海部陽介のレビュー一覧

  • 日本人はどこから来たのか?

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    海部陽介(1969年~)氏は、東大理学部生物学科卒、東大大学院理学系研究科博士課程中退の人類進化学者。東大大学院理学系研究科准教授、国立科学博物館人類研究部人類史研究グループ長等を経て、東大総合研究博物館教授。
    2016~19年に国立科学博物館が主催した日台共同プロジェクト「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」の代表を務め、3万年前に我々の祖先が行ったと想像される、手漕ぎの丸太舟で台湾から与那国島へ渡る実験航海を行い、成功した。
    本書は、ホモ・サピエンスがアフリカから日本に如何なるルートで辿り着いたのかを、遺跡調査の最新のデータを踏まえて明らかにしたもので、2016年に単行本が出版された。そ

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    2021年10月01日
  • サピエンス日本上陸 3万年前の大航海

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    日本人のルーツの一つに、南方系のルートがあると考えられていますが、そのルートが成り立ち得るのかどうか、実際にやってみよう、というプロジェクトの全体を紹介した本です。

    とはいえ、南方系のヒトが初めて日本に渡ってきたのは3万年以上前のことなので、想像するしかない部分は多々ありますし、3万年前と今では、海の状態も陸の状態も違うので、完全再現は難しいですが、それでも、人力だけで南方系のルートは可能と考えて差し支えないレベルの成果が得られたことは、非常に意味があると思います。

    それにしても、このプロジェクトに関わった皆さんの情熱には、圧倒されます。
    南方系のヒトが日本に渡ったときにも、きっと同じよう

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    2021年09月05日
  • サピエンス日本上陸 3万年前の大航海

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    良書。と言うか、素晴らしい取り組み。
    3万8000年前、日本に人類が船でやって来たと推論し、実際、体験、証明しようとする。面白く無い訳が無い。

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    2020年07月16日
  • 日本人はどこから来たのか?

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    草舟(草束舟)で台湾から与那国島へ渡る。
    このプロジェクトはテレビのドキュメンタリーでもやっていた。
    旧石器時代の道具で材料を加工し、コンパスなど文明の航海器具は使わない。
    そのプロジェクトについて書かれるのは、最終章の11章。
    やっぱり、その部分が一番面白い。

    そこまでは、予備知識や関心の度合いにより、ちょっと辛い部分もあるかも。
    ホモサピエンスは、アフリカで生まれ、世界中に伝播した。
    部分的には旧人とも混血しながら。
    こういうところは、近年の遺伝子解析技術でわかってきたことだという。
    海岸だけではなく、内陸も含めたルートで。
    日本へは、主に三つのルートで入ってくる。
    旧石器時代の人々が途

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    2020年05月18日
  • 我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち

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    「人類学系の読み物として最高の一冊」

    第2章の中盤からは次のページをめくる指が止まらない。それくらいに私たちの祖先への興味が1ページ毎にかき立てられる一冊。他のブルーバックスのように「専門を学ぶ入門書」というものよりは、「専門を旅する読み物」といった感覚の1冊。

    私たちを私たちたらしめているのはテクノロジーであって、テクノロジーの進化によって種としての進化を代替している訳でもある。そしてそのテクノロジーは、世界をひとつにし、世界からガラパゴスをなくし、均質なものとすることで、種としての進化のストッパーにもなっている。

    著者も問題提起していた現代の我々の大きな命題である「ダイバーシティ・ア

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    2020年04月25日
  • 日本人はどこから来たのか?

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    日本人はどこから、どうやってきたのか。壮大、かつ、悠久の時間を経て、アフリカからやってきたホモサピエンス。断片的で、発掘されていないものを、想像で補いながら作る大仮説。面白い、素晴らしい。

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    2020年02月24日
  • 我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち

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    人類の祖先にまつわるロマンと知的興奮にあふれた一冊!これは良い!なぜ、他の動物たちはあれほど多様な形態を残しているのに、われわれ人類は今のホモ・サピエンスだけなのか?今まで考えたこともなかった謎に迫る様子はめちゃくちゃ興奮。正にセンスオブワンダー!昔、ホビットのような小柄な人類がいた、と思うだけでワクワクしてくる!

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    2020年01月25日
  • 日本人はどこから来たのか?

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     日本人とは何か。
     それを人類学上から明らかにしようとするプロジェクトが進行中だ。

     まず、日本に最初にホモサピエンスが到達したのはいつ、どのようなルートだったのかを考察するためには、世界を俯瞰する必要がある。
     アフリカを出発したホモサピエンスが日本に到達したのは3万年以上前の旧石器時代のこと。
     従来はアジア南岸沿いに進行したと考えられていたが、ほかにもヒマラヤを迂回する南北ルートの陸路で東進が行われていた。

     3万年前、今より海面が低く、海岸線が広かった陸地からホモサピエンスが日本に入ったルートは、旧石器時代の遺跡から3つ考えられる。
     ・対馬海峡ルート
     ・陸路で繋がっていたサハ

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    2019年02月25日
  • 我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち

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    爽快な読後感だった。最後に紹介されている論文を振り返るときの、良い映画を見た後にエンドロールを見、作中の音楽を聞いている時のような感覚を味わった。

    描き手と研究者の誠実で丁寧な仕事によって練られた、味わい深さがあった。

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    2018年06月21日
  • 我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち

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    これまでの人類史はアフリカを中心に語られてきたが、アジアには昔から北京原人やジャワ原人がおり、最近にはフローレス原人や台湾でも原人の化石が見つかっている。
    猿人、原人、旧人という大きな流れの中で、最終的にアフリカ原人が人類の祖先となるわけだが、それまでには複数の猿人や原人が世界中に散らばっており、時には交配も行われていたと考えると、今の均質化された人類種が異様に思われてきた。
    この分野はまだまだ発展途上の分野であり、これからも多くの発見が期待できるので、今後の動きにも注視していきたい。

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    2018年05月06日
  • 我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち

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    遡上はついに人類のはじまりに到達。自然人類学の最新の発見を、ジャーナリスト川端裕人が自ら見聞して臨場感あふれるレポートすることで、アジアにおける知られざる原人の存在や交雑の可能性を明らかにしています。
    それにしても、先に読んだ『世界神話学入門』でも名前が出てきた海部陽介さんは、21世紀の知の巨人のような気がするだけに、今後も注目です。

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    2018年01月12日
  • 我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち

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    かつてアジア地域に生息していた原人・旧人たち - 北京原人やジャワ原人という名前で知られている - についての解説本。アフリカやヨーロッパではかなり研究が進んでいるが、アジア地域ではかなり遅れていたため、最近になってフローレス原人や台湾沖での澎湖人など新しい発見が21世紀に入っても出ている状況である。その道の第一人者である国立科学博物館の海部陽介グループ長に導かれる形で著者がまとめたものである。自らの起源に関わる話であり、思い入れのある著者の筆にも熱がこもっている。

    なお、我々の起源と書いたが、フローレス原人も澎湖人も北京原人もジャワ原人も我々の祖先ではないことがほぼ確認されている。タイトル

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    2018年01月07日
  • 我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち

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    まず、とにかく読みやすくて面白い!なかなか学者さんが書いたのではこうはいかないだろう。
    人類の進化、我々はどこから来たのかといったSFジャンルがあるが、リアルの世界でも随分と新しい発見が続いていることがわかる。
    「かつていた多様な原人がなぜ滅びたのか」という謎を解く壮大なSF誰か書いてくれないかな。

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    2018年01月07日
  • 人間らしさとは何か 生きる意味をさぐる人類学講義

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    もう少し現代社会の人に対して何かしらの解を与えてくれる本と勝手に期待して読んだが、そういう類のものではなかった。人類の過去や起源についてわかりやすく詳細に説明されている。

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    2025年09月17日
  • 図解 人類の進化 猿人から原人、旧人、現生人類へ

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    それぞれ分野の異なる?専門家4人が一般読者向けに書いた入門書。

    真面目にわかりやすく書かれてはいるが、専門のサイエンスライターでないためか、メリハリがあまりなく、好奇心を掻き立てられるような感じではない。

    ミトコンドリアDNA、Y染色体DNA、ネアンデルタール人との雑婚、日本人の起源など、膨らませ方はいろいろありそうだが。(触れられてはいる)

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    2023年07月05日
  • サピエンス日本上陸 3万年前の大航海

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    3万年前の大航海について、実際に3万年前につくったであろう船をつくり航海した話。
    現代だからこそ起こった問題も面白おかしく語られていて、読み物としても面白い。
    航海して終わり、ではなく、そこからさらに考察を深めていくのも良い。
    台湾から日本に3万年前、人類はどうして命がけだとわかって航海したのか、決意をしたとき、海を渡っているとき、何を思ったのか、そんなことに思いをはせる。

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    2023年03月03日
  • 図解 人類の進化 猿人から原人、旧人、現生人類へ

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     4人の学者の共著であるため、少し難しい部分があったが、概ね興味深い話をわかりやすく語ってくれている。

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    2022年01月19日
  • 我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち

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    ああ、そうか。
    本は明言を避けたというか、根拠ない事を断定はできないのだが、ヒントめいたものは書いている。我々はなぜ我々だけなのか。ホモサピエンスにかつての原人の血が混ざっていたとしても、我々は世界の至る所まで、ホモサピエンスのみだ。これは、別の人類を戦争で淘汰したか否か事実は分からないが、本著が書いたように、移動する能力により、混ざったのだ。閉鎖エリアで多様化した種は、戦争かウイルスや病気、あるいは気候変動か、はたまた平和的な交合か、いずれにせよ、移動する種により、混ざったのだろう。人間以外は、制限されたエリアほど、珍しい種が生存している。

    有史以前に何が起きたかは、分からない。分からない

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    2021年12月27日
  • 我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち

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    久しぶりのノンフィクション

    「ミッシングリンク」といわれる、ホモ・サピエンス登場の謎を「説く」

    人類の進化は、猿人から現代人まで左から右へ歩いて進化している絵のような順番では無いんですね。
    「進化」とはある意味で「淘汰」と「混血」なんだなと、感じた本でした。

    突然ですが『星を継ぐ者』を思い出しました。

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    2021年07月18日
  • 我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち

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    特に「なぜ我々だけなのか」については書いてなかった。こんなにたくさんの種類の原人旧人がアジアにいましたよーってのを専門家から聞き取って本にしたやつ。そんなに面白くなかった。タイトルが超ミスリード。

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    2020年06月17日