Posted by ブクログ
2021年01月31日
瀬尾まいこさん、昨年9月に「そして、バトンは渡された」に出会ってから、(文庫本だと移動時に読みやすいこともあったりして、)ざざざっとまとめ買いをして、いくつか読んできて、いつもほっこりな読後感で温かい気持ちになるのですが、帯にある通り 『瀬尾まいこの全ての作品のルーツとなった“せんせい”時代を綴るほ...続きを読むっこりエッセイ』である。
エッセイのスタイルもいろいろあるとは思うのですが(すみません詳しくわかってはいません)一話が3-4ページとかで、読書が苦手な人も、読んで温かい気持ちになれるできる120ページ程度の薄い文庫本です。 小さなカバンにも入るし、一話が短いので通勤通学時に個別でも読めるし、やっぱり読書苦手な人に「本っていいよ!」と読んでもらいたい本。
内容としては、解説、部分に書かれているが、以下のとおりである。
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P134
これは、瀬尾さんが二足の草鞋を履いていらっしゃったとき ―作家デビュー直後、京都府の中学校で教鞭を執りながら作品をお書きになっていた時期に― 雑誌「ダ・ヴィンチ」に連載されていたものだ。
(中略)
思い出話ではなく、現在進行形で、一般読者向けに職場のことを書く。しかも職場は学校で、当事者(先生や生徒や親御さんたち)も読むことができて、もちろん彼らには「瀬尾先生」が書いているということがわかっている。
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(個人的ではあるが)僕の経験でも中学校では、本当に多様なメンバーが集まっていて、そんな中で、いろんな行事があったりいろんなぶつかりあいがあったりしながらクラスとして成長していった記憶が強い。これも解説からの抜粋ではあるが、「きれいな水を飲んだときのような爽快感と、大げさではない優しい感動を、読んでいる最中、ずっともらっていたような読書だった」 まさに、である。
抜粋フレーズ、本当は、丸ごと転載したい、と思った章が(特に)二つぐらいあったのですが、さすがにそれはやめておいて、ページ番号とタイトルだけにしておきます。 その後、(解説でも触れられていた)一部分の抜粋をします。
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○P61 「野球、野球、野球」 この章は(自分がラグビースクールでコーチをしていることもあって)本当に感動した。
○P103 「最優秀賞!」 この章は(僕も中学校のころ、ものすごく合唱祭はがんばったこともあって)感動した。
→ (一部抜粋)「もちろん、揉め事もあったけど、自分たちで解決しながら、去年の何倍も良いものに仕上がりつつあった。」
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※やっぱり状況がカラーでイメージできるような、自分の人生におけるシーンと同期されて琴線に触れるようなこととなると、ぐっと来てしまいますね。。
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P69 学校には強制的なことがたくさんある。 生徒たちは苦手だろうが、痛いだろうが、嫌いだろうが、いろんなことをしなくてはいけない。気の合わない人とだって、グループを組まなくてはいけない。それをしなくてはいけないのが学校だ。 だけど、それができるのも学校だからだ。
学校にはいろんな生徒がいて、苦悩したり間違ったり、喜んだり悲しんだりしながら、せっせと大きくなっている。自分が生徒だった頃、私は自分をだめな生徒だと思っていた。けれど、だめな生徒なんて実際の学校の場にはいない。方法はどうであれ、窮屈で大変な学校という場で毎日を送っている姿は、すごい。そんな中で成長していく様子はきらきらしている。そんな生徒たちと毎日一緒にいられる仕事は、やっぱりすばらしい。
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瀬尾まいこさんシリーズ、複数読んできたけど、まだまだありそうなので、また、楽しみにどこかで読んでいこう。