作品一覧 2022/02/25更新 崖っぷちの科学立国 米中に後れる日本 試し読み フォロー サピエンス日本上陸 3万年前の大航海 試し読み フォロー 図解 人類の進化 猿人から原人、旧人、現生人類へ 試し読み フォロー 日本人はどこから来たのか? 試し読み フォロー 人間らしさとは何か 生きる意味をさぐる人類学講義 試し読み フォロー 我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち 試し読み フォロー 1~6件目 / 6件<<<1・・・・・・・・・>>> 海部陽介の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 日本人はどこから来たのか? 海部陽介 日本人起源論の書だが、いくつか注目点がある。 まず、日本列島に到達するまでの人類史をダイナミックに捉えていることだ。隣国や東アジアのことただけではなく、世界規模で考えられている。 日本列島へのルートは朝鮮半島、琉球、そして地続きだったこともあるサハリンと北海道から、津軽海峡を越える3つがあった...続きを読む。何も渡海が条件となるというのが特徴だ。 三方向から来た原日本人は、どれかが他を打倒するのではなく、緩やかに混血していき、それぞれの遺伝子が受け継がれている。さらに農耕文化を持った弥生人と呼ばれる人が長い年月をかけて日本列島に渡来し、原住民と混血したことで日本人の原型ができたという。 あとがきで筆者は本書が取り上げたのは日本人だけの問題ではなく、どの民族も他との関係の中でたまたま現在の形になっているだけで、民族の優劣を語ることは間違いだという。全くその通りだ。この種の研究はナショナリズムに利用されやすい。学問的には間違っているのだ。 後半の三万年前の航海の再現実験はまさに冒険のようで読んでいて楽しくなる。この実験は本書刊行後に成功したらしい。面白いことをやる人がいたものだ。 Posted by ブクログ サピエンス日本上陸 3万年前の大航海 海部陽介 海部先生たちのこのプロジェクトは存在は知っていたけど詳しくはこの本で初めて知った。素晴らしいプロジェクトですね。 行けたのかどうか、どう行ったのかということ自体よりもそれらを体験的に探ることによって「なぜ行ったのか?」というwhyを追求しようというロマンふれるプロジェクトでした。草筏、竹筏、そして...続きを読む丸木舟を作り海に出てみること、そもそも島を見つけること、海の上での様々な実際の出来事、どの過程も興味深かったです。 日本への上陸だけでなくオセアニアの各島への進出にも想いを馳せたくなりますね。 Posted by ブクログ 人間らしさとは何か 生きる意味をさぐる人類学講義 海部陽介 タイトルだけみると怪しげな雰囲気を感じる人もいるだろうけど、文化人類学を研究する学者さんが書いた結構堅い内容。「世界史の教科書の第一章」と言えばイメージが伝わるかも。祖先との対比というメガネで人間らしさを語る本。 教科書で習ったけど今では否定されている情報がちらほらあって、特に世界史好きにオススメ...続きを読むしたい。 Posted by ブクログ 我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち 川端裕人 / 海部陽介 川端裕人さんの読みやすい文と、海部陽介さんの新知見を盛り込んだ内容が面白くて、一日で一気読みした。 文句なしの星5つ。 序盤の化石についての概説は、退屈かもしれないが後半の理解には必要な情報であり、川端氏の『現地』描写を交えた筆致は決して飽きさせない。 そして怒涛の後半、第四の原人や、デニソワ人に...続きを読むついての新たな提案。 この時、整理された理解の生じる快感、そこが面白い。 分からないことは、何が分かってないからなのか。 どこまでなら、コンセンサスがある話なのか。 この整理が、理科や歴史でざっくり 「アウストラロピテクス」とか「北京原人」なら知ってた レベルの一般人にも伝わってくる。 小難しい数式とか一か所しか出てこないし、それもちゃんと図で示されてるから、根っからの文系でも問題なし。 そして、サイエンス系の本にはつきものの、『執筆時点では』という注釈。 それは、新たな化石の発見や詳細な研究によって、また仮説が更新される可能性があるということ。 本書を読んだ者は、その新たな仮説に対し、既存の議論を踏まえた解像度で食いつける、ということ。 知的興奮に動悸が高まるのを感じる。 かつて評論社から抄訳版が、後に集英社ホーム社から完訳版のでた、ジーン・アウルの『始原への旅立ち』シリーズは、素晴らしい小説だった。しかし、科学的知見としては当時の限界もあり、生活描写に関してはネイティブアメリカンやイヌイットの文化で大きく補綴された、ネアンデルタールとクロマニヨンズの物語であった。 しかし、本書にあるようなアジア原人、ひいては旧人と現生人類の研究が進めば、科学的知見でよりしっかり裏打ちされた、『東アジアの物語』がつづられる可能性もでてくる。 なんと胸躍ることだろう。 ぜひ手に取ってご一読あれ。 Posted by ブクログ サピエンス日本上陸 3万年前の大航海 海部陽介 「人類はどうやって海を渡って日本にやってきたか?」という問題に対して、人類史学者の海部氏は当時の環境や技術を考慮して実験的に解き明かそうというプロジェクトを立ち上げた。本書は6年に渡る壮大なプロジェクトを書き記したドキュメンタリーである。幾多のトラブルや失敗を繰り返しながらも、多数の支援者を巻き込ん...続きを読むで、人力での黒潮横断に挑戦し、ついに水平線の向こうにある島に辿り着く…そんなドラマに惹きこまれ、読み進めるうちに自分も一支援者のようになっていく。 現代の技術をもってすれば島から島への移動はたやすいが、古代の人類はリスクを冒してまでなぜ海を目指したのか?実際に人類の挑戦を目の当たりにした著者の見解が興味深い。 Posted by ブクログ 海部陽介のレビューをもっと見る