無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
町田康の文体は、もはや町田康以外には考えられないぐらい確立されている。何作かしかまだ読んではいないが、社会に馴染めず、金もない、どうしようもない自堕落な青年を主人公とした作品が多い印象で、そのキャラクターとこの文体が完全にマッチしていて、素晴らしいの一言。ストーリーはもはや必要のないレヴェルで読書が進む進む。
文章が語り口だから、音楽的。意外とこんな文章読み慣れてないから、ちょくちょく内容が入ってこなかったりするが、その体験すらもたのすぃ。
今作は1ページ目から、度肝抜くような始め方だが、一見シュールレアリズム的かと思いきや、そうではなく、ファンタジーの要素の方が俄然強い。現実すらもファンタジーのようになる魔法がこの文体にはある。癖になる。作者のユーモアのセンスもあってこその芸当。喝采。
きれぎれの方が断然好みだし、完成度も高いと思う。が、人生の聖の方が作者が好き勝手に書いて、作者の人生や実体験が色濃く反映されているような印象を受けた。
Posted by ブクログ
特別に面白い展開はなくても文章の面白さでぐいぐい読めた。リズムが気持ちいい。主人公はダメダメだけど育ちがいいからところどころで教養が滲み、ユーモラスで惨めで憎めない。お見合いを滅茶苦茶にするシーンなんか最高だった、馬鹿で不細工。
解説で池澤夏樹が、(類似作家としてよく挙げられる太宰と違って)町田康は没落者ではなく、日本全体が没落したのではと指摘してて興味深かった。「泡沫景気が崩壊して、自信を失い、目標を失い、当惑している。何かが終わってしまって、次が始まらない。教養はあるけれどその使徒がない」。きれぎれを読んでいて何となく他人事ではないと焦るような気持ちになったのは、作中を漂う空虚さが限りなく現実のものだったからだと思う。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸