海部陽介のレビュー一覧

  • 人間らしさとは何か 生きる意味をさぐる人類学講義

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    人類学者である著者が人らしい本質とは何かを講義形式で論じる。著者の目的の1つは差別意識を無くし、偏見無く人をみる見方を身につけることだと思う。そのために人類史を紐解き、人とは果たしてどのように進化して、どのような多様性を持っているのかという観点から提示する。ひとまず差別を無くしたいという目的は置いて、人類史についてが面白い。特にいつの時点から人らしさといえる生物学的特徴がでてきたのか、脳ではなく身体の作りから紐解いていくのは新鮮だった。

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    2025年11月14日
  • サピエンス日本上陸 3万年前の大航海

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    なぜラスコー洞窟に見られるようなものが東アジアに見られないのかは私も疑問に思っていたので起点として共感できた。 
    また会議でアイデアをもらい、検討して、試行してみるというのをプロセスを追って聞くのは挑戦を追っているようでとても楽しかった。
    挑戦の際のそれぞれの判断の記載も、過去にあったであろう挑戦への理解を助けるようだった。

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    2025年09月07日
  • サピエンス日本上陸 3万年前の大航海

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    三万年前の我々のご先祖様が安全な台湾からそれでも与那国島を目指したのは"日出る島"としての与那国島に何かを感じ取ったから。

    我々は一見無駄に見える事もするし、表現活動もする。生命維持以外の視点だと何とも無駄な活動だが、それが全世界に我々が繁殖した理由。

    学説でもなんでも無く勇気を与えてくれる事だと思う。

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    2025年01月02日
  • 日本人はどこから来たのか?

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     日本人起源論の書だが、いくつか注目点がある。
     まず、日本列島に到達するまでの人類史をダイナミックに捉えていることだ。隣国や東アジアのことただけではなく、世界規模で考えられている。
     日本列島へのルートは朝鮮半島、琉球、そして地続きだったこともあるサハリンと北海道から、津軽海峡を越える3つがあった。何も渡海が条件となるというのが特徴だ。
     三方向から来た原日本人は、どれかが他を打倒するのではなく、緩やかに混血していき、それぞれの遺伝子が受け継がれている。さらに農耕文化を持った弥生人と呼ばれる人が長い年月をかけて日本列島に渡来し、原住民と混血したことで日本人の原型ができたという。
     あとがきで

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    2023年10月08日
  • サピエンス日本上陸 3万年前の大航海

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    海部先生たちのこのプロジェクトは存在は知っていたけど詳しくはこの本で初めて知った。素晴らしいプロジェクトですね。

    行けたのかどうか、どう行ったのかということ自体よりもそれらを体験的に探ることによって「なぜ行ったのか?」というwhyを追求しようというロマンふれるプロジェクトでした。草筏、竹筏、そして丸木舟を作り海に出てみること、そもそも島を見つけること、海の上での様々な実際の出来事、どの過程も興味深かったです。

    日本への上陸だけでなくオセアニアの各島への進出にも想いを馳せたくなりますね。

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    2023年09月05日
  • 人間らしさとは何か 生きる意味をさぐる人類学講義

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    タイトルだけみると怪しげな雰囲気を感じる人もいるだろうけど、文化人類学を研究する学者さんが書いた結構堅い内容。「世界史の教科書の第一章」と言えばイメージが伝わるかも。祖先との対比というメガネで人間らしさを語る本。

    教科書で習ったけど今では否定されている情報がちらほらあって、特に世界史好きにオススメしたい。

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    2022年06月02日
  • 我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち

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    川端裕人さんの読みやすい文と、海部陽介さんの新知見を盛り込んだ内容が面白くて、一日で一気読みした。
    文句なしの星5つ。

    序盤の化石についての概説は、退屈かもしれないが後半の理解には必要な情報であり、川端氏の『現地』描写を交えた筆致は決して飽きさせない。
    そして怒涛の後半、第四の原人や、デニソワ人についての新たな提案。
    この時、整理された理解の生じる快感、そこが面白い。

    分からないことは、何が分かってないからなのか。
    どこまでなら、コンセンサスがある話なのか。
    この整理が、理科や歴史でざっくり

    「アウストラロピテクス」とか「北京原人」なら知ってた

    レベルの一般人にも伝わってくる。
    小難し

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    2021年08月28日
  • サピエンス日本上陸 3万年前の大航海

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    「人類はどうやって海を渡って日本にやってきたか?」という問題に対して、人類史学者の海部氏は当時の環境や技術を考慮して実験的に解き明かそうというプロジェクトを立ち上げた。本書は6年に渡る壮大なプロジェクトを書き記したドキュメンタリーである。幾多のトラブルや失敗を繰り返しながらも、多数の支援者を巻き込んで、人力での黒潮横断に挑戦し、ついに水平線の向こうにある島に辿り着く…そんなドラマに惹きこまれ、読み進めるうちに自分も一支援者のようになっていく。
    現代の技術をもってすれば島から島への移動はたやすいが、古代の人類はリスクを冒してまでなぜ海を目指したのか?実際に人類の挑戦を目の当たりにした著者の見解が

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    2020年05月04日
  • 我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち

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    すごくおもしろかった。
    アジアの原人の最新研究が、生き生きと読みやすく展開されていく。
    アジアには多様な種族が存在していたことがわかるが、タイトルの意味は、それなのになぜ今はホモ・サピエンスだけなのか。


    読書メモ:
    人類 700万年 五段階 初期の猿人、猿人、原人、旧人、新人
    300-200万年前 原人 ホモ・ハビリス
    100-60万年前 旧人現る ネアンデルタール人
    新人=ホモ・サピエンス アフリカ単一起源説
    ジャワ原人 ピテカントロプス・エレクトス →その後ホモ・エレクトスに デュボア @トリニール
    ソロ川流域 サンギラン、サンブンマチャン
    玉ねぎ地層
    ジャワ原人
    停滞していたと思われ

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    2019年07月10日
  • 我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち

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    なぜ、ホモサピエンスだけが残って他の原人たちがいなくなってしまったのか。著者の川端さんの本はわかりやすく何冊か読んでいるし、監修の海部さんの『日本人はどこから来たのか』も面白かったので、鉄板かなと書評をみて購入。やぱりおもしろかった。研究室の中のことばかりでなく、実際の発掘現場に行ったりしてリアリティがある。良書。

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    2019年04月26日
  • 我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち

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    数年前,「生命大躍進」という大変興味深い展示会を観ました。
    そのとき,私が学校で学んだときから,かなり人類の進化に対する研究が非常に進んだことを知り,かなり驚きました。

    本書は,その最新の知見について分かりやすく説明したもので,大変面白く読みました。
    アジアには同時代に多様な人類の種類が存在した可能性があり,また旧人と我々人類は交雑したこともあるにもかかわらず,なぜ我々は我々だけなのか,この問いに対する答えが出るには気の遠くなるような研究の積み重ねが必要ですが,これほど興味の尽きないテーマもありません。

    同じテーマを取り扱った本も読んでみようと思います。

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    2018年05月04日
  • 我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち

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    アジアの人類としての古代史が、こんなにも興奮に溢れる場だとは知らなかった!

    ジャワ原人、フローレス原人、北京原人、名前は知ってるけど、はるか昔の曾祖父くらいのイメージしかなかった。
    しかし実際は生物種としての適応と繁栄と消滅といったダイナミズムをもつ存在だった。

    そして現在では我々は我々の種しかいないけど、それは昔からそうではなかった。多様な種が、祖先から綿々と旅をし、環境に適応し、進化し、そして(多分静かに)消えて行った、という壮大な物語の一端を味わえて大満足。
    これからの研究の進展にも期待したい。

    それにしても我々しかいないのは、拡散の速度が速すぎて均一化してしまった、というのは、宇

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    2018年02月17日
  • 我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち

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    初期の猿人から猿人、原人、旧人、そして現生人類へ。
    昔々、学校でも、アウストラロピテクスが現れ、その後ジャワ原人、北京原人が現れ、ネアンデルタール人が出てきた、なんて勉強したような。
    しかし、なかなかそれに興味を持つというところまではいかなかった。

    それが、近年、大きな発見があったりして、ずいぶんと分かってきたことがあるらしい。
    新聞報道などもあり、特に人類学に興味がなくても聞こえてくる、ホットな分野であるようだ。
    そして、監修者である海部陽介さんも、テレビで何度も見る機会もあった。

    本書は、しかし、海部さんが書いているのではない。
    サイエンスライターで作家の川端さんが、海部さんを取材して

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    2025年09月21日
  • 我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち

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    まだまだ書き変わっていく考古学的人類学の、アジア史が概観できた。単純な均質化にとどまらない面白さがあると思う。

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    2025年09月01日
  • サピエンス日本上陸 3万年前の大航海

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    オーディブルにて 再読(以前は本で)

    実はこのスギメの航海の話はすごく好きでオーディブルでタイトルを見つけて再読してしまいました。
    以前、海部先生がこの内容について講演された時にもオンラインででしたが参加したことがありました。

    すごくロマンを感じるしワクワクする。
    こうやって実際に再現したしてみることで、机上でイメージするだけではふんわりしていることが、実感として具体的になるのが面白い。実際にやってみると、これはあり得ないんだなとか、こういう気持ちになるよねということが追体験できて、旧石器人はどうだったんだろうって改めてイマジネーションが広がる。

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    2025年04月13日
  • サピエンス日本上陸 3万年前の大航海

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    【AIにはできない】
    約3万年前にホモサピエンスは大陸から日本へ渡ってきたと言われています。

    最も近い台湾から与那国島でも台湾から与那国島は見えません。
    当時も台湾は自然が豊富で山には木の実、果物があり、海では魚が十分に取れ、食べ物には困っていなかったと思います。

    わざわざ見えない、何があるかわからないその先を見に行こうとする行動に合理性はありません。

    しかし、その意味不明なことをできるのが人だと思います。

    AIにはこの意味のないチャレンジができないのです。

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    2023年06月11日
  • 人間らしさとは何か 生きる意味をさぐる人類学講義

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    興味関心を特に惹かれたところは、ヒトの遺伝的多様性はチンパンジーより小さい(p235〜238,図7-1)や、音楽と美術とファッション(p276〜283,図8-1,8-2)の箇所でした。
    わかりやすい文章で、たいへん読みやすかったです。

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    2022年04月06日
  • 図解 人類の進化 猿人から原人、旧人、現生人類へ

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    献本企画に当選していただきました。
    自分は文系であるので理系分野の本を面白く読めるのかなと思いましたが図解が多くて必要以上に構える事なく読めました。図のイラストが緩くて可愛いなと思いました。遺伝子の話で数式が少し出てきた所は難しいなと思ったけれど難しさを感じたのはその部分くらいでした。人類の起源はアフリカからとかマンモスの骨を利用して家を作っていたとか知らなかった事を沢山知る事が出来たし興味深かったです。小学生の時に国語で勉強した記憶のある大陸移動説の話もあったりして昔の世界の環境についても知る事が出来ました。

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    2021年12月25日
  • 図解 人類の進化 猿人から原人、旧人、現生人類へ

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    比較的専門外の読者にも優しい入門書。とはいえ第一部は専門的な話もありなかなか難しい。一方第二部は細かく章立てして分かりやすくまとめてくれており、なんとかついていけたし楽しめた。

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    2021年12月19日
  • 日本人はどこから来たのか?

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    アフリカから日本にやってくるにはどのようなルートがあったのか。
    原人とホモ・サピエンス、気候もさることながら
    移動する背景も興味深い。
    研究はまだまだ続いていて、クラウドファウンディングで海を渡る実験実証ている。

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    2021年10月16日