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亡きあとも綴られる、書かれるはずのない母の日記。 向き合えなかった家族の物語が巻き戻っていく――。 二年前に父が他界し、先月には母もこの世を去った。 不動産会社で働く原田燈子は、天涯孤独になった。 でもずっと前から一人だったのかもしれない。 二十年以上前の不幸な出来事をきっかけに――。 不可思議な死者の日記が繋ぐ「この世」と「あの世」、そして「過ち」と「赦し」。
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Posted by ブクログ
思えば、死ぬことについて、あまり考えたことがなかった。 死んだら終わり、ということくらいしか頭になかった。 もちろん死んだ後のことなんて誰にもわからないのだけど、例えば私の肉体に宿る魂は、死後どんな色をしているのだろう。 物語では、死者は夜行という巡礼の旅を経て、静かに消えていったが、夜行に寄れな...続きを読むい人もいれば、惑乱を繰り返し成仏できない人もいた。 死んだら私は成仏できるのだろうか。 未練はないことはない。あの時こうしておけばよかった、とか、あの時伝えておけばよかったかな、なんて思うことがそこそこある。 それがもやもやし続けながら消えきれずに、苦しみながら世界を漂っているなんて嫌だなぁ。 でもそれでもラストシーンにもあるように、死者も生者も誰かが隣にいてくれることがどれだけ力になるのか、それさえしっかり理解をしていれば、どれだけ辛くなっても、大丈夫な気がする。 信じる神は、私たちの営みに宿るなら、 寄り添って生きることを忘れてはいけない。
最近は彩瀬まるの新刊が出ると同時に購入して、現在読んでいる本を中断して、読むスピードを落としてじっくり読むのが私の読書のスタンダードとなっている。最初から彩瀬ワールド全開の語り口で始まるので、今回も期待できる内容と確信した。話が進んで行くにつれ、今回はちょっと重めの内容と構えてしまう面が垣間見られた...続きを読む。一気に読んでしまいそうなところを抑えつつ、1日何ページと決めて読むこととした。 彩瀬作品を全て読んでいる訳ではないので何とも言えないが、今回の作品はやや宗教的・ややSFのテイストが感じられた。ただ、読んでいくうちに「あれ、これと内容・雰囲気が似ている小説を読んだかもしれない」と気づく・・・そうだ!中村文則の「列」とコンセプトが似ている。彩瀬「列」と中村「列」には細かい違いがあるものの、目的も判らず並ぶ、列から離れていく人がいれば列に加わる人もいる等々共通点がある。どちらも果たして浄化できるのだろうか、生まれ変われるのだろうか、見守っていくしかない。母のノートが2つの世界の橋渡しをするのはSFの常套手段で、このやり取りは実に楽しい。次はどんなメッセージが送られてくるのか? 中盤以降は徐々に彩瀬「列」は中村「列」の概念から離れていく。SFの様な設定は徐々に薄まり、「この世」の世界と「あの世」の世界は単なる並列する2つの世界へと変化する。「この世」では社会に流されて生きるものの、「あの世」に行くと一種の気づきを得た人は浄化されて次の世界へと旅立つ。ただ、次の世界が「この世」なのか、それとも浄化に見合った素晴らしい世界なのかは読み取れなかった。ここで、浄化の程度が可視化されているのは非常に面白いアイディアだった。結末は曖昧となるが、希望としては娘の子供、つまり孫に生まれ変わればいいけど、実際はそううまくはいかないだろう。そもそもそれができたら正に陳腐なSF小説となる。 今回の設定は今までとはかなり隔たりがあったが、作者が言いたかった内容はこれまでとはあまり変わっておらず、人間の内面・心の動きを完璧に描き切っていた。 直木賞の候補に選ばれたのはこれまで2回。そろそろ3度目の正直、この作品で直木賞取れないかな?その際に高いハードルとなるのはやはり中村文則の「列」だろう。私がそう思うのだから情報量が多い海千山千の文学評論家はこの痛い所を突いてくるだろう。直木賞に限定せず、どんどんノミネートされることを期待する。
あの世とこの世が交錯する物語。 この世から形を失くしたあとは、こんな感じでさまよいつつ、かかえていたものを落としてしまってから成仏するのかもしれないと思いました。不思議な世界を体感した感じがしました。こういう感覚を表現出来る彩瀬まるさん、すごいなと思いました。そして染谷悠子さんの「はじまらないしおわ...続きを読むらない」が、この小説の装画に本当にあっていると思いました。原画を見てみたいです。 小説ではまず主人公の燈子が、亡くなったあとも綴られる母親の日記から、母親がまだどこかを歩いていることを知ります。そして自分に関心がなかった母親の言葉が気になります。三人で生活していた頃、幼い頃事故死した弟、輝之のことが家族の一人一人に重くのしかかったままでした。本心を話さずにいた家族三人それぞれの現在と過去が語られていきます。 「夜行」と呼ばれる杖を先頭とした行進から外れ、息子(輝之)を探す母親。既に亡くなっている父親はそんな母親を見つけ、ある出来事から2人は息子への思いを消化します。母親から興味を持たれずに育った(と思っている)娘(燈子)は、母親の日記から思いを知り、やっと過去の思いから救われる······。簡単に説明するとこんな感じの小説でした。その中で燈子のありのままを優しく受け止めてくれる泰良の存在が、この小説では安らぎでした。 読後、お互いの気持ちを少しだけでも伝えていたらという後悔をしないように、生きているうちに少しの勇気を持ちたいと思いました。 彩瀬まるさんの他の作品も読んでいきたいです。
『くちなし』や『森があふれる』を思い出すような彩瀬さんワールド全開のお話だった。とにかく言葉一つ一つがきれいで、じっくりと咀嚼しながら読み進めていく時間がとても幸福だった。 亡くなった母の日記を見つけた燈子は、母亡き後も文章が綴られていくのに気付く。物語は亡くなった母の死後の世界と、燈子が暮らす現実...続きを読む世界の双方を行き来する少しスピリチュアルな内容となっている。死者は「夜行」という行列に参加することでいずれ成仏する仕組みがあり、燈子の母の晶枝も最初はこの夜行に参加するのだが、彼女は過去に交通事故で亡くした息子の照之の死に対してずっと罪悪感を抱えており、死後の世界においてもその罪悪感に苛まれてなかなか出口を見つけられない。そんな彼女が道中で様々な死者と触れ合い、先に亡くなった夫の啓和と再会して、やがて自分を赦すことができるようになる姿を読者は見届けることとなる。 死してなお抱える罪悪感。そんな重くどうしようもない罪悪感に対し、彩瀬さんは自分を赦してもいいのだと優しく語り掛ける物語となっている。たとえ完璧な解決策がなくても、自分の辛い気持ちや憶測を語ってもよいのだと、それも意味があるのだと教えてくれる。自責の念に潰されている人にとって、心を包み込んでくれる優しいお守りのような一冊だと思う。
死後の世界が本当にあって、現世での思い残しがこんな風に消化されていったらいいなと思いながら読んだ。 その世界で死者が乗っている夜行。私の頭の中では、「銀河鉄道の夜」のイメージ。死後の世界だけど、怖さがなくて穏やかで… 亡くなった母の日記が、死後も書き綴られていること。そして、現世と死後の世界が交互に...続きを読む描かれていることでちょっと混乱したけど、気がつけばその世界観に浸っていた。 少し不安定な内容の中で、私は泰良の存在がすごく好きだった。どんな時も冷静で優しくて、押し付けがましいところもなくて。いいアクセントになっていたと思う。
永遠に読んでたくなるようなお話でした 彩瀬まるさんの不思議な世界観が大好き 想像してる描写が自然と綺麗なものになる
私は死後の世界を知らない。 けれど、この小説で描かれている世界がどこかに存在すると思いたい。 死んでもなお、自分の生きてきた道を振り返り、心の奥底に固く閉ざしたものと向き合い、誰かのために、そして自分のために、心のあり方を変え続ける時間が訪れる世界。 しがらみや悔いや妬みや戸惑いやその他にもある様々...続きを読むな感情。 生きてる間はそれらが複雑に絡み合い、けれど向き合うと日常生活をうまく過ごせないから、すぐにその存在に蓋をしてしまう。 それを納得した上で昇華させる事が出来るなら、その時間は尊いと思う。 そして、昇華するには何かが必要で、それは誰か他者との関わりなんだろう。 よくご縁があって、というけれど、偶然か必然か分からないけれど、人は一人じゃなくて、誰かと関わる事の繰り返しで出来上がっているのだろうな。 先の世界をのぞかせてもらったような、予行演習したような不思議な気持ちになった。
不思議な小説だった。続きが気になるけど、面白くてとも違って、このあとどうなるのか知りたいような知りたくないような。世界観を信じたいような信じたくないような。ずーっと不思議だったな。
死んだらどうなるのか、生きている間は決して知ることができない。生きて背負ってきたものを見つめて少しずつその荷物を下ろしていくような旅が用意されているとしたら、とても不思議だけど人は死んでも人として在るんだなぁと思ってしまった。私の心に引っかかって、ふとした瞬間に思い出す小説になりそう。
彩瀬まるの家族の話…!彩瀬まるは女性同士や夫婦の話も多けれど、同時に家族の話も多い 今回の話もそうだけど、明確に問題がある親子関係の話(虐待やネグレクトなど)は少なくて、ある程度家族としての活動は滞りなく進んでいるのだけど、でもどこかしらに屈託があったり、ぎこちなさがあったりして、それとの向き合いや...続きを読むままならなさを細やかに描いている 別に家族を構成する誰かが、誰かのことを明確に憎んでいるわけでもない。むしろ家族のために、家族を構成する一員として果たさなければいけない役割に身を浸しすぎた結果として、微妙に家族のなかでズレが生じて、そのズレが居心地の悪さにつながる。 じゃあ、あのときどうするのが一番よかったんだよ!と言いたくなるんだけど、かといってやり直すことはできない。そのもうどうにもできない、けれど自分のなかずっとわだかまっているこの気持ちを無視することはできない。どうしていこうか、どう向き合えばいいのか。悩みながらもがきながら、痛みを伴うけれど誠実に自分を通して家族を見つめ直す作品だった。それでいて読後感に爽やかさやあたたかさが残っており、その読後感の炭酸水を飲んだあとのような心地が彩瀬まるの作品の良さだと思う
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