から浮かび上がるもの 家臣型・無定量・人事一任の日本型は持続可能か▼嶋田博子 ◆〔対談〕元キャリア官僚から見る破綻と回復への道筋 霞が関再生は国会改革から始まる▼小川淳也×千正康裕 ======
  • 還暦シェアハウス
    3.0
    1巻594円 (税込)
    妻から別居を宣言され、一人娘は海外留学中。59歳のフリーライター松木は、55歳以上が対象の共同生活住宅(シェアハウス)“R55”に住むことに。しかし車椅子の女性オーナーは訳ありで、他の入居者たちも昭和臭ムンムンのくせ者たちだった。深夜ラジオ、ツチノコ、ジュークボックス、バブル――人生の半分以上を「昭和」で生きてきた男の第二の青春は!? 昭和も平成もオレたちは生きてゆく! 愛しき〈アラ還〉たちの中高年青春小説。
  • カーストとは何か インド「不可触民」の実像
    4.5
    インドに根付く社会的な身分制=カースト。数千年の歴史のなかで形成され、結婚・食事・職業など生まれから規制し、今なお影響を与え続ける。カースト問題には、「不浄」とされ蔑視が続く最底辺の不可触民=ダリトへの差別がある。政府は2億人に及ぶダリトを支援する施策を打つが、その慣習は消えず、移民した世界各国でも問題化している。本書はインドに重くのしかかるカーストについて、歴史から現状まで、具体的な事例を通し描く。
  • カーネギー自伝 新版
    3.5
    貧しいスコットランド移民の子から全米の鉄鋼王となり、後半生は公共事業や世界平和の実現に尽くしたカーネギー。その圧倒的な楽観主義に裏付けられた成功哲学と社会福祉への思いが綴られた感動の自伝。カーネギーを敬した渋沢栄一が本邦初訳版に寄せた序文ほかを新たに収録。〈解説〉亀井俊介/鹿島 茂
  • カール・シュミット ナチスと例外状況の政治学
    3.9
    M・ウェーバー以後、最大の政治思想家か、それとも批判すべきナチのイデオローグか――。毀誉褒貶相半ばするドイツの政治学者カール・シュミット(一八八八~一九八五)。ワイマール期の『政治神学』から転換点となったホッブズ論、第二次大戦後の『大地のノモス』まで、主要著作を読み解きつつ、七〇年に及ぶ思索の変遷を辿る。ワイマール思想史研究の第一人者が〝尊敬すべき敵〟の思想と理論を精緻に解読した入門書。
  • 原子力空母を阻止せよ
    -
    太平洋で演習中の米原子力空母にソ連原潜が激突、炉に致命的損傷を受けた空母は横須賀に強行入港をはかる。米空母撃沈の密命を帯びた海自最新鋭潜水艦と、米ソ原潜の息づまる戦いは。

    試し読み

    フォロー
  • 外交回想録
    4.6
    ドイツを皮切りに、アメリカ、中国、ソ連、イギリスで公使・大使等として活躍。第二次世界大戦への日本の参戦を阻止するべく心血を注ぐが果たせず、チャーチルとの会談を最後に一九四一年七月帰国。日米開戦直前まで約三〇年の貴重な日本外交の記録。

    試し読み

    フォロー
  • 外交官の一生
    2.5
    満州事変時の吉林総領事、上海事変直後の上海総領事、そして日中戦争勃発時の東亜局長と、悪化の一途を辿った日中関係の最前線にあって、軍部独走に抗しつつ和平の道を模索しつつも、最後は敗走のビルマ大使として終戦を迎えた外交官が、日記をもとに綴った第一級の記録。 〈解説〉加藤陽子
  • 外交五十年
    4.0
    大正末期から昭和初期にかけて二度にわたり外務大臣を務め、「幣原外交」とよばれる国際協調政策を推進した外交官は、敗戦後に総理大臣に就任する。「未来永劫」戦争をしないとの「信念」から新憲法に軍備放棄を盛り込んだという著者が綴る貴重な外交秘史。 〈解説〉筒井清忠
  • 外国語を学ぶための 言語学の考え方
    4.1
    誰もが近道や楽な方法を探そうとするが、結局は地道な努力しかないと思い知らされる外国語学習。だが、それでもコツは存在する。本書は、そのヒントとなる言語学の基礎知識を紹介。「語学には才能が必要」「現地に留学しなければ上達しない」「検定試験の点数が大事」「日本人は巻き舌が下手」といった間違った「語学の常識」に振りまわされず、楽しく勉強を続けるには。外国語学習法としての言語学入門。
  • 外国人学校 インターナショナル・スクールから民族学校まで
    3.8
    日本には現在、二百校以上の外国人学校がある。多国籍の子どもを対象とするインターナショナル・スクール、駐在者の子弟が多いフランス人学校やドイツ人学校、アジア系の朝鮮学校や中華学校、最近増えているブラジル人学校…。由来もカリキュラムも様々だが、どの学校も、身近な異文化の象徴として国際交流の舞台となっている。あまり知られることのない外国人学校の歴史やシステム、授業風景を紹介し、その意義を考える。
  • 外国人が見た日本 「誤解」と「再発見」の観光150年史
    4.2
    外国人は何を見たいのか。日本人は何を見せたいのか。明治初期、欧米の案内書では、「古き良き」文明の象徴として箱根の夜道が激賞される一方、日本側のガイドには、近代的な工場や官庁が掲載される。外国人による見どころランキングの変遷や、日本人による観光客誘致をめぐる賛否両様の議論を紹介し、日本の魅力はいったいどこにあるのか、誰がどう発見し、アピールするのかを追う。めまぐるしく変転する観光の近現代史。
  • 外邦図――帝国日本のアジア地図
    3.0
    明治初期から第二次世界大戦終結まで、日本がアジア・太平洋地域について作製した「外邦図」。陸軍が中心となり、戦争と植民地統治の「道具」として、朝鮮、中国、東南アジアと、進出に先駆けて作られた。その手段は、複製、秘密測量、空中撮影であり、現地での衝突も少なくなかった。本書は、初期の陸軍将校たちの偵察測量、日露戦争戦場での争奪、越境空撮など、従来知られていなかった作製の内実と利用の歴史を明らかにする。
  • 外務省革新派 世界新秩序の幻影
    3.7
    一九三八年七月、時の外相宇垣一成の私邸を八人の青年外交官が訪れ、所信を披瀝するとともに、彼らがリーダーと仰ぐ白鳥敏夫の外務次官起用を強く訴えた-ときに軍部以上の強硬論を吐き、軍部と密着して外交刷新を実現しようと行動した外務省革新派。彼らが主張した「皇道外交」は、満洲事変後の「世界史的大変動」の中で大衆に受け入れられ、世論を先導していく。戦争へ向かう時代を新たな角度で切り取る意欲作。
  • ガウディ伝 「時代の意志」を読む
    3.0
    アントニ・ガウディが活躍した十九世紀のバルセロナとはどんな都市だったのか。奴隷貿易が生んだ「黒い金」を元手にガウディのパトロンとなった新興富裕層、チャンスをもたらした建築ラッシュ、経済力が生んだナショナリズムと独自文化の再評価…これらのどれ一つが欠けてもガウディの建築群は誕生しなかった。知られざる作品も紹介しながら、その異能がどのように誕生し、発揮されていったかを、同時代史の中に位置づける。
  • 学習障害(LD) 理解とサポートのために
    3.8
    計算は速いのに文章題になると意味をつかめない。英会話は得意なのに簡単なつづりの間違いを繰り返す……。知的には遅れがないのに、特定の学習に困難を示す子どもたちがいる。学習障害(LD)といわれる範疇にあるか、それに近い子どもたちである。通常の学級で学習している彼らへの効果的な支援のためには、本人だけでなく親や教師ら周囲も対象とするサポート体制を築くことが必要だ。新しい教育への取り組みを模索する。
  • 学歴・階級・軍隊 高学歴兵士たちの憂鬱な日常
    3.7
    戦前の日本で、旧制高校から帝国大学へと進む学生たちは、将来を約束されたひと握りのエリートであった。彼らはある時期まで、軍隊経験をもつ時でさえ、低学歴者にはない優位を与えられた。それが、第二次大戦もたけなわとなる頃から、彼らも過酷な軍隊生活を送らざるを得ない情況となる。本書は、最も「貧乏クジ」を引いた学徒兵世代の恨みと諦めの声を蒐集し、世代と階級を巡る問題を照射するものである。
  • 崖っぷち芸人、会社を救う
    4.0
    雇用条件 給料は準社員待遇(月給二十万円 社会保険完備) 勤務内容:売場での通常勤務、催事スペースでのライブ出演 休暇:週休二日制 オーディション休暇あり スーパー・エブリの社員・樫村栄治に社長から与えられた指令。それはバイトのお笑い芸人たちで「実業団」を結成し、ブレイクさせること!? 初めはやる気ゼロだった栄治もお客さんの笑顔を見て次第に気持ちが変わっていく。そんな最中、エブリ上層部に会社乗っ取りの動きが。経営存続の如何は芸人たちの手に託された! 夢と現実の間で悩むすべての人に捧ぐ感動作。 『夢は捨てたと言わないで』を改題 笑いには、敵を味方にする力がある。 笑いには、人をひとり救う力がある。 そう。おもろいは、正義だ!
  • 崖っぷち弱小大学物語
    4.3
    「定員割れ」を恐れ学生確保に躍起となる経営陣、専門学校に「進学」する学生、引きこもり学生の家庭訪問をする教師…。全体の3分の2以上を占める「E・Fランク校」に焦点を当て、教員・理事会・事務方・学長の実像を浮き彫りにする。日本をこれから動かしていくのはAランクやBランクの大学を出たリーダーだけではない。半ば無視されてきた「普通」のマジョリティこそが、否応なく次代を担っていくのだ。これは現役教員が贈る愛のメッセージである。
  • 崖っぷちの科学立国 米中に後れる日本
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「はやぶさ2」「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」など、日本の科学界の偉業があいついでいる。だが近年、さまざまな分野において、日本の科学論文の存在感は、米中の後塵を拝している。「科学立国」であり続けるための条件は何か? (『中央公論』2019年10月号特集の電子化) (目次より) ●巻頭提言 国は未知の新しい分野へ資金を投入せよ 本庶 佑 ●対談 祝・「はやぶさ2」着陸成功! 日本人が宇宙で活躍し続けるには 川口淳一郎×向井千秋 ●価値提案型の次世代モデルで世界を主導せよ 科学技術政策に不可欠なイノベーションの視点 上山隆大 ●ルポ 科学五輪メダリストたちは今? 元理系天才少年少女が明かす才能を「潰さない」教育 小林哲夫 ●スピントロニクス、地震観測、新機能植物開発学、バイオマテリアル 日本が世界をリードする四つの科学研究 大西光代 ●対談 「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」から見えたもの ニッポン発の人類学、そして科学を創り出そう 海部陽介×川端裕人
  • 学校改革請負人 横浜市立南高附属中が「公立の星」になった理由
    4.0
    受験人気がヒートアップ。名門私立を蹴って入学する生徒も続々。新設の公立中高一貫校が、全国にその名を轟かせるのはなぜか? 最初は教科書を使わない独自の授業で、中3段階の英検準二級取得率は8割超! 今後、大学合格者数ランキングの「台風の目」になるのは間違いない。数々の学校を立て直し、辣腕を誇る初代校長が、秘訣を明かす。
  • 合衆国再興 上 コロラド・スプリングス
    -
    治安回復のためマンハッタンに上陸したドイツ機甲師団を襲ったのは、さらに強力化した死のウイルスだった。NATO軍は後退、合衆国政府は打つ手を持たず、東海岸の困窮と荒廃は進む。一方、西海岸には日本はじめ太平洋諸国からの援助物資が集積。西アメリカ同盟が発足し、加盟各州への輸送が始まっていた。しかし民兵を率いWAA軍司令官となったアッカーマン将軍は、中部域への補給の安全確保にコロラド州のNORAD攻略が不可欠と主張。幹部の反対を強硬に押し切り、核システムが眠るシャイアンマウンテン山中に戦車部隊を進めた。NORADには合衆国国防長官が籠もり徹底抗戦の構え。オブザーバーとしてWAA軍に同行を強いられた自衛隊員の目の前で、とうとう内戦の火蓋は切って落とされた。

    試し読み

    フォロー
  • 合衆国消滅(上)
    4.0
    殺人ウイルスが米国各地に蔓延して半年。ライフラインの断絶と医薬・食料品の不足から人口は激減した。無力化した政府・警察・軍が有効な手を打てない今、生きのびんとする者たちは地域ごとに隔壁をつくって立て籠もった。その用心棒として雇われた民兵集団が西海岸の各地で台頭、食糧を奪い合って戦闘を繰り返す。日本は、緊急援助のため西海岸に平和部隊を派遣。だが部隊は早速ミリシアたちの標的に──世界帝国の崩壊を示唆するシミュレーション。

    試し読み

    フォロー
  • 合衆国封鎖 上
    4.5
    致死率90%以上、死に至る新種のウイルスが米国で発見された。驚くべきことに、それは空気感染する恐怖の疫病だった。拡散を防ぐため、米国を飛び立った日本の旅客機に撃墜命が!!

    試し読み

    フォロー
  • 合本版 絶海にあらず(上・下)
    -
    海を、わが庭のように駈ける。人智の及ぶかぎり、海とともに 海の民を率い、ついに朝廷の水軍との対決が! 夢を追い、心のままに生きた男の生涯を描く歴史巨篇。
  • 合本版 魂の沃野(上・下)
    -
    戦国の世に百年にわたり独立国家を形成した日本史上の事件・加賀一向一揆を小説に取り込む――北方謙三が数十年来抱えていた構想がついに結実し、血潮たぎる物語が誕生! 著者自ら「わが心の記念碑」と語る歴史巨篇。 本願寺蓮如との邂逅から、守護・富樫政親との交流、風谷党の旗揚げまで……かの地に燃え広がった真宗の炎と、複雑に交錯する武士・門徒の思惑の中で、戦い、信じ、己の道を見出していく、ある地侍の熱き青春を描き切る!
  • ガリバルディ イタリア建国の英雄
    3.7
    イタリアの英雄、ガリバルディ(1807~82)。亡命先ウルグアイの独立運動で戦功をあげ、名声はヨーロッパにまで轟いた。帰国後、千人隊を組織し、シチリア・南イタリアを解放した、イタリア統一の立役者である。その活躍は神話化され、明治日本でも西郷隆盛になぞらえられ、中国・韓国では、独立運動の理想像とされるなど、世界中を熱狂させた。イタリア建国に生涯をかけた男の実像に迫る。
  • がん遺伝子の発見 がん解明の同時代史
    3.8
    80年代になってがん研究は様変わりした。原因別のメカニズムがあると考えられていたがんは、今やがん遺伝子という共通のメカニズムで説明できるようになった。生命にとって大事な遺伝子が次々に変異を重ね、行き着いた一つの悲しい結末、それががんなのだ。がん遺伝子と抑制遺伝子の発見をめぐって熾烈な競争を繰り広げる研究者たちのドラマと、徐々に明らかになるがんの本態を、自らのがん体験をふまえてヴィヴィッドに描く。
  • 「がん死亡」 衝撃の地域格差
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「がん死亡」全国344の2次医療圏別 全リスト+部位別ワースト30を初公開。 危ないのは、大阪市と東京下町。なぜ、死亡率が高いのか。専門家たちがその真相に迫る。
  • GAFA規制の死角 日本は「下請け」のままなのか
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 GAFAを規制すれば、ただちに日本企業が「下請け」から脱し、国産プラットフォーマーが世界を席巻する――そんなバラ色の未来が約束されているはずはない。米欧中に伍して「データの世紀」を生き抜く条件を探る。(『中央公論』2019年8月号特集の電子化です) (目次より) ●対談 めざすは米国、EU、それとも中国? 「プラットフォーマー帝国」に人文知で対抗せよ 津田大介×山本龍彦 《競争か、独占か?深層インタビュー》 ●データ経済時代に、日本企業は生き残れるか? 岸 宣仁 ▼規制を乗り越えるイノベーションこそがアマゾン流だ 篠原 健 ▼ソフト開発で世界と闘った私が見た、日本の弱点と可能性 及川卓也 ▼「取引透明化法」策定と「競争本部」新設で、世界をリードする 伊藤達也 ●アメリカの締め出しに対抗するファーウェイの意地 李智慧
  • 記憶に残る作家 二十五人の素顔
    -
    文芸記者、ワイドショーのコメンテーター、そして『婦人公論』編集長を務めた著者が、担当編集者として、あるいは取材対象者として、近しく接した作家たちの意外な素顔を綴る。渡辺淳一、野坂昭如、開高健ら時代の寵児二十五人の知られざる私生活。

    試し読み

    フォロー
  • 記憶の繭 おもひでや
    3.5
    穏やかな微笑みと手袋を常に手放さない店主テン、いつも明るいムードメーカーのクレオ、そして寡黙な「思い出」作家サナギ――個性的な三人が営む店【おもひでや】。様々な事情から助けを求める人びとに、「思い出」を商う。ほら、あなたの側にもきっと――世界の片隅に存在する小さなお店を舞台に繰り広げられるファンタジック・ストーリー。

    試し読み

    フォロー
  • 奇貨居くべし(合本)
    5.0
    幼い頃から孤独感にさいなまれてきた少年、呂不韋。商人である父の言いつけで従者とともに旅に出たことから彼の運命は大きく変転する。藺相如との出会い、和氏の璧事件……。合従連衡がほどけては結び直される激動の時代、孟嘗君、孟子ら英傑の薫陶を受け呂不韋は理想の王朝を目指し、商人から政治の世界に身を投じるが……。一商人から大国・秦の宰相にまでのぼりつめた呂不韋の生涯を描く歴史大作。
  • 新装版 奇貨居くべし(一) 春風篇
    4.3
    秦の始皇帝の父ともいわれる呂不韋。一商人から宰相にまでのぼりつめたその波瀾の生涯を描く。十五歳の少年・不韋は、妾腹の子であるため、家にあっても孤独で、確たる未来を描けないまま日々を送っていた。ある日、父の命により従者・鮮乙とともに旅に出ることになったが……。【全五巻】
  • 企画の技法
    -
    今日の社会は、家事から宇宙計画にいたるまで、「企画」が要求されている。産業界でも、学会でも、いまほどあたらしい「企画」が切実にもとめられている時代はない。「企画」とはとりもなおさず、知的冒険ということであり、その冒険から未来が拓けてゆく。その能力を「企画力」とよぶのである。では企画の構造とはどういうものなのか。イメージ、勘とひらめきから主題の設定、企画の現場での与件の検討、調査、実験計画、企画をたてる段どりなど、個人レベルから集団レベルまで、その全容を解明する。

    試し読み

    フォロー
  • 気がつけば、終着駅
    4.0
    離婚を推奨した1960年代、簡単に離婚し別れる2020年。世の中が変われば、考えも変わる。初エッセイから55年。これでおしまい。96歳を迎えた佐藤愛子さん。『婦人公論』への登場も半世紀あまりにおよぶ。初登場の「クサンチッペ党宣言」「再婚自由化時代」から、最新の橋田壽賀子さんとの対談まで、エッセイ、インタビューを織り交ぜて、この世の変化を総ざらい。39歳から今日に至る波瀾万丈の人生を振り返る、選りすぐりの一冊。
  • 危機感なき茹でガエル日本 過去の延長線上に未来はない
    -
    いま世界中を覆っている三つの大変革、グローバル化、デジタル化(AI化)、ソーシャル化。日本はこの大変革のうねりに翻弄され、他国に差をつけられつつある。改革を先導し行動する経営者の集団として経済同友会は、「Japan2.0 最適化社会の設計―モノからコト、そしてココロへ―」という提言を行った。日本が「茹でガエル」状態を脱し、再び輝きを取り戻すためには何が必要か――。本書は、提言のエッセンスを凝縮した、経営者たちによる自己変革の誓いである。 目次 第一章 過去の延長線上に未来はない 第二章 「心」「技」「体」の揃った国家を目指して 第三章 豊かな経済を実現するために=X軸 第四章 イノベーションこそが未来を拓く=Y軸 第五章 社会の持続性を維持し、高めていくために=Z軸 対談 小林喜光×櫻田謙悟「提言だけでは終わらない 我々経営者は率先して行動する」
  • 企業不祥事はなぜ起きるのか ソーシャル・キャピタルから読み解く組織風土
    3.0
    東芝の不正会計や三菱自工のリコール隠しなど、企業の存続をゆるがす不祥事が続発している。なぜこのような問題が起きるのか。東証一部上場の百社以上を分析し、「不祥事を起こしやすい会社」をモデル化した著者は、トップの暴走とそれを止められない社内風土=企業内のソーシャル・キャピタルに原因があるとする。「強いリーダーシップ」や「各部門のサイロ化」が危ないなど、意外な知見も。あなたの会社は大丈夫か?
  • 企業ドメインの戦略論 構想の大きな会社とは
    3.7
    これまで一貫して高成長を持続してきた日本企業をとりまく経営環境は、いま大きく変わりつつある。まず、どのような領域を自社の存在領域として構想するか、という戦略決定が改めて問われており、成長の方向性について主体的展望をもち、意識的に全社的な事業構成の定義と組み替えとを行なうことが不可欠となってきた。本書は「ドメイン」というキー・コンセプトによって、それが如何になされるかを、具体例を通して考察する。
  • 鬼才伝説 私の将棋風雲録
    4.5
    いまやお茶の間で見ない日はいない「ひふみん」こと加藤一二三。プロ棋士として数々の伝説を作った鬼才であり、同時に「祈り」のもとに一手をさす敬虔なクリスチャンでもある。小学校入学前から将棋を始め、小学4年の時に新聞で将棋の観戦記を読んだことをきっかけに大人と対戦するようになった。小学6年で棋士養成機関である奨励会に入り、日本将棋連盟関西本部(大阪)に通い始める。すぐに頭角を現し、指導の場に居合わせた升田幸三棋士から「この子、凡ならず」と評された。また大山康晴棋士からは「大神武以来の天才」と言われた。数々の勝負の中で、82年の名人戦で中原誠名人との対局は、歴史に残る名勝負となった。3勝3敗、持将棋1回、千日手2回の激闘の末、10局目で、念願の名人のタイトルを獲得した。その後、羽生善治棋士、谷川浩司棋士など若き新鋭との激戦を繰り広げた。還暦となってもA級に在籍したが16年12月藤井聡太四段のデビュー戦となった竜王戦ランキング戦での対局は、年齢差62歳6カ月の対局として話題となり、対局は藤井四段が勝利。現役引退が決まった。将棋では、銀将でストレートに攻める「棒銀」を得意とした。対局では、1手を考えるのに何時間もかける「長考」が多かったが、中盤までに持ち時間を使いきり、1手1分以内に指す「秒読み」となっても好成績を挙げ、「1分将棋の神様」とも呼ばれた。長いネクタイがトレードマーク。記録係に「あと何分」と自分の残り時間を繰り返し尋ねる、旅館の滝の音が気になり止めてもらう、昼も夜もうな重の出前を取る、など対局中の逸話も多い。本書は将棋棋士・加藤一二三が激動の将棋人生を振り返った自叙伝の決定版である。
  • キサキの大仏
    3.0
    民のため、国の未来のため、巨大な御仏を造りたい――聖武天皇の理解者は、皇族以外から初の皇后となった光明子ただ一人。奈良の東大寺大仏に秘められた夫婦愛と葛藤の物語。
  • きしむ政治と科学 コロナ禍、尾身茂氏との対話
    4.0
    福島第一原発事故、さかのぼれば薬害エイズ、水俣病……。専門家による政府への科学的助言はいつも空回りした。このコロナ禍でもまた、政治と科学(専門家)は幾度も衝突した。専門家はその責任感から、自らの役割を越えて「前のめり」に提言したこともあった。 専門家たちは何を考え、新型コロナに向き合ったのか。政治と科学の間には、どのようなせめぎ合いがあったのか。そして、コロナの教訓を新たな感染症の脅威にどう生かすのか……。 尾身茂・新型コロナウイルス感染症対策分科会長への計12回、24時間以上にわたるインタビューを通じ、政治と科学のあるべき関係を模索する。
  • 軋む中国 実力と虚像
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 (目次より) ●〔対談〕習近平はプーチンから何を学ぶか 台湾統一の夢は不変 対米国のカードにロシアも利用 川島 真 小泉 悠 ●人民解放軍の戦力解剖 膨脹海軍 実戦は未知数 高まる偶発的衝突の危険 阿南友亮 ●コロナ再燃で高まる地方財政リスク 西村友作 ●海外に移住する中国人 言論統制に失望 北京ではもう暮らせない 周克成/聞き手:竹内誠一郎 ●末端を支える自治組織と中共党員 徹底した封鎖管理を可能とした「基層」を読み解く 西村 晋 ●動揺する民意のゆくえ 台湾人は徹底抗戦するのか 野嶋 剛 ●トランプ政権のブレーンに聞く 大統領が交代しても対中強硬は不変 マイルズ・ユー/聞き手:蒔田一彦
  • 汽車旅放浪記
    4.0
    近代文学はなぜ多くの鉄道を登場させたのか。夏目漱石『坊っちゃん』から、松本清張『点と線』まで、舞台となった路線に乗り、名シーンを追体験する。ローカル列車に揺られながら、かつて作家たちが鉄道を作品に取り込んだ理由に思いを馳せる。鉄道と文学との魅惑の関係をさぐる、時間旅行エッセイ。
  • 紀州のエジソンの女房 島精機を支えた肝っ玉母さん・島和代物語
    -
    和歌山で「ホエール和代」こと、島和代を知らない人はいない。完全無縫製のニットを製造するコンピュータ編機「ホールガーメント」で世界に知られる島精機製作所。その会社を裸一貫から一代で築いた創業者であり、いまもなお現役の技術者である島正博社長を、献身的に支えてきたのが、妻の島和代である。新製品発明に命をかけ、仕事のためなら家にお金を入れない夫のため、内職や美容師の手伝いをして家庭を支えてきた。一方後年は、和島興産の社長として、地域の発展のため身を粉にして働き、その人気でラジオのレギュラー番組を持つほどのチャーミングで豪快な女性だった。「紀州のエジソン」と呼ばれた夫とともに歩み、75歳で急逝した和代の波乱の生涯を、島精機の発展の歴史とあわせて描く。
  • 気象庁物語 天気予報から地震・津波・火山まで
    4.3
    1875年、虎ノ門の高台に誕生した東京気象台は、戦争や災害のたびに技術革新を行い、現在の気象庁へと成長した。日露戦争の命運を決する「天気晴朗ナルモ波高カルベシ」の電報、太平洋戦争期に軍部と争った気象観測の主導権、青函連絡船洞爺丸を襲った台風、富士山レーダーの建設とアメダスの導入、そして昨今の異常気象――。技術者たちで構成され、科学の進歩とともに歩んできた「戦う技術官庁」の足跡を辿る。
  • 気象予報と防災―予報官の道
    3.8
    「数十年に一度」と言われる気象災害が日本のあちこちで起こっている。豪雨や大雪を観測・分析し、的確に警報を出すことで、被害を最小限に止める――気象庁予報官には、天気予報だけでなく、そうした使命も与えられている。「夜明け前が一番忙しい」「梅雨明け宣言をいつ出すのか」など日々の仕事から、「上空の寒気」「冬型の気圧配置」などの注意を要する用語の解説、さらに警報の運用まで、気象予報と予報官のすべてを紹介。
  • 「傷つきました」戦争 超過敏世代のデスロード
    3.6
    ジェンダー、人種、肌の色――正しさは“属性”で決まる? 人の立場や出自で行動をジャッジし、「傷つきました」の一言で議論が終了…… 歌手の髪型、ヨガの流行、日本風パーティにまで、過敏な抗議が止まらない。 文化を検閲し社会を分断する風潮は、どこへ行き着くのか? フェミニストで反差別運動の旗手が、アメリカの議論に欠けている普遍主義の視点から、世界的ポリコレの暴走に対話の活路をもたらすエッセイ
  • 絆 ニューヨーク1897
    3.0
    現場検証中、爆発事故に巻き込まれたNY市警鑑識課員ダグラス5世。目が覚めた彼を取り囲んでいたのは、今や博物館や映画でしか見ないガス灯に古い方のドレスを着た看護婦──そこは19世紀末のニューヨークだった。どうやら高祖父の体に意識が入ってしまったらしい。混乱の中、警官ルイスと知り合った彼は、この時代には確立していない鑑識技術を捜査に持ち込み、注目を集めることに……。果たして5世は元の世界に戻れるのか!?

    試し読み

    フォロー
  • 奇跡の四国遍路
    4.1
    二〇一七年四月初旬、俳人の黛まどかさんは、総行程一四〇〇キロに及ぶ四国八十八か所巡礼に旅立った。全札所を徒歩で回る「歩き遍路」である。美しくも厳しい四国の山野を、施しを受け、ぼろ切れのようになりながら歩き継ぐ。倒れ込むようにして到着した宿では、懸命に日記を付け、俳句を作った。次々と訪れる不思議な出来事や奇跡的な出会い。お遍路の果てに黛さんがつかんだものとは。情報学者・西垣通氏との白熱の巡礼問答を収載。 本文より―― ○つぎつぎと青きを踏んで遍路発つ ○鐘ひとつ撞いて朧を広げたり ○舞ふやうに吹かるるやうに夕蛍 ○道しるべ滴る山を指しにけり
  • 木曽街道殺意の旅 新装版
    -
    その執念深さで捜査一課の名物刑事と謳われた奥田が、退職直後に木曽の宿場町で失踪した。さらに実在しない奥田の娘から捜索依頼の手紙が、十津川警部のもとに届く。奥田の妻も入院先の病院で不審な焼死を遂げ、事件は混迷を深める。奥田の残した写真を唯一の手がかりに、十津川・亀井コンビは、山深い木曽路に赴くが……。 〈目次〉 第一章 一通の手紙 第二章 殺意のバイパス 第三章 人間の鎖 第四章 夜の死 第五章 再び福島宿 第六章 対決
  • 貴族の階段
    4.0
    1巻1,100円 (税込)
    西の丸公爵の娘・氷見子は、父の秘密の記録係として客人の会話を筆記している。陸軍大臣との密談から、青年将校たちの蹶起計画を知った氷見子は……。公爵の息子でありながら蹶起に加わろうとする陸軍士官の兄、自ら悲劇の道へと身を投じる陸軍大臣の娘。二・二六事件前夜の貴族と軍人の暗闘を、不羈奔放な氷見子の目を通して描く。〈解説〉奥泉 光
  • 北風の軍師たち(上)
    3.0
    大御所・徳川家斉の気随気儘から発令された三方所替え。二百年にわたり庄内を領した酒井家に代わり、有数の貧乏藩・川越松平家が転封してくるという事態に、庄内領民は阻止運動に立ち上がった。領民を先導する謎の天狗たち、そして庄内に先乗りした川越藩忍び組。両者の戦いの幕が切って落とされた。

    試し読み

    フォロー
  • 陸海空元自衛隊幹部が語る 北朝鮮の核戦略、中国の海洋進出
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 陸海空元自衛隊幹部による3本の鼎談:2017年6月号掲載「第三次世界大戦も杞憂ではない」、2017年10月号掲載「北の核で日本と世界が『火の海』になる日」、2018年3月号掲載「中国の海洋進出とマハン『海上権力史論』の誤読」をまとめて電子書籍化しました。
  • 北朝鮮の核、日本の「核」
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 緊急対談「日本は『非核一・五原則』を選べるか」手嶋龍一×佐藤優/「『持ち込み』から共同保有まであらゆる議論が必要だ」石破 茂/往復書簡「『日本核武装論』はいかに議論すべきか」渡部恒雄×櫻田淳/対談「『保有国』北朝鮮に、大国・中ロの思惑は」礒崎敦仁×小泉悠/「『潜在的核保有国』日本の行方」小林泰明
  • 北朝鮮の暴走、韓国の迷走
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 朝鮮半島の専門家、文在寅側近、産経新聞元ソウル支局長、元自衛隊幹部らに聞く、朝鮮半島の現状と日朝・日韓問題の行方。
  • 北の後継者キム・ジョンウン
    3.4
    北朝鮮で金正日の専属料理人となった著者には、「将軍の子どもたちの遊び相手」という重大な任務もあった。間近に接した"次期指導者"はいかなる人物だったのか。すべてを明らかにする。
  • 北の秘密
    5.0
    六十歳――還暦という人生の節目を迎えた会社社長が、五千万円を持って失踪。10日後には、大学の同窓生がホテルの一室で絞殺された。ふたつの事件を結ぶ鍵は、35年前の北海道・洞爺湖に。

    試し読み

    フォロー
  • 北の武士たち・狼奉行 傑作時代小説集
    -
    自害の恐れがある代官の嫡男・孫四郎を預かった左金吾。領内に現れた盗賊の討伐に向かう夜、孫四郎が姿を消し――(「赤い米」)。羽州上山藩の僻地に赴任した靱負は、病を運ぶ狼と藩の陰謀に立ち向かう(直木賞受賞作「狼奉行」)。山形在住の直木賞作家が、北の武士の哀楽を活写する短篇集。書き下ろし二篇を収録した、文庫オリジナル編集。

最近チェックした本