角川文庫作品一覧

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  • 甘党ぶらぶら地図
    3.7
    食いも食ったり! にっぽん全国ご当地甘味、その数なんと一都一道二府四十三県分。世に便利なお取り寄せあれど、現地に行かねば味わえない、できたてハフハフ、作りたてアツアツの味もある。すべてをのんびり歩いて味わった極上の甘味地図。あなたの住む町からも、ちょっと足をのばせば出会える、その土地ならではの老舗の味が満載。本書を読んだら、すぐにでも出かけたくなること受けあいの旅心刺激エッセイ。
  • 甘夏とオリオン
    4.0
    1巻792円 (税込)
    ※本書は、角川書店単行本『甘夏とオリオン』を文庫化した作品となります。重複購入にご注意ください。 人はいつだって、誰かを待っているんやね。 大阪の下町、玉出の銭湯に居候する駆け出しの落語家・甘夏。彼女の師匠はある日、一切の連絡を絶って失踪した。師匠不在の中、一門を守り、師匠を待つことを決めた甘夏と二人の兄弟子。一門のゴシップを楽しむ野次馬、女性落語家への偏見――。苦境を打開するため、甘夏は自身が住んでいる銭湯で、深夜に「師匠、死んじゃったかもしれない寄席」を行うことを思いつく。寄席にはそれぞれに事情を抱える人々が集まってきて――。
  • 編み物ざむらい
    4.0
    武家から信頼の篤い蘭方医・久世に疑義を唱えたことで、凸橋家から召し放たれてしまった感九郎。父から勘当もされ、失意のうちに大川のほとりで得意の編み物をしていたところ、異形の男、寿之丞たちと出会う。成り行きから彼らの仕事「仕組み」を手伝ううち、感九郎のある能力が開花。そして召し放ちのきっかけを作った人物に接近する。その正体とは!? 江戸に実在した「編み物ざむらい」と異能集団が活躍する、新感覚時代活劇!
  • アムステルダム運河殺人事件
    3.0
    19××年8月末の夕方、アムステルダム市内の運河に浮かんでいた、銀色のジュラルミン製トランク。――その内部には、血まみれの下着と共に、首と手首と脚を切断された、男の胴体があった。オランダ警察は、下着の文字と黄色の皮膚から、被害者は日本人と判定、身元は、ベルギー駐在の一商社員と知れた。……国際犯罪を描く、巨匠松本清張の本格推理小説!「セント・アンドリュースの事件」併載。
  • 雨にも負けず ITベンチャー奮闘記
    3.5
    1巻704円 (税込)
    ITベンチャーにヘッドハントされた、凄腕の保険営業マン・北野。しかし、会社の実情は、入社前の話とはかけ離れていて......。次々と起きるトラブル。北野は経営を立て直すことができるのか?
  • 雨の朝パリに死す
    3.7
    奔放な妻ヘレンとの生活に疲れはてて失意の酒に酔いしれていたチャーリイ。妻の死によって一人娘への愛情にめざめ、娘を取り返そうとパリに戻ってくるが、ふと出会った昔の女に過去が甦える。第一次大戦後のパリを背景に男女の愛情のもつれを描く。他に「カットグラスの鉢」「冬の夢」「罪の赦し」「金持ちの青年」を収める。
  • 雨の中に死ぬ
    値引きあり
    2.5
    指名手配の強盗殺人犯を追っていた捜査一課の山崎刑事が何者かに腹を刺されて殺害された。ところが、雨上がりの路上に倒れていた山崎の死体の左手には何かを示すように三本の指が伸びていた……。(雨の中に死ぬ) 大都会の片隅に残された死者からのメッセージをテーマに描く表題作他、人間心理の奥底を照射し、意外な結末で贈る傑作オリジナル短編集!
  • 雨の夜、夜行列車に
    4.0
    講演旅行に行く元大臣と秘書。元部下と禁断の恋に落ちた、元会社員。その父を追う娘。この二人を張込み中に自分の妻の浮気に遭遇する刑事。今しも彼らは、同じ夜行列車に乗ろうとしていた。
  • 雨はあした晴れるだろう
    3.7
    恋愛に憧れ、義兄とボーイフレンドの間で揺れる多感な少女を通して、人を愛することの意味を問う表題作。父が五十二歳の時に生まれたことを恥じている主人公が、自分の誕生に至るまで、父がいかに苛酷な半生を送ったかを知る「この重きバトンを」他一編を収録。『氷点』でデビュー以後、作家活動の初期に発表されながら、二十年もの間、散逸していた三作を収めた幻の作品集。
  • 雨は見ている 川は知ってる
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ずっとずっとひとつの思いに沈みこんでその中でさまよっていると今がいつでここがどこなのかは大事でなくなる そんなふうにふだんの時間もすごせたらいいのに
  • アメリカ
    4.4
    年上の女に誘惑され愛されたばかりに、両親にやっかいばらいにされたカール少年は故国ドイツを追われアメリカに渡った。やっとのことでニューヨークの伯父にめぐりあい、面倒をみてもらえるようになったのもつかの間、何とも不可解な理由で伯父の家からも追い出される。追放されつづけるカール少年は放浪の旅に出るが……。冒険、裏切り、そして転落――。軽妙に描かれるカフカ的冒険小説。カフカ文学への入門書としても最適な1冊。
  • アメリカ居すわり一人旅
    4.0
    語学力なし、忍耐力なし。あるのは貯めたお金だけ。それでも夢を携え、単身アメリカへ!待ち受けていたのは、宿泊場所、食事問題などトラブルの数々。あるがままに過ごした日々を綴る、痛快アメリカ観察記。
  • アメリカ嫌い
    5.0
    「わたしは生きることに、いやらしいくらい欲が深いのだと思う」作家・灰谷健次郎が興味のおもむくままに、海、からだ、沖縄・渡嘉敷島、友愛、漁師、死、アメリカ、もの書きの業、やんちゃ坊主の詩、結婚式などについて語り始める。「悩むのも一つの誠実さかもしれないが、よくわからない部分をしっかり面白がることがあってもいいんじゃないか」いのちのあり方を探りながら、あたたかいユーモアで包み込む感動のエッセイ集。
  • 雨を告げる漂流団地
    -
    小学6年生の航祐は、友人の太志と謙に誘われて、かつての住処であり解体中の「オバケ団地」に忍び込む。 そこで思いがけず、幼なじみの夏芽に遭遇した航祐だったが、亡き祖父の遺品であるカメラを巡って言い争いに。 瞬間、不思議な現象に巻き込まれ、気がつくと団地は大海原を漂流していた。 この海は何なのか、彼らは家に帰れるのか、夏芽と親しげな謎の少年・のっぽの正体とは――。 ひと夏の冒険と別れを描いた、長編アニメのノベライズ版!
  • あやかし民宿の愉怪なおもてなし
    4.0
    ほんの少しでも悪意を持って見た相手を、体調不良にさせてしまう「呪いの目」を持つ孤独な少年・夜守集(やもり しゅう)。 高校進学を機に、妖怪の町・鳥取県境港市にある、祖母が経営する民宿「綾詩荘(あやしそう)」に居候することに。 しかしそこは、あやかしも泊まれる宿だった! 祖母に上手く丸め込まれ、宿で働くことになった集はある日、フクロウの体に幼い男の子の魂が憑いたあやかし「たたりもっけ」と出会う。 自分の死を理解できないまま、この夜を彷徨う彼に、集はもう一度家族に会わせてあげたいと奮闘するが――。 のんびりゆったり居候……のはずが、手のひらサイズのお部屋掃除に、10メートルの布団干し!? 愉怪で奇怪なお宿、営業中です!
  • あやかし和菓子処かのこ庵 嘘つきは猫の始まりです
    値引きあり
    3.7
    全3巻352~374円 (税込)
    見習い和菓子職人・杏崎かの子、22歳。 彼女には不思議な力があった。幼い頃から、妖や幽霊の影が見え、人の嘘が「猫語」に聞こえるのだ。 その能力のせいで親しい友人もできず、苦労しながらひっそりと生きてきた。 ある日かの子は、経営難と技量不足を理由に、勤めていた和菓子店をリストラされる。 夜道をとぼとぼ歩いていると、後ろから来たバイクに全財産が入ったバッグをひったくられてしまった……! 彼女は、そんな窮地を謎の大きな2頭の犬を使役する着物姿の美男子・御堂朔(みどう・さく)に救われる。 なぜか自分を知っているらしい朔に連れていかれたのは、東京の下町にある神社の境内に建つ和菓子処「かのこ庵」。 なんと、同じく和菓子職人だった亡き祖父が、朔に一億円の借金をして構えた店らしい。 そして朔は、陰陽師の血をひく人間で、この神社の鎮守だという。先ほどの大きな犬は式神だったのだ。 一億円の借用書を見せられ、「店で働けば借金をチャラにしてやる」と言われたかの子だが、なんと「かのこ庵」はあやかし専門の不思議な和菓子屋だった。 しかもお客様は、なんと猫に化けてやってきて――!? イラスト/前田ミック
  • 綾子へ
    3.0
    創作上の思い出から二人の家、旅、互いの性格や家のこと、そして妻なき後の独り暮らし……。喜びも悲しみも分かち合った三浦綾子との40年を振り返った感動の一冊。
  • あやしい探検隊 アフリカ乱入
    3.7
    マサイ族の正しい雄姿をこの目で見たい、と過激に果敢にアフリカ入りした、椎名隊長率いるあやしい探検隊の五人の面々。万事、出たとこ勝負、気分はポレポレ。サファリを歩き、野獣と遊び、マサイと話し、キリマンジャロの頂に雪を見るというような至福の日々に、思いもかけない“災い”も待っていた―。大胆不敵でありながら、哀愁にみちた「あやしい探検隊記」の第五弾、ますます楽しい熱風草原の巻。
  • あやしい探検隊 北へ
    4.1
    あやしい男が十一人。めざすは北のウニ、ホヤ、演歌。椎名隊長の厳しい隊規にのっとって、離れ島に通い、釜たき、水くみ、たき火、宴会に命をかける「あやしい探検隊」の全記録。
  • あやしい探検隊 済州島乱入
    -
    今度は済州島だ! シーナ隊長と隊員一行は気のいい現地ガイド兼通訳・ドンス君の案内で島に乱入。朝昼晩とマッコリ片手に絶品鮑がゆ、焼き肉、冷麺、海鮮鍋と辛ウマ料理を食いまくり、市場の活気と迫力に感動する。貧乏旅行をゴーカ旅行にするべく、旅費稼ぎの特命を受けたバクチ決死隊はカジノで一攫千金!? 総勢17人がクルマ2台で島を駆け巡る。笑いとバカと旨いもの盛りだくさんの「あやしい探検隊」、再始動第2弾!
  • あやしい探検隊 不思議島へ行く
    3.5
    日本の最南端、与那国島でカジキマグロの漁に出る。北端のイソモシリ島でカニ鍋に満足しながら、国境という厳しい現実を知る。スリランカで純正ニッポンカレーの勝負に出たり、お説教島浮島に愛想をつかす。東ケト会の面々が心と足の赴くままに、さいはてや無人の島々にワッセワッセと出かけて行った、ユニークな探検記である。東ケト会の黄金期といえる’80年代後半、原始的手作りの、焚火、酒宴の夜は、陽気に、あやしく、更けていくのであった―。「あやしい探検隊」シリーズ、第三弾!
  • あやしい探検隊 北海道乱入
    3.1
    あやしい探検隊でやり残したことがあったのだ! シーナ隊長は隊員とドレイを緊急招集。北海道での「極貧 ・自給自足旅」への出発を宣言した! でっかい牡蠣に毛ガニが乱舞、サカナも大漁。もちろん酒も忘れずに。順調なお貰い旅の行方はしかし、予想外の結末に!? 酔いどれオヤジたちによる行き当たりバッタリなバカ旅は健在! 大笑いたっぷり(たまに)感動間違いなし。十数年の時を経て帰ってきた、本家「あやしい探検隊」!! ※本書は、二〇一一年に小社より刊行された単行本『あやしい探検隊 北海道物乞い旅』を改題の上、加筆修正のうえ文庫化したものが底本です。
  • あやし神解き縁起
    3.8
    時は神々が遊ぶ平安の世――。 死後、天神となった菅原道真は、高位の女神の差し金で、人と鬼の間に生まれた「半鬼」の赤子を育てることに! 泣けばすぐ鬼火を出す子に神力を与え、あやす日々。 やがて彼は、檜垣行夜(ひがき ゆきや)と名乗る麗しく優秀な青年に成長した。 しかし道真は、陰陽寮で学ぶ行夜が心配でつい過干渉になってしまう。 一方、思春期の行夜は、義父を尊敬しつつ、自立したいともがいていた。 ある日、父子は、名高い陰陽師・安倍晴明の息子・吉昌から奇怪な失せ物探しの代理を頼まれる。 吉昌の知己(おそらく元恋人)からのその依頼には、どうやら物の怪が絡んでいるらしく――!? 天才神様パパ×強がり半鬼息子。 両片想い親子の、ほろりと泣ける平安あやかし事件簿!
  • 妖しき瑠璃色の魔術
    4.0
    元参議院議員の折笠修一郎が、新築した自宅で刺し殺された。死体のそばには、全身に返り血を浴び、右手に血まみれの包丁を握ったまま意識不明となった折笠夫人。状況から、妻が夫を殺し、その直後に睡眠薬入りのブランデーを飲み自殺を図ったのは確実とみられた。…だが、じつはそこには大胆奇抜な殺人方法が隠されていた。事件の捜査に烏丸ひろみ刑事が投入されるが、その前に現れたのが前作『哀しき檸檬色の密室』の犯人。烏丸ひろみに恋した殺人犯人は、彼女のために折笠事件の真犯人を追及するが…。『三色の悲劇』シリーズ最終作。
  • 嵐の湯へようこそ!
    3.3
    ご町内の謎解き、承ります! 条件は、建物と従業員はそのままで事業を続けること――。存在すら知らなかった伯父の遺産を相続し、謎めいた2人の従業員とともに、昔ながらの銭湯を経営することになった姉妹。ある日、常連客の1人がふと口にした奇妙な謎を解いたことをきっかけに、町内を悩ます”謎”が次々に持ち込まれるようになる。同時に姉妹の周囲で立て続けに不思議なできごとが起きて……。凝り固まった心と体がゆるゆるほぐれる、温かい日常ミステリ。
  • ありがとう。
    4.0
    ――もう一度、これまで私を育ててくれたすべての芸術、すべての文学、すべての映画、すべての音楽、すべての愛するものたちと、それを創ってくださったすべての人々に。ありがとう。(「あとがき」より)。2004年、35歳の若さで自殺した著者の未発表原稿も収録した珠玉のエッセイ集。
  • ありがとうは僕の耳にこだまする
    値引きあり
    3.0
    『自閉症の僕が跳びはねる理由』の東田直樹。会話はできなくても「この気持ちを誰かに伝えたい」と、幼い頃から綴っていた10年分の「詩」。言葉と世界に真摯に向き合う強さ優しさが胸を打つ、全84編。 「やさしい人」 自分が知っていることは みんなも知っていると思うのは 普通の人 みんなは知らないことを 自分は知っていると思うのは 自分よがりな人 自分の知らないことは みんなも知らないと思うのは 自分勝手な人 みんな知っているのかなぁと心配するのが やさしい人 カラー写真を増補した文庫版。プレゼントにも最適!
  • アリスとテレスのまぼろし工場
    3.6
    製鉄所の爆発事故により出口を失い、時が止まった町で暮らす中学3年生の正宗。変化を禁じられ鬱屈した日々を過ごす中、謎めいた同級生の睦実に導かれ、製鉄所の第五高炉へと足を踏み入れる。そこにいたのは喋ることのできない、野生の狼のような少女――。正宗と2人の少女の出会いは、世界の均衡が崩れるはじまりだった。止められない恋の衝動が行き着く未来とは。 岡田麿里監督がみずから執筆した、劇場アニメの原作小説!
  • 蟻の園
    -
    K団地の13号館で、どうにも説明のできない奇妙な事件が起こった。5歳の子供が階段の途中から転げおち、おちたとたんに消えていなくなった。消えた瞬間を、母親も団地の誰も見ていない。だが、耳を澄ましていると、5階と4階のあいだ、階段の裏側あたりから、子供の泣き声がかすかに聞こえてくる! どこがどうなっているのか、誰も知らない秘密のどんでん返しがこの建物にはあるのだろうか……? 変わり映えのしない日常生活の中で起きた不思議な事件を描く表題作の他、SFでアジアの世界観に挑んだ初期の意欲作全5編を収録。詳細な解説を付した決定版!
  • 在原業平殺人事件
    4.3
    早川明子は、「在原業平の寺」といわれる京都の十輪寺で細川和也と出会う。和也は平安文学を研究する大学助教授で、知識が豊富な美青年だった。数日後、和也に誘われた明子は学者達が集まる新年会に出席する。だが、そこで教授の娘との結婚が噂される助手が、毒入りワインで殺害された。さらに長岡京跡では講師のひとりが毒物死する。派閥抗争の果てか、学説の対立か? それとも教授の娘をめぐる愛憎劇なのか? 恋人・和也への愛と不信の狭間に揺れる明子。ミステリー界の双璧が放つ本格長編推理。
  • 或阿呆の一生・侏儒の言葉
    4.0
    時代を先取りした「見えすぎる目」がもたらした悲劇。自らの末期を意識した凄絶な心象が描かれた遺稿「歯車」「或阿呆の一生」、最後の評論「西方の人」、箴言集「侏儒の言葉」ほか最晩年の作品を収録。
  • 或る女
    -
    近代日本文学中大正期の最高傑作。国木田独歩の恋人をモデルとしている点が問題になった。恋愛、家族制度、女の経済的独立等の問題をめぐって、封建的なものの強く残存している社会に自我の解放を求める女性の悲劇的な運命を描き、重厚なリアリズムの力がみなぎっている。大正期近代日本文学の最高傑作。
  • あるがままに自閉症です
    4.3
    会話で気持ちを伝えられない、思うように行動できず叱られる。本当は感覚のまま、自由でいたいだけなのに――。 息苦しさを感じながらも、自分の感性に耳をすませ、言葉を綴ることで自閉の世界の豊かさを伝える著者。 18歳で始めたブログを元に自らの体験や心情の変化を記した本書には、当事者や家族へのメッセージが込められている。 「あるがままを受け入れるのは、ひとりひとりの心です」ロングセラーの単行本を増補して文庫化! (目次) 第一章 自閉症という僕の個性 ◇話したいのに話せない ◇制御不能な身体 ◇記憶とこだわりと気持ちの折り合い 第二章 振り返って思うこと ◇学び ◇幼稚園・学校 ◇家族 第三章 生きやすくなるために ◇わかってほしい ◇支援 第四章 「自閉症だから」じゃない ◇心地いい時間 ◇独自の世界観 ◇毎日をやり過ごす 短いお話・詩 あとがき
  • 或る「小倉日記」伝
    4.0
    史実に残っていない小倉在住時の森鴎外の足跡を10年の歳月をかけてひたむきに調査する田上耕作とその母。病、貧乏、偏見、苦悩の中で、衰弱が進んでくる(「或る『小倉日記』伝」)。自らの美貌と才気をもてあまし日々エキセントリックになるぬい。夫にも俳句にも見放され、「死」だけが彼女をむかえてくれた(「菊枕」)。昭和28年芥川賞を受けた表題作ほか、孤独との苛酷な戦いをテーマにした、巨匠の代表作品集。
  • アルセーヌ・ルパン対明智小五郎 黄金仮面の真実
    値引きあり
    3.7
    アルセーヌ・ルパンと明智小五郎が、ルブランと乱歩の原典のままに、現実の近代史に飛び出した。昭和4年の日本を舞台に『黄金仮面』の謎と矛盾をすべて解明、さらに意外な展開の果て、驚愕の真相へと辿り着く! カリオストロ伯爵夫人に息子を奪われたルパン、55歳の最後の冒険。大鳥不二子との秘められた恋の真相とは。明智と文代の馴れ初めとは。全米での出版『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』を凌ぐ、極上の娯楽巨篇!
  • アルツハイマー征服
    5.0
    アデュカヌマブの崩壊から、レカネマブ執念の承認まで。両者の死命を分けたのは2012年から始まったフェーズ2の設計にあった──。当事者たちの証言によって壮大な物語が完結。 物語は青森のりんご農家から始まる。陽子が、りんごの実ではなく、葉をもいで帰ってきたとき、一族のものたちはささやきあった。 「まきがきた」 遺伝性アルツハイマー病の突然変異解明からわかっていく病気のメカニズム。 遺伝子の特定からトランスジェニック・マウスの開発。ワクチン療法から抗体薬へ――。 患者、医者、研究者、幾多のドラマで綴る、治療法解明までの人類の長い道。 解説・青木薫 <文庫書き下ろし新章 目次> 新章その1  オーロラの街で 青森の一族同様、その北極圏の街で、代々アルツハイマー病に苦しむ一族がいた。その地を訪ねたスウェーデンの遺伝学者が全ての始まりとなる。 新章その2 アデュカヌマブ崩れ アデュカヌマブはFDAで「迅速承認」というトラックをつかって承認される。が、承認直後から批判が噴出、議会調査も始まり、壮大な崩壊劇が始まる。 新章その3 運命のフェーズ2 2012年から始まったアデュカヌマブとレカネマブのフェーズ2の治験には実は大きな違いがあった。その年、エーザイにインド出身の統計学者が入社をしていた。 新章その4  ショーダウン ついに「アルツハイマー病研究運命の日」が来る。「レカネマブ」フェーズ3治験結果。内藤晴夫はその日、携帯電話を枕元に置き眠りについた。米国からの報せはいかに?  新章その5 みたび青森で  連綿と続く遺伝性アルツハイマー病の苦しみ。レカネマブは希望の光となるか? 他 プロローグ「まきがくる」からエピローグ「今は希望がある」まで
  • ある晴れた日に、墓じまい
    3.5
    離婚して古書店を経営する、44歳の正美は乳がんを患ったことから、実家の墓じまいを決心する。母親はすでに亡く、頑固な小児科医の父親も高齢。兄姉はあてにならず、特に兄は勘当同然で家を出ており、金の無心しかない。この先自分に何かあったら墓は無縁仏だ。今後を考えて決めたことだが、父親は大反対。抗がん剤の治療を受けながら、あれこれ考える正美だったが、突然、父親が心不全で亡くなる。墓じまいを済ませる前に、大黒柱が死んでしまった。いや、今や大黒柱は自分か。しっかりしろ、わたし! しかし、父の愛人疑惑が起きるは、遺産分けがなかった兄夫婦がやけになって警察沙汰を起こすは、どうなる、墓じまい? 少子高齢化の日本が抱えるお墓事情がしっかりわかる、イマドキの家族小説。
  • アルバイト・アイ 命で払え
    3.7
    冴木隆は適度な不良高校生。父親の涼介はずぼらで女好きの私立探偵で凄腕らしい。そんな父に頼まれて隆はアルバイト探偵として軍事機密を狙う美人局事件や戦後最大の強請屋の遺産を巡る誘拐事件に挑む!
  • アルバイト・アイ 誇りをとりもどせ
    3.3
    莫大な価値を持つある「もの」を巡り、右翼の大物、ネオナチ、モサドの奪い合いが勃発。争いに巻き込まれた隆は拷問に屈し、仲間を危険にさらしてしまう。死の恐怖を超え、自分を取り戻すことはできるのか?
  • アルバイト・アイ 王女を守れ
    4.5
    冴木涼介、隆の親子が今回受けたのは、東南アジアの島国ライールの17歳の王女の護衛。王位を巡り命を狙われる王女を守るべく二人はある作戦を立てるが、王女をさらわれてしまい…隆は王女を救えるのか?
  • アルバイト・アイ 毒を解け
    4.0
    「最強」の親子探偵、冴木隆と涼介親父が活躍する大人気シリーズ第二弾! 毒を盛られた涼介親父を救うべく、東京を駆ける隆。残された時間は48時間。調毒師はどこだ? 隆は涼介を救えるのか?
  • アルバイト・アイ 諜報街に挑め
    4.0
    冴木探偵事務所のアルバイト探偵、隆。車にはねられ気を失った隆は、気付くと見知らぬ町にいた。そこには会ったこともない母と妹まで…! 謎の殺人鬼が徘徊する不思議の町で、隆の決死の闘いが始まる!
  • アルバイト・アイ 最終兵器を追え
    4.7
    伝説の武器商人モーリスの最後の商品、小型核兵器が行方不明に。都心に隠されたという核爆弾を探すために駆り出された冴木探偵事務所の隆と涼介は、東京に裁きの火を下そうとするテロリストと対決する! ※本作品は二〇〇六年に講談社文庫として刊行された『帰ってきたアルバイト探偵』を改題したものです。
  • ある日、ある午後
    3.0
    ゆっくりと流れる刻、良い書物、適当なスポーツ――午後は、一人で楽しむという束の間の時間。風が吹いた嵐の記憶、天気の良い夏の軽井沢の記憶、そして秋晴れの美しい昼下がりの記憶。小説を書きだしたのも、また劇的な昼下がりのことであった。身辺の出来事を綴ったエッセイに、音楽・ビデオ・読書の楽しみ、旅の魅力、お酒、ファッションについてのエッセイを集めた。
  • アルプスの少女ハイジ
    4.5
     両親を失いながらも、太陽のように明るく人々の心を照らす少女ハイジ。アルプスの山小屋で孤独に暮らすおじいさんとの絆、ヤギ飼いのペーターやその家族とのふれあい、足の不自由な少女クララとの出会いと友情――。雄大な自然を背景に、深い喪失感を抱く人々が、ひとりの少女によって人間性を回復し再生していく、愛と感動の物語。  1880~81年に発表された『ハイジ』は、当初から大評判となり、いまも世界中で翻訳・劇化・映像化されている。日本でもアニメが大ヒットし、児童文学として多くの絵本や抄訳が出版されているが、原作は、家族の絆や地域社会との共生、エコロジーな暮らしへの回帰など現代的なテーマにあふれ、大人にこそ考えさせられることが多い本格的な文学作品である。  本書は、シュリンク『朗読者』の翻訳で数々の賞を受賞した、ドイツ文学者・松永美穂氏による渾身の完訳。
  • ある流刑地の話
    4.0
    荒涼たる砂漠に組み立てられた奇怪な死刑執行台。無数の歯車と針のついたこの装置でまもなくひとりの男が処刑される。旅人はこの完璧な機械の説明をうけるのだが……。表題作ほか「二つの対話」「観察」「判決」「村の医者」「断食芸人」「ある犬の探究」を収録。ちょっと不気味な傑作短篇集。
  • アレキサンドライト
    4.0
    流れるような黄金の髪と怜悧に煌く緑潭色の瞳を持つ美貌の貴族シュリルは、隣国の軍人、マクシミリアンに捕らえられた。彼は、妹を死に追いやったシュリルに復讐を企んでいたのだ。シュリルは贖罪のため、マクシミリアンにその身を差し出す。想像したこともない屈辱に翻弄され、貶められるシュリルだったが――。憎しみと禁断の愛に彩られた、官能の美を描く衝撃の耽美ロマン。
  • ALONE TOGETHER
    3.8
    「私が殺した女性の、娘さんを守って欲しいのです」。三年前に医大を辞めた僕に、教授が切り出した突然の依頼。それが物語の始まりだった――。人と人はどこまで分かりあえるのか? 瑞々しさに満ちた傑作長編小説。
  • 泡とそよ風
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ……泡はきれめなくたちのぼり その無数のつぶつぶできれいに洗い落としていく 悪夢も夢も葛藤も……泡がたちのぼるように生まれつづける思い。ハートフル・イラスト詩集。
  • 暗渠の連鎖
    値引きあり
    3.0
    カップルを専門に襲う強盗強姦事件が相次いで発生した。犯人の手口は、デート中のカップルに近寄り、凶器を突きつけて男を縛り、男の目の前で女を犯した後で、金品を奪うというサディスティックなものだった。そして、自分の娘が強盗強姦魔の犠牲になるとは思っていなかった、相模署の捜査係刑事の露木直輔。目の前で暴漢に恋人を蹂躙された清家克久。むざむざと恋人を奪われた男たちは、犯人さがしに執念を燃やすが…。
  • 暗黒流砂
    値引きあり
    4.5
    「国土庁長官が国有地に豪邸を建て、愛人を住まわせている」警視庁に届いた一通の密告書。警視庁捜査二課の中津刑事は、この投書で政財界の汚職に気づいた矢先、敵の罠に落ち、無実の強姦罪の汚名を着せられ懲戒免職となった。自分を陥れた巨大な権力への復讐を決意した中津は、孤立無援の闘いに挑む!
  • 暗殺競売
    4.0
    ――殺りたい仕事がきっと見つかる。殺し屋.comへようこそ―― 暗殺仕事専門のオークションサイト「殺し屋.com」。 誰でも匿名で殺人を依頼(出品)することができ、誰でも落札したら暗殺仕事でお金を稼ぐことができる。 ただし、仕事の失敗は、いかなる理由があっても許されない――。 刑事でありながら副業で悪党を狙った暗殺を請け負う佐分利吾郎。 認知症の老人に成りすまして「殺し屋.com」のアカウントを乗っ取り、殺し屋となったホームヘルパーの女。 暗殺成功率100%で伝説と化した凄腕の殺し屋、ジャッカル。 そして、ある少女の依頼をきっかけに、暗殺を斡旋する<組織>へと肉迫する探偵、君島。 金を稼ぐために暗殺仕事に手を染めた「殺し屋」たちは、転がるように窮地に追い込まれてゆく。 そして迎える、衝撃の結末とは。 日本ホラー小説大賞、江戸川乱歩賞、日本推理作家協会賞、史上初の3冠を達成した異才が放つ、 一気読み&二度読みたくなること間違いなしの、殺し屋エンタテインメント! 「ぞっとするような生々しい暗黒世界へと読者を誘う快作だ」 ――書評家 大森望氏 ※本電子書籍は、KADOKAWAより刊行された単行本『殺し屋.com』を改題の上、文庫化した『暗殺競売』が底本です。
  • 暗殺者、野風 川中島を駆ける
    3.0
    永禄四年、武田信玄と上杉謙信が対峙する川中島の戦場を駆け抜ける少女がいた。名は「野風」。密命を帯びた女刺客が目指すはただ一つ、謙信の首! 圧倒的な躍動感でおくる、アクションエンタテイメント!
  • アンティークFUGA 1
    3.7
    1~3巻506~572円 (税込)
    中学一年生の風雅は、骨董店を営む両親が失踪して以来、一人で暮らしている。けれど父親がくれたペンダントから、超美形だけど不機嫌な青年姿の精霊シャナイアを呼び出してしまい、一緒に暮らすことになり……!?
  • 小さい人魚姫 アンデルセン童話集
    -
    1~2巻704~748円 (税込)
    15歳になった美しい人魚姫がはじめて海の上へと出た夜、船では美しい王子の誕生日を祝っていた。一目で恋に落ちた人魚姫は、魔女に頼み、美しい声と引き替えに人間の足を手に入れる。王子と結婚できなければ、海の泡と消えてしまう人魚姫は、王子に再会し…。幾度も涙を流しながら執筆したという表題作のほか、「親指姫」「はだかの王さま」「しっかりもののすずの兵隊」「野の白鳥」「ナイチンゲール」など、初期代表作を12話収録。 [もくじ] 火うち箱 大クラウスと小クラウス まめつぶの上にねたお姫さま イーダちゃんの花 親指姫 小さい人魚姫 はだかの王さま ヒナギク しっかりもののすずの兵隊 野の白鳥 ナイチンゲール 仲よし 解説――生涯と初期の作品 訳者
  • アンネ・フランクの記憶
    3.9
    少女期『アンネの日記』を読み、作家を志した小川洋子。アンネの悲劇的境遇だけではなく、言葉が心を表現することに衝撃を受けたからだ。以来、アンネを心の友にしてきた著者は万感の思いでアンネの足跡を訪ねる。フランクフルトの生家、アムステルダムの隠れ家、アウシュヴィッツへと歩き、フランク家の恩人ミープさん、親友ヨーピーさんと語り合う。少女の言葉に導かれた作家の魂の旅路である。
  • アンの愛情
    -
    レドモンドの学生になったアン。エヴォンリーの名残を惜しみながらも、プリシラや新たな友人フィルと、憧れの白い家で下宿生活を始め、楽しい日々を送る。一方ギルバートは変わらずアンを愛していたが、友情が壊れることを怖れたアンは距離を取ってしまう。そんな中、アンの前に現れた理想の恋人。求婚され、ついにアンにも幸せが訪れたかに見えたが……。作家への第一歩、そして愛に目覚めるアンの姿を描く、感動の第3巻。 ※本書は角川文庫より『アンの婚約』として刊行された作品を改題したものが底本です。
  • アンの青春
    4.0
    マシュウの突然の死により、大学進学をいったん諦め、エヴォンリーの小学校の先生となった16歳のアン。ダイアナと村の改善に奔走したり、マリラが引き取った双子の孤児の面倒を見たり、大忙しの日々。学校では様々な個性の子供たちと出逢い、アン自身も刺激を受け、成長してゆく。空想好きは相変わらずだけれど、現実のアンの周りで本当のロマンスの物語が生まれはじめて―。永遠のベストセラー、第2巻。
  • アンバランスな放課後
    -
    生徒会長といえば校内一の人気者。でもその選挙に知らぬ間に立候補させられたら? 転校したてでそんな災難に見舞われたのが、前の学校で“ミス元気”だった、芝奈々子。対立候補は、学園の女王として君臨する矢神貴子。戸惑っていた奈々子も友だちが傷つけられたことから矢神に戦いを挑むが……。体育館への放火や奈々子が車に轢かれそうになったり、不可解なことが相次ぐのは矢神の仕業? 女子高生奈々子の放課後はいつもドキドキ、ちょっぴりアンバランスな青春ミステリー!
  • 琥珀の道殺人事件
    値引きあり
    3.7
    古代日本では琥珀が岩手県久慈から奈良の都まで運ばれていた。その「琥珀の道(アンバー・ロード)」をたどったキャラバン隊メンバーの相次ぐ変死。久慈から単身上京していた大岡滝子は早稲田面影橋で通り魔に襲われ、本井博正は三陸海岸で投身自殺を遂げた……かに見えた。残された写真に写る謎の人物とは? 琥珀の知られざる秘密を名探偵・浅見光彦が探るうちに事件は思わぬ方向へ。内田康夫、長編第50作を飾る渾身の書き下ろしミステリー。
  • アンブレイカブル
    4.3
    1925年に成立した治安維持法。歴史の闇の中であっても輝きを放つ、「敗れざる者たち」の矜恃とは――?   『蟹工船』の取材と執筆に熱中するプロレタリア文学の旗手・小林多喜二。 反社会的、非国民的思想犯として特高に監視される反戦川柳作家・鶴彬(つる・あきら)。 同業他社の知人たちに不可思議な失踪が続き、怯える編集者・和田喜太郎。 不遇にありながら、天才的な論考を発表し続ける、稀代の哲学者・三木清。 己の信念を貫く男たちを、クロサキと名乗る内務省の男が追い詰めてゆく。 彼らはなぜ罪なく裁かれたのか? 累計130万部突破「ジョーカー・ゲーム」シリーズの著者が令和の世に問う、もう一つの傑作スパイ・ミステリ!
  • 安楽死
    -
    警視庁に、奇妙な通報があった。 石廊崎で起きた女性ダイバーの溺死は、事故ではなく殺人であるという。 妻の裏切り以来、刑事としての情熱を失っていた鳴海は、特命を受け、大病院の看護師であった被害者の調査を開始する。 医療過誤、製薬会社との癒着、患者の自殺関与――。 病院内部の黒い疑惑を追うが、取り憑かれたように奔走する鳴海刑事に、強大な圧力がふりかかる。 人間の尊厳を問い、病院組織の暗部に切り込む社会派ミステリの傑作。
  • 安禄山
    -
    唐帝国の玄宗皇帝の時代。ソグド人の父と突厥の母をもつロクシャンこと安禄山は謎の日本人・井真成と出会い、商才を磨きながら武人としての出世を重ねる。そしてついに皇帝と楊貴妃の寵臣に登りつめるが…。
  • アヴェ・マリアのヴァイオリン
    値引きあり
    4.5
    14歳のあすかのヴァイオリンに隠された数奇な運命。強制収容所の音楽隊員として生き抜いた少女・ハンナ。家族、仲間、音楽のすばらしさを高らかに歌い上げた感動の名作。第60回全国読書感想文コンクール課題図書。
  • アーモンド入りチョコレートのワルツ
    3.6
    1巻572円 (税込)
    十三・十四・十五歳。きらめく季節は静かに訪れ、ふいに終わる。シューマン、バッハ、サティ、三つのピアノ曲のやさしい調べにのせて、多感な少年少女の二度と戻らない「あのころ」を描く珠玉の短編集。
  • イアリー 見えない顔
    値引きあり
    4.3
    私立大学で教授を務める私が、病死した妻の葬儀を終えて帰宅した夜の10時過ぎ、自宅のインターホンが鳴った。「奥様、ご在宅でしょうか?」。インターホンのディスプレイに映る女性の姿に見覚えはなく、私が外に出たときには、女の姿は消えていた。あの女は誰だったのか。そんな思いに囚われながら、私は大学の総長選挙に深く関わっていく。やがて近所のゴミ集積場で身元不明の死体が発見され、私の身の回りで起こる不審な出来事と、混沌とした選挙戦のつながりまで見えてきて――。
  • いいからしばらく黙ってろ!
    3.5
    大学卒業直前に婚約破棄され、就職する同級生から取り残された富士。彼女が出会ったのは、社会からはみ出した小劇団。才能溢れる劇団員に欠けているもの=”常識”を武器に富士は居場所を見い出せるのか?
  • 井伊直虎 女にこそあれ次郎法師
    3.7
    戦国の世に、井伊家の領主となり井伊直虎を名乗った女性がいた。天文十三年、井伊家の当主・直盛のひとり娘の祐の運命は、その年を境に激変した。井伊家家老の裏切りにより、今川義元に謀反の疑いを持たれた、井伊直満と弟の直義が、駿府で生害させられたのだ。井伊家は、命を狙われる直満の子・亀之丞の秘匿を決行。許婚の亀之丞と引き裂かれた祐は、出家を決意し、次郎法師を名乗るが──。直虎の生涯を描いた傑作歴史長篇。 ※この作品は、二〇〇六年一月に新人物往来社より刊行されました『女にこそあれ次郎法師』を文庫化にあたり加筆・推敲し、改題したものが底本です。
  • いい部屋あります。
    4.1
    大学進学のために上京した鳥貝一弥17歳。東京でのアパート探しに行き詰まっていたところ、 いい部屋があると薦められて訪ねた先は高級住宅街の奥に佇む洋館だった。条件つきだが家賃も破格の男子寮だという。共同生活を営んでいるのは揃ってクセのある男たちばかり。先輩たちに翻弄されながら戸惑いつつも、幼い頃の優しい記憶の断片を甦らせ、自らの生い立ちと向き合っていく鳥貝。艶っぽくて甘酸っぱい極上の青春小説!
  • 言いわけばかりの私にさよならを
    -
    ■あらすじ 私だけだ、何も持っていないのは――。中学最後の大会で最悪なミスをして、大好きなバレーボールを辞めた鈴乃。高校は楽しいけれど、好きなものに夢中な友人達から取り残された気持ちになってしまう。そんな時、隆二先輩は「鈴乃ちゃんはもっと跳べる」と言葉だけでなく証明してくれた。ひたむきに努力する彼の言葉だから、信じることができた。だけど、先輩は人知れず絶望と闘っていて……。夢を追う2人の恋が爽やかな奇跡を呼ぶ物語。 ■著者からのメッセージ こんにちは、加賀美真也です。 この度は角川文庫さんから「言いわけばかりの私にさよならを」刊行させていただくことになりました。この物語は、挫折によって自らの才能や可能性を信じられなくなってしまった女の子が、ひたむきに努力する男の子と出会い、惹かれ、自分自身と向き合う物語です。彼女たちの行く末をあたたかく見守っていただけると幸いです。
  • 言うたらなんやけど
    4.0
    男のワルクチは言いたかないが、女としてはちょっと蒙を啓いていただきたい部分があるから、あえていう。――男の作る政府も政治も、腐敗堕落しきっていますよ。仏のお聖さん変じて、時に、怒りのお聖となって、男女論、世代論、教育論と、世相のあれこれに言及する。また、野坂昭如氏、筒井康隆氏など作家仲間との交流、趣味のお酒のことなど、日々の暮らしの中でみつけた楽しい遊びを披露するみごとなエッセイ。
  • 家ができました
    3.9
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 理想の住処を求めて、ついに家を作るときがやってきた!こだわりと苦労の末に出来上がった家の仕上がりはいかに?
  • 畏悦録 水木しげるの世界
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 霊界の女に魅入られた男の不気味な恋の行方を描く「終電車の女」、吸血鬼に憧れる少年の悲劇的な結末を描く「血太郎奇談」など、妖しげな触感がとめどない幻惑を誘う十三の水木ワールド!
  • 家出のすすめ
    値引きあり
    4.0
    「書を捨てよ、町へ出よう」――若者の未来の自由は、親を切り捨て、古い家族関係を崩すことから始まる――。愛情過多の父母、精神的に乳離れできない子どもにとって、ほんとうに必要なことは何なのか? 「家出のすすめ」「悪徳のすすめ」「反俗のすすめ」「自立のすすめ」と4章にわたって、現代の矛盾を鋭く告発する寺山修司の青春論。(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved
  • 家と庭
    3.6
    中山望は、四季折々の花が咲く庭のある家で、母と姉と妹と暮らす。ある日、上の姉が娘を連れて帰ってきて、女5人との生活が始まった。家族や幼なじみと過ごす時間は、“何も望まない”望を変えていく――。
  • 家康、人づかいの技術
    -
    三河の小豪族にすぎなかった徳川家康は、どうして天下人になることができたのか。その秘密は究極の部下管理術にあった。先輩たちから反感を買う新参者(井伊直政)、自分に逆らった過去を持つ年長の部下(本多正信)、家柄の良い貴公子(石川数正)……。癖だらけのチームをまとめ上げた家康の人心掌握術を、10人の家臣たちの生涯を通して徹底解剖。歴史に学ぶビジネスマン必読、すぐに活かせる天下人のリーダーシップ論!
  • 家康謀殺
    4.5
    天下の簒奪を企む徳川家康は、豊臣家を滅ぼすべく大坂城攻略に乗り出した。出陣の前日、伊賀者の吉蔵は警固隊長から、輿かきの中に刺客が紛れ込んでいると知らされる。大御所様の命は、そなたに懸かっている。吉蔵は紛れ込んだ刺客を見破り、家康を守り抜くことができるのか。桶狭間から大坂の陣まで、手に汗握る情報戦を網羅した、鬼気迫る合戦連作集。悪魔の石を巡る攻防を描いた短編「ルシファー・ストーン」特別収録!
  • 硫黄島
    3.6
    終戦から六年後のある日の夕方、ひとりの男が新聞社に勤める私のところに訪ねてきた。投降前に硫黄島の岩穴にうずめてきた日記を米軍当局の許可を得て掘り出せることになった。そのことを記事にしてほしいという。私はいくつか疑念を抱きながらも記事にした。ところが、後日、彼は硫黄島に渡り、現地で自殺してしまう。男を死に向かわせたものは何だったのか。私は男の足跡を辿りはじめる。昭和文学史に名を残す不朽の戦争文学。
  • 怒る技術
    3.1
    世には怒れない人がなんと多いことか! 自分の言葉と感性を他者に奪われないために――。怒りを感じ、育て、相手にしっかり伝えるための方法を伝授する、ユニークで実践的な「怒り」の哲学エッセイ!
  • いかん。あかん。よう言わん!!
    -
    「それはいかんだろ!」「ちょっとあかんのとちゃう?」「私はよう言わんけど、誰か言うたりぃな」の怒りの三段階で、男のおばちゃん、女のおっさんを斬る!
  • 伊賀忍法帖 山田風太郎ベストコレクション
    3.7
    自らの横恋慕の成就のため、戦国の梟雄・松永弾正は淫石なる催淫剤作りを根来七天狗に命じる。その毒牙に散った妻、篝火の敵を討つため、伊賀忍者・笛吹城太郎が立ち上がる。予想外の忍法勝負の行方とは!?
  • 伊賀の聴恋器
    -
    小道具の発明に才能のある伊賀忍者、服部大陣が新しい珍具を作った。名づけて聴恋器。男女の相性判断ができるという、聴診器のような器具である。これを耳にさしこみ、二股になった盃の先端を男女それぞれの局所にあてると、愛しあっている場合には素晴らしい交響楽が聞こえる。かねがね柳生又右衛門の娘お万に一目惚れしていた大陣は、彼女の心を捉えようとして、この聴恋器を使うことを思いついたのだが……。表題作ほか七篇を収めた傑作ユーモア忍法帖!
  • 生き方のツケがボケに出る
    3.0
    認知症治療で有名な医師である筆者が、長年の医療現場での実例に基づいて、予防方法をわかりやすくユーモラスな語り口で解説。よりよい生き方を示唆する、ポジティブな人生哲学書としても楽しめる一冊。
  • 行きたくない
    3.5
    「ひとりで行きなよ」「いやなの、ねぇ条介お願い、ついてきて」 高校生の僕は幼馴染のアンから、恋人と別れるところを見ていてほしいと頼まれる。 バイトを休んで渋々ながら彼女についていった僕が目にしたのは--。(『ポケット』加藤シゲアキ) 朝起きてぼうっと生きていたらいつの間にか時間が過ぎ去っている。仕事から帰宅すると、毎日違う知らない友達が家にいる。 そんなある日、一人の友達だけが何度も家に来ることに気がついて――。(『コンピレーション』住野よる) 誰に何を言われようと行きたくない場所もあれば、なんとなく気持ちがのらない朝だってある。 ふとしたきっかけでサボってしまうかもしれないし、人生を変えるような決意で回れ右をすることもあるかもしれない。 ひとはいつでも「行きたくない」気持ちを抱えている。 僕たちのそんな所在なさをそっと掬い上げる、刹那のきらめきを切り取った物語。
  • 生きて行く私
    4.2
    山口県岩国の生家と父母、小学校代用教員の時の恋と初体験、いとことの結婚、新聞懸賞小説の入選、尾崎士郎との出会いと同棲、東郷青児、北原武夫とつづく愛の遍歴……数えて百歳。感動を呼ぶ大河自伝。
  • 生きにくい・・・ 私は哲学病。
    3.5
    どうせ死んでしまうのに、なぜ今死んではいけないのか? 愚直なほどに真面目な質問に、真摯に向き合い、徹底的に考え抜いてゆく、中島哲学の恰好の入門書。
  • 生きる意味って何だろう? 旭山動物園園長が語る命のメッセージ
    4.3
    「命」という目に見えないものにはとてつもない素晴らしさがあります。日本一の動物園の園長として体験した動物から教えてもらった命のこと。
  • 生きるために本当に大切なこと
    値引きあり
    4.0
    立教大学名誉教授、自由学園最高学部学部長、元立教新座中学校・高等学校校長の渡辺憲司は、2011年3月、立教新座高等学校の卒業式が中止となり、卒業生へのメッセージをインターネット上に公開した。TwitterをはじめネットやSNSで話題となり、3月16日の一日だけで30万ページビュー、合計で80万回以上の接続数を記録。その力強く優しいメッセージに老若男女が感動した。2020年3月、自由学園最高学部長ブログ146回「今本当のやさしさが問われている コロナ対策に向けて」が再び話題に。本書は当時のメッセージを再録しブログ原稿を採録、書下ろしを加えて再編成した。混迷の時代に、生きることの意味を問う、多くの気づきと自信を与えてくれる人生哲学書。 【本書の一部を紹介】 誤解を恐れずに、あえて、象徴的に云おう。  大学に行くとは、「海を見る自由」を得るためなのではないか。  言葉を変えるならば、「立ち止まる自由」を得るためではないかと思う。現実を直視する自由だと言い換えてもいい。(略) 時に、孤独を直視せよ。海原の前に一人立て。自分の夢が何であるか。海に向かって問え。青春とは、孤独を直視することなのだ。直視の自由を得ることなのだ。大学に行くということの豊潤さを、自由の時に変えるのだ。 (本書「卒業式を中止した立教新座高校三年生諸君へ。」より) 【解説:池上彰(ジャーナリスト)】
  • 生きるのも死ぬのもイヤなきみへ
    3.7
    「生きていたくもないが、死にたくもない」そう、あなたの心の嘆きは正しい。そのイヤな思いをごまかさず大切にして生きるほかはない。孤独と不安を生きる私たちに、一筋の勇気を与えてくれる哲学対話。
  • 生きる歓び
    3.3
    1巻506円 (税込)
    にんじんが嫌いな父とその娘、サラリーマンだったころを思い出す老人、自分に物語が足りないことに気づいたOL、入社3年、肥満を気にし始める青年…。なんでもない「ふつう」の人々が生きる、ごく「ふつう」の人生。そのささやかな歓びと淡い哀しみを切々と描く短編集。名手・橋本治が紡ぎ出す、九つのほのかな感動。
  • 育休刑事
    4.3
    1~2巻748~792円 (税込)
    事件現場に赤ちゃん出動!? 育児も謎解きも全力の新感覚本格ミステリ! 捜査一課の巡査部長、事件に遭遇しましたが育休中であります! 男性刑事として初めての1年間の育児休暇中、生後3ヶ月の息子を連れているのに、トラブル体質の姉のせいで今日も事件に巻き込まれ―!?
  • いくさの底
    3.8
    「そうです。賀川少尉を殺したのはわたしです」第二次世界大戦のビルマ北部。日本軍警備隊が駐屯することになったある山村で、一人の将校が殺害される。村人には死因を伏せたまま、連隊本部から副官が派遣され事態収拾が始まるが、第2の殺人が起きてしまう。通訳を務める日本人商社員、依井の視点から描かれる正体不明の殺人者と協力者とは? 第71回「毎日出版文化賞」「日本推理作家協会賞」(長編部門)W受賞作! 「戦場」という閉鎖空間の山村を舞台に、重厚繊細に描かれた戦争ミステリの名作!
  • 幾千の夜、昨日の月
    4.0
    友と語り明かした林間学校、初めて足を踏み入れた異国の日暮れ、終電後恋人にひと目逢おうと飛ばすタクシー、消灯後の母の病室…夜は私に思い出させる。自分が何も持っていなくてひとりぼっちであることを。
  • 完全版 1★9★3★7 イクミナ (上)
    4.5
    人間の想像力の限界をこえる風景の祖型は一九三七年にあったのではないか。戦後、あたかも蛮行などなかったようにふるまってきた日本人の心性とは何か、天皇制とは何かを突き詰め、自己の内面をえぐり出す。
  • イグナシオ
    値引きあり
    3.6
    神父や修導士の厳しい監督のもと、社会から完全に隔離した集団生活――修道院とは名ばかりの教護施設で、混血児イグナシオは友人を事故に見せかけて殺害した。修道女・文子は偶然現場を目撃するが、沈黙することを約束する。“人を裁けるのは、神だけです。”静謐に言い放つ文子にイグナシオは強く女性を意識し、施設を脱走する最後の晩、初めて文子と結ばれる。そして、己の居場所を探して彷徨い新宿歌舞伎町で新たな生活を始めるが……。芥川賞受賞作と対をなす記念碑的名作。
  • 異型の白昼
    値引きあり
    4.0
    十数年ぶりに幼馴染みと出会い、愛欲の炎が再燃した瑛子は、資産家だが性倒錯者の夫に殺意を抱き始めた。以前、米国で護身用に入手したコルト・ガバメントが、悪意の実現者として鈍く光り始めた。が、瑛子がコインロッカーに預けた凶器は、ふとした偶然で他人に渡ってしまう。狂暴な殺傷力を秘めた拳銃は、それを手にした人間の殺意と憎悪に微妙な変化をもたらしていく……。
  • 異型の街角
    4.0
    物質文明が進み、人々の嗜好や欲望が多岐にわたっている現代では、昔では考えられなかったようなことが職業として成立している。人探し屋、有線放送のなんでも屋、スーパーの苦情処理係、高層ビルのガラス拭き屋。人生の裏面を垣間みた彼等が偶然手に入れた一挺の拳銃。ある者には幸福の女神となり、ある者には地獄の使者となる“コルト45”は誰を狙おうとしているのか!? 社会の表面には出ない変わった職業を通して、人生の断面を描く異色長編推理。
  • 【2冊合本版】池上彰の「経済学」講義 歴史編・ニュース編
    -
    テレビ放送でも話題になった池上彰の愛知学院大学「経済学講義」文庫・全2巻を合本で提供します。 経済の視点で戦後世界の歴史やニュースを読み解く「池上講義」。 「歴史編」では、第2次世界大戦後の世界や日本経済の歩みを振り返ります。戦後の資本主義VS社会主義、東西冷戦の歴史などを学ぶことで、ロシアのウクライナ侵攻の背景や、今の世界経済の問題点が見えてきます。「ニュース編」では、原油価格、リーマン・ショック、為替政策、金融政策、EU、宗教と経済……など、今の世界を理解するために必要なニュースのキーワードをピックアップ。混迷する世界を読み解くにはぴったりの内容となっています。 ※本商品は1冊に全巻を収録した合本形式での配信となります。あらかじめご了承ください。
  • いけちゃんとぼく
    4.6
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 いけちゃんはね、うれしいとふえるの。こまると小さくなるの。あったかいとよくふくらむのよ――。うれしいときもかなしいときも、いつもそばに寄り添ってつぶらな瞳で見守ってくれるふしぎな生きもの、いけちゃん。そんないけちゃんがぼくは大好きで――。少しずつ大人の階段をのぼっていく少年期のやわらかな心とみずみずしい風景。かつてこどもだった大事なあなたに贈る、西原理恵子初の叙情絵本!
  • 池辺の棲家
    4.0
    多彩な渡り鳥が飛来する池のほとりで暮らす千亜子。夫は老母の介護で実家に帰ったままだ。子供たちも出て行った。カラスのクロウと語り、林の生き物たちと交流し、牛飼い少女の物語の翻訳に打ち込む日々は、悪くはない。人道という偽善に付き合うよりも、生物としての死に場所を探したいからだ。美しくも激しい自然の中で、生と死に深い独自の眼差しを向けた新たなる感動小説。

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