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暗い夜、星を数えて―3・11被災鉄道からの脱出―(新潮文庫)
遺書は書けなかった。いやだった。どうしても、どうしても――。あの日福島県に向かう常磐線で、作家は東日本大震災に遭う。攪拌(かくはん)されるような暴力的な揺れ、みるみる迫る黒い津波。自分の死を確かに意識したその夜、町は跡形もなく消え、恐ろしいほど繊細な星空だけが残っていた。地元の人々と支え合った極限の5日間、後に再訪した現地で見て感じたすべてを映し出す、渾身のルポルタージュ。(解説・石井光太) -
幻肢
島田荘司作品中、初めて映画化された青春ミステリーの傑作! 病院で目覚めた医大生・糸永遥は自分の名前さえ思い出せず、思い出せたのは恋人の雅人の名前だけ。交通事故を起こして大怪我をし、ERに運び込まれた遥は、一過性全健忘によりほとんどの記憶を失ったのだった。 治療の結果、徐々に記憶は回復していくが、事故当時の状況だけがどうしても思い出せない。車に同乗していたはずの雅人の安否もわからず、不安と焦燥で遥はうつ病を発症し自殺未遂を起こす。うつ病の治療のためTMS(経頭蓋磁気刺激法)を受けるが、治療直後から雅人の幻を見るようになる。幻の恋人とデートを重ねる遥は、やがてTMSなしではいられなくなっていく……。 男女のナイーヴな恋愛感情が織りなすミステリー。小説版は映画版とは男女の役どころが入れ替わっている。 -
この部屋で君と
誰かと一緒に暮らすのはきっとすごく楽しくて、すごく面倒だ。「いつかあの人と同じ家に住めたらいいのに」「いずれこの二人暮らしは終わってしまうんだろうか」それぞれに想いを抱えた腐れ縁の恋人たち、趣味の似た女の子同士、傷心の青年と少女、出張先の先輩と後輩、住みついた妖怪と僕……気鋭の作家8名がさまざまなシチュエーションを詰め込んだひとつ屋根の下アンソロジー。 -
さよならの次にくる
「東雅彦は嘘つきで女たらしです。東雅彦は2月1日、こんなことをしていました」愛心学園吹奏楽部の部室に貼られた怪文書。こんなものを貼ったのは誰だと騒ぐ部員たちが特定の人物を犯人扱いしそうになったとき、オーボエ主席奏者の渡会千尋が「私がやりました」と名乗り出る。渡会千尋。僕の初恋の人だ――。初恋の人の無実を証明すべく、葉山君が懸命に犯人探しに取り組む「中村コンプレックス」ほか、葉山君の小学生時代のエピソード「あの日の蜘蛛男」、探偵役を務める伊神先輩の卒業式の日の出来事を描く「卒業したらもういない」など、〈卒業式編〉は4編を収録。デビュー作『理由あって冬に出る』に続く、ライトでコミカルな学園ミステリ第2弾、前編。 -
小説の小説【電子特典付き】
いつものように殺人現場に出くわしてしまった名探偵。華麗な活躍で事件が解決したはずだったそのとき、思わぬ《伏兵》が推理を始め……?(「立体的な薮」)/異世界転生し、チート能力で無双する。誰もが夢見るシチュエーションに恵まれた「俺」だったが、最大の敵は、言葉の《イメージ》だった!(「文化が違う」)/「小説」とは何か、「書く」とは何か。創作の限界に挑む、これぞ禁断の小説爆誕!(「無小説」)/時は新法が成立し、検閲が合法化された曰本。表現の自由が脅かされる中、小説家の渦良は、《あらゆる》手を尽くして作品を書き続けるが――。(「日本最後の小説」) 本格ミステリの著者が挑んだ新境地、メタ・フィクション! あなたが知る小説の概念を覆す、驚きの5編を収録! ※電子書籍版巻末には、電子特典「夫の日記帳」を収録 -
新鮮 THE どんでん返し
※この商品は、一部の作品が固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、その作品のみ文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 浦島太郎が龍宮城に来てみれば、待つのは密室殺人? ネット社会、刑期を終えた男の名は半永久的に残る現実が。捜査会議後の刑事たち。会話の中に、事件解決のさらなる大展開あり。シンガポールで新婚旅行、二組の男女の心理が交錯したすえに……。トロフィー凶器の殺人に、ミステリ史上前代未聞の仕掛けが! 包丁研ぎが巧みな女のもとに昔の男が訪れ、切れた二人の関係は一転し……。六編のどんでん返しが、あなたを夢中にさせる。 ※六編の作品中、『筋肉事件/四人目の』(似鳥鶏)のみ、作品の性質を鑑みて区切りごとに画像化してあります。あらかじめご了承ください。 -
新装版 ボランティアバスで行こう!
累計60万部突破「スープ屋しずくの謎解き朝ごはん」シリーズ著者が放つ 感動のどんでん返しミステリー ・本作は末永く読み継がれるべき作品である。全国民必読! ――宇田川拓也(ときわ書房本店) ・「SRの会」第1位! ※SRの会:日本最古のミステリーファンクラブ ※2013年ミステリーベスト10/国内部門 東北で大地震が発生した。多くの支援が行われるなか、大学生の和磨は、バスをチャーターして支援活動に参加する「ボランティアバス」を企画することに。 行方不明の父親の手がかかりを探す姉弟に出会った女子高校生の紗月。あることから逃亡するため、無理やりバスに乗り込んだ陣内など、さまざまな人が各々の思惑を抱えてバスに乗り合わせるが……。驚きのラストが感動に変わる! -
世界怪奇実話傑作選
・三つの筆名を使い分け、わずか35歳で忽然と世を去った伝説の作家、長谷川海太郎=牧逸馬。 ・「中央公論」に連載された代表作を精選。愛好家必読のミステリー百科。 ・著者は、1928年、中央公論社の特派員として、1年3ヵ月に及び欧州に滞在。ロンドンでは、中央公論の潤沢な資金を用いて、街一番の古書店にある、あらゆる怪奇事件を伝える資料を買い占めたと伝えられる。 ・帰国後、この資料をもとに執筆されたのが、「牧逸馬」名義の代表作となった「世界怪奇実話」である。 ・『中央公論』1929年10月号~1933年3月号連載。全33話。1930年~32年に順次書籍化されるが、単行本としては未完。 ・本書は、島田荘司氏が、本連載から「ミステリー百科」的要素を持たせたいと14編を精選。1)短篇小説として読める。2)その出来具合、面白さの度合い。3)ミステリー教養的な意味合いで、事件の客観的重要度。以上の観点からセレクトしたもの。 ・本書の編集にあたって、各編のタイトルは、事件に寄せたものに一部変更。 ・事件の同時代に現地に居合わせた作家によるドキュメントとしても貴重。 ・2003年、島田荘司編『牧逸馬の世界怪奇実話』として刊行されたものを改題した。 -
セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴―名探偵 御手洗潔―
横浜・馬車道に事務所を移した御手洗潔と石岡は、ある老婦人の訪問を受ける。名探偵への冷やかし客かと思われた彼女の話を聞いた御手洗は、しかしその出来事を“大事件”と断定した。猿楽町にある教会での集いの最中に降り出した雨。その瞬間、顔を蒼白にして倒れた老婆。奇妙な現象、行動の裏には、政府とロシアにまつわる秘宝の存在が……。聖夜を彩る心温まるミステリー。 -
戦力外捜査官
2014年にドラマ化されたドタバタ本格推理小説「戦力外捜査官」がついにコミックで登場!推理オタクの美少女メガネっ娘・千波と武闘派イケメン刑事・設楽の迷コンビが何事件にいどむ! -
夏休みの空欄探し
本に挟まれた暗号。 謎解きに挑む姉妹。 忘れらない夏が始まる。 「役立たたない」ことが好きなクイズ研究会会長の高校2年・ライと、大学受験に向けて効率重視で「役立つこと」が好きな同級生のキヨ。対照的な性格の二人だが、夏休みの間、謎解きに挑む姉妹を手伝うことになる。謎解きの先で待つものとは――。 すべての謎が明かされた時、切なさと温かさが胸を満たす、青春恋愛ミステリー。 -
夏休みの空欄探し
本に挟まれた暗号。謎解きに挑む姉妹。忘れられない夏が始まる。 会員が2名しかいないクイズ研究会会長の高校2年生・成田頼伸(ライ)は、クラス内で「じゃない方」と呼ばれている。ライと同じ姓で、ダンス同好会に所属する人気者・成田清春(キヨ)がいるからだ。クラスで「成田君」といえば、キヨのこと。「役立たたない」ことが好きなライと、大学受験に向けて効率重視で「役立つこと」が好きなキヨ。性格も対照的で、クラスでは決して交わることのなかった二人だが、夏休みの間、ひょんなことから、謎解きに挑む姉妹を手伝うことになる。謎解きの先で待つものとは――。 すべての謎が明かされた時、切なさと温かさが胸を満たす、青春恋愛ミステリー。 -
猫ミス!
気まぐれでミステリアスな〈相棒〉をめぐる、豪華執筆陣による全8篇――新井素子×黒猫の独白、秋吉理香子×野良猫見守り隊、芦沢央×少年名探偵と仔猫、小松エメル×猫になりたがる妹、恒川光太郎×妖怪猫ケシヨウ、菅野雪虫×オッドアイと「死神」、長岡弘樹×高齢者とペットロス、そにしけんじ×探偵ニャンロックホームズ。いつでもどこからでも手軽に猫を愛でることができる、バラエティ豊かなアンソロジー。 ◆収録作と主な登場猫物◆ 新井素子「黒猫ナイトの冒険」(自称「名前は、ない」野良猫) 秋吉理香子「呪い」(白い野良猫のシロなど) 芦沢央「春の作り方」(黒と茶のサビ猫) 小松エメル「一心同体」(黄色い瞳の黒猫) 恒川光太郎「猫どろぼう猫」(水色の瞳のサバ虎) 菅野雪虫「オッドアイ」(虹彩異色症の白猫) 長岡弘樹「四月のジンクス」(シャム猫のハナ) そにしけんじ「猫探偵事務所」(助手のニャトソンくん) -
眠れぬ夜のご褒美
一日頑張ったあなたをいたわる、とっておきの「夜食」をどうぞ。想い人を待ち続ける駅で。終電を逃し、たどり着いた秘密の場所で。禁断のラーメンを食べに行く道中で。傷心旅行で訪れたいわくつきのペンションで。古い友人たちと定期的につどうファミレスで。「正しい食べもの」をつくり続けてきたキッチンで。おいしいものが大好きな作家陣が、「夜食」にまつわる人間ドラマを描く、心とおなかを温かく満たす6篇を収録! -
#殺人事件の起きないミステリー 自薦『このミステリーがすごい!』大賞シリーズ傑作選
人が死ななくても、ミステリーってこんなに面白い! 『このミス』大賞シリーズのなかから、著者自ら選んだ“人の死なないミステリー”のみを集めました! 抽選くじの番号が重複してしまった理由とは……岡崎琢磨「ビブリオバトルの波乱」。 危険なダイエットを続ける女子大生に隠された秘密とは? 友井羊「ふくちゃんのダイエット奮闘記」。 日常に潜む謎を名探偵たちが華麗に解決! 怖がりさんでも楽しめるとっておきのミステリー集。 【目次】 ビブリオバトルの波乱(「珈琲店タレーランの事件簿」シリーズより) 岡崎琢磨 緋色の脳細胞(『名探偵のままでいて』より) 小西マサテル 知識と薬は使いよう(「薬剤師・毒島花織の名推理」シリーズより) 塔山 郁 ふくちゃんのダイエット奮闘記(「スープ屋しずくの謎解き朝ごはん」シリーズより) 友井 羊 暗い部屋で少年はひとり(「谷中レトロカメラ店の謎日和」シリーズより) 柊サナカ -
向日葵ちゃん追跡する
向日葵(ひまわり)は、「おさらぎセキュリティ」でストーカー対策を担当する19歳。調査では暴走しがちと言われるけれど、自分的にはパンケーキ好きの普通の女子だと思っている。ただ一点、元ストーカーという消えない過去をのぞけば――。接近禁止を言い渡された憧れの人に殺人現場で再会し、向日葵の運命が再び動き出す。彼の無実を証明したい、でも近づけない。ほろ苦青春ミステリー、疾走開始(テイクオフ)! -
不在
長らく疎遠だった父が、死んだ。 遺言状には「明日香を除く親族は屋敷に立ち入らないこと」という不可解な言葉。 娘の明日香は戸惑いを覚えたが、医師であった父が最期まで守っていた洋館を、兄に代わり受け継ぐことを決める。 25年ぶりに足を踏み入れた生家には、自分の知らない父の痕跡がそこかしこに残っていた。 年下の恋人・冬馬と共に家財道具の処分を始めた明日香だったが、整理が進むにつれ、漫画家の仕事がぎくしゃくし始め、さらに俳優である冬馬との間にもすれ違いが生じるようになる。 次々に現れる奇妙な遺物に翻弄される明日香の目の前に、父と自分の娘と暮らしていたという女・妃美子が現れて……。 「家族」「男女」――安心できるけれど窮屈な、名付けられた関係性の中で、人はどう生きるのか。 家族をうしない、恋人をうしない、依るべきものをなくした世界で、人はどう生きるのか。 いま、最も注目されている作家・彩瀬まるが、愛による呪縛と、愛に囚われない生き方とを探る、野心的長篇小説。 解説:村山由佳 -
本格からHONKAKUへ
日本本格ミステリーの海外発信、新人の発掘・育成に尽力してきた島田荘司がこの10年の本格ミステリー界を振り返り、向こう10年への提言を行う!! 筆者は、「本格」がミステリー小説世界全体の背骨であると考えており、この信念が揺らぐことはないが、[中略]乱歩の「変格」諸作が大ベストセラーとなって列島を覆い、[中略]亜流が氾濫するなどして一斉を風靡しており、かたや「本格」の水脈はといえば、両手ですっかり掬い取れるかと思えるほどにささやかであった。 しかしこれは澄んだ清水であり、この水源なくしては「変格」も干上がってしまうと発案者は危惧した。この構図は、現在でもまったく同じである。「本格」の水脈は今や小川程度には川幅を増したが、ベストセラー・ミステリーの大河とは、較ぶべくもない。それなのに何故「本格」の書き手たちは、大河に引っ越さずにいるのか。 -
僕はお父さんを訴えます
驚愕のストーリー展開が評価された、第10回『このミステリーがすごい! 』大賞・優秀賞受賞作が、文庫化です! 「想像の斜め上! 僕はこの本を推薦します」乙一(作家)。何者かによる動物虐待で愛犬・リクを失った中学一年生の向井光一は、同級生の原村沙紗と犯人捜しをはじめる。「ある証拠」を入手した光一は、真相を確かめるため司法浪人の久保敦に相談し、犯人を民事裁判で訴えることに。被告はお父さん――母親を喪った光一にとっての、唯一の家族だった。周囲の戸惑いと反対を押して父親を法廷に引きずり出した光一だったが、やがて裁判は驚くべき真実に突き当たる! -
まだ温かい鍋を抱いておやすみ
「遠くへ行きませんか」「行くー!行きましょうぞ!」スポーツ用品販売会社に勤める素子は、同じく保育園に通う子供を持つ珠理を誘って、日帰り温泉旅行に出かけることに。ずらりと食卓に並ぶのは、薬味をたっぷり添えた鰹のたたき、きのこと鮭の茶椀蒸し、栗のポタージュスープ。季節の味を堪能するうち、素子は家族を優先して「自分が食べたいもの」を忘れていたこと、母親の好物を知らないまま亡くしてしまったことに思いを巡らせ……(「ポタージュスープの海を越えて」)彼女が大好きな枝豆パンは、“初恋の彼”との思い出の品。病に倒れた父の友人が、かつて作ってくれた鶏とカブのシチュー。――“あのひと口”の記憶が紡ぐ6つの物語。 -
魔法使いの願いごと
私の瞳は、なにも映さない。お母さんのタルトは美味しいし、家の裏にある森はいい匂い。ひだまりは暖かい。でもいつか、皆が夢見るように語る、美しいものを見てみたかった……。草原で出会った魔法使い・ヒトが私にくれたのは、「綺麗なものだけが見える」不思議な目だった。これは、あなたが見失ってしまった綺麗なものをもう一度見つけられる、やさしさと友情のお話――。 -
御手洗潔と進々堂珈琲
進々堂。京都大学の裏に佇む老舗珈琲店に、世界一周の旅を終えた若き御手洗潔は、日々顔を出していた。彼の話を聞くため、予備校生のサトルは足繁く店に通う――。西域と京都を結ぶ幻の桜。戦禍の空に消えた殺意。チンザノ・コークハイに秘められた記憶。名探偵となる前夜、京大生時代の御手洗が語る悲哀と郷愁に満ちた四篇の物語。『進々堂世界一周 追憶のカシュガル』改題。 -
御手洗潔の追憶
ちょっとヘルシンキへ行くので留守を頼む――。そんな置き手紙を残し、御手洗潔は日本を去った。石岡和己を横浜・馬車道に残して。その後、彼は何を考え、どこで暮らし、どんな事件に遭遇していたのか。ロスでのインタビュー。スウェーデンで出会った謎。明かされる出生の秘密と、父の物語。活躍の場を世界へと広げた御手洗の足跡を辿り、追憶の中の名探偵に触れる、番外作品集。