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小学館世界J文学館 ビリー・ジョーの大地
※本作品は『小学館世界J文学館』(紙版)に収録されている同タイトルの作品と同じ内容です。 土嵐の吹きすさぶ荒野で少女は育った。 1934年、アメリカ中西部。13歳の少女、ビリー・ジョーの両親は、水不足に悩む土地で小麦の農場を営んでいる。この地域では、環境破壊によってたびたび強烈な土嵐が襲い、農作物は損なわれ、家にも学校にも土ぼこりが舞いおこる。そんなとき、ビリー・ジョーは大好きなピアノを弾く。激しいリズムでピアノに向かっていれば、土ぼこりのことなんか忘れられるから。ところが、突然の悲しい事故が一家を襲う。キッチンで起きた火事。母が、まだ産まれぬ弟が、そしてビリーも……。大切なものを喪って、父も、ビリーも、心が荒れていく。この土ぼこりの土地に、いつまで暮らすというのだ。ビリーは一人、西へと向かう汽車に乗ろうと、真夜中の停車場へと向かう。 「散文詩」として描かれた、苛酷な環境で育つ少女の物語。装飾なく叩きつけるように書かれた切実な文体は強い感動を生み、多くの賞を獲得した。詩人・伊藤比呂美の名訳がよみがえる! ※この作品は一部カラーが含まれます。 -
掌篇歳時記 秋冬
綿柎開(わたのはなしべひらく)、水始涸(みずはじめてかるる)、朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)――。季節を表す言葉を鍵に、物語は膨らんでゆく。十二人の作家の想像力で、旧暦「二十四節気七十二候」が現代の物語に生まれ変わった。六世紀ごろに大陸から伝わり、改暦を重ねながら明治の初めまで用いられてきた旧暦。そこには春夏秋冬の四季に留まらない、さらにこまやかな季節が織り込まれている。大暑や立秋、大寒といった季節の節目を表す二十四節気と、「地始凍」「熊蟄穴」など、動植物や空模様がそのまま季節の呼び名に採り入れられている七十二候。古来伝わる“季節の名前”が現代の作家たちを刺激し、味わい豊かな掌篇に結晶した。<旧暦の魅力を知る解説つき>」*電子版には筒井康隆「蒙霧升降」は収録されていません。西村賢太「乃東枯」重松清「鷹乃学習」町田康「大雨時行」長野まゆみ「綿柎開」柴崎友香「玄鳥去」山下澄人「水始涸」川上弘美「蟋蟀在戸」藤野千夜「霎時施」松浦寿輝「地始凍」柳 美里「朔風払葉」堀江敏幸「熊蟄穴」白井明大「輪のようにめぐる季節のさなかで 二十四節気七十二候について」 -
ショローの女
新しい生活が始まった。 熊本―東京を行き来するあたしを待つのは、 愛犬(三歳)、植物(八十鉢)、学生たち(数百人)。 ハマる事象、加齢の実状、 一人の寂しさ、そして、自由。 老いの体感をリアルに刻む最新エッセイ。 熱く共感を集めて大好評の 『閉経記』『たそがれてゆく子さん』に続く 〈伊藤比呂美の今〉 週一で早稲田に通勤 こんやくにハマる 熱中症になりかける 鉢植えをどんどん買う 靴が合わない ズンバに行かない 父の寂しさを思う 食べるのがめんどくさい 入浴剤に凝る サンディエゴに帰る オヤジたちに絶望する 『ボヘミアン・ラプソディ』礼讃 高齢者の運転を考える しょうゆ味に回帰 仔猫を拾う LINVEがおもしろすぎる 甘くない食パンが食べたい 姿勢が悪い 不安がひたひたと沁みてくる ロボット掃除機を購入 友人にマスクを送る 空港への道を忘れた 車を買う びんのふたが開けられない 学生とオンライン飲み会 母のコートを着る 譲渡犬のサイトを見る…………本書のエピソードより -
死を想う
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 寝たきりの母を持つ詩人は、死とはどういうものか知りたかった。他の人にあけすけに聞けない、「でも石牟礼さんなら」。これまで多くの苦しみと死を見つめてきた作家は、切実なことをぐさりと言われたような気がした。こうして十二月の穏やかな日、二人は語りはじめた。老いと病、介護・看護、家族の死、さらには『梁塵秘抄』。そして「いつかは浄土へ」という祈りに至る安らぎの対話。 -
新版 死を想う
水俣病をはじめ多くの死を見つめてきた作家は、どのように死をとらえどう生きるのか、日本を代表する詩人が率直に問いかけた魂の対話、増補版。石牟礼文学の入門書としても。 -
人生パンク道場(角川文庫)
相談1 顔のきれいな若いどす黒い女に騙されるおじさんが許せない。相談2 フリーター 金たまらず。相談3 昔の彼と別れて後悔。相談4 引きこもりの幸せ。相談5 彼の話ばかり。相談6 阪神ファン。相談7 息子の進路。相談8 酒。相談9 女遊び。相談10 男女。 相談11 趣味。相談12 内定。相談13 1限目に間に合わない自分に喝を入れてほしい。相談14 想像の中で人を殺していいか。相談15 酒をやめられない。相談16 頼まれごとを断りたい。相談17 善意による迷惑。相談18 片想いに悩んでいる。相談19 バンドのメンバーの中で彼と別の男を好きになってしまった! 相談20 愛人になるべきか。 など、日常の不安に満ちたバラエティに富んだ質問に、目からウロコのお答え。爆笑エッセイ。 文庫化にあたり、新たに3つの質問に答える書き下ろし収録! -
生の肯定
本年の話題作『ホサナ』につづいて、町田文学の傑作がまたもや誕生。世間並みに生きることが困難になり、「余」を自称して超然と生きることを決めた男。上から目線で世の中を見下ろすことで、自尊心を保っていたものの、数々の思わぬ出来事により精神に変調をきたし、自殺願望にさいなまれるようになる――そんな格闘を経て、本作では世の中の人とふれあって普通に生きよう、生を肯定せんとする余の懊悩する姿が描かれる。その心の内からつむぎだされる言葉とイメージの世界は町田作品の中でもっともテンションが高い。読者は強烈な笑いと、筆舌につくしがたい文学体験に誘われるだろう。 ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください -
切腹考 鷗外先生とわたし
鴎外を読む、鴎外を生きる 前夫と別れて熊本から渡米し、イギリス人の夫を看取るまでを鴎外の文学と重ね合わせるように書く。詩人が鴎外作品に入り込む新境地。 20代の頃、熊本の切腹マニアを訪れた「わたし」。前夫と暮らした熊本から渡米し、ユダヤ系イギリス人の夫を看取るまでの20年を、「阿部一族」や「ぢいさんばあさん」に重ねる時、言葉が動き出す。生きる死ぬるの仏教の世界に身を浸し、生を曝してきた詩人が鴎外を道連れに編む、無常の世を生きるための文学。解説・姜信子 目次 切腹考 鴎外先生とわたし どの坂もお城に向かう 先生たちが声を放る 弥五右衛門 マーマイトの小瓶 普請中 ばあさんとぢいさん ヰタ・リテラーリス 山は遠うございます 隣のスモトさん 阿部茶事談(抄) ダフォディル 地震 (森倫太郎として死) 解説 風速50米の哀しみ 姜信子 ※この電子書籍は2017年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
先生、ちょっと人生相談いいですか?
「こんな寂聴さん、見たことない!」話題の美人秘書・瀬尾まなほさんも仰天の対談。伊藤比呂美「寂聴先生、いったい私はどんなふうに死ねばいいんでしょう?」 瀬戸内寂聴「そんなこと言ったって、知らないわよ。私だって死んだことないんだから」 冗談のような会話から始まる対論は、あちらこちらに話題をシフトしながら、どんどんディープな方向に。 天下の瀬戸内寂聴に、詩人・伊藤比呂美がずんずん斬り込む! セックス、鬱、子ども、老い、死……どんな難問・奇問にもずばり回答します! -
ぜんぶ本の話
はじめて読んだ本をおぼえていますか? ページをめくれば溢れだす、しあわせな時間と家族の思い出。さあ本の国へ旅にでよう――。 本書は、文学者の父・池澤夏樹と声優、エッセイストの娘・池澤春菜のふたりが、「読書のよろこび」を語りつくした対話集です。 「本は生きもの」と語る父。「読書の根本は娯楽」と語る娘。児童文学からSF、ミステリーまで、数多くの本を取り上げ、その読みどころと楽しみかたを伝えます。池澤家の読書環境やお互いに薦めあった本、夏樹さんの父母(春菜さんの祖父祖母)である作家・福永武彦や詩人・原條あき子について等、さまざまな話題が登場。さらに巻末にはエッセイ「福永武彦について」(池澤夏樹)、「ぜんぶ父の話」(池澤春菜)も特別収録しています。 -
竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記
絢爛豪華に花開いた平安王朝の珠玉の名作を、人気作家による新訳・全訳で収録。最古の物語「竹取物語」から、一人の女性の成長日記「更級日記」まで。千年の時をへて蘇る、恋と冒険と人生。 竹取の翁が竹の中から見つけた“かぐや姫”をめぐって貴公子五人と帝が求婚する、仮名による日本最古の物語、「竹取物語」。在原業平と思われる男を主人公に、恋と友情、別離、人生が和歌を中心に描かれる「伊勢物語」。「虫めづる姫君」などユーモアと機知に富む十篇と一つの断章から成る最古の短篇小説集「堤中納言物語」。「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとしてするなり」、土佐国司の任を終えて京に戻るまでを描く日記体の紀行文、紀貫之「土左日記」。十三歳から四十余年に及ぶ半生を綴った菅原孝標女「更級日記」。燦然と輝く王朝文学の傑作を、新訳・全訳で収録。 解題=島内景二 解説=池澤夏樹 月報=小川洋子・津島佑子 -
たそがれてゆく子さん
男が一人、老いて死んでいくのを看取るのは、本当によかった。 夢に見た専業詩人の生活、ぽっかりとした自由。 もんもんと考え、るると書く。 カリフォルニアのキャニヨンを犬どもを従えひたすら歩く。 料理や洗濯は、しないことにすぐ慣れた。 山賊のように台所で立って食べた。卵ばっかり食べていた。 ひとりの肩にのしかかるローンに光熱費、熊本地震、石牟礼道子さんのこと、末っ子の結婚、 そして……日本に帰ろう。 「みんなホルモンのせいでしたと、今は言い切りたい」―― 女のための戦記『閉経記』から五年。 書くことで生き抜いてきた詩人の眼前に、今、広がる光景は。 -
知の仕事術(インターナショナル新書)
混迷深まる現代を知的に生きていくためには、「情報」や「知識」だけではなく、さらに深い「思想」が必要だ。それをいかにして獲得し、更新していくか。自分の中に知的な見取り図を作るための、新聞や本との付き合いかた、アイディアや思考の整理法、環境の整えかたなどを指南する。小説だけでなく、時評や書評を執筆し、文学全集を個人編集する碩学が初めて公開する「知のノウハウ」。 -
電子改訂版 沖縄からはじまる
1996年から98年にかけて、当時の沖縄県知事・大田昌秀と、沖縄に移住した作家・池澤夏樹が数回にわたり対談をおこなった。「平和の礎」を建設し、米軍基地問題に真正面から取り組んだ大田知事は、自身の戦争体験を語り、沖縄の歴史をひもとき、現状を憂い、将来を見据え、対話は多岐にわたった。これはその全記録である。しかし、その後の選挙で大田は敗れ、沖縄は大きな揺り戻しに翻弄された。それから四半世紀近くが過ぎても、沖縄のおかれた状況は変わらず、更に悪化さえしている。当時、日本政府の中にもわずかに残っていた良識は消え、いまや目を覆うばかりの劣化と抑圧が日々進んでいる。それ故にこの対話はまったく古びることなく、逆に時間とともに叡智の光を放ち始めているのだ。沖縄が生んだ希有な文人政治家と、マージナルな場所から日本を見つめ続ける作家が平明な言葉で語り合う。民主主義とは何か。沖縄とは何か。沖縄の問題とは何か。そして、なぜいまだ解決していないのか。沖縄と日本が直面するアクチュアルな課題を理解するのに最適な一冊であり、いまこそ読み直されるべき貴重な言葉の宝庫である。こうした言葉の力なくして真の民主主義は手に入らない。この国の民主化は「沖縄からはじまる」のだ。電子化に際し、2016年におこなわれた最後の対話を特別に収録した。その1年後に大田昌秀は世を去った。 -
日本語のために
日本全土の地理的な広がりを背景に生まれた、日本語・漢語・アイヌ語・琉球語といった多種多様な「日本語」のサンプルと論を、古代から現代まで、時代を超えて収録。古代に生まれた祝詞から、仏教やキリスト教の言葉、琉歌、いろはうた、辞書の言葉、また「ハムレット」や「マタイによる福音書」の翻訳比較、日本国憲法などを手がかりに、「日本語」そのものの成り立ちと性質を明らかにする。祝詞「六月晦大祓」(池澤夏樹・訳)、「ハムレット 第三幕第一場」(岡田利規・訳)、「終戦の詔書」(高橋源一郎・訳)は新訳で収録。かつてない視点による画期的アンソロジー。 解説=池澤夏樹 月報=鷲田清一・柴田元幸 -
能・狂言/説経節/曾根崎心中/女殺油地獄/菅原伝授手習鑑/義経千本桜/仮名手本忠臣蔵
能「松風」、狂言「木六駄」、説経節「かるかや」ほか、近松門左衛門の世話物やいわゆる三大浄瑠璃といった傑作を、作家の新訳で収める画期的試み。舞台もさらに楽しめる最高の一冊。 解説=池澤夏樹 解題=宮本圭造、阪口弘之、内山美樹子 月報=酒井順子・後藤正文 -
走る?
あなたは走っていますか? 人生には、走るシーンがつきものだ。 中田永一、東山彰良、柴崎友香など、十四人の多彩な作家が「走る」をテーマに競作した異色のラン小説アンソロジー。 【収録作品】 中田永一「パン、買ってこい」 柴崎友香「ベランダと道路」 王城夕紀「ホープ・ソング」 佐藤友哉「熊の野戦」 遠藤徹「桜の並木の満開の下」 前野健太「いびきが月に届くまで」 古川日出男「藤村加奈芽のランニング・ストーリー」 岩松了「走る男」 小林エリカ「飛田姉妹の話」 恒川光太郎「リスタート」 服部文祥「小さな帝国」 町田康「ずぶ濡れの邦彦」 桜井鈴茂「誰にだって言いぶんはある」 東山彰良「或る帰省」 -
花を運ぶ妹
東南アジア放浪の果てにヘロインの罠にはまり、インドネシア・バリ島で投獄された画家・哲郎。兄の逮捕を知ったカヲルは単身バリ島へ飛ぶ。現地領事館も麻薬犯罪には及び腰で助けにはならない。裁判は混迷を極め、官憲によるフレームアップで哲郎は極刑を言い渡されるかもしれない。不慣れなアジア的な混沌の中で、果たして妹は兄を救うことができるのか……。交錯する生と死、西欧とアジア、絶望と救済。バリ島の濃密な空気の中で繰り広げられる舞踏劇、魔女ランダと怪獣バロンの戦いは永遠に続く。真の救いとは何かを問いかける長編小説。毎日出版文化賞受賞の傑作。 -
笛吹川
生まれては殺される、その無慈悲な反復。 甲州武田家の盛衰と、農民一家の酸鼻な運命。 信玄の誕生から勝頼の死まで、武田家の盛衰とともに生きた、笛吹川沿いの農民一家六代にわたる物語。生まれては殺される、その無慈悲な反復を、説話と土俗的語りで鮮烈なイメージに昇華した文学史上の問題作。平野謙との<「笛吹川」論争>で、花田清輝をして「近代芸術を止揚する方法」と言わしめ、また後年、開高健をして「私のなかにある古い日本の血に点火しながらこの作品は現代そのもの」とも言わしめる。 町田康 一般の調節された言葉は、一族の多くの者がそのために殺害されたのにもかかわらず、それを、先祖代々お屋形様のおかげになって、と言い換えることができる。しかし、この小説の言葉は、そう言い換えてしまう人間の哀しみを描きつつ、それすらも無言の側に押し流してしまう。そして、その圧倒的で、どうしようもない事態は、始まりと終わりを持たず循環する。――<「解説」より> -
文明の渚
東日本大震災と原発災害から2年.この間,私たちは何をしてきたのでしょうか.そして,何がわかったのでしょうか.ボランティアとして,また取材者として被災地を歩き,被災者とともに,涙し,悩み,考えてきた作家が,この大災害の意味と原発を生んだ文明について,根底から問い直します.信州岩波講座での講演の記録. -
星の王子さま
サハラ沙漠の真っ只中に不時着した飛行士の前に、不思議な金髪の少年が現れ「ヒツジの絵を描いて……」とねだる。少年の話から彼の存在の神秘が次第に明らかになる。一本のバラの花との諍いから、住んでいた小惑星B612を去った王子さまはいくつもの星を巡った後、地球に降り立ったのだ。王子さまの語るエピソードには沙漠の地下に眠る水のように、命の源が隠されている。肝心なことは目では見えない。心で探さないとだめなのだ……。生きる意味を問いかける永遠の名作を池澤夏樹による瑞々しい新訳でお届けします。原典の世界観を忠実に再現した横組みの本文。電子化に際し、挿絵は原典の彩色に復原しました。手のひらの中で、サンテグジュペリの描いた世界が鮮やかによみがえります。 -
堀田善衞を読む 世界を知り抜くための羅針盤
南京虐殺事件を中国の知識人の視点から記した『時間』、時代を冷静に見つめる観察者を描いた『方丈記私記』『ゴヤ』などの評伝、『インドで考えたこと』『上海にて』などアジア各国を歴訪して書いた文明批評など、数多くの優れた作品を残した作家、堀田善衞(一九一八~一九九八)。堀田が描いた乱世の時代と、そこに込めた思いは、混迷を極める現代社会を生きる上での「羅針盤」として、今なお輝きを放つ。堀田作品は、第一線で活躍する創作者たちにも多大な影響を与え続けている。堀田を敬愛する池澤夏樹、吉岡忍、鹿島茂、大高保二郎、宮崎駿が、堀田善衞とその作品の魅力、そして今に通じるメッセージを読み解く。 【目次】はじめに 『方丈記私記』から 富山県 高志の国文学館・館長 中西 進/第一章 堀田善衞の青春時代 池澤夏樹/第二章 堀田善衞が旅したアジア 吉岡 忍/第三章 「中心なき収斂」の作家、堀田善衞 鹿島 茂/第四章 堀田善衞のスペイン時代 大高保二郎/第五章 堀田作品は世界を知り抜くための羅針盤 宮崎 駿/終章 堀田善衞 二十のことば 富山県 高志の国文学館/おわりに/【年表】堀田善衞の足跡/付録 堀田善衞 全集未収録原稿──『路上の人』から『ミシェル 城館の人』まで、それから…… -
万葉集の詩性 令和時代の心を読む
「万葉集とはなにか」「万葉集をどう読むか」――国文学はもとより、ロシア文学や中国古典文学、小説、詩歌、編集工学まで。各斯界の第一人者たちが、初心をもって万葉集へ向き合い、その魅力や謎、新時代への展望を提示する。新元号「令和」の典拠となった、日本最古の歌集を鑑賞するための格好の手引き。全編書き下ろしによる「令和」緊急企画。 「三つの詩性」 中西 進 「自伝的万葉の旅」 池内 紀 「詩情と形式、あるいは魂と建築 巻十五「遣新羅使詩篇」を例に」 池澤夏樹 「万葉集とわたし」 亀山郁夫 「山上憶良と中国の詩」 川合康三 「いや重く謎」 高橋睦郎 「ふらふら万葉習養記」 松岡正剛 「万葉集エキサイトメント」 リービ英雄 -
南の島のティオ
小さな南の島に住むティオと出会った人々を中心に、つつましくも精神的には豊かな島の暮らしをさわやかに描く。 お父さんとティオが経営しているホテルに絵はがき屋さんがやってくる。島やホテルの風景の絵はがきをお客さんが買って手紙を出すと、もらった相手は、どうしてもこの景色をみたくなる。だから、このホテルに必ず人を連れてくるはがきなのだという。 この夢のような話を信じたティオに、絵ハガキ屋さんが最後におまけにくれた一枚とは? 花火で「空いっぱいの大きな絵」を描いた黒い鞄の男などの個性的な人々とティオとの出会いを通して、つつましさのなかに精神的な豊かさに溢れた島の暮らしを爽やかに、かつ鮮やかに描き出す連作短篇集。第41回小学館文学賞受賞した作品に、「海の向こうに帰った兵士たち」を加えた増補版。解説・神沢利子 ※この電子書籍は2010年11月に文藝春秋より刊行された増補版文庫を底本としています。 -
無垢の歌
たくさんの喜びがありますように。あの名作が父娘共訳でよみがえる! 「この詩を読む時は、どうか目と声で、音と文字で楽しんでみてください。そうしたらきっと、これらの優しい言葉はもう一度きれいな水となって、あなたの心にしみ通ってゆくと思います」(池澤春菜「まえがき」より) 2020年、初の共著『ぜんぶ本の話』で話題を呼んだ作家・池澤夏樹と声優、エッセイスト・池澤春菜親子。ふたりのはじめての共訳となるのが、この『無垢の歌』です。18世紀にイギリスで発表され、世界中で読み継がれてきたウィリアム・ブレイクの名作が、親しみやすく、みずみずしい新訳でよみがえりました。200年の時を超え、わたしたちに届いた詩の贈りもの。読者の心をしずめ、うるおす「きれいな水」のような言葉がつまった一冊です。 ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください