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日本人の祖先は、どのようにこの列島に渡ってきたのか。この課題に徹底的な科学調査によって迫り、アフリカから日本までの「グレートジャーニー」の道筋を浮かび上がらせる。
従来の「人類の祖先は海岸沿いに移動した」という説によれば、日本人の祖先は太古、海面が低かった陸続きの時代に歩いて日本列島にやってきた、と考えられていた。この定説に疑問を抱いた、著者を中心とする「国立科学博物館人類史研究グループ」は、ユーラシア大陸全体より出土した遺跡のデータを集め、その年代と、そこより出土した人骨のDNAを、地図上に再現した。
その重層的な調査の結果見えてきたのが、日本人の祖先はユーラシア大陸の北と南、さまざまなルートをたどって日本にやってきた、という事実。そして最終的に「対馬ルート」「沖縄ルート」「北海道ルート」の三つの入り口から日本列島に到達したことが明らかになる。そのとき、対馬はすでに海峡であり、沖縄は列島であった。すなわち、最初の日本人は、歩いてではなく「航海」によってこの日本列島にやってきたのだ。
3万8000年前、われわれの祖先は、偶然の漂流によってではなく、強い意志を持った航海者として、日本列島に移住してきたのだ。
単行本が発行されたのち、著者を中心とする研究グループによってクラウドファウンディングが立ち上げられた。当時の船を手作りし、黒潮に乗って沖縄の島から島へと航海する挑戦の様子は、NHKスペシャル「人類誕生」で取り上げられ大きな話題を呼んだ。2019年夏、いよいよ台湾から与那国島への、日本人誕生を再現する航海に挑む。
Posted by ブクログ 2023年10月08日
日本人起源論の書だが、いくつか注目点がある。
まず、日本列島に到達するまでの人類史をダイナミックに捉えていることだ。隣国や東アジアのことただけではなく、世界規模で考えられている。
日本列島へのルートは朝鮮半島、琉球、そして地続きだったこともあるサハリンと北海道から、津軽海峡を越える3つがあった...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年10月01日
海部陽介(1969年~)氏は、東大理学部生物学科卒、東大大学院理学系研究科博士課程中退の人類進化学者。東大大学院理学系研究科准教授、国立科学博物館人類研究部人類史研究グループ長等を経て、東大総合研究博物館教授。
2016~19年に国立科学博物館が主催した日台共同プロジェクト「3万年前の航海 徹底再現...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年05月18日
草舟(草束舟)で台湾から与那国島へ渡る。
このプロジェクトはテレビのドキュメンタリーでもやっていた。
旧石器時代の道具で材料を加工し、コンパスなど文明の航海器具は使わない。
そのプロジェクトについて書かれるのは、最終章の11章。
やっぱり、その部分が一番面白い。
そこまでは、予備知識や関心の度合い...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年02月25日
日本人とは何か。
それを人類学上から明らかにしようとするプロジェクトが進行中だ。
まず、日本に最初にホモサピエンスが到達したのはいつ、どのようなルートだったのかを考察するためには、世界を俯瞰する必要がある。
アフリカを出発したホモサピエンスが日本に到達したのは3万年以上前の旧石器時代のこと...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年02月14日
新たな下顎骨化石を発見し ダチョウの卵殻 錐きり 死者に対する儀礼行為というのも、如何にもホモ・サピエンスらしい行動である。 ニア大洞窟 中華料理用の燕の巣を採取する為に なかがいにん仲買人 舟型棺 植物珪酸体の分析から 定型性に乏しい剥片石器が主体の文化が広がっていた ロシアのアルタイ山脈にあるデ...続きを読む
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