小説・文芸 - KADOKAWA - 角川書店単行本作品一覧

  • 菜の花の道 千成屋お吟
    3.0
    日本橋で「大江戸よろず案内所」の看板を掲げる『千成屋』の女将・お吟が、大金強奪とこじれた嫁姑の仲を解く。江戸で生きる人々の心を癒す、人情時代小説シリーズ第2弾。
  • 心心 東京の星、上海の月
    4.1
    “特別な声”を持つ君と出会い、ぼくの人生はあざやかに変わった。 渋谷にある専門学校の声優科に入学した石森陽児は、上海からやってきたアニメ好き少女・陽心心と出会う。異国の地でひたむきに夢を追う彼女に惹かれながら、幼なじみの浩平、元高校球児の健太郎、子役あがりの遥、元キオスク女子の真琴といった年齢も出自も違う仲間たちとともに特訓の日々を送る。ある日の夜、浩平に誘われ帰宅する心心のあとを興味本位でつけたところ、彼女を見張る不審なクルマに気づく。心心が抱える秘密とは? そして彼女は何者なのか――?
  • ALIVE 10人の漂流者
    3.0
    マダガスカル沖でエンジントラブルをきっかけに始まった、日本人観光客10人を乗せた観光ボートの漂流。はじめは誰もが事態を楽観視していた……しかし。やがて食料は尽き、飲み水はなくなり、10人はパニック寸前の極限状態を迎える。「何もしなければ、ただ死んでしまう。絶対に生きて日本に帰るんだ!」無気力な学生だった乗客の一人である継人は、決死のサバイバルを開始する! 日本ホラー小説大賞受賞作家の新境地。幾多の試練と苦難を乗り越えて、彼らは生還できるのか――!?
  • 絵の中のモノ語り
    3.7
    大人気「怖い絵」シリーズ著者の中野京子さんが名画に描かれたアイテムをもとに、 歴史の謎や闇、社会背景、画家たちの思惑を読み解きます。 絵をじっくり見てみると、意外なものが隠されていて――。
  • 仁王の本願
    完結
    4.0
    北陸加賀に「百姓ノ持チタル国」が建てられて八十年。誰の支配も受けず、民衆が自ら治める一向衆の政は、内外の戦に明け暮れるうちいつしか腐敗し、堕落していた。織田信長や上杉謙信、朝倉義景ら強大な外敵に囲まれ、窮地に陥った加賀に現れたのは、「仁王」と呼ばれる本願寺最強の坊官・杉浦玄任。加賀から越前、さらには日本全土に「民の国」を築くため、玄任は救いなき乱世で戦い続ける――。
  • すぐそばにある。 働きすぎのパパのおはなし
    -
    本当に大切なものは、すぐ目の前にあった――。 働き方、生き方、家族のあり方etc.コロナ禍でさまざまな価値観が大きく変わった今だからこそ伝えたいこととは。十一代 市川海老蔵の思いが詰まったメッセージ絵本。
  • 四国辺土 幻の草遍路と路地巡礼
    4.2
    辺土(へんど)とは、遍路で生活する者である。 時に放浪者として迫害される彼らに密着取材! 誰も書けなかった「日本最後の聖と賤」たるもう一つの遍路を、5年をかけて描いた唯一無二のルポ! 【辺土(へんど)とは】 草遍路、乞食遍路、プロ遍路、職業遍路、生涯遍路とも呼ばれる。 長い歴史の中、「へんど」はやがて乞食を意味するようになるが、昭和三〇年代までは遍路といえば「へんど」だった。 一方で、八八ヵ所を経文を唱えて回る遍路は、ときに畏敬と畏怖の目で見られた。彼らは聖と賎を同時にそなえる存在だったのだ。 現代の草遍路を探し、共に托鉢修行も著者は行うだけでなく、福田村事件(関東大震災で起きた日本人による日本人虐殺)をはじめ、 路地の歴史もたどりながら5年をかけて遍路を続けた。 最後の聖域の本質を大宅賞作家が抉り出す、類書なき紀行ルポ! 「帰るところもなくなった生活を賭けて、托鉢と接待、野宿だけで何年も何周も巡礼することによって、その人は確実に浄化され昇華されていく。本質的な何かを取り戻すか、もしくは欠けていた何かを得ることができるようになる。  四国遍路で人は変わることも、再生することもできるのだ。私はこの目で、確かにその一例を目撃した」(本文より) 【目次】 第一章 辺土紀行 徳島――高知 第二章 幸月事件 第三章 辺土紀行 高知――愛媛 第四章 托鉢修行 第五章 辺土紀行 松山――香川 第六章 草遍路たち おわりに 参考文献一覧
  • 吾妻おもかげ
    3.5
    絵師を目指し、安房から江戸に出て十年。菱川吉兵衛は、吉原と芝居小屋という「二大悪所」に入り浸る自堕落な日々を過ごしていた。 狩野探幽への弟子入りを門前払いされたものの、その面目なさから郷里の縫箔屋の跡を継ぐ決心もできずにいたのだ。 そんな中、ひょんなことから吉原の女たちの小袖に刺繍を施すことに。福良雀と笹の葉、波千鳥、吉祥文様の宝珠、玩具の手毬や扇子に草花。 さまざまな美しい意匠を縫い付けながら、吉兵衛は、未来の見えない辛い日々の中でも懸命に明るく生きようとする彼女たちの心の温もりに励まされ、再び筆を執ることを決意する。 だが、ある日突然巻き起こった大火に吉原と江戸の街が飲み込まれ……。江戸の人々の暮らしを見つめ続けた菱川師宣こと吉兵衛が本当に描きたかったものとは? 浮世絵の祖の生涯を描く、人情と愛に満ちた波瀾万丈の浮世絵師小説。
  • 弓を引く人
    4.0
    【『アルケミスト』の著者、パウロ・コエーリョが贈る「人生を実り豊かにする」教え】 この国で最高の弓の達人である哲也は、現在、小さな村の普通の大工として生きていたが、 ある日、遠い国から来た別の弓の達人から挑戦を受けた。 哲也はこの挑戦を受けることによって、その弓の達人だけでなく、村の少年にも弓の真髄を 教えるのであった――。 「矢は一本一本、異なる飛び方で飛翔する。  あなたは何千本という矢を射ることができるが、  その一本一本が異なる軌跡を描いて飛んでゆく。  それが弓の道なのだ。」 プロローグ 仲間たち 弓 矢 的 姿勢 矢の持ち方 弓の握り方 弓の引き方 的を見る 矢を放つ瞬間 繰り返し 的に向かって飛翔する矢を見る 弓も矢も的も持たない射手 エピローグ
  • シリウスの反証
    3.9
    冤罪被害者の救済活動に取り組む日本初の団体「チーム・ゼロ」。弁護士や学者などのスペシャリストで構成されるチームのもとに、無実を訴える一通の手紙が届く。それは23年前の郡上おどりの夜に岐阜県郡上郡で起きた一家四人殺害事件の犯人として、死刑判決を受けた死刑囚・宮原からのものだった。 チームの一員として理想に燃える若手弁護士・藤嶋翔太は宮原と面会し、事件について調べ始める。宮原の当日の行動、凶器に残された指紋、そして宮原自身による証言。そのすべてが宮原の犯行を決定づけるように思えたが、やがていくつもの違和感が浮上してくる。 信頼の置けない科学捜査や心理的なバイアスなど、藤嶋たちは様々な要素から真相を手繰り寄せるが、チームを大きな悲劇が襲い――。
  • 子供は怖い夢を見る
    3.8
    虐待の末に殺された妹を、不思議な力を持つ一族に救われた航。蘇った妹は失踪し、20年以上会えないまま。しかしある日出会った「ガオ」という青年から、生き別れた妹が成長したと思われる女性を紹介され……。
  • インドラネット
    3.9
    平凡な顔、運動神経は鈍く、勉強も得意ではない――何の取り柄もないことに強いコンプレックスを抱いて生きてきた八目晃は、非正規雇用で給与も安く、ゲームしか夢中になれない無為な生活を送っていた。唯一の誇りは、高校の同級生で、カリスマ性を持つ野々宮空知と、美貌の姉妹と親しく付き合ったこと。だがその空知が、カンボジアで消息を絶ったという。空知の行方を追い、東南アジアの混沌の中に飛び込んだ晃。そこで待っていたのは、美貌の三きょうだいの凄絶な過去だった……
  • 「低度」外国人材 移民焼き畑国家、日本
    4.1
    「ルームメイトは逃亡しました」 国からは「高度」と見なされない、圧倒的多数(外国人労働者)の世界。 大宅賞『八九六四』著者が、絶対的な弱者でも敵でもない、彼らの「現実」に迫るディープルポ! 日本政府をはじめ、公的機関が使用している言葉、「高度外国人材」。 「高度」な人材がいるということは、国の定義とは真逆の属性を持つ人材も存在するはずだ。 それは、「(年齢だけは若いかもしれないが)学歴・年収が低く、日本語はろくに喋れず専門知識もない、非熟練労働に従事している」人たちといえる。 しかし、日本社会は彼らにこそ強く依存しており、必要としているではないか。 生身の「“低度”外国人材」は、紋切り型の報道のなかで語られるような、絶対的な弱者や被害者たちの群れではない。 ましてや、陰謀をたくらむ存在でもない。 そもそも中国は経済成長をとげ、稼げない日本に見切りをつける中国人は多く、外国人労働者の主役はベトナム人に移行している。 ──われわれは記号としての弱者や敵を想定していたのに、いたのは人間だった。 3年にわたって中国、ベトナム、日本各地を回り、生身の姿に迫ったディープルポ! 【目次】 はじめに 第一章 コロナ、タリバン、群馬県――隣人は平和な「イスラム原理主義者」 第二章 「兵士」たちの逃亡と犯罪――主役は中国人からベトナム人へ 第三章 頼りなき弱者――ベトナム「送り出し」業者に突撃してみれば 第四章 「低度」人材の村――ウソと搾取の「破綻した制度」 第五章 「現代の奴隷」になれない中国人――稼げない日本に見切りをつけるとき 第六章 高度人材、低度人材――「日本語だけは上手い」元技能実習生 第七章 「群馬の兄貴」の罪と罰――北関東家畜窃盗疑惑の黒い霧 おわりに 主要参考文献
  • ヘルメースの審判
    4.2
    家電商品の発火で死亡事故が発生し、マスコミから経営体質を批判された世界的電気メーカー・ニシハマ。ハーバード大を卒業し、創業一族に婿入りした梶原賢太は政界のフィクサーから、ニシハマが窮地を脱するための極秘計画を持ち掛けられる。それは、モンゴルでの使用済み核燃料の最終処分場建設という、政官財を巻き込む一大プロジェクトだった! 交錯する利権と思惑。賢太はある賭けに打って出るが――。
  • 地霊都市 東京第24特別区
    3.0
    最先端のテクノロジーと霊的なものとの衝突が物語に思いがけないひねりを加え、最後まで一気に読ませる。 ――大森望(書評家) AI 防犯システム、対自然災害、IRカジノ――”理想の街(スーパーシティ)”を護り抜け。 最先端テクノロジーに警鐘を鳴らす、近未来ミステリー! 2020+年、オリンピック後の東京に新設された、対自然災害の実験都市・SC特別区。そこは未来の理想都市として、AIで完璧に管理されていたはずだった。そのオープン初日、安全管理センターの所長・神代は、街に仕掛けられた罠に気づく。街のセキュリティ突破には、ダークWEB上で巨額の懸賞金がかけられていたのだ。神代は、副所長の鷹宮やオペレーターたちと、カジノやITサミットを狙ったテロに対処していく。だが、その裏で謎の突然死がエリア内に多発していた……。 「まるでこの街に意思があって、機会があれば住民を殺しているみたい」
  • 紅蓮浄土 石山合戦記
    4.0
    十六歳になる孤児の千世は、本願寺の間諜組織「護法衆」の一員として育てられ、篤い信仰心と類まれな戦闘技術を身に付けていた。信長と本願寺の戦いに身を投じた千世の運命は──。著者渾身の長編歴史小説。
  • 愚か者の城
    3.0
    木下藤吉郎は、実現不可能と目されていた墨俣城築城を成し遂げ、織田家中でも一目置かれる存在となっていた。だが、藤吉郎の前に足利義昭の使者として、明智光秀が現れた。信長は、光秀を重用するようになるが……。
  • 行基 菩薩とよばれた僧
    4.0
    王の法より仏の道──。 天平13年(741年)3月、聖武天皇に招かれ、謁見する僧侶がいた。僧の名は、行基。民草を救うため、仏の教えを広めた僧は、その人心への影響力から、朝廷に恐れられ、弾圧すらされた。朝廷から大僧正の位を授けられ、文殊菩薩の化身とよばれた男はどのような生涯を送ったのか──。自然と愛するものに囲まれ、仏の道に目覚める幼年期から東大寺大仏建立、入寂までを丹念に描いた、長篇歴史小説。
  • 大統領に告ぐ 新橋署刑事課特別治安室〈NEO〉
    3.5
    都内近郊で4件の殺人事件が発生した。被害者の繋がりから容疑者として浮上したのは、多国籍過激派『赤い牙』の重要メンバー深町春の息子、深町陽。やがて5人目のターゲットが判明すると警察庁に激震が走る。次の標的は来日間近の米国大統領だったのだ。狙撃場所の特定と実行阻止を任されたのは、警察庁直轄で国難事案を任務とする新橋署刑事課特別治安室〈NEO〉。彼らは春の元恋人かつ陽が尊敬を表す人物、元過激派で無期懲役囚の甲斐宗太郎に協力を求める。タイムリミットが刻一刻と迫る中、大統領一行を乗せたエアフォースワンは横田基地に降り立った――。
  • 指揮権発動
    4.0
    ODAコンサルタントに従事する三人の日本人が殺された! 密命を受けた特捜検事の芦名は、アフガニスタンへ飛ぶ。公安、捜査一課とともに捜査を進めると、日本政府を揺るがす裏金システムの存在が発覚し――。 ※初出「小説 野性時代」2017年4月号~2018年5月号 単行本化に際し加筆修正しています。
  • シュッシュッポッポきかんしゃチャーリー
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「こういう絵本を、ずっと書きたいと思っていた」──スティーヴン・キング映画『ダーク・タワー』(2018年1月全国公開) 作中人物による絵本
  • ヒーロー
    4.0
    あなたには何か特別なものがあります。あなたには、他の70億人にはない特別の役割と仕事があります。あなたが送るべき人生があります。あなたがたどるべき旅があるのです。この本はその旅に関する本です。自分の夢を生きるために、あなたは必要なものを全て持って生まれているのです。幸せをつかんだ12人のヒーローから学ぶ、自分の使命。――あなた自身がヒーローなのです。
  • ザ・シークレット
    4.0
    「偉大な秘密」の片鱗は何世紀にもわたり文学、宗教、哲学等の口承伝説の中に見出されてきました。今回初めてこの本で「秘密」の断片が集められ、驚くべき形で世に明らかにされることになりました。これを体験する全ての人々にとって、本書は人生の大きな転機となることでしょう。この本では、あなたのお金、健康、人間関係、幸せ、世の中との関係など人生のあらゆる面において、「秘密」をどのように使うかを学ぶことができます。あなたは自己に内在する未開発の力を理解し始めるでしょう。それが明らかにされるに連れて、あなたの人生のあらゆる面が喜びで満たされるでしょう。この本には、「秘密」を実践して、健康、富、幸せを手に入れた現代の師達の叡知が紹介されています。また、本書の中で明らかにされている知識を応用することで、病気を治したり、莫大な富を手に入れたり、障害を克服したり、不可能と思われたことを達成した経験など説得力のある話が紹介されています。
  • 大井篤海軍大尉アメリカ留学記 保科さんと私
    4.0
    海軍きっての知米派の大井篤大佐が若き日の米国留学を回想した貴重な記録。軍上層部へ反対する気骨がどのように育まれたか、若き知性派軍人の熱い思いが伝わる。阿川弘之氏の長男、阿川尚之氏の書き下ろし解説を収録。 ※本書は、雑誌「水交」に連載された「保科さんと私」を改題し、書き下ろしを加えたものが底本です。
  • 大丈夫、死ぬまで生きる 碁打ち 藤沢秀行‐‐無頼の最期
    4.5
    博打、借金、アル中、女性問題、出奔、ガン闘病……天才棋士でありながら型破りな夫を長年支え、無数の難局を乗り越え続けた著者を最後に待っていたのは、夫への壮絶な老々介護だった……感動ノンフィクション。
  • 孤高の名家 朝吹家を生きる 仏文学者・朝吹三吉の肖像
    -
    サガンの翻訳で知られる朝吹登水子、鮎川賞詩人・亮二、芥川賞作家・真理子・・。一族に連鎖する美と自由の精神を導いた仏文学者・三吉の生き様と、もう一つの朝吹家の歴史を初めて明かした貴重なノンフィクション!
  • ブレイキングポイント 日銀金庫攻略完全マニュアル
    3.0
    日銀に勤務する広瀬は何者かに襲われ、愛娘の莉子が誘拐されたと告げられる。学生時代に箱根駅伝を走った過去をもち、現在も仕事帰りのランニングを欠かさない広瀬に対し、走って目的地まで向かうことを要求した犯人。ルートと心拍数がモニタリングされた極限状態のまま、広瀬が導かれた先には、日銀本店がそびえ立つ――。ターゲットは10兆円! めくるめくどんでん返し、このうえない疾走感で描く、圧倒的規模のコンゲーム!
  • 覇権通貨 小説人民元
    4.0
    日本産業銀行の江草は北京支店に赴任した。国策銀行への出資交渉が任務だったが、中国ファンドによる産銀株買い占めの動きもあり、やがて衝撃の「マルコ・ポーロ計画」が発動される・・・。国際化を目論む中国・人民元が目指す野望とは? 中国ビジネスの第一人者が描く、国際派経済小説!
  • テミスの不確かな法廷
    5.0
    任官七年目の裁判官、安堂清春は、東京からY地裁に赴任して半年。発達障害という特性を抱えながら、日々事件に向き合っていた。 ある日、安堂が担当したのは地元暴力団の準構成員、江沢による詐欺未遂と傷害事件の裁判。江沢はタクシーにわざとぶつかって金をだまし取ろうとし、タクシーに乗っていた市長候補の男性に殴りかかり、けがを負わせた罪で起訴されていた。だが、江沢は罪状認否で起訴内容を否認。安堂も弁護人を解任するなど、初公判は大混乱となる。その日の夜、安堂の元に、執行官の津村がやってくる。「市長の事件には裏がある。政治がらみですよ」との意味深な言葉を残していくが……。
  • 未来経過観測員
    5.0
    超長期睡眠を使い、遥か先の未来を記録し続ける職業「未来経過観測員」。借金返済のため、未来経過観測員となったモリタは、百年ごとに一度目覚めて人類史を観測することになる。希望に満ちた未来を期待していたモリタだったが、あるとき目覚めた未来で人類絶滅の危機に遭遇してしまう。進化したAIとバイオテクノロジーが生み出した不死身の怪物が地球上を埋め尽くしていたのだ。モリタは球体型のポストヒューマン・ロエイと共に地球を離れ、未来の観測を続けながら宇宙に安住の場所を探すことになるのだが……(「未来経過観測員」)。表題作ほか全二作を収録。
  • この会社、後継者不在につき
    3.7
    自分が引退しても、我が子のように大切な会社には末永く続いてほしい――経営者の願いも虚しく、中小企業の後継者不足が問題となって久しい。 二人の息子のどちらかに会社を継がせたい、洋菓子店の二代目社長。 社内に目ぼしい人材がいないとボヤく、ワンマンバッグメーカー社長。 社長の急な逝去により外国人オーナーのもとで働くこととなった、刃物メーカー社員。 会社の行く末に三者三様の悩みを抱える人々に、型破りな中小企業診断士・北川は、前代未聞の経営改革案を提示する。 『県庁の星』著者がおくる、痛快お仕事エンタテインメント!
  • 清算
    完結
    3.6
    広告代理店「八千代アドバンス」は、経営悪化により、会社を解散し清算することが決まる。制作部の畑井伸一は、総務部長に任命され、経験のない会社解散の手続きを担当することに。そんな中、負債の返済用資金二億円が元社員と共に消えてしまう。虎の子の二億円の行方を捜す畑井の前に次々と巻き起こるトラブル。金を取り戻し、八千代アドバンスの秘密を“清算”することはできるのか?
  • 地雷グリコ
    完結
    4.2
    射守矢真兎(いもりや・まと)。女子高生。勝負事に、やたらと強い。 平穏を望む彼女が日常の中で巻き込まれる、風変わりなゲームの数々。罠の位置を読み合いながら階段を上ったり(「地雷グリコ」)、百人一首の絵札を用いた神経衰弱に挑んだり(「坊主衰弱」)。次々と強者を打ち破る真兎の、勝負の先に待ち受けるものとは――ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説、全5篇。
  • 悪と無垢
    3.5
    「逃げなきゃ。この女のそばにいるのは危険すぎる」 新人作家、汐田聖が目にした不倫妻の独白ブログ。ありきたりな内容だったが、そこに登場する「不倫相手の母親」に感情をかき乱される。美しく、それでいて親しみやすさもある完璧な女性。彼女こそ、聖が長年存在を無視され、苦しめられてきた実の母親だった。ある時は遠い異国で、ある時は港の街で。名前も姿さえも偽りながら、無邪気に他人を次々と不幸に陥れる……。果たして彼女の目的は、そして、聖は理解不能の母にどう向き合うのか?
  • 濱地健三郎の呪える事件簿
    3.5
    探偵・濱地健三郎には鋭い推理力だけでなく、幽霊を視る能力がある。彼の事務所には、奇妙な現象に悩む依頼人のみならず、警視庁捜査一課の刑事も秘かに足を運ぶほどだ。リモート飲み会で現れた、他の人には見えない「小さな手」の正体。廃屋で手招きする「頭と手首のない霊」に隠された真実。作家志望の美男子を襲った心霊は、古い洋館のどこに巣食っていたのか。濱地と助手のコンビが、6つの驚くべき謎を解き明かしていく――。
  • テウトの創薬
    完結
    3.5
    世界の新薬の6割を生みだす、創薬ベンチャーの知られざる世界! カイコを利用する新技術でバイオ医薬品の生産を目指すトトバイオサイエンスの研究開発部長の進藤颯太郎は、工場で起きた事件をきっかけに同社の科学顧問で上州大学医学部教授でもある加賀義武の本性を知る。事件後、加賀と袂を分かったトトバイオと進藤は、新たな科学顧問探しと新薬開発を進めるが、加賀の妨害工作でトトバイオの株価は下落する。さらに帝央製薬と手を組んだ加賀の狙いは――。 研究の理想とベンチャー企業の綱渡り経営の現実がせめぎ合う、リアル創薬業界物語!
  • 楽園ジューシー
    3.5
    「いつか絶対、三人で行こう」。親友と誓い合った思い出を胸に沖縄の安宿でバイトすることになった大学生のザッくん。待ち受けていたのは、おいしい料理と超アバウトなスタッフ、それに個性的すぎる宿泊客たちで!?
  • 断罪のネバーモア
    3.6
    度重なる不祥事から警察の大改革が行われた日本。 変革後の警察にブラックIT企業から転職した新米刑事の藪内唯歩は茨城県つくば警察署の刑事課で警部補の仲城流次をパートナーとし殺人事件の捜査にあたる。 刑事課の同僚たちの隠しごとが唯歩の心を曇らせ、7年前の事件が現在の捜査に影を落とす。 ノルマに追われながらも、持ち前の粘り強さで事件を解決した先に、唯歩を待ち受ける運命は――。 リアル警察小説と本格ミステリの2重螺旋! 白黒が全反転する奇跡の終盤に瞠目せよ!!
  • 仮面
    完結
    3.4
    読字障害というハンディキャップを抱えながらもアメリカ留学の後、作家・評論家としてTVで活躍する三条公彦。三条の秘書として雇われた菊井早紀は信頼を得てゆく一方で、その謎多き私生活と過去が気になっていた。そんな折、パン店経営者の妻・宮崎璃名子の白骨遺体が発見される。行方不明となった新田文菜の捜査にあたる刑事の宮下は、文菜と璃名子の不審な繋がりに気づく。人気評論家の三条は二つの事件に関わっているのか? 「仮面」で真の顔を隠しているのは誰なのか? ラストまで目が離せない瞠目のクライムサスペンス!
  • 罪の因果性
    完結
    3.7
    ストーカー殺人事件に巻き込まれ人生を狂わされた、市役所職員・佑美。 だが三年後、事件の“再検証”が、壮大な悲劇の連鎖を明らかにする――。 『ルパンの娘』の著者、デビュー10周年の最高到達点! 【あらすじ】 市役所職員・倉多佑美は、家出した恋人を捜しているという男の電話を受ける。粘着質な男の誘導に、佑美は意図せず個人情報を漏らしてしまうが、数日後、市内で起きた地下アイドル刺殺事件に戦慄する。その被害者こそ、男が捜していた相手だったのだ!自責の念と周囲の目から、佑美は辞職に追い込まれる。だが三年後、新生活を営む佑美のもとに、星谷と名乗る謎の男が現れる。星谷は、事件を再検証したいと切り出し……。 乱歩賞作家が辿り着いた、慟哭のクライム・ミステリー!
  • ハヤブサの血統
    3.0
    米国の新型戦闘機は欠陥品だ――ムサシ重工に勤める光崎は、空自の次期主力戦闘機に内定したF-53が試験中墜落していたことを知る。米国が事実を隠蔽する中、光崎は国内各社の力を集結して国産機の開発に挑む!
  • 密室法典
    NEW
    3.7
    霞山大学の法学部から、同大学のロースクールへと無事に進学した古城行成。古城が運営する「無料法律相談所」(通称「無法律」)は、自称助手の経済学部四年、戸賀夏倫と、法学部四年、矢野綾芽を交わえ、持ち込まれた法律が関わる事件を解決する自主ゼミである。 密室状況にある模擬法廷の証言台の前で、恐竜の着ぐるみが倒れていた監禁事件、2通の遺言書を作成した医者の不審死とダイイングメッセージの謎、官庁訪問の会場で相談された雪山での相談事件などの経験を通じて、古城たちは少しずつ、法の真理と人間への洞察を深めていく。
  • テッペン、獲ろうか。 中卒40歳・年商14億円経営者の失敗から学んだ「成り上がり論」
    -
    貧困、低学歴、喧嘩上等。 すべてを曝け出して生きていけ! 貧しい幼少期を過ごし、生きることを見出せなかった10代。 中卒で社会に出た著者・小澤辰矢は、 ガソリンスタンド、ホスト、闇金、建設業と職を転々とする。 運命的に出会った「コンクリート打設」という仕事で、独立起業。 海外からも評価される商品を生み出すなど、 いまでは年商14億円の「小澤総業」のグループを率いるまでになった。 類い稀なる「行動力」で嵐を巻き起こし続けてきた、 イノシシのように猛進してきたこれまでの人生。 異色の経営者がすべてを曝け出した、 「生きる勇気」をもらえる珠玉のノンフィクション。 ●目次 はじめに――地獄の底から見つかった、俺の「テッペン」  第1章 因縁――金がない、なにもない 第2章 覚醒――東京で金を稼ぐ面白さに目覚めて 第3章 船出――ポンプ車1台からのスタート 第4章 絶望――事件の連続に打ちひしがれて 第5章 転換――見つけた、俺にとっての「テッペン」 第6章 躍進――世界を変える壮大な発明 おわりに――巨大な嵐が、世界を変えていく
  • 家族解散まで千キロメートル
    3.6
    実家に暮らす29歳の喜佐周(きさ・めぐる)。古びた実家を取り壊して、両親は住みやすいマンションへ転居、姉は結婚し、周は独立することに。引っ越し3日前、いつも通りいない父を除いた家族全員で片づけをしていたところ、不審な箱が見つかる。中にはニュースで流れた【青森の神社から盗まれたご神体】にそっくりのものが。「いっつも親父のせいでこういう馬鹿なことが起こるんだ!」理由は不明だが、父が神社から持ってきてしまったらしい。返却して許しを請うため、ご神体を車に乗せて青森へ出発する一同。しかし道中、周はいくつかの違和感に気づく。なぜ父はご神体など持ち帰ったのか。そもそも父は本当に犯人なのか――?
  • スパゲッティになりたいラーメン じぶんをすきになるえほん
    -
    【5・6才以上向け】 おいしく、自己肯定感UP↑ アン ミカさん翻訳! ●モニター読者の声 「なれねーよ! と楽しそうにツッコんで、何度も読み返していた」(6歳・女の子のママ) 「食いつきがよかった。絵がかわいくておもしろい、とのこと」(6歳・男の子のパパ) 「スパゲッティ好きもいるけどラーメン好きもいる、とさっそく多様性について語っていた」(5歳女の子のママ) ●「“ないもの”ねだりより”あるもの”みがきが幸せへの近道」(アン ミカさん) あるスーパーマーケットにて。ラーメンくんがいいました。 「ラーメンはしかくいし、くるくるしてるし、なんかださい。 だからぼく、スパゲッティになりたい!」 おどろきおこる、ほかのラーメンたち。やっぱりね、とよろこぶスパゲッティたち。 はてさて、どうなることやら…… 「ぼくはぼくのままでいいのかな?」 みんな! ラーメンくんのよいところをおしえてあげて!
  • 人間標本
    3.8
    蝶が恋しい。蝶のことだけを考えながら生きていきたい。蝶の目に映る世界を欲した私は、ある日天啓を受ける。あの美しい少年たちは蝶なのだ。その輝きは標本になっても色あせることはない。五体目の標本が完成した時には大きな達成感を得たが、再び飢餓感が膨れ上がる。今こそ最高傑作を完成させるべきだ。果たしてそれは誰の標本か。――幼い時からその成長を目に焼き付けてきた息子の姿もまた、蝶として私の目に映ったのだった。イヤミスの女王、さらなる覚醒。15周年記念書下ろし作品。 ※電子版には口絵は収録しておりません。
  • この銀盤を君と跳ぶ
    4.5
    二ヵ月後にオリンピック開催を控えた、全日本フィギュアスケート選手権。 この大会には日本女子フィギュアの歴史を変える選手二人が揃った。 卓越したセンスと表現力を持つ完璧主義者・京本瑠璃。 圧倒的身体能力でジャンプの限界を超越する雛森ひばり。 波乱続きの競技人生を送る彼女たちをこの舞台に導いたのは、それぞれのパートナーだった。 片や、運命が出会わせた師弟。 片や、幼馴染みの選手同士。 強く結びついた女性二人×二組がひとつの五輪出場権をかけてぶつかり合う。
  • こちら空港警察
    4.0
    成田空港でGS(グランドスタッフ=空港業務スタッフ)として働く咲良は人気の芸人の帰国を知り、芸能人を間近で見れることにワクワクする。しかし、ゲートに現れた人気芸人・瀬戸は空港警察に先月から着任したばかりの仁志村賢作に身柄を確保されてしまう。普段から、「役立たず」と陰で言われている空港警察の行動に驚く咲良。何と瀬戸には麻薬密輸の容疑が掛かっているらしい。しかし、瀬戸の身体には麻薬犬もTDS(検査機器)もX線も金属探知機も反応を示さなかった。とんでもない濡れ衣だと瀬戸は激昂するが、仁志村は意外なモノに着目し、瀬戸を追い詰め始める。
  • 唐木田探偵社の物理的対応
    4.1
    都市伝説が実体を持ち、人に危害を加えるようになった“新種の怪異”。 その存在は政府によって極秘として取り扱われ、“偽の月”を見ることができるごく一部の人間たちだけが認知できる。 国内の被害者が急速に増加する中、怪異に立ち向かう方法はたったひとつ――物理攻撃だった。 怪異駆除の専門業者・唐木田探偵社新入社員の〈ネズミ〉は、入社早々、同僚たちからあらゆる戦闘方法を叩き込まれ、実戦に駆り出される。 最前線の戦闘班は10年生存率25%といわれ、生き残っている現メンバーたちも、特殊な事情を抱えた問題児だらけだった。 ルール無用に襲いくる怪異に命からがら立ち向かううち、同僚たちとの間にも不思議な絆が芽生えるが、依然として怪異の被害者は指数関数的に増えるばかり。 果たしてネズミたち探偵社の面々は、怪異急増の原因を突き止められるのか――。
  • 777 トリプルセブン
    4.2
    あの世界で一番不運な殺し屋が、また騒動に巻き込まれる――。『マリアビートル』では新幹線から降りられなかったが、今度は東京の超高級ホテルから出られない……!? 伊坂幸太郎、2年ぶりの完全書き下ろし。殺し屋シリーズ最新作。
  • ネバーブルーの伝説
    4.0
    「書物に仕えることが僕たちの仕事だ。書き残そう。二度とまちがえないように」 アスタリット星国で写本士見習いとして働く15歳のコボル。 写本士の仕事は、数年に一度起きる災害“塵禍”や戦争で滅びた他国から本を救出して正確に書き写し、文化をつないでいくことだ。 コボルは塵禍に見舞われた隣国・メイトロン龍国へ、仲間たちと初の任務に赴く。 龍の伝説が残るメイトロン龍国を調査するうち、アスタリット星国が隠していた真実を知ってしまったコボルたちは、孤独な戦いへと身を投じることになるが――。 圧倒的なスケールと文学的モチーフで構築される 胸が高鳴る冒険ファンタジー、開幕!
  • 100日後に別れる僕と彼
    4.0
    性的少数者のためのパートナーシップ宣誓制度について受けたインタビューが、萌えるとSNSで注目を集める春日佑馬と長谷川樹の同性カップル。そんなふたりに、同棲生活を延べ100日撮影するドキュメンタリー取材の依頼が舞い込み、同性愛者への理解を広めたい佑馬はそれを受諾する。しかし佑馬と樹は実質的に破局していた。佑馬は樹を説得し、ふたりはカメラの前では仲の良い恋人を演じることに。そんなことを知る由もない制作会社のディレクター茅野志穂は、ありのままの彼らを記録しようと意気込むが……。愛を撮る者、愛を偽る者、愛を捨てきれない者。様々な想いが交錯する100日間の幕が上がる。 『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』の浅原ナオトが贈る、“多様な性”への“多様でない視線”に対峙する人々の、蹉跌と再生の100日間の記録。
  • 白蕾記
    3.7
    大坂の蘭学塾「適塾」を営む名高い医学者、緒方洪庵の妻となった八重。ぎこちない暮らしの中、次第に二人は心を通わせていく。そんな中、恐るべき疫病の疱瘡が流行の兆しを見せはじめた。洪庵と八重は、人々が疱瘡に苦しむことのない世をつくるため、適塾で学ぶ志士たち――大村益次郎、橋本左内、福沢諭吉らと共に新医術「牛痘種痘」を広めようとする。だが、それは長く困難な闘いの始まりだった。多くの人材を育て、近代医学の礎を築いた夫婦のひたむきな愛と絆を描く感動の歴史小説。
  • 夜空に浮かぶ欠けた月たち
    4.1
    東京の片隅、小さな二階建ての一軒家。庭に季節のハーブが植えられているここは、精神科医の夫・旬とカウンセラーの妻・さおりが営む「椎木(しいのき)メンタルクリニック」。キラキラした同級生に馴染めず学校に行けなくなってしまった女子大生、忘れっぽくて約束や締め切りを守れず苦しむサラリーマン、いつも重たい恋愛しかできない女性会社員、不妊治療を経て授かった娘をかわいいと思えない母親……。夫妻はさまざまな悩みを持つ患者にそっと寄り添い、支えていく。だが、夫妻にもある悲しい過去があって……。
  • 落日の工藤会
    -
    「あんた、生涯、このこと後悔するよ」――。これは2021年8月24日、九州最大で最恐のヤクザ、工藤会総裁・野村悟に死刑判決が下った際に野村が裁判官に向かって放った言葉である。推認を重ねて出された異例の判決に至ったとされる、工藤会が起こした事件の内容とは。福岡県警が長年もくろんできた「工藤会壊滅作戦」の全貌とは。福岡県が「修羅の国」と呼ばれる所以となった極道を、長年追ってきた地元紙新聞記者たちによる、迫力のノンフィクション。 【目次】 序章:衝撃の死刑判決 1章:武闘派ヤクザの生い立ち 2章:ヤクザと海 3章:続発する市民襲撃 4章:壊滅作戦前夜 5章:異例の捜査と舞台裏 6章:法廷の全面対決 7章:凋落する工藤会 判決文
  • Another side of 辻村深月
    4.0
    書き下ろし短編、宮部みゆき・伊坂幸太郎との特別対談、全作品解説インタビュー――唯一無二の小説を生み出し続ける辻村深月の裏側を徹底解剖。ファン必読の1冊、誕生! 【内容紹介】 <新規収録> 書下ろし短編小説 書籍未収録短編「影踏みの記憶」 著者による全作品解説インタビュー 特別対談 宮部みゆき 伊坂幸太郎 新刊『この夏の星を見る』(2023年6月刊行予定)紹介書評 吉田大助 エッセイ 浅倉秋成 一穂ミチ 呉勝浩 白尾悠 武田綾乃 成井豊 吉野耕平 論考 朝宮運河 千街晶之 東畑開人 トリビュートイラスト 山田章博 木村風太 雁須磨子 ほか <再録> 対談 朝井リョウ あずまきよひこ 幾原邦彦 羽海野チカ 大島てる 大槻ケンヂ 藤田貴大 藤巻亮太 中村義洋 松坂桃李 松本理恵 師弟問答with綾辻行人 辻村深月の100問100答 大山のぶ代さんにお会いした日(文:辻村深月) 文庫解説『ののはな通信』『あとは野となれ大和撫子』 etc
  • 砂の宮殿
    3.3
    外科医の才所准一は、大阪で海外富裕層向けの自由診療クリニックを運営している。 抗がん剤・免疫療法の趙鳳在、放射線科の有本以知子、予防医学の小坂田卓という優秀な三人の理事とともに最先端のがん治療を提供し、順調に実績を重ねていたところ、久しぶりに訪ねてきた顧問が不審死を遂げる。 これは病死か事故か、それとも――。 高額な治療費への批判も止まず、クリニックに吹き荒れる逆風に、才所はどう立ち向かうのか。
  • 四日間家族
    4.1
    自殺を決意した夏美は、ネットで繋がった同じ望みを持つ三人と車で山へ向かう。夜更け、車中で練炭に着火しようとした時、森の奥から赤ん坊の泣き声が。「最後の人助け」として一時的に赤ん坊を保護した四人。しかし赤ん坊の母親を名乗る女性がSNSに投稿した動画によって、連れ去り犯の汚名を着せられ、炎上騒動に発展、追われることに――。暴走する正義から逃れ、四人が辿り着く真相とは。
  • 名将前夜 生涯一監督・野村克也の原点
    4.5
    野村はあれだけの大監督でありながら、中学野球でも指揮を執った異色の経歴を持つ。 その名を「港東ムース」という。そして、このチームは途轍もなく強かった。 未だ破られていない伝説の全国4連覇。その裏には、野村と少年たちの濃密な日々があった。 さらに、このチームには古田敦也よりも先に野村の薫陶を受けた一人の捕手がいた。 野村と「0番弟子」の知られざる物語。 [目次] 序章  飾られなかったユニフォーム 第一章 野村克也の下に集いし少年たち 第二章 「ID野球」を少年たちに 第三章 少年たちに伝授する「野村の教え」 第四章 野村克也の胴上げ 第五章 日本野球、世界の頂点に 第六章 「野村監督は、僕のお父さんのような人です」 第七章 スワローズ2連覇、ムース4連覇! 第八章 港東ムース、無念の消滅─ 終章  港東ムースが遺したもの おわりに
  • あわのまにまに【電子版特典付き】
    3.6
    「好きな人とずっといっしょにいるために」、あのとき、あの人は何をした?  2029年から1979年まで10年刻みでさかのぼりながら明かされる、ある家族たちをとりまく真実。 あの時代、確かにそうやって、わたしたちは生きていた。 隠されていた「わたしたちの秘密」を理解したとき、あなたは平常心でいられるか。 『余命一年、男をかう』で第28回島清恋愛文学賞を受賞した著者が放つ、生き方、愛、家族をめぐる、「ふつう」を揺らがせる逆クロニクル・サスペンス。 〈全6章〉 1 二〇二九年のごみ屋敷 2 二〇一九年のクルーズ船 3 二〇〇九年のロシアンルーレット 4 一九九九年の海の家 5 一九八九年のお葬式 6 一九七九年の子どもたち 【電子版特典】 著者書き下ろしエッセイ「流れゆく時間の中で」
  • 君の教室が永遠の眠りにつくまで
    3.0
    大嫌い、大好き。――だからお願い、地獄に落ちて。 二人の少女をめぐる、運命と戦慄の「百合」×「ホラー」 30年以上、正体不明の灰色の雲に頭上を覆われている北海道F町。この町に暮らす小学六年生の遠野葵は、同級生の落合紫子が無二の親友であり、また友情を超えた感情をも抱きながら幼い日々を幸福に暮らしていた。しかし、葵が犯した過ちがきっかけで、研究者をしている紫子の父のスキャンダルが暴かれる。紫子は町中からバッシングされ、学校でも激しいいじめに遭ってしまう。葵は謝罪すらできないまま、紫子は転校して町を去る。同じ頃、町では住人が相次ぎ失踪する事件が起き、新しい担任の狭間百合が学校にやってくる。百合は葵に「私はあなたの秘密も過ちも知っている。そして私だけがあなたを助けることができる」と告げる。その言葉に従い、葵は恐ろしい儀式に手を染める。やがてついに、葵たちは運命の日を迎えることになるのだが……。スクール・ホラー、クローズド・タウン、そして儚い百合ロマン。ミステリとホラー、それぞれの読者を驚愕させる、規格外の横溝正史ミステリ&ホラー大賞「優秀賞」受賞作
  • 秋雨物語
    3.5
    失踪した作家・青山黎明が遺した原稿。それは彼を長年悩ませる謎の転移現象の記録だった。転移に抵抗する青山だったが、更なる悪夢に引きずり込まれていく(「フーグ」)。ある呪いを背負った青年の生き地獄、この世のものとは思えないある絶唱の記録など、至高のホラー4編による絶望の連作集。『黒い家』『天使の囀り』『悪の教典』……いくつもの傑作を生み出した鬼才・貴志祐介が10年以上にわたり描き続けた新シリーズが遂にベールを脱ぐ。
  • みみそぎ
    3.7
    三津田信三のもとに怪異の記録が持ち込まれる。記録に目を通した三津田は戦慄した――その理由は本書を読んで確かめてみてほしい。本書には記録の一部と、読後に起きた出来事がまとめられている。
  • 夜の夢こそまこと 人間椅子小説集
    4.3
    江戸川乱歩をはじめとする文学、怪奇、幻想をテーマとした音楽性で注目され続ける人気ロックバンド「人間椅子」。国内外から高い評価を受ける彼らの楽曲を題材に、大槻ケンヂら各ジャンルから集結したトガり切った執筆陣が小説を執筆! 土俗ホラー、ディストピアSF、異形の青春――音楽と文芸の融合が奏でる、暗く、熱く、激しいビートがあなたを包み込む。
  • 鎌倉残影 歴史小説アンソロジー
    3.6
    2022年の大河ドラマで描かれた、いくつもの野望と愛が交差する鎌倉時代。そんな武士の世への転換点を駆け抜けた人々――源頼朝、北条政子、後鳥羽上皇、和田義盛、そして北条義時。歴史小説の名手たちが彼らの面影を丹念に描き上げた珠玉の小説集! 義時の恋が、政子の激情が、鎌倉の光景をありありと蘇らせる。
  • 最後の鑑定人【電子版特典付き】
    3.8
    「科学は嘘をつかない。嘘をつくのは、いつだって人間です」 「最後の鑑定人」と呼ばれ、科捜研のエースとして「彼に鑑定できない証拠物なら他の誰にも鑑定できない」と言わしめた男・土門誠。ある事件をきっかけに科捜研を辞めた土門は、民間の鑑定所を開設する。無駄を嫌い、余計な話は一切しないという奇人ながら、その群を抜いた能力により持ち込まれる不可解な事件を科学の力で解決していく。孤高の鑑定人・土門誠の事件簿。 『永遠についての証明』『水よ踊れ』で業界の注目を集める新鋭が正面から挑む、サイエンス×ミステリ! ※電子版特典として、巻末に短篇「見えない引き金」が入っています。
  • 殺人者の白い檻
    3.7
    刑務所のすぐ隣という、特殊な環境に立地する総合病院に勤務する腕の良い脳外科医の尾木敦也。彼は六年前に父母を強盗に殺害されて以来、精神的に不安定になり深刻なスランプに陥っていた。そんなある日、刑務所からクモ膜下出血で搬送されてきた「スペ患」の執刀を、院長命令で担当することになる。緊急開頭手術で命を救うことはできたものの、スペ患の正体が両親の命を奪った死刑囚・定永宗吾だったことを知り、尾木は懊悩と悔恨の迷路に彷徨い込む。そして定永は、逮捕と死刑の判決以降も自身の犯行を一貫して否認していた。術後のリハビリを通して、尾木と妹の看護師長・菜々穂は、定永という人間と六年前の事件に、改めて向き合うことになるのだが……。 憎き犯罪者と医師は、どう向き合えば良いのか? 犯罪者の生命は軽いのか、あるいは全ての人間と等しく重いものなのか? 事件の真実と真相はどこにあるのか? 死刑の意義、犯罪更生の理非、医師の倫理、それぞれの命題を通して生命の「軽重」の問いを突きつける、究極の医療ミステリ。
  • 丹吉
    -
    「語られなければ信じる者も減り、信じられていなければ存在もできない」 かつて赤殿中と呼ばれた化け狸・丹吉は、エッチな悪事によって徳島市方上町にある弁天山の卑猥な形の岩に封じられた。暇をもてあます丹吉は、弁天山に通い詰める松浦とち子を通じて現代社会の見地を得る。ある日、神々の会合で馬鹿にされたプチ弁天は、悔しさを晴らすために丹吉の肉体を復活させ、神使〈候補〉として妖怪退治を命じた。だがこの時代にアクティブな活動をする妖怪はいない……。ひとまず受肉時に破けてしまった殿中を縫ってもらうため、とち子のもとに向かった丹吉とお目付け役の蛇はSOS を察知。セクハラ男からとち子を救うべく田舎道を疾走する。丹吉は無事に神使になれるのか、はたまた岩に逆戻りか――。怪談実話のトップランナーが満を持して放つ、冒険活劇! 人間とは、神とは、妖怪とは、信仰とは――。 真心と下心が錯綜する性悪狸の愉悦と煩悩!
  • 箱庭の巡礼者たち
    4.3
    洪水で流れ着いた黒い箱は不思議な別世界と繋がっていた。王族が圧政を敷き、竜が生まれ、吸血鬼が人知れず夜を歩く、そんな「箱庭世界」の観察が少年・内野聖の青春だった。ある日、恋人の絵影久美が箱の中に行くと言い出す。二度と戻れないとしても、箱の外から見ていた自分にしかできないことを果たすために。ただ箱を見つめるだけだった二人の人生は、箱の中と外で目まぐるしく変わり始める(「箱の中の王国」)。時を越える時計、超強力な接着剤、意思を持った機械、そして不死の薬。異能の道具が紡ぐ一繋ぎの連作集。
  • 風琴密室
    完結
    3.4
    忍棚村に暮らす高校生の凌汰は、夏休みのバイトとして幼馴染みたちと廃校の小学校を片付けていた。そこへ東京から2人の女子高校生が訪ねてくる。ひとりは、6年前の一時期この小学校に通い、すぐに引っ越していった「雨ちゃん」だった。凌汰の脳裏に、兄・コーちゃんと雨ちゃんと3人で遊んだひと夏が甦る。コーちゃんの「事故」で、思い出は悲しい記憶に変わったのだが――。再会に盛り上がる凌汰たちはそのまま廃校に宿泊することになり、修学旅行の夜のような時間を過ごす。しかし翌朝、幼馴染みの四條がプールに沈んでいるのが見つかり――。犯人の名が明かされるとき、世界は一変する。二度読み必至の青春本格ミステリ。
  • 夜の都
    3.9
    異国から来た少女は、眠りの世界で魔女修行をする。「夜の都」を望む異界を訪れて。 魔女の「クダン」から教わるのは、妖精の鱗粉を触媒とした、月の姫から授かりし魔術。 亡者どもを追い払う任務を、世界を守る役目を、図らずも背負わされた少女の運命は。 圧倒的な想像力が世界を創造する、あまりにも美しく苛烈な、ヒストリカル・ネオファンタジー×魔法少女物語。 === 1920年代前半(大正時代)、父と義母とともに、『ガリヴァー旅行記』に登場する東洋の島国を訪れた14歳の少女・ライラ。 7日間を保養地のホテルで過ごすことになったライラだが、古い祠として祀られていた岩井戸で、底から湧き出た星のような小さな光の粉が眼に入ってしまう。 部屋に帰り猛烈な睡魔に襲われた彼女がベッドに倒れ込むと、なぜかそのまま真っ暗闇の空間を落下し、気が付くと見知らぬ場所にいた。 月のように巨大なシャンデリア、大理石の環状列柱が支える絢爛の大広間。 夢だと思ったライラが不思議な空間をさまようと、何処かで電話機のベルが鳴っている。 応答したライラに語り掛けてきた相手は、「月の姫より直々に眠りの魔術を授かりし禍の魔女」で「クダン」と自らを呼ぶようにと言った。 クダンはここが「星の界の異界」であり、空の彼方に屹立する摩天楼群を「夜の都」だと語るのだが……。 日本ホラー小説大賞出身作家、待望の第2作。 === 装画=朱華 「眠る島」 2021
  • 油絵は謎をささやく
    3.8
    日本文化史の大学教授・小宮山香織のもとに、教え子から相談事が持ち込まれた。山形の実家が所有する油彩画に、贋作の疑いがかけられたというのだ。明治期を代表する洋画家・高橋由一が描いたとされる《隧道図》は、真筆に近い特徴を持ちながら、いくつかの謎をはらんでいた。真贋を調べる香織はやがて、描画当時の事件が鍵を握ることに気づくが――。 明治期の不可解な失踪事件、道路事業をめぐる百姓一揆、真贋不明の奇妙な絵、そして新たな殺人。 油絵が呼び寄せた謎の先に、驚天動地の真実が待つ!
  • アルプスでこぼこ合唱団
    3.3
    したたかでアンフレンドリーな、アルプスの小さな山国スイス。在住20年にもかかわらず、いまだここが「居場所」とはいえない――。そんな悶々とした中で出会ったのは、妙に謎めいた、多国籍な仲間たちの合唱団だった。悪戦苦闘の日々、少しずつ謎がとけてゆく仲間たちと、声を合わせて歌いながら「スイスという国」に根を張ってゆく、異文化合唱エッセイ。 (本書「あとがき」より)  居場所ってなんだろう。歴史のどの時点で、世界のどの地点に生を受けるかなど、偶然の出来事でしかない。たまたま居合わせた場所や状況や歴史的時間の中で、人はどうやって居場所を探し、それを耕していけるのだろう。居心地の良い場所が築きにくい時に、息苦しい時に、仲間に入っていけない時に、どこにどうやって慰めを見つけたらいいのだろう。  花の種が風に吹かれてどこかの土に着地する。よく知らない両隣の人たちと共に声を合わせて歌いながら、そんなイメージを私は度々思い浮かべていた。小さな種が、着地したその場所でむっくりと芽を出し、固い土の中にじわりじわりと根を張っていく様を想像した。
  • 闇祓【電子特典付き】
    4.1
    「うちのクラスの転校生は何かがおかしい――」 クラスになじめない転校生・要に、親切に接する委員長・澪。 しかし、そんな彼女に要は不審な態度で迫る。 唐突に「今日、家に行っていい?」と尋ねたり、家の周りに出没したり……。 ヤバい行動を繰り返す要に恐怖を覚えた澪は憧れの先輩・神原に助けを求めるが――。 身近にある名前を持たない悪意が増殖し、迫ってくる。一気読みエンタテインメント! ※電子書籍特典として著者の直筆メッセージ画像、「小説 野性時代」連載時扉イラストを収録しています。
  • 朝と夕の犯罪
    3.7
    別々の人生を歩み、10年ぶりに再会したアサヒとユウヒの兄弟。ふたりはある目的のため、狂言誘拐を実行に移す。その犯罪は成功したかに見えたが、思いもよらない結末を迎えることになった。 それから8年後、神倉駅前交番の警察官・狩野雷太は、マンションの一室で衰弱した男児を保護する。男児の傍らには、餓死した妹の亡骸があった。神奈川県警捜査一課の烏丸靖子は兄妹の母親を取り調べるが、彼女がかつて誘拐事件に巻き込まれていたことがわかり、状況は一変する。悲劇的な事件の裏に横たわる、さらなる衝撃とは――。
  • 家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像
    4.3
    国家に親代わりを求めた男。 法廷で無期懲役に万歳三唱をし、殺人犯なのに刑務所で生存権を主張し続ける犯人・小島一朗。 誰も踏み込まなかったその内面に、異端の写真家が迫る。全真相解明、驚愕の事件ルポ! 犯人はいったい何者なのか? ――――― 【新幹線無差別殺傷事件】 2018年6月9日、走行中の東海道新幹線の車内で男女3人が襲われ、2名が重軽傷、男性が死亡した。「刑務所に入りたい」という動機だったため、一審で無期懲役となった際に小島一朗は法廷で万歳三唱をした。控訴せず20年1月に刑が確定。小島は刑務所内で生存権を主張し続けている。 ――― 2008年以降の無差別殺人事件の犯人は前科前歴なし、両親は揃っており、貧困家庭でもなく友人関係に問題もない、「普通」の者が多い。 だが、「死刑になるため」「刑務所に入るため」と彼らは犯行に及ぶ。 約3年にわたる取材で理解不能な動機、思考を浮き彫りにする驚愕のルポ! 【目次】 序章 鞘――刑務所に入る夢を叶えた男  第一章 心――写真家が人殺しに興味を持つ理由 第二章 偏――歩み寄る難しさ 第三章 記――「むしゃくしゃしてやった、誰でもよかった」の真相 第四章 凶――餓死することを止め、生きる選択をした 第五章 会――アクリル板越しの作り笑顔 第六章 家――浮かび上がる“いい子” 第七章 迷――食い違う家族の言い分 第八章 裁――真実が語られない虚無な裁判 第九章 答――刑務所でしか手に入らないもの 第十章 辿――犯行時のシミュレーションから感じること 最終章 刑――自傷行為を通して得られる愛 あとがき 主要参考文献一覧
  • かぞえきれない星の、その次の星
    3.9
    さみしさは消えない。でも、希望は、ある かぞえきれないものを、ときどき見たほうがいい。 ぼくたちは皆、また間違えてしまうかもしれないから―― 感染症がひろがり休校になってしまった春、子どもたちのためにこいのぼりが企んだのは……。 「こいのぼりのナイショの仕事」「こいのぼりのサイショの仕事」 大切で大好きな相手であればあるほどいまは会えない。父と娘は、画面越しで会話する。 「天の川の両岸」 ミックスルーツのリナはお母さんと二人暮らし。「日本人らしい」っていったい何だろう――。 「コスモス」 「星のかけらには、さみしさが埋まってる」 夜空にちりばめた、11の小さな星たちの物語 「誰かに会いたいと思ってるとき、ほんとうはもう会えてるのかもしれないな」 収録作品:こいのぼりのナイショの仕事/ともしび/天の川の両岸/送り火のあとで/コスモス/原っぱに汽車が停まる夜/かえる神社の年越し/花一輪/ウメさんの初恋/こいのぼりのサイショの仕事/かぞえきれない星の、その次の星 雑誌「小説 野性時代」掲載作に書き下ろしを加えた、全11篇
  • 共犯者
    3.5
    お前は、誰を守ろうとしてるんだ? 迷走する警察。暴走する世論。壊れゆく家族。 ひとつの殺人事件が、隠された過去の真相を炙り出していく。 その罪は赦されるか。愛と憎しみの衝撃サスペンスミステリー。 岐阜県の山中で顔面を激しく損壊された男性の遺体が発見された。取材に赴いた週刊誌記者の宮治は、警察が何かを隠していると疑う。隣県にはひとつ歳下の弟・夏樹が住んでいた。久々に弟の部屋に立ち寄った宮治は、その言動に不信感を抱く。弟が事件になんらか関わっているのかもしれない。報道の使命を貫くか、家族を守るか、宮治は揺れ動くが……。 カバーイラスト/三部けい
  • 亜ノ国ヘ 水と竜の娘たち
    完結
    3.5
    異世界で母になる。 不妊治療の末、離婚した「私」が見知らぬ少女の母になる――亜ノ国で。 【どんでん返し×異世界エンタテイメント!!】 第54回野間児童文芸賞作家 新作! 柏葉幸子原作『岬のマヨイガ』、2021年8月27日より全国ロードショー! ●あらすじ 不妊治療の末、夫が浮気相手と子どもを作り、離婚した塔子。帰った故郷で見つけた亡き祖父のトランクは、異世界への扉だった。魔力が支配する過酷な世界「亜ノ国」に飛ばされ、塔子は村の娘ムリュの世話係を任される。一目会ったときから、なぜかムリュに夢中になる塔子。六十年に一度城で行われる「六祝の儀」にムリュも参加するというが、それは少女たちが競い合う、命がけの儀式だった。塔子はムリュを守り、生き残れるのか。すべての母と娘に贈る感動の物語。 ●  「亜ノ国」で六十年に一度行われる、特別な少女「六祝様」を選ぶ儀式。  村の領主の妻リフェは自分の野望のために、娘ムリュが選ばれるよう画策し、異世界からやってきた塔子にムリュの世話係を任せた。 「ムリュを泣かせないで。涙のあとをつけたまま城に行くわけにはいかない」  塔子はうなずいて、ムリュのそばへしゃがみこんだ。スミレ色の瞳はもううるんでいる。 「ハリといいます」 と腕をさしのべると、ムリュは素直にすぐ塔子に体をあずけた。  この日から、塔子にとってムリュは特別な存在となった。  どんでん返し×異世界エンタテイメント!!
  • 再生(仮)
    4.5
    声優・緒方恵美、初の自伝本発売! 『新世紀エヴァンゲリオン』碇シンジ、 『幽☆遊☆白書』蔵馬、 『美少女戦士セーラームーン』天王はるか/セーラーウラヌス、 『カードキャプターさくら』月城雪兎/ユエ、 『遊☆戯☆王』武藤遊戯、 『ダンガンロンパ』苗木誠/狛枝凪斗、 『地縛少年花子くん』花子くん/つかさ、etc. 数々の人気作/役を演じてきた 大人気声優が初めて明かす、これまでとこれから。 === その時はいっぱいいっぱいだったけど、こうしたらもっとラクだったとか、死にそうだったけど、結果的に選択したことは正しかったとか。 折しも、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズ完結編の収録が終わり、ひとつ、大きな荷をおろせそうなタイミング。 膨大な私の「トライ&エラー」。それを越えた先に拡がった世界の話。 それをお伝えすることで、もしかしたら、誰かのお役に立てるのかもしれない。 僕はここにいてもいいのかもしれない。 僕はここにいてもいいんだ! ――「はじめに」より === 声優・緒方恵美がいま伝えたいこと。オール書き下ろし、出演作品秘話も満載! 巻頭には、ライブの写真の数々やアフレコ時の写真、幼少期~学生時代の貴重な写真も掲載した豪華16ページカラーグラビアも収録。
  • 天皇家250年の血脈
    3.0
    元々は傍流だった光格天皇から、血脈を絶やすことなくつながる現代の皇室。8代の天皇が250年間で形成したものとは一体何か。近世皇室の歴史をひも解く1冊。
  • 半逆光
    3.0
    人を好きになってしまうことに、解などないのだ――。 恋愛小説の名手・谷村志穂が描く大本命不倫小説! 息子が就職して家を出たことを機に部屋を片付けていた香菜子。 クローゼットの奥にしまわれたPCを開き、夫のメールを見つけてしまう。 そこには、夫と女が親密に名前で呼び合い、 2人が子供のように育てていた猫が死んでしまったなど、 21年以上にわたるやりとりが書かれていた。 おかしい。21年前といえば、香菜子が必死に幼い息子を育てていた頃なのに。 夫と女の間に何があったのか。その後、彼女は「不倫小説の傑作」とも評価された 1冊の小説を出版していることが分かって――。
  • きみがいた世界は完璧でした、が
    3.7
    俺は出会ってしまった、理想の「エリナ」に――。ゲームオタクの大学生・日野は、偶然訪れたサバゲ―サークルの新歓で、中学時代に熱中していたゲームのヒロイン・エリナにそっくりな宮城絵茉(エマ)に恋をした。二度告白するも振られ、今後は彼女を遠く見守ることを決意するが、そんな折彼女に害をなすストーカー犯が現れる。はじめはSNSに彼女の悪口を書き込むだけだったが、次第にサークルの部室に盗撮写真をばらまいたりと行動をエスカレートさせる犯人に怒っていた日野は、彼女の涙を見てついに決意する。俺が絶対に犯人を見付けて懲らしめてやる――。調査のため部室に監視カメラを仕掛け、犯人と思しき男のいる大学に潜入したりと、次第に暴走していく日野はサークルで孤立するが、ついに犯人を発見。その正体は意外なもので――。憧れと狂気が交錯する、ノンストップ青春物語!
  • 地方選 無風王国の「変人」を追う
    4.4
    『無敗の男』で政治家と永田町を描き尽くしたライターが全国7町村の首長選の現場、土地の風土、そこに映る「にんげん」の本質までを描き出す―― マグロと原発の町、「飛び地」の村、60年も無投票が続く島…… “選挙を旅する”異色ノンフィクション。 コンビニ店員、国際派テレビマン、サーファー漁師、発明家は、 【再選率84.2%】の壁になぜ挑んだのか? 「改革幻想に囚われ、国政政党の合従連衡に明け暮れた平成政治とは異なる令和の政治がこれから始まるとするならば、その主人公は地べたの暮らしに疎くなった永田町の住民ではなく、土の香りがする地方の首長の中から生まれるであろう」(「プロローグ」より) 愛なき“勝ち組の政治”を打ち破るのは、田舎の荒野でもがく「変わり者」だ! 【目次】*小見出しは一部 プロローグ コロナ以後の「ニュースの主人公」 2020年は地方政治再評価の出発点 「安倍一強」が逆なでした地方のプライド 第1章 えふりこぎ(青森県大間町長選) 原発マネーが漁師町を変えた 「選挙は親戚の数で決まる」 第2章 コンビニ店員の逆襲(北海道中札内村長選) 毎日の接客が選挙運動になった 最後は鈴木宗男が持っていった 第3章 風にとまどう神代の小島(大分県姫島村長選) 竹下登が駆け寄ってくる 61年ぶりの選挙は島を変えた 第4章 ドンの5日間戦争(愛媛県松野町長選) 「老人ホームに入れなくなるよ」 第5章 国道ファースト主義(和歌山県北山村長選) 村民の9割が二階俊博を支持 第6章 仏頂面と波乗り男(北海道えりも町長選) 「私が東京と話をつけようか」 第7章 嘘つきと呼ばれて(佐賀県上峰町長選) 「原口一博」という後ろ盾 エピローグ 英雄探しよりも「機能する変人」の発掘を
  • ジョンを背負って7000メートル
    3.0
    12月9日。構成作家のボクは、ジョン・レノン追悼番組で使った彼の巨大な写真パネルを、たった一人で六本木から新宿ゴールデン街の店まで約7キロも歩いて運ぶことにした。 他、『ナッツ』『プリズムの記憶』の二編を収録。 ※本書は『世界の果てに生まれる光』(角川書店 2007年刊行)を改題し電子書籍化したものです。
  • 来世の記憶
    3.3
    「あたしの前世は、はっきり言って最悪だった。あたしは、おっさんだった」地球爆発後の近未来。おっさんだったという記憶を持つ「あたし」の親友は、私が前世で殴り殺した妻だった。前世の記憶があるのは私だけ。自分の容姿も、自分が生きてきて得たものすべてが気に入らなかった私は、親友が前世の記憶を思い出すことを恐れている。(「前世の記憶」)「ああもうだめ」私は笑って首を振っている。「うそ、もっとがんばれるでしょ?」「だめ、限界、眠くて」寝ている間に終わった戦争。愛も命も希望も努力も、眠っている間に何もかもが終わっていた。(「眠りの館」)ほか、本書のための書き下ろしを加えた全20篇。その只事でない世界観、圧倒的な美しい文章と表現力により読者を異界へいざない、現実の恐怖へ突き落とす。これぞ世界文学レベルの日本文学。
  • 眠りの神
    3.3
    スイスで黙認されている安楽死=自殺幇助を行う団体のスタッフである若き医師・絵里香は東京で起こった自殺幇助事件の真相を確かめるために日本に渡る。尊厳を守るため死を選ぶことは正しいのか、それとも――。
  • 帝王の誤算 小説 世界最大の広告代理店を創った男
    4.4
    日本最大の広告代理店「連広」の常務に就任した城田毅は、その存在感を示すべく、さまざまな事業の指揮をとる。各業界のトップ企業の広告独占、広告第二位「弘朋社」への圧力など、手段を選ばず強行した。一方、過労死した連広社員の妻だった真美は、「思いやり雇用」制度によって連広に入社し、城田の秘書となった。真美は「この会社に夫は殺されたのだ」と憎悪の心を持って、夫の死の真相解明に乗り出す。しかし城田の間近で働くうち、やがて彼の魅力にも惹かれていく。城田は「帝王」として君臨し、やがて社長に就任するが、後継者として育てた腹心の裏切りに直面する……。
  • 東遊記
    3.0
    唐の時代、大陸にはすべての妖怪を支配する最強の妖怪・蚩尤(しゅう)が封印されていた。その力を完全に葬るため、封印されている蚩尤の眼を富士山に捨てに行く壮大な旅が始まる。その運命は一人の少女に託された!
  • ニードルス
    -
    「その瞬間だった。僕は針生とずっと一緒に生きていくだろう――という直感を得たのは」 1973年夏。都内随一の偏差値の低さを誇る私立高校で、宮本伊織は平凡な日々を送っていた。元プロ演奏者の兄に誘われ、同級生の針生とともにロックバンド〈ニードルス〉を組むことに。ボーカルの針生の持つ天性の「声質」が注目され、人気を獲得していくニードルスだったが、針生との絶望的な才能の差にも気づかされていく伊織は――。
  • 八九六四 「天安門事件」は再び起きるか
    4.3
    「“その事件”を、口にしてはいけない」 1989年6月4日、中国の“姿”は決められた。 中国、香港、台湾、そして日本。 60名以上を取材し、世界史に刻まれた事件を抉る大型ルポ!! この取材は、今後もう出来ない――。 一九八九年六月四日。変革の夢は戦車の前に砕け散った。 台湾の民主化、東西ドイツの統一、ソ連崩壊の一つの要因ともされた天安門事件。 毎年、六月四日前後の中国では治安警備が従来以上に強化される。スマホ決済の送金ですら「六四」「八九六四」元の金額指定が不可能になるほどだ。 あの時、中国全土で数百万人の若者が民主化の声をあげていた。 世界史に刻まれた運動に携わっていた者、傍観していた者、そして生まれてもいなかった現代の若者は、いま「八九六四」をどう見るのか? 各国を巡り、地べたの労働者に社会の成功者、民主化運動の亡命者に当時のリーダーなど、60人以上を取材した大型ルポ 語り継ぐことを許されない歴史は忘れさられる。これは、天安門の最後の記録といえるだろう。 ●“現代中国”で民主化に目覚めた者たち ●タイに亡命し、逼塞する民主化活動家 ●香港の本土(独立)派、民主派、親中派リーダー ●未だ諦めぬ、当時の有名リーダー ●社会の成功者として“現実”を選んだ者、未だ地べたから“希望”を描く者 etc. 語ってはならない事件を、彼らは語った!!
  • 人生の味わい方、打ち明けよう
    -
    「せっかくの人生じゃないか、自分に冷たくするなよ」――。 香港映画界の伝説的プロデューサーにして、旅の達人。 世界的美食家にして、人生を楽しむ哲人。 「料理の鉄人」辛口審査員としても知られる、アジアが誇る知の巨人の極上エッセイが遂に邦訳!! ジャッキー・チェン、サモ・ハン・キンポー、シー・キエン。香港を代表する俳優たちと数々の大ヒット作品を世界に送り出し、中国語版「座頭市」シリーズは東南アジアで大好評を博す。「料理の鉄人」(フジテレビ)で辛口審査員として鳴らし、中国版ツイッター微博のフォロワー数は980万(2018年4月時点)。島耕二監督はじめ、多くの映画人や文化人と国境を越えて交流を結び、日本へ多くの外国人旅行者を連れてくるインバウンドの先駆者――。人を魅了してやまない著者が語る、食、映画、旅、日本、友、そして人生。 【もくじ】 序 第一章 美食の世界 第二章 故郷の味 第三章 香港映画の世界 第四章 シンガポールの少年 第五章 蔡瀾的日本 第六章 汝の名は 第七章 人生の味 訳者あとがき
  • 鵺

    4.0
    「鵺王」。陸軍少将でありながら「ホトトギス」の俳人であった亡父の俳号だ。 自らも年老い、父に思いを馳せる演出家・充彦のもとに、四十歳年下の女から一本の電話が入る。いい加減、子どもを認知してほしい――。作家としても一線で活躍を続ける充彦だが、私生活は修羅の連続だった。最初の結婚が破談になった折、女優・弥勒黒美とのありもしない醜聞で放送局を退職に追い込まれた。愛人を同い年の演出家に奪われ、その娘しぐれを奪い返し、彼女との間に子を為した。心休まる時のない人生だったが、因縁の女優・黒美と句会で再会したことで、充彦の晩年に思わぬ変化が訪れる。女や父、芝居に小説を語り合い、和解したかに思ったのも束の間、黒美から充彦に宛て軍用トランクが送られてくる。中にあったのは父の字で〈尼港事件〉と書かれた封筒だった――。戦時下の外地で、父は高浜虚子の師事を仰いでいたのだろうか。時空を超え、忌まわしき過去の扉が開いてゆく。久世光彦を髣髴とさせる官能と怪奇、幻想。醜聞の果てに男が見た真実とは。
  • 108年の幸せな孤独 キューバ最後の日本人移民、島津三一郎
    4.0
    キューバ革命、冷戦、国交回復……カリブの小島に住む108歳の日本人移民。新潟県生まれの島津三一郎氏はスイカを育てて暮らしたが、一度も日本に帰国しなかった。なぜか。静かな感動に包まれるノンフィクション。
  • 昭和残影 父のこと
    4.0
    「本の雑誌」の創刊者であり、北上次郎名義で書評家として活躍する目黒考二。ある一冊の本がきっかけで、寡黙な父・亀治郎の意外な過去を知る……。活字や俳句を愛し、自分の信念を貫き、運動家として活動した亀治郎。その足跡を辿りながら、激動の時代と家族の姿を圧倒的な熱量で描きあげる。逝きし世と亡き父に捧げる傑作評伝。
  • マンハッタンラブストーリー
    4.3
    恋に疲れた女がひとり、その店のドアを開けた。その店の名はマンハッタン。こだわりの店長とマンハッタンにやって来る客たちが繰り広げる片思いの連鎖。大人の恋がもうすぐ始まる。クドカンドラマのブルーマウンテン。
  • うぬぼれ刑事
    5.0
    超恋愛体質の刑事・うぬぼれは、捜査に支障をきたすほどほれっぽいが、その恋心が事件解決へと導く。父も元刑事で現在は警察小説執筆中。バーの常連「うぬぼれ5」などクドカンワールド満載の完全シナリオ集。
  • 天翔る旋風 三国志断章
    4.5
    呉の国主・孫策とその腹心の部下・周瑜は幼なじみの親友だった。志半ばにして孫策は斃れ、その遺志をついだ周瑜は赤壁の戦いを経て、やがて自らも病を得てしまう。英雄たちの愛と死を描く感動の歴史群像劇!
  • 月の魔法
    3.8
    小学五年生の昇治は一人で小笠原行きの船に乗った。父親が自殺し、母親に恋人ができたのだ。孤独を抱えた少年を待っていたのは、エーブという恰好いい老人だった。やがて暗い目をした少女・加絵と出会い……。
  • 利権鉱脈 小説ODA
    4.3
    社会主義崩壊から間もないモンゴルのウランバートルで、日本人商社マン・加藤が命を落とした。その12年後、コンサル会社に勤める万里子は、モンゴル担当を命じられ、旧友の死の真相に近づいてゆく…。地下資源をめぐる利権の駆け引きとは。国際派経済小説!

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