角川文庫作品一覧

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  • 好きなままで長く
    4.3
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【イラスト詩集】立ち止まったり、ふりむいたり。何かのはずみに思い出す大好きな場所のこと、なつかしい風のこと……。魚のようにきらめく今も明日は思い出。優しさがイラストとともに行間をただよう心地よい言葉の数々。
  • 李陵・山月記 弟子・名人伝
    4.3
    1巻506円 (税込)
    漢の最盛期、武帝の時代。が、北辺の地に匈奴の来襲があいつぎ、時代に影が兆しはじめた。李陵は、五千の少兵を率い、十万の匈奴と勇戦するが、捕虜となった。その評価をめぐり、華やかな宮廷に汚い欲望が渦巻く。司馬遷は一人李陵を弁護するが、思いもかけぬ刑罰をうける結果となった。讒言による悲運に苦しむ二人の運命に仮託して、人間関係のみにくさ美しさを綴る「李陵」他に、自らの自尊心のため人喰い虎に変身する李徴の苦悩を描く「山月記」など六編を収録。
  • 走れメロス
    4.3
    1巻396円 (税込)
    妹の婚礼を終えると、メロスはシラクスの市めざして走りに走った。約束の三日目の日没までに暴虐の王の下に戻らねば、自分の代りに友セリヌンティウスが殺される。日はすでに傾いている。メロスよ、走れ!……身命を賭けた友情の美しさを描いて名高い表題作のほか、「富嶽百景」「駆込み訴え」「東京八景」など珠玉の9編を収録。(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved
  • 杜子春・南京の基督
    4.3
    「杜子春」は、中国伝奇を骨子としたメルヘンで、唐の洛陽の若者が仙人から母の愛の尊さを教えられる話。同じく中国物の「南京の基督」は、秋の一夜年若い売春婦が体験した、基督との不思議なふれあいを描き、短篇技巧の冴えを示す。ほか、名作「秋」「お律と子等と」など大正9年度の作品十数篇を収む。
  • 虎落笛 照降町自身番書役日誌
    4.3
    市井の暮らしになじみながらも、武士の矜持を捨てきれず、心の距離に戸惑うこともある喜三次。悩みや問題を抱えながら、必死に毎日を生きようとする市井の人々の姿を描く胸うつ人情時代小説シリーズ第三弾!
  • 闇の魔弾 シックスコイン
    4.3
    攻撃を受け地下に潜った頭領・竜弦は、代行の涼にタイに潜伏している将来の青龍候補を探し出せという命を下す。一方組織の過去を探るために里香は台湾へ飛ぶが……。壮大なスケールで描くアクション巨編!
  • 神狩り
    4.3
    弥生時代の遺跡で発見された《古代文字》。情報工学の天才島津は、その解明に挑んだが、次第に驚くべきことが明らかになる。それは、人類には理解できない言語構成だったのだ。この不可思議な言語をあやつるのは、人類をはるかに超えた存在“神”ではないのか! その時――突然、島津の心に現われた男が、すさまじいオーラを発散させながら叫んだ。〈全て忘れろ〉。もし、これが神だとしたら、我々は神に挑戦することになるのか? 神は人類に対して悪意に満ちているのだろうか。
  • ぼくらの大冒険
    4.3
    1巻616円 (税込)
    転校生の木下がぼくらの仲間に加わった。UFOが見えるという彼と河川敷に向かうと宇野と安永が消えた!? 失踪事件の背後には謎の宗教団体や埋蔵金伝説が――!? インチキな大人たちに鉄槌を!
  • 旅の短篇集 春夏
    4.3
    ロンドンの自然博物館にある恐竜の前でじっと息を殺していると恐竜が話し掛けてくる。そんな話を友達から聞いた「私」はそのイグアノドンの標本を訪ねるが、何の物音も聞えない。がっかりしてホテルに帰ると、フロントに謎の伝言が……。(「イグアノドンからの伝言」より)ロンドン、ボストン、イスタンブール、世界のあらゆる都市へ、原田宗典が空想の旅にいざなう幻想的で不可思議な物語。珠玉のショート・ストーリー集。
  • ろくべえまってろよ
    4.3
    犬のろくべえが穴におちてしまった。なんとかしてろくべえを助けなきゃ!一年生の子どもたちがみんなで考え出した「めいあん」とは?表題作「ろくべえ まってろよ」の他、天真爛漫な男の子・マコチンの生活を描いた「マコチン」、何でも同じになってしまうのが悩みのふたごの女の子の物語「ふたりはふたり」など、八編の童話を収録。子どもたちのみずみずしい感性がきらめく一冊。
  • とんぼがえりで日がくれて
    4.3
    この春から幼稚園に通いはじめたゆきぼうの一番の友だちは、「つばめのチィチィちゃん」。つばめの雛の成長を楽しみにするゆきぼうと、それを見守るはなえばあちゃん、とくたろうじいちゃん、幼稚園のゆうこ先生・・・・・・。日常の中のさりげないやさしさを描いた表題作「とんぼがえりで日がくれて」の他、すぐにお母さんとけんかをして家出をしてしまうマサト君の物語「いえでぼうや」、できたての保育園「風の子保育園」の様子を描いた「ともだちが いっぱい」「みんなともだち」など、こころあたたまる九編の童話を収録。
  • 有夫恋
    4.3
    熱の舌しびれるように人を恋う ぬけがらの私が妻という演技 男の嘘に敏感なふしあわせ 妻ですという美しき怒り見し こちらあなたの夫と死ぬる女です ~本文より~  いまだかつて、これほど烈しい恋の句集があっただろうか? 有夫恋(夫ある女の恋)。狂おしい生命の叫びを五七五に鋭く切り取り、一大センセーションを巻き起こした、珠玉の川柳句集。
  • 流想十郎蝴蝶剣 全7冊合本版
    4.3
    江戸・本湊町の料亭に用心棒として住み込む流想十郎は、花見の帰り、品川宿近くで武士団に襲われた小藩の姫君一行を助ける。気が進まない中、姫の護衛を引き受けた想十郎は、熾烈な抗争に巻き込まれる…。権力者・水野忠邦を父に持ちながら、その愛情を知らず、また剣術の師との密通の末に、ともに上意討ちで果てた母への情も捨てた孤高の剣士は、無敵の蝴蝶剣を誰がために振るうのか? 「流想十郎蝴蝶剣」シリーズ、全7冊合本版。
  • 氷雪の殺人
    4.3
    北海道沖縄開発庁長官からある男の死の真相調査を依頼された浅見光彦。男は「プロメテウスの火矢は氷雪を溶かさない」という謎のメッセージを遺していた。やがて浅見は、巨大な陰謀と対峙することになり……。
  • 白鳥の王子 ヤマトタケル 東征の巻(上)
    4.3
    1~2巻660円 (税込)
    九州の熊襲を征討した倭建(ヤマトタケル)は大和に戻った。愛する弟橘媛に若建が生まれ、しばし平穏な日々を送ったのも束の間、倭国統一を目指す父・オシロワケ王(景行帝)は、三輪王朝に服従しない東の国々を討つことを建に命じる。東征を前に、叔母で巫女王の倭姫王は、神宝の剣と、火打石、薬を授け、建を励ました。伊勢の朝日雷郎を平定し、尾張に入った建を、首長・音彦の娘で妖しい魅力を湛えた宮簀媛が迎える。日本最古の英雄を、雄渾な筆致で活写する壮大な歴史叙事詩第三弾
  • 裏方 物言わぬ主役たち──プロ野球職人伝説
    4.3
    勝った方が優勝という大一番で、ベテラン審判が犯した大誤審の真実。ヤンキースに移籍した伊良部秀輝とともに海を渡った専属トレーナーの挫折。甲子園グランドキーパーの雨との闘い。一人の捕手が、投手の盛り上げ役に徹するブルペンコーチになるまでの軌跡。グラブ職人の挑戦と、その苦い結末。若きスコアラーの情熱と敗北。伝説のスカウトが初めて体験した、誰も獲らない一年。プロ野球の裏の主役とも言える男たちの、ひたむきで力強い物語。
  • デザートはあなた
    4.3
    1巻550円 (税込)
    食事はセクシーであるべき、という確固たる持論をもつ大西俊介。料理の味を誉められるくらいうれしいことはない。数ある趣味のなかでも、料理には狂気にも似たバイタリティを発揮する。デザートは最後のお楽しみ。――「僕が酔ったのは、キミの魅力。デザートはキミ」この科白を言うために今夜も料理する。
  • 勇気凛々
    4.3
    1巻671円 (税込)
    放送局に入社した武田光司は、型破りの伝説的営業マンとして実績を上げた。だが、サラリーマン生活にあきたらず、独立して自転車の輸入販売を始める。当初は失敗が続くが、持ち前の明るさと根性で踏ん張り、たび重なる困難を乗り越えていく。やがて販路として開拓したイトーヨーカ堂の信用を得て、その成長と共に事業を拡大、ベンチャー企業を見事に育て上げる。夢の実現に全力で立ち向かう男のロマンと、イトーヨーカ堂の伊藤雅俊会長をはじめ、人との得難い出会いを描いた力作長編。
  • 堕天使の島
    4.3
    殺すのか、それとも愛するのか……義父の陰謀で死と隣り合わせの流刑地に送られた秋夫。高貴な美貌と邪悪なほど淫らな雰囲気を持つ、ロシア系美少年クリス。性と血の競演が繰り広げられる島で、ふたつの寂しい魂が出会った。少年たちの美と官能の世界を描いた禁断の愛の物語。
  • 信玄忍法帖
    4.3
    「風林火山の行くところ敵なし」諸国にその名を恐れられた猛将、武田信玄が死んだ? 過ぎし日、三方ヶ原の戦いで惨敗を喫した徳川家康は、真偽を確かめるため直ちに7人の伊賀者を甲斐へ送り込んだ。一方、信玄なき武田軍団の弱体を痛感する軍師山本勘介は影武者を擁立。信玄存命と見せかけてこれを猿飛、霧隠の二人の忍者に死守させた。甲府盆地は、たちまち忍者同士の熾烈な攻防に血塗られていった……。奇奇怪怪の忍法争いを通じて武田家の存亡を描く、山田風太郎の傑作忍法帖!
  • SでもMでもなくこれは恋とか愛
    4.3
    心にいる女性は二人だけ。二人とも美樹の元を去っていった。そして、いま、美樹は三人目の女性に出会う。これは運命なのか、呪いなのか――。女神、SM、そして愛。著者渾身の「青春SM小説」! サタミシュウ作品をより深く楽しむための「サタミシュウ読本」を収録した特別版!
  • ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか
    4.3
    私達は身体ではなく「心」を進化させてきたのだ――。人類の起源を追い求め、約20万年のホモ・サピエンスの歴史を遡る。構想12年を経て映像化された壮大なドキュメンタリー番組が、待望の文庫化!!
  • つばさものがたり
    4.3
    パティシエールの小麦は、ケーキ屋を開くため故郷に戻ってきた。だが小麦の店を見て甥の叶夢は「はやらないよ」と断言する。叶夢の友達の「天使」がそう言っているらしいのだが……感涙必至の家族小説。
  • 平家(一)
    4.3
    京では公家が権力を争い、地方では武者が土地の利権を奪い合う平安末期、地下人と蔑まれた武家平氏に清盛という英傑が現れた。並外れた知略と先見性、そして果敢な決断によって権力を勝ち取った清盛は、行き詰まった藤原官僚体制の改革と、新しい国家構想の実現を図る。諸行無常の哀れを語る『平家物語』とは一線を画し、時代の扉をこじ開けようとする、まったく新しい清盛像を描いた、雄々しくも壮大な物語。
  • ほどらいの恋 お聖さんの短篇
    4.3
    真面目が取り柄のオトーサンが、十年間も浮気をしていたなんて――。気がむいた時に付き合う気楽な恋人がいる私に縁談が持ちあがり――。中年女のなで肩を水蜜桃のようだと愛しむ老人は――。移りゆく季節の中で、ほどらい(ちょうどよい加減)の恋を育む男と女。彼らの身上にふりつもる小さな喜び、悲しみをユーモラスにしっとりと描き切った、珠玉小説集。
  • 人生の甘美なしたたり
    4.3
    恋愛の究極は、手ェも握らんとこへ還る。しょせん男は気立てと甲斐性。人生、エエとこ取りでよい。血は水より薄い。「死」の対極にあるのは「生」ではなく、「恋」である――。人間への深い愛と洞察力を持つ著者が行きついた、鋭くてユーモラスな田辺流決めフレーズ集。人生をより軽快にするための応援歌であり、ふとこぼれる本音であり、気持ちひとつで手に入る幸福のさまざまなかたちの提言ともいえる。
  • トンネルに消えた・・・
    4.3
    遠見峠に長さ210メートルのトンネルがある。このトンネルは、完成までに2回の落盤事故があり、5名の作業員が死んだ。そのため、幽霊が出るという噂が流れた。そして噂が下火になった頃、現場で一人の若い女性が消えた…。興味をもったテレビ局がドキュメントを制作中、今度は美人タレントが消えた!!事件の裏にあるのは? 傑作短編集。
  • 霧の旗
    4.3
    柳田桐子は、強盗殺人事件の犯人にされた兄の弁護を依頼に、著名な大塚弁護士を訪ねて九州から上京する。が、依頼をことわられる。偶然、桐子を知るジャーナリスト阿部はこの事件に興味をもつが、桐子の兄は獄死する。上京し、酒場の女になった彼女の心は、大塚への復讐に燃える。巨匠が見事に描きあげた復讐譚。
  • 「A」 マスコミが報道しなかったオウムの素顔
    4.3
    ――オウムの中から見ると、外の世界はどう映るのだろう?1995年。熱狂的なオウム報道に感じる欠落感の由来を求めて、森達也はオウム真理教のドキュメンタリーを撮り始める。オウムと世間という2つの乖離した社会の狭間であがく広報担当の荒木浩。彼をピンホールとして照射した世界は、かつて見たことのない、生々しい敵意と偏見を剥き出しにしていく――!メディアが流す現実感のない2次情報、正義感の麻痺、蔓延する世論(ルサンチマン)を鋭く批判した問題作!ベルリン映画祭を始め、各国映画祭で絶賛された「A」の全てを描く。
  • 早咲きの花 子どもたちの戦友
    4.3
    1巻550円 (税込)
    昭和18年、東京から愛知県にある海沿いの国民学校へ転校した真次。無人島の宝探しや炎天下のスイカ泥棒、子ども同士の決闘など、大自然の中を駆け回っているうちに、彼らはかけがえのない親友になった。だが、やがて真次たちは戦争の渦に否応なく巻き込まれる。学徒動員により豊川工廠で働いていた子どもたちは、一面を焼き尽くす苛烈な空襲の下、捨て身の覚悟で互いを守り合った……。史実を元に戦下の友情を描いた感動作。
  • 鉄道旅行のたのしみ
    4.3
    鉄道でどこかに行くことだけではなく、鉄道に乗ることそのもののたのしさが分かる1冊。東海道、関東、近畿、九州、東北など、その土地ごとの路線の乗りこなし方と、逃したくない見どころ、地方線ならではの味わいなどを紹介。また、時刻表の読み方や、路線の歴史、ちょっとした雑学などをひもときながら、これからはじめて鉄道旅行をたのしみたいという人にも分かりやすく、その魅力と奥深さを伝えます。
  • 事変リットン報告書ヲ奪取セヨ
    4.3
    昭和6年、関東軍の謀略による柳条湖事件を引き金に、「満州事変」は国際紛争に発展した。中国側からの提訴を受けた国際連盟は、事態を打開するため、現地に調査団の派遣を決定する。一方、国内では、元老・西園寺公望が関東軍の暴走を阻止するべく、元満鉄副総裁・松岡洋右に秘密工作を指示。それは、あまりにも奇抜で意外な計画だった……。著者の原点ともいうべき昭和史サスペンス小説の傑作。
  • 残花亭日暦
    4.3
    関西の瀟洒な家で、車椅子の夫、老母、パート夫人、ミド嬢、数数のぬいぐるみと共に忙しく暮らす田辺さん。ある日、夫に新たな病が発覚。別れの時を予感しながら、看護と介護と作家仕事を切り盛りしていく。毎日の食卓、原稿執筆、夫の憎まれ口、お葬式、納骨――。作家のありふれた一日から主婦の一大事まで、日々の思いをユーモラスに書き留めた人生日記。発表時、感動の声が続々届いた話題の書。
  • 覚悟の人 小栗上野介忠順伝
    4.3
    黒船の来航以来、高まる外圧と倒幕勢力の伸長により瓦解寸前の徳川幕府を支えた男がいた。その名は小栗上野介忠順。小栗は対ドル為替レートの不均衡や、相次ぐ賠償問題を含む外交ばかりでなく、財政再建や軍隊の近代化にも獅子奮迅の働きをみせた。しかし、その小栗をも飲み込む時代の大きなうねりが押し寄せていた――。自らの信念と使命に殉じ、日本近代化の礎を築いた幕臣の姿を鮮烈に描く歴史ドキュメント小説。
  • イレギュラー
    4.3
    村が水害にあい、練習もままならない蜷谷高校・通称ニナ高の野球部。剛速球投手コーキも、日々その素質をくすぶらせていた。そんなニナ高に目を付けた名門野球部K高。格下相手を練習台にしようというのだ。自分の球に絶大な自信を持つコーキは、合同練習初日に勝負を挑むが結果は特大ホームラン。プライドをボロボロにされたコーキはリベンジに向けて、猛練習を開始した! ダメダメ野球部のむやみに熱い青春ストーリー!!
  • ロッキン・ホース・バレリーナ
    4.3
    十八歳で夏でバカだった! バイト暮らしの耕助は、仲間のザジ、バンとパンクバンド「野原」を組み、生まれて初めてのライブツアーへ出かけた。行く先々でグルーピーを引っかける予定が、謎のゴスロリ娘のヒッチハイクで旅は思わぬ方向へ。彼女、七曲町子の正体は? ツアーファイナルは成功するのか? 耕助と町子の恋の行方は? 爆笑と感動、大槻ケンヂの青春ロック長編小説。忘れることなんて絶対にできない最高に熱かったあの季節。
  • まどろむベイビーキッス
    4.3
    みんなと仲良くしたかった。いじめられたくなかった。邪険にされたり、疎んじられたりするのはもうたくさんだった。だから、だから……。キャバクラ「ベイビーキッス」で働く風間みちる。家ではSHIHOという名前でホームページを作り、訪れる人たちとのやり取りを楽しんでいた。ところが彼女の一言が「荒らし」を呼んでしまう。また仕事上でも他のキャバクラ嬢との関係が悪化し――。哀しい狂気が暴発する究極のエンタテインメント!
  • 天国の扉 ノッキング・オン・ヘヴンズ・ドア
    4.3
    10年前、抜刀術・名雲草信流を悲劇が襲った。末の妹・綾が放火により焼死してしまったのだ。犯人は、1年後、別の現場に残された遺留指紋が決め手となって捕まった飯浜幸雄。名雲家長男・修作がつきあっていた奈津の父親だった。修作の父・名雲和也は公判に出廷した飯浜に襲いかかる騒動を起こし、失踪。奈津は母親とともに土地を離れて行ってしまう……。守るべきものは何か? 愛する者との絆の在処を問う感動巨編!
  • 棟居刑事の復讐
    4.3
    警視庁捜査一課の横渡刑事は帰宅途中、暴漢に襲われた女性を助けようとして男と格闘し無念にも刃物で刺殺された。一方、襲われた女性も死体で発見される。殉職の訃報を聞いた棟居刑事は激しい怒りを覚え、「仇はおれがとる」と亡き横渡の面影に復讐を誓う。そして、女性被害者の身辺を調査中、遺品から28年前に起きた棄児事件を報道した古い新聞記事が見つかった……。燃える刑事魂が巨悪と対決する「棟居刑事シリーズ」第一弾!!
  • 堀部安兵衛(上)
    4.3
    越後、新発田五万石の城下の春。藩士の子息、14歳の中山安兵衛は、路上で会った山伏に「剣の道に進めば短命」と宣告される。はたして、父の無念の切腹という凶事にみまわれ、安兵衛の運命は大きく変わる。父の死の謎を解くために藩を出奔し、江戸へ向かう途中、魔性の剣をふるう中津川祐見と宿命の出会いを果たすが、その後、女をめぐって対立することになる……。江戸、東海道、京都を舞台に安兵衛の青春の彷徨を描く長篇。
  • 母

    4.3
    「わだしは小説を書くことが、あんなにおっかないことだとは思ってもみなかった。あの多喜二が小説書いて殺されるなんて……」明治初頭、十七歳で結婚。小樽湾の岸壁に立つ小さなパン屋を営み、病弱の夫を支え、六人の子を育てた母セキ。貧しくとも明るかった小林家に暗い影がさしたのは、次男多喜二の反戦小説「蟹工船」が大きな評判になってからだ。大らかな心で、多喜二の「理想」を見守り、人を信じ、愛し、懸命に生きたセキの、波乱に富んだ一生を描く感動の長編。
  • 白鳥の王子 ヤマトタケル 西戦の巻(上)
    4.3
    1~2巻616円 (税込)
    大和王朝の王子であり、勇猛にして心優しき英雄、倭男具那。彼は女王・倭姫王の託宣に従い、熊襲と呼ばれ、九州で猛威をふるう狗奴国との戦いに出陣することを決心する。西を目指す男具那、その途には、狗奴国の勢力の北上にともなって各地で蜂起する賊たちが立ちはだかる。そして、女人剣士・羽女らを軍に加え、宇沙地方を跋扈する賊・鼻垂との壮絶な戦の幕は開いた――。日本最古の英雄、ヤマトタケルの生涯を描く歴史叙事詩、待望の第二弾!
  • 東京困惑日記
    4.3
    “なるほどこれはおもしろいのである”(本人談)と、困ったことにかけては世界一、恥ずかしい体験にかけては宇宙一のハラダ君も笑っちゃう極上の秘話を一挙公開。床屋で撃沈、銭湯で玉砕などなどたっぷり、ねっとり読ませます。この本を読破すれば、自信のない人、ネクラの人、夜尿症の人も、たちどころに元気一杯ムンムンムレムレ状態になることまちがいナシ! のスーパーエッセイ集。(本人快説付き)
  • 刑事部屋
    4.3
    辞令、刑事課ヲ命ズ――。狛江警察署刑事課に欠員補充された見習い刑事の片岡幸男が見た、それぞれの刑事に隠された、人間の深い絆と愛。半開きのロッカー、音だけの無線、散乱した吸い殻、そして、いつも誰もいない、灯だけがついて色褪せた空気の「刑事(デカ)部屋」。職業として、人間としての刑事の生きざまをリアルに描いた、警察ミステリーの傑作!
  • 天と地と(一)
    4.3
    「これはおれの子ではないのかも知れない」為景は思った。長尾為景、63歳。妻は袈裟、21歳、その早過ぎる妊娠が、そんな疑惑を生んだ。が、生まれた赤ん坊は、輝きの強い眼を持つ男の子で、虎千代と名づけられた。のちの謙信である。虎千代は、父に疎んじられる不満を抱きつつ、百姓出の娘松江、忠臣金津新兵衛らに守られて育つ。越中・越後の争乱は絶え間無く、やがて父為景は合戦で討たれ、兄晴景が守護代を継ぐが、それを不満とする長尾俊景が兵を挙げた。 カバーイラスト/熊谷博人
  • 戦国秘譚 神々に告ぐ(上)
    4.3
    応仁の乱以降、室町幕府は力を失い、群雄が割拠し、世は乱れた。古来、神々に礼を尽くして地上の平安を守ることを務めとしてきた京都朝廷は、衰微を極めた。弘治三年(一五五七)、後奈良天皇は後事を若き関白・近衛前嗣に託し、崩御。前嗣の奔走が始まる。幕府再建による朝権回復を目論む前嗣は、都を逐われた将軍・足利義輝と結び、都を支配する三好長慶を除こうと計画。これを阻もうとする長慶の権臣・松永久秀の秘められた思惑とは?
  • 主婦の旅ぐらし
    4.3
    だんなの出張をいいことに旅に出かけた主婦るえか。門前旅館でだらけていたら、どういうわけか、だんなから不審な声で不審な電話が。なんでも物凄い土産があるというのだが――。史上最弱の主婦にして気鋭の書き手・青木るえかが、旅したり食べたり読んだりうろたえたり、の日々を縦横無尽に綴る! デビューエッセイ集『私はハロン棒になりたい』に書き下ろしを加えた充実の一冊。
  • 愛は勝つ、もんか
    4.3
    ♪兎おいしい彼の山♪と、子供のころからよだれを流して思い込んでいた、あのカオルコ・ヒメノが、“音頭の中の音頭は『オバQ音頭』だぜ”と謳い上げ、“子供は不純で狡賢く、少女とは人生でもっともうぬぼれたあぶらっこいスケベ期”だと真実を淡々と語り、“売春を国営化して福祉費にまわすべきである”と断言する、核弾頭的恋愛論&ゴージャスエッセイ。
  • 本日は大安なり
    4.3
    企みを胸に秘めた美人双子新婦、プランナーを困らせるクレーマー夫妻、新婦に重大な事実を告げられないまま、結婚式当日を迎えた新郎……。人気結婚式場の一日を舞台に人生の悲喜こもごもをすくい取る。
  • 妄想シャーマンタンク
    4.3
    書籍未収録の100本を超えるコラムの中で約30本を厳選し、新たに書き下ろしを加えた爆笑エッセイ傑作選。ゲッツが何故不良になり、物書きとなったか、これまで語られなかった極秘のエピソード満載の1冊!!
  • 超出禁上等!
    4.3
    ミス・ユニバース・ジャパン、ピンク・レディーのコンサート、稲川淳二の怪談ナイト……ライター界の攻めだるま・ゲッツ板谷が話題のスポットにアポなし取材&本気で突っ込む突撃ルポ、第二弾発射!
  • 鼠、危地に立つ
    4.3
    ちょいとドジを踏んでしまい、捕手に追いかけられてしまった鼠小僧の次郎吉。追っ手を撒くために入った家には、母と娘の死体があった。この親子に何があったのか気になった次郎吉は、調べる事に……。
  • ぼくんち 上
    4.3
    1~3巻506円 (税込)
    恵まれてはいない人々の心温まる家族の絆を、独自のタッチで描く、サイバラワールドの神髄。
  • ハロウィンに消えた
    4.3
    シカゴ郊外、日本企業が買収したオルネイ社は従業員、市民の間に軋轢を生んでいた。差別的と映る“日本的経営”、脅迫状に不審火。ハロウィンの爆弾騒ぎの後、日本人少年が消えた。戦慄のハードサスペンス。
  • 昭和二十年夏、女たちの戦争
    4.3
    人生で最も美しい時を戦時下で過ごした5人の女たち。作家・近藤富枝、評論家・吉沢久子、女優・赤木春恵、元JICA理事長・緒方貞子、作家、評論家・吉武輝子。彼女たちには、明日の見えない日々でさえも、その日常には青春の輝きがあった。妻でもなく、母でもなく、ただの若い女性だった彼女たちは、あの戦争をどのように生き抜いたか。大宅壮一ノンフィクション賞受賞の作家が綴った、あの戦争の証言を聞く。
  • 警視庁捜査一課特殊班
    4.3
    誘拐やハイジャックなど極めて卑劣な犯罪に対峙する特殊班は、姿を表に出すことが許されない警視庁の秘密部隊だ。彼らが解決した事件をリアルに再現。捜査テクニック、歴史等、その全貌に迫ったノンフィクション!
  • 空と山のあいだ 岩木山遭難・大館鳳鳴高生の五日間
    4.3
    昭和39年1月、岩木山で高校生5人の遭難事故が起きた。連日の大がかりな捜索にもかかわらず5人の行方はわからなかった。岩木山は標高わずか1600メートルの円錐形の単独峰だ。その時5人に何がおきていたのか。※本作品は紙版の書籍から解説が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
  • 我、天命を覆す 陰陽師・安倍晴明
    4.3
    人と化生のあいだに生まれた安倍晴明。陰陽師として類い希なる力を持っていた彼には貴族から依頼がたえない。ある日、賀茂祭を見に行った晴明は、外つ国からきた、化け物と鉢合わせするが――!?
  • 心臓に毛が生えている理由
    4.3
    『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』の著者が、ロシア語通訳として活躍しながら考えたこと、在プラハ・ソビエト学校時代に得たもの、日本人のアイデンティティなど、言葉や文化に対する深い洞察を痛快な文章で綴る。※本作品は紙版の書籍から解説が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
  • ストロベリー・ブルー
    4.3
    1巻594円 (税込)
    友情、憧れ、片想い、失恋……誰もが通る中学という大人への階段。児童文芸新人賞受賞の実力派が、5人の男女を通して思春期の1ページを鮮やかに切り取った、まったく新しい青春小説。
  • シックスコイン
    4.3
    大学生・霧島涼のバイト先の先輩が惨殺された。そしてなぜか魔の手は涼にも及んでくる。祖父・竜弦より手ほどきを受けた古武道で苦難を切り抜けた涼は、竜弦から命ぜられた北川香織の行方を突き止めるが、さらに謎の男たちの襲撃が続く。やがて浮かび上がってきた秘密結社の存在、そして六文銭が刻まれた小柄の謎。いったい霧島家とは何者なのか? 日本を守るため現代に蘇る侍たちの活躍を描くシリーズ、堂々のスタート!
  • ああ息子
    4.3
    耳を疑うような爆笑エピソードの数々。でもみんな、本当にあった息子の話、なんです――!! 息子の「あちゃちゃ」なエピソードに共感の声続々! 育児中のママ必携の愛溢れるコミックエッセイの傑作。
  • 日本列島プチ改造論
    4.3
    正しい世の中より、おもしろい世の中にしよう! 年金、税金、エコロジー、駆け込み乗車に放置自転車、ハコもの行政、薄毛にチャラ男、ダメ犬、尽きない偽装に教育基本法。社会問題から明るい家族計画まで、すべておまかせあれ。「反社会学」シリーズで人気の著者が、日本にはびこる難題を、小さなことからプチプチと、楽しく改革しちゃいます。あなたの暮らしを、明るく元気にするヒントが満載のエンタメ提言集。
  • 悲歌
    4.3
    先生、あなたはなんという呪いをかけられたのですか? あなたの大切な者すべてを三角形の綴じ糸でほどけぬように縫い付けて、それぞれの愛を禁じるおそろしい呪いをかけたのは、一体何のためですか? ――音楽家の忘れ形見と愛弟子の報われぬ恋「蝉丸」。隅田川心中した少女とその父の後日譚「隅田川」。変死した作家の凄絶な愛の姿「定家」。能に材を採り、狂おしく痛切な愛のかたちを浮かび上がらせる、中山可穂版・現代能楽集。
  • にっぽん怪盗伝 新装版
    4.3
    ふた月前の夜、池ノ端仲町の日野屋に賊が押し入り、金を奪って逃げた。あるじ久次郎は奉行所に届け出たが、恋女房のおきぬが犯されたことは隠していた。もう忘れようと夫婦が互いにいたわりあっていた矢先、再び同じ賊が日野屋に押し入る…。火付盗賊改方の頭に就任した長谷川平蔵は、神出鬼没の盗賊団捕縛を命じられ、正念場を迎える。「江戸怪盗記」をはじめ、人の世の哀感を滲ませる、「鬼平」の原点ともいうべき傑作捕物帳。
  • 鼠、夜に賭ける
    4.3
    〈鼠〉こと次郎吉が酒を飲んでいた店に、抜身を手にした男が入ってきた。どうやら人を斬ってきたらしい。男は「しくじった……やり直しはできん。俺はもう終りだ。けりをつける」と言い残すと、刀で首を斬って自害した。一方、騒ぎに巻き込まれた店で働く娘おようは、自害した男が落としたあるものを懐に忍ばせ、家路を急いでいた――。盗賊・鼠小僧が悪をくじく痛快エンタテインメント時代小説。絶好調のシリーズ第4弾!
  • 鼠、影を断つ
    4.3
    なじみの小料理屋で飲み、寝入ってしまった次郎吉。おかしな気配に気がついて目を覚ますと、隣家から火の手が上がっている! 次郎吉の機転で延焼は防げたが、火元の家に住んでいた母と幼い娘が焼け出された。火事の原因は不明。さらに母子の周辺に見え隠れする怪しい人物たち。何かあると感じた矢先、今度は小料理屋が火事に――。人情篤い盗賊・鼠小僧こと次郎吉が悪と闘う痛快時代小説シリーズ。ますます絶好調の第3弾!
  • ペンギン・ハイウェイ
    4.3
    ぼくはまだ小学校の四年生だが、もう大人に負けないほどいろいろなことを知っている。毎日きちんとノートを取るし、たくさん本を読むからだ。ある日、ぼくが住む郊外の街に、突然ペンギンたちが現れた。このおかしな事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎を研究することにした──。少年が目にする世界は、毎日無限に広がっていく。第31回日本SF大賞受賞作。
  • みんな孤独だけど
    4.3
    誰もがみな孤独を抱えながら生きている。だからこそ自然と寄りそい、惹かれ合っていく……。文化の違うニューヨークの商社で孤軍奮闘する日本人女性と心の傷を抱えたビル警備員との暖め合うような恋、葉山のさびれた保養寮で、自分の信念に従って生きる2人が交わしたひと夏のほのかな恋……。時に孤独を友にしながら、前向きに強く生きようとする女性たちの恋の瞬間を描いた、元気がもらえる4つの恋愛ストーリー。
  • 青の炎
    4.3
    櫛森秀一は湘南の高校に通う17歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との3人暮らし。その平和な家庭に、母が10年前に別れた男、曾根が現れた。曾根は秀一の家に居座って傍若無人に振る舞い、母の体のみならず妹にまで手を出そうとする。警察も法律も家族の幸せを取り返してはくれないことを知った秀一は決意した。自らの手で曾根を葬り去ることを……。完全犯罪に挑む少年の孤独な戦い。その哀切な心象風景を精妙な筆致で描き上げた、日本ミステリー史に残る感動の名作。
  • BUNGO 文豪短篇傑作選
    4.3
    わが国の文壇を代表する11人の文豪による文学の饗宴。魔術を習った男の行く末を追った芥川龍之介の「魔術」、かつていじめ抜いた女中に落魄した後に再会する太宰治の「黄金風景」、婀娜っぽい大家の妻に下宿人が悩まされる永井荷風の「人妻」、女の手を握る衝動に大学生が悩む坂口安吾の「握った手」、夫が出征した理髪店の若い妻と少年の性の衝動を描く三浦哲郎の「乳房」など、いずれも傑作の誉れ高い12編を集めた。
  • やっぱし板谷バカ三代
    4.3
    最強最笑のバカ家族、板谷家が帰ってきた! バカの「黒帯」たちが繰り広げる笑撃のバカ合戦は更にパワーアップ! だが、親父・ケンちゃんが火災放射器で母屋を全焼させても(実話)ビクともしなかった板谷家に史上最大の危機が襲いかかり……。日本国民を震撼させた伝説の名著『板谷バカ三代』の続編が登場! 超豪華著名人が参戦した文庫オリジナル企画「ゲッツちゃんへの63の質問」は必読!!
  • この世でいちばん大事な「カネ」の話
    4.3
    「生まれて初めて触ったお金には、魚のウロコや血がついていたのを覚えている」――お金の無い地獄を味わった子どもの頃。お金を稼げば「自由」を手に入れられることを知った駆け出し時代。やがて待ち受ける「ギャンブル」という名の地獄。「お金」という存在と闘い続けて、やがて見えてきたものとは……。「お金」と「働く事」の真実が分かる珠玉の人生論。
  • ぼくがぼくであること
    4.3
    1巻825円 (税込)
    夏休みのある日、小学校六年生の秀一が突然家出をした。その波紋は、静かに深く広がって激しく家庭をゆさぶった。家出さきで出くわしたさまざまな出来事―ひきにげ殺人事件の目撃、武田信玄の隠し財宝の秘密、薄幸の少女夏代との出会いなど―がきっかけとなって、教育ママの母親や優等生の兄妹の重圧から秀一は解放される。崩壊寸前だった家族が手探りで歩む再生の道とは。
  • セロ弾きのゴーシュ
    4.3
    楽団のお荷物だったセロ弾きの少年・ゴーシュが、夜ごと訪れる動物たちとのふれあいを通じて、心の陰を癒しセロの名手となっていく表題作。また「やまなし」「シグナルとシグナレス」「氷河鼠の毛皮」「猫の事務所」「雪渡り」「グスコーブドリの伝記」など、賢治が生前に新聞・雑誌に発表した名作・代表作の数々を収める。
  • 新訳 ヴェニスの商人
    値引きあり
    4.3
    貿易商のアントーニオは親友から借金を申し込まれる。ある貴婦人に求婚するための資金がないという。貸してやりたくとも、彼の全財産は現在、船の積荷となって海の上。仕方なく、ユダヤ人のシャイロックに借りるが、「返済できない場合は、体の肉を1ポンド差し出す」という酔狂な条件つき。果たして、船は難破し、約束を守らねばならなくなったアントーニオだが……。シェイクスピア作品で最も人気が高い、悲喜劇の傑作。
  • 巷説百物語
    4.3
    怪異譚を蒐集するため諸国を巡る戯作者志望の青年・山岡百介は、雨宿りに寄った越後の山小屋で不思議な者たちと出会う。御行姿の男、垢抜けた女、初老の商人、そして、なにやら顔色の悪い僧――。長雨の一夜を、江戸で流行りの百物語で明かすことになったのだが……。闇に葬られる事件の決着を金で請け負う御行一味。その裏世界に、百介は足を踏み入れてゆく。世の理と、人の情がやるせない、妖怪時代小説、第一弾!
  • 国家の崩壊
    4.3
    国は壊れる時、どんな音がするのだろうか? 人はどのような姿をさらけだすのだろうか? 1991年12月26日、ソ連崩壊。不動だったはずの超大国は呆気なく自壊した。有能な官僚たちも、巨大な軍隊も、秘密警察もイデオロギー教育も、崩壊を防ぐことはできなかった。弱くなった日本はソ連の道を辿ることはないのか? 外交官として渦中におり、「国家は悪ではあるが必要だ」と確信した佐藤優に宮崎学が斬り込む!
  • まざあ・ぐうす
    値引きあり
    4.3
    ナンセンス、なぞなぞ、レジスタンス、諷刺などさまざまな要素を軽やかなリズムのうちに包み、英語圏で大切にはぐくまれてきた伝承童謡、まざあ・ぐうす。残忍で陽気で、奔放でとりとめがなく、そのおもしろさは不思議な魅力を秘め、暮らしの中に、文学の世界に深く息づいている。言葉の魔術師白秋が、愛をこめて子供たちのために訳出した幻の名著。
  • 行人
    4.3
    自我にとじこもる一郎の懐疑と孤独は、近代的人間の運命そのものの姿である。「行人」の悲劇は、単なる一夫婦の悲劇ではない。人間そのものの心の深淵に、その宿命的な根を求めなければならない性質の悲劇だ。「死ぬか、気が違うか、宗教に入るか」主人公の苦悶は、漱石自身の苦しみでもあった。大正元年作。
  • 風の又三郎
    4.3
    谷川の岸にある小さな小学校にひとりの少年が転校してきた。小学校の子どもたちは、落ち着かない気持ちに襲われながらも、少年にひかれてゆく。少年の周りには、いつも不思議な風が巻き起こっていた……。名作の誉れ高い表題作のほかに、人と熊との宿命的な命のやりとりを哀切をこめて描く「なめとこ山の熊」、峻烈な印象を残す自伝風作品「ガドルフの百合」、仏教的寓話「マグノリアの木」など、賢治世界の多彩な顔を楽しめる作品集。
  • 覇者と覇者 歓喜、慙愧、紙吹雪
    4.3
    戦争孤児が見る夢を、佐々木海人も見る。小さな家を建て、消息不明の母を捜し出して、妹と弟を呼びよせて、4人で慎ましく暮らすという夢を。8歳のころから見つづけてきたささやかな夢だ。そして応化19年6月、ふたたび戦争の季節がおとずれる。──突撃する。蜂起する。俺たちは戦争に勝利する──『裸者と裸者』『愚者と愚者』に続く、〈応化クロニクル三部作〉完結編!
  • クジラの彼
    4.3
    1巻594円 (税込)
    『元気ですか? 浮上したら漁火がきれいだったので送ります』彼からの2ヶ月ぶりのメールはそれだけだった。聡子が出会った冬原は潜水艦乗り。いつ出かけてしまうか、いつ帰ってくるのかわからない。そんなクジラの彼とのレンアイには、いつも7つの海が横たわる……。表題作はじめ、『空の中』『海の底』の番外偏も収録した、男前でかわいい彼女たちの6つの恋。有川浩がおくる制服恋愛小説!
  • 酔眼の剣 酔いどれて候
    4.3
    浅草の蛇骨長屋に住む浪人・曾路里新兵衛は、酒がなくては生きてはゆけぬ、というほど無類の酒好き。仲間の不祥事により改易になって以来、何ものにも縛られない気ままな暮らしを楽しんでいた。だがある日、ついに生計が立たなくなり、やむなく岡っ引きの伝七に依頼された辻斬り事件の探索を引き受ける。実はこの新兵衛、酔うと剣技が冴え渡る「酔眼の剣」の使い手だった! 人気著者が放つ、新シリーズ第1弾!
  • ヘーメラーの千里眼 完全版 下 クラシックシリーズ8
    4.3
    自らの精神鑑定を求める伊吹直哉だったが、アルタミラ精神衛生の周到な罠で美由紀との関係が崩れ始める。一方、伊吹の引き起こした過失事故被害者の許には、不可解な脅迫文書が届いた。この事件の意外な顛末はアルタミラと密輸船の驚くべき陰謀へと繋がってゆく。そして領海侵犯の真の狙いを見破った美由紀は、再びF15の操縦桿を握り日本海へと飛び立つ。愛と戦争のテーマに挑んだ感動巨編、クラシックシリーズ第8弾!
  • 全訳 源氏物語 一 新装版
    4.3
    1~5巻803~968円 (税込)
    帝の寵愛を一身に集めた桐壺の更衣が産んだ美しい皇子と、かかわる人々の姿を情感豊かに写し取った、世界最古の長編小説「源氏物語」。切なさといとおしさに満ちあふれた恋模様や、熾烈な権力闘争など、いつの世も変わらない人間の営みを描ききった日本文学の最高傑作が、與謝野晶子の優しく格調高い筆致で現在によみがえる、54帖全訳の決定版! 第一巻には「桐壺」から「花散里」までを収録。
  • 日本語を書く作法・読む作法
    4.3
    文章を書くのはあまり好きではない。好きではないから短く書く。書くことより読むことが好きで、文章を覚えた。読む人にわかりやすく、ふっくらとした日本語を書くのは簡単ではない。読書や朗読、落語、詩歌、尻取り、かるた……子供の頃から、長い時間をかけて日本語に親しむ中で培うものだ。芥川、漱石、谷崎など、日本に伝わる名文を引きながら、言葉と日本語に対する向き合い方を小説家がやさしく綴った、知的エッセイ集!
  • SPEED
    4.3
    頭で納得できても心が納得できなかったら、とりあえず闘ってみろよ――。平凡な女子高生・佳奈子の日常は家庭教師の謎の死をきっかけに、きしんだ音を立て始める。謎を探る佳奈子の前に立ちはだかる敵。そして、偶然出会った風変わりなオチコボレ男子高校生たちに導かれ、佳奈子は歪んだ世界に敢然と立ち向かうことを決心する! 大人気のザ・ゾンビーズ・シリーズ第3弾。
  • 殺人よ、さようなら
    4.3
    一度しかない16歳の夏、私とママは再び海辺の別荘にやってきた。3年前にあの「事件」が起こった場所だ。ママも私も事件のことは口に出さず、毎日が穏やかに過ぎてゆく。ところが1週間後、私とそっくりの服を着た少女が目の前で殺された。そして次々と届けられる奇怪なメッセージ。誰かが私の命を狙っている……? 『殺人よ、こんにちは』から3年、過去の秘密を胸に抱き、ユキがあの海辺に帰ってきた。
  • 悪妻に捧げるレクイエム
    4.3
    女房の殺し方教えます! 互いに甘い言葉を囁きあい、あんなに愛しあったこともあるのに、今では……。ひとつのペンネームで小説を共同執筆する4人の男たち。4人が選んだ新作のテーマが、よりによって「妻を殺す方法」。常日頃、女房に泣かされ、悩まされている4人の男たちは、アイデアを練るうちに夢と現実がごっちゃになり、事態は思わぬ方向へ進み始めた。赤川次郎が放つ、新感覚ミステリーの傑作。
  • 仮面劇場
    4.3
    瀬戸内海のまっただなかに木の葉のように浮かぶ一艘の小舟。だが、その上にしつらえた大きなガラスの柩の中には、一人の美少年が身動きもせず横たわっていた! 助け出された少年が盲聾唖の三重苦とわかった時、ひどく同情した富裕な未亡人が彼を引きとった。しかし、それが恐ろしい連続殺人事件の発端になろうとは……。無気味な背景に潜む見事なトリック。横溝正史の傑作本格推理、他2編収録。 カバーイラスト/杉本一文
  • 愚者と愚者(上) 野蛮な飢えた神々の叛乱
    4.3
    応化16年、爆弾テロが激発している内戦下の首都圏で、規律ある精鋭部隊として名を馳せる孤児部隊の司令官に、佐々木海人は20歳にして任命された。教育を受ける機会を逃したまま、妹の恵と弟の隆を養うために軍隊に入り、やがて仲間とともに戦場で生きる決意を固めた。そして、ふと背後を振り返ると自分に忠誠を誓う3500人の孤児兵が隊列を組んでいたのだった――。『裸者と裸者』に続く、少年少女の一大叙事詩、第2弾!!
  • 殺人よ、こんにちは
    4.3
    今日、パパが死んだ。昨日かもしれないけど、私には分らない。そんなこと、どっちでもいい。何しろ私のパパは、仕事、仕事で、1年のうち半分は外国を飛び回っている。そんなパパをいわば子供らしく愛せと言われたって無理な話だ。でも私は知っている。本当は、ママがパパを殺したんだっていうことを……。父の死。莫大な遺産をめぐる争い。母の若き婚約者の出現。やがて、13歳の少女、有紀子に残酷な殺意の影が――。
  • 三毛猫ホームズの無人島
    4.3
    10年前、炭鉱の閉山によって無人島となった〈軍艦島〉に明かりが灯った! 翌朝、かつての住人たちのもとに招待状が届いた。困惑しつつも、懐かしさとともに島へと集まる、かつて島で暮らした人々。船に中には、彼らと共に島へ渡るホームズたちの姿が。島で待っていたのは思わぬ出来事、そして予期せぬ殺人──。ホームズが明らかにする10年前の哀しき真相とは? 表題作他、3編収録の短編集、ますます好調シリーズ第31弾!
  • フライ,ダディ,フライ
    4.3
    鈴木一、47歳。いたって平凡なサラリーマン。ただし家族を守るためならスーパーマンになれるはずだった。そう信じていた。あの日が訪れるまでは──。一人娘を不良高校生に傷つけられ、刃物を手に復讐に向かった先で鈴木さんが出会ったのは──ザ・ゾンビーズの面々だった! 脆くも崩れてしまった世界の中ではたして鈴木さんは大切なものを取り戻せるのか。ひと夏の冒険譚がいま始まりを告げる!
  • 幻の四重奏
    4.3
    〈ユミ四重奏団〉のメンバーの一人、ヴィオラをひく有沢美沙子が両親宛ての遺書を残して死んだ。だが彼女には、駈け落ちを約束した恋人がいてとても自殺する理由が見当たらなかった。その上、美沙子から自分の告別式の模様を書いた手紙が届くに及んで、弓子ら仲よし三人組は恐慌状態に陥った。《美沙子が天国から私達を呼んでいるのかしら!?》美沙子の死には何かある。三人でそれを探るのだ!! 青春ユーモア・ミステリー。
  • 殺人を呼んだ本 ─私は図書館─
    4.3
    林の中の古びた洋館――それが私立野々宮図書館だ。ここに所蔵されている本は、どれも犯罪や事件に関係のあった本ばかり。殺人現場で被害者が抱いていた本や、連続殺人犯が愛読していた本、首吊り自殺の踏み台として使われた本など……。この一風変わった図書館に住み込みで勤めることになった松永三記子。彼女が書庫の本を手に取ると、その本にまつわる不思議な出来事が次々と起こるのだった。一冊の「本」が引き起こす様々な事件を描く連作小説集。
  • 英傑の日本史 源平争乱編
    4.3
    1~2巻506円 (税込)
    定説では見えない日本史がわかる大人気の歴史エッセイ!日本史上有数の大変革期を戦った源氏と平氏。その主人公を一人ずつとりあげ、人物と歴史をダイナミックに読み解く。
  • 恋愛道
    4.3
    「このエッセイは、今までの恋や愛に関する出来事を、記憶の糸をたどって思い返しながら、水彩画を描くみたいに綴っていった気がする。――それは、私にとっては、ドラマのオリジナルであるような気がする。「あすなろ白書」や「愛していると言ってくれ」や「ロング バケーション」のエッセンスがこのエッセイの中にあると思っている」(著者あとがきより)恋愛ドラマの達人・北川悦吏子のベストセラー・エッセイ。
  • 四畳半神話大系
    4.3
    私は冴えない大学3回生。バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、現実はほど遠い。悪友の小津には振り回され、謎の自由人・樋口師匠には無理な要求をされ、孤高の乙女・明石さんとは、なかなかお近づきになれない。いっそのこと、ぴかぴかの1回生に戻って大学生活をやり直したい! さ迷い込んだ4つの並行世界で繰り広げられる、滅法おかしくて、ちょっぴりほろ苦い青春ストーリー。

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