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Posted by ブクログ
芥川賞作家・町田康氏を飼い犬であるスピンクの目から描いたエッセイ集です。作家の日常とかわいい犬たちの掛け合いが面白いのと、「命」と言うものに向き合うと言うことを教えられます。
町田康さんが飼っているスタンダードプードルのスピンク。彼が「主人・ポチ」と言ってその目線でつづられる日常です。かねてからこの本をずっと読みたかったので 今回手に入ってうれしい限りです。
スピンクのこともいいのですが、個人的にはスピンクの兄弟犬であるキューティー・セバスチャンのことのほうにどうしても目が行ってしまいました。
彼はいろいろと複雑な経緯で飼い主とブリーダーの間をたらいまわしにされて、主人・ポチこと町田康さんと美徴さんこと奥様の所に引き取られた際には虐待を受けていてところどころに掲載されているスピンクとの2ショット写真を見ると以下に苛酷な環境にいたのかがわかってつらい気持ちになりました。
医者からはこれからどんな障害が出るのかわからないので早い段階から要介護状態になるかもしれないので安楽死と言う選択も考えたらどうか?と勧められるほどだったと言います。
しかし、美徴さんと主人・ポチこと筆者が懸命に愛情を注いだだけあって、現在では見違えるような回復ぶりを発揮していて、毎日散歩に行ったりスピンクと軽く噛み合っていることが綴られていることがあとになってわかったので読んでいてほっとします。
虐待によってキューティーが体や心に負った傷は一生付き合っていかなければならないものがあるそうなので、「イヌ科イヌ族」の家族と暮らすにはそれ相応の「責任」があってしかるべきで、それをまっとうできないならば彼らと暮らすべきではない、ということが本当によくわかりました。
そんなお堅い内容だけではなく、主人・ポチが意味不明の歌を歌い、奇行やエキセントリックな言動を繰り返して美徴さんにあきれられ、時に「文学の鬼」となって仕事をする。そんなありふれた日常がスピンクの目線で描かれるのは、彼が上梓している猫のエッセイとはまた違った面白さがあると思っています。
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