中井正文の作品一覧

「中井正文」の「アメリカ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • アメリカ
    値引きあり
    4.4
    1巻554円 (税込)
    年上の女に誘惑され愛されたばかりに、両親にやっかいばらいにされたカール少年は故国ドイツを追われアメリカに渡った。やっとのことでニューヨークの伯父にめぐりあい、面倒をみてもらえるようになったのもつかの間、何とも不可解な理由で伯父の家からも追い出される。追放されつづけるカール少年は放浪の旅に出るが……。冒険、裏切り、そして転落――。軽妙に描かれるカフカ的冒険小説。カフカ文学への入門書としても最適な1冊。

ユーザーレビュー

  • アメリカ

    Posted by ブクログ

    カフカの「孤独の3部作」最後の作品である。

    ドイツから追い出された純朴な青年が、アメリカを放浪するロマン小説。落ち着く先が見つかっても、不条理に追い出され続ける青年。しかし、それでも青年は希望を捨てなかった。

    青年が未知の土地を冒険する小説はいくらでもあるだろうが、この作品は異質だ。未完なのである。しかし、未完という事実が読者の想像力を豊かにし、本作が名作であることを確固たるものにしている。

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    2023年01月07日
  • アメリカ

    Posted by ブクログ

    賢い美少年カールは、年増の召使を孕ませ親に追い出される。
    そこから彼は、不条理の道を歩み続ける。

    大国アメリカへ到着した船上でのやりとり、自分の大切なスーツケースを他人に預けたまま、他人の厄介事に首を出す。
    彼の自信は若さに由来するものだろうか。
    ごったがえす人の波、赤の他人の問題に巻き込まれ、この先の混乱した道を予想させる。

    お偉い伯父に預けられるが、途中で厄介払いされる。
    10代半ばの少年が、大国アメリカに放り出されたわけだ。
    その理由は読者にも提示されない。
    この先の物語も、不条理と茨の道が続く。

    この少年は、孤独を感じる間もなく、生きるのに必死なように描かれている。そんなわけはな

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    2013年01月27日
  • アメリカ

    Posted by ブクログ

    話は両親によって本国から追い出されたカール・ロスマン氏の新天地アメリカ放浪記ですが、ロスマンはトラブルを起こして次々に新たな目的地を目指します。第一章の火夫が短篇集にも収録されていることから分る通り、それぞれの章が自己完結しているので、分量の割には長さを感じさせない構成になっています。未完のせいもあって、最後の第八章がちょっと浮いてる感じもしますが、却って未来への出発っぽくてフィットしています。カフカの作品にしては、比較的ポジティブだと思いました。

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    2011年11月15日
  • アメリカ

    Posted by ブクログ

    フランツ・カフカは、127年前の1883年7月3日にオーストリア=ハンガリー帝国(現在のチェコ)のプラハに生まれて、86年前の1924年6月3日に40歳で亡くなった小説家。

    ところで、フランツ・ファノンじゃなかったフランツ・カフカって、どこかエリック・サティに似ているとお思いになりませんか?

    抽象する無機質なランドスケープといい、現代に生きる私たちの孤立感や閉塞情況の感嘆・強調といい、言い知れぬ不安と孤独感の恍惚的描写といい、未知なる隣人と時空を超えた憧憬の祝祭的喝采などなど、ほとんど何を言っているのか自分でも意味不明ですが、ほぼおおむね、だいたいそんなふうな感じですが、ただ表現方法が小説

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    2011年08月03日
  • アメリカ

    Posted by ブクログ

    カフカにしては軽妙でわかりやすい描写と明るい展開で物語が進んでいく

    他と毛色が違いすぎる感があるからはっきりと言い切れないがカフカがカフカの文章力を越えたような仕上がり


    筋に乗せられてわくわくしちゃうんだけど「オクラホマ劇場」の不穏な桃源郷的設定と、「ニーガー」という偽名で潜んでいた孤独に気付かされる

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    2009年10月07日

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