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本年の話題作『ホサナ』につづいて、町田文学の傑作がまたもや誕生。世間並みに生きることが困難になり、「余」を自称して超然と生きることを決めた男。上から目線で世の中を見下ろすことで、自尊心を保っていたものの、数々の思わぬ出来事により精神に変調をきたし、自殺願望にさいなまれるようになる――そんな格闘を経て、本作では世の中の人とふれあって普通に生きよう、生を肯定せんとする余の懊悩する姿が描かれる。その心の内からつむぎだされる言葉とイメージの世界は町田作品の中でもっともテンションが高い。読者は強烈な笑いと、筆舌につくしがたい文学体験に誘われるだろう。
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Posted by ブクログ
「どつぼ超然」「この世のメドレー」に次ぐシリーズ第3段にして完結編。
超然と生きるはずだった主人公の「余」は、死に場所を求めて彷徨った挙句、生を肯定する境地に達し、最後に土俗神・龍神沖奈と対決します。
帯にある「町田文学の最高峰」は言い過ぎとしても(最高峰は誰が何て言っても「告白」です!)、町田ファンには待望の作品には違いない。
だって、たとえば、次のような文章なんて、今の文学界で町田さんくらいしか書けないしょ。
「オレオレ詐欺。という。そんなものはもう旧い。これから必要になってくるのは君君詐欺だ。あんた誰ですか。君だよ。俺は君だよ。え? 君って俺なの。そうだよ。君君。君だよ。I am youだよ。」
ただ、十数年来の大ファンだからこそ言わせていただくと、ややマンネリ化している感あり。
特に、今、大長編の「ホサナ」と並行読みしていますが、本書の内容とかなり重複します(たとえば、「実体化」とかね)。
正直言って、町田さんの本書のようなエッセー風の小説は少し食傷ぎみになってきたかも。
近年だと、「ギケイキ」は良かったです。
池澤夏樹さん個人編集の日本文学全集に収録されている、町田康訳の「宇治拾遺物語」も絶品でした。
町田さんは、歴史に材を取った作品の方が圧倒的に面白いと思います。
それか純エッセー(なんて言葉はないですが、エッセー風小説ではないということ)ね。
そんなわけで「ギケイキ」の続編が楽しみです。
「生の肯定」のレビューになってないですね。
すみません。
Posted by ブクログ
超然としたい理想と、この世でそれなりに自尊心を満たす事で生き甲斐を感じ多少の気分の良さをもって生きていく事との葛藤。途中まで構成は漱石の草枕のようにも思ったが、主人公が最終、あらゆる矛盾やギャップを受け入れ、諦観めいた自己肯定感を獲得するところに町田康なりの人生観みた気になった。
(町田康は心情描写を得意とする反面会話文はあまり展開的でなく、ぎこちなさが相まってしばしば行数稼ぎのようにも感じる。一方、織田作のテーマ性やキャラクターやストーリーのバリエーションはさて置き、戯作家として作家のキャリアをスタートさせた織田作の会話文描写はやっぱりイキイキとしていて秀逸だな〜〜と読んでいて思い出したりした。)
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