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私の瞳は、なにも映さない。お母さんのタルトは美味しいし、家の裏にある森はいい匂い。ひだまりは暖かい。でもいつか、皆が夢見るように語る、美しいものを見てみたかった……。草原で出会った魔法使い・ヒトが私にくれたのは、「綺麗なものだけが見える」不思議な目だった。これは、あなたが見失ってしまった綺麗なものをもう一度見つけられる、やさしさと友情のお話――。
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Posted by ブクログ
すごく優しい、悲しい、美しい本だった。 理解が追いつかなかった…私の感想をうまく言語化してくれている人に出会いたい 友井羊さんの本は数冊読んでいて、あぁこの人の本好きだったな、と思い出した。 ミステリといえばミステリー? ファンタジー要素が強いけど、人の汚いところ、それでも優しい人はいて、ヒト自体...続きを読むを嫌いになれない簡単には切り捨てられない、そんな感じ。 病は気からというか、美しいもの=見たいものというのはわかる気がする。 好奇の目で見てくる他人を見たいとは思わないし、汚い言葉を投げかけてくる人の声を聞きたいとは思わない。 お母さんは美しいし、お母さんの話に出てくる花は美しい。信じている相手は美しい。 一般的な美醜で語ったら、自分は醜い。自分でそれを自覚していることと、人に突きつけられるのとでは訳が違う。自覚していても、抱きしめてもらえたら嬉しい。 フルーツバスケットの恭と透を思い出した。 槇原敬之さんの「僕のあげたものでたくさんの 人が幸せそうに笑っていて」というフレーズも浮かび上がってきた。
How about cool & beauty? popular woman always chais the altimet beautiful.
魔法使いが願うこととは……。 綺麗なものとは……。 醜いものとは……。 お伽話のような、童話のような、心が綺麗になる物語。
シンプルなストーリーで良かったです。 もっと思いっきり童話よりなら更に好みだったかも。 読後、色んな想像が拡がりますね。 友井作品大好きですが、このようなファンタジーっぽい作品やシンプルな作品にも期待したいです。
この方の本は今までに何冊か読んだことがあったんだけれど、そのどれとも違ってファンタジックで不思議な話だった。主人公の目が見えないというのはそれだけで読み手も惑わされる。服部まゆみさんの本を読んだ時と同じような手探りの感覚でした。でも、どちらかと言うとスープ屋とかの方が好きかな。
綺麗なものしか見えない少女。しかも最初は見えても新鮮味がなくなったら見えなくなるって、お伽噺の悪い魔女にでもかけられそうな呪い。実際は良かれと思ってかけられた魔法。綺麗なものって何だろう?というお話だった。
綺麗なものってなんだろうね。 醜いものがあるからこそ、綺麗なものがあるんだろうね。 少し予想がついてしまったけれど、それでも終盤はあまりの優しさと美しさにじんわりと暖かな気持ちになった。 魔法使い。本当にそうなのかもしれない。 ヒカリのお母さんの出会いも読んで見たいなぁ。
これまでに刊行された友井羊氏のミステリ作品を大変気に入っていたので、まさかファンタジーで来るとはと驚き(買う前に何度も著者名を確認してしまったほど)。実は私、最近ファンタジーや寓意的な話が苦手でして、楽しめるかどうか不安でした。 結果から言えば、本作は比較的興味深く、また楽しく(ときに切ない気分に...続きを読むはなりますが)読み終えることができました。 美しいものしか見えないヒカリを前に、彼女の瞳に映らなくて自分たちの外見的な醜さを露呈することを恐れる周囲の人たち。ヒトの外見はそのような人間の醜い部分を象徴しているのかな? ヒカリが再び視力を失ってしまったのは、玲一郎の本性を知って人間どころか世界に不信感(外見が美しいものでも、その実は醜いものではないかという疑心)を抱いてしまったから? ストーリー自体も楽しめるのですが、上記のような作中の要素が何かを象徴しているような気がして、それをいろいろ推定するのも楽しく思いました(実はそんな意味ないのかもしれませんが……)。 話として印象的だったのはヒカリがずっと目にしたかった雪の花を見る場面で、その描写はたった三行。それに続くヒトの外見や彼とのやりとりはその何倍も多く、密度も段違い。ヒカリがどれほどヒトのことを想っているかが伝わってくるようでした。 その場面は、あるいはそれまで見たいものだけを見てきたヒカリが、そうでないものも溢れている世界を受け入れていくという、ある種人としての「成長」を意味しているのでしょうか。 また、最も美しいものが透明の花というのも意味深。透明な花びらの向こう側には何かしら世界の一部が映っているわけで、そこに何が映っていようが美しいものである、とも受け取れるわけで。 正直、作中の要素全てを理解できている自信はないし、解釈が正しいのか不安だったりしますが、良い作品だなぁという印象は残っています。
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