ユーザーレビュー 職業としての官僚 嶋田博子 過去や海外と比較しても、政治と密接にリンクされた責任だけ強化されて身分保障が剥がされていっているイメージ。。日本の官僚これでいいのか? Posted by ブクログ 職業としての官僚 嶋田博子 人事院出身の研究者が、自身の経験を交えながら、「官僚」のこれまで・いま・これからのあるべき姿を論じている。諸外国の官僚事情を知る機会はなかなかないので興味深いし、筆者が天職として官僚を選んでもらうにはどうしたらいいか、について熱く考えているのが窺えるのも面白い。 これからの官僚制のあり方についての...続きを読む提言めいたものも提示されており、すごく雑に要約すると以下のようになる。すなわち、民間労働市場との関係も考えた際に、霞ヶ関の人材リソースに全ての押し付けるの無理であり、何を官僚に任せ/何を任せないのか、を整理する必要がある、そして国民の側は自らにもその整理のための責務の一端があることを認識し、それを意識した政治選択をすべき、とのこと。 元官僚だから官僚に対して甘いのか、と一瞬思うが、必ずしもそういうわけではなく、たとえば、ウェーバーを引いて、官僚に「感情の排除」を求めるが「思考停止」はするな(つまり、自分の感情で物事を決めちゃいけないけど、だからといって道義にもとる判断を見過ごすようなこと等はするな)と忠告している。 官僚の人生を導くデーモン、として紹介されている現役幹部官僚の声はひたすら熱い。毎日じゃなくていいけど、現場の官僚とこういう話ができるといいね。 Posted by ブクログ 職業としての官僚 嶋田博子 人事院勤務の後、京大公共政策大学院教授に転じた著者が、官僚という職業をめぐる実像、理念とその達成への道筋を示す。人事制度を中心とした官僚の実態の過去と現在の比較、欧米諸国との比較、官僚論の変遷など、バランスよく官僚について考えるための材料を提供している。 より良い官僚制の実現に向けた具体的示唆として...続きを読む挙げられている、①政官関係・労働市場双方への目配り、②「自分と同じ生身の人間」への視点、③政治丸投げに代わる日常的関与、④限られた資源の直視という4点は、いずれも宜なるかなと感じた。 Posted by ブクログ 職業としての官僚 嶋田博子 とかく批判されがちな日本の官僚ではあるが、各国の状況を見渡すと官僚機構そのものの持つ構造的な難しさが存在することが分かった。 経済合理性、市場原理だけではうまく機能しない、国への忠誠、政治家との関係など。 一方で日本の官僚特有の問題でも浮かび上がってくる。これは官僚に限らず日本の組織全般に当てはま...続きを読むる 問題と感じた。 業務分掌が曖昧なことによる業務量と人的リソースのアンバランス、報酬体系やインセンティブ構造を無視した責任追求など。 これからどんどんと下り坂に向かっていく日本という国家。これを何とか維持してターンアラウンドさせるためにも官僚の力は不可欠に思う。ただの政治家の人気取りに終わることのない意味のある改革が続けられるよう、一国民として建設的な姿勢で応援したい。 Posted by ブクログ 職業としての官僚 嶋田博子 いかにも人事院の官僚らしい書きっぷり。読者のほとんどは人事院に務める人と関わったことないだろうから、私は稀有な経験を多くしているなあとこれまでの職業人生を振り返る。 Posted by ブクログ 嶋田博子のレビューをもっと見る