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したたかでアンフレンドリーな、アルプスの小さな山国スイス。在住20年にもかかわらず、いまだここが「居場所」とはいえない――。そんな悶々とした中で出会ったのは、妙に謎めいた、多国籍な仲間たちの合唱団だった。悪戦苦闘の日々、少しずつ謎がとけてゆく仲間たちと、声を合わせて歌いながら「スイスという国」に根を張ってゆく、異文化合唱エッセイ。
(本書「あとがき」より)
居場所ってなんだろう。歴史のどの時点で、世界のどの地点に生を受けるかなど、偶然の出来事でしかない。たまたま居合わせた場所や状況や歴史的時間の中で、人はどうやって居場所を探し、それを耕していけるのだろう。居心地の良い場所が築きにくい時に、息苦しい時に、仲間に入っていけない時に、どこにどうやって慰めを見つけたらいいのだろう。
花の種が風に吹かれてどこかの土に着地する。よく知らない両隣の人たちと共に声を合わせて歌いながら、そんなイメージを私は度々思い浮かべていた。小さな種が、着地したその場所でむっくりと芽を出し、固い土の中にじわりじわりと根を張っていく様を想像した。
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Posted by ブクログ
日本を離れ、フランス、アメリカ在住を経て、配偶者の出身国であるスイスに住む日本人が地元の合唱団に参加したことでスイスに根を張る実感に至るというストーリー(実話)。
美しく、秩序と文化もあるスイスだが、著者にとっては20年近く住んで、その間にお店もやってみたりしたらしいのだが、なぜかよそよそしく感じられたらしい。それが、ふとしたきっかけでチューリッヒのアマチュア合唱団に参加することで、少しずつだが、色々な人との交流ができたりして、そこに居場所を見出してきたらしい。住めば都というが、ただ住むとか暮らすということ以上に、帰属すべき場所というのが大切なのかもしれない。
なお、(スイスのドイツ語ではない)標準ドイツ語を「ハイジャーマン」と記しているが、なんだか、高い声のドイツ語みたいな感じがして、ここは「ホッホドイッチュ」と書いてほしかった。
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