角川文庫の検索結果
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君の名は。 Another Side:Earthbound【角川文庫版】
東京に暮らす男子高校生・立花瀧は、夢を見ることをきっかけに田舎町の女子高生・宮水三葉と入れ替わるようになる。 慣れない女子の身体、未知の田舎暮らしに戸惑いつつ、徐々に馴染んでいく瀧。 身体の持ち主である三葉のことをもっと知りたいと瀧が思い始めたころ、普段と違う三葉を疑問に思った周りの人たちも彼女のことを考え出して――。 三葉と身体が入れ替わってしまった瀧、三葉の同級生である勅使河原克彦、不審な様子の姉に違和感を覚える妹の四葉、そして母の死後家を出てしまった父の俊樹。 新海誠監督長編アニメーション『君の名は。』の四人の視点から掘り下げる、ファン必読の外伝小説が角川文庫に登場! -
たとえ祈りが届かなくても君に伝えたいことがあるんだ
高校2年生のなずなのクラスメイト・鈴白くんが、突然命を絶った。 彼は明るくて容姿も成績も良い、学校の人気者。 だから、彼に限って自殺なんてありえない……皆そう思っていた。 「彼の悩みに気付いていたら」。後悔が膨れ上がり、 その晩なずなは鈴白くんと一緒に作った思い出の砂時計に「時間を巻き戻したい」と願って眠る。 翌朝目覚めたなずなは、なんと1ヶ月前にタイムリープしていた。 笑顔で登校してきた鈴白くんの姿に安堵するなずなだったが、 ひと月後、彼はまた死を選んでしまう。 鈴白くんの死を止めるため、何度もタイムリープを繰り返すなずな。 そんな彼女の行動に、ひとりだけ気づいている男子生徒がいて――。 なずなは残酷な運命を変えられるのか。 何気ない毎日が愛おしくなる、祈りと叫びの青春物語。 -
果てなき蒼を統べる王
大地震で本州が分断された日ノ本。坂東では、異能の力を持つ狩野家が、盟主としてこの地を治めていた。三男・夜隆は兄に頼ってのんきに暮らしていたが、長兄暗殺の疑いをかけられ、次兄によって城を追放される。奴隷船に捕らえられた彼を助けたのは、海賊として人を救う美少年・夢之助。彼と生活する中で、民の苦しみに触れ、世間知らずだった夜隆は盟主としての生き方を考え始める--。お互いの運命を変える、激動の主従物語! -
私を捨てて逃げた母は
■あらすじ この国では皇族だけが翡翠の瞳を持つとされる。 子爵家の娘、ステラは故あって翡翠色の瞳を持っていた。 だが、母は皇女の乳母となり家に帰らず、父親は愛人を家に連れ込み、ステラは愛人から虐げられる日々を過ごしていた。 そんなある日、突然の皇女からの呼び出しでステラは帝国宮を訪れることに。 けれど、見知らぬ広大な敷地でステラは迷子になってしまう。 困っていたステラの前に、青灰色の目をした美しい青年が現れ――。 WEBで大反響の短編小説「私を捨てて逃げた母は」を豪華長編化! ■登場人物 ステラ ラドフォード子爵家の一人娘。 黒髪に、翡翠の目を持つ。 アレクシス 貴族男性然とした背の高い青年。 銀色の髪に、青灰色の切れ長の目を持つ。 -
名探偵の生まれる夜 大正謎百景
歴史的偉業の裏には、誰にも語られなかった「事件」が隠されている。 『乱歩と千畝 RAMPOとSEMPO』が話題を呼んだ、青柳碧人の大正ロマン×ミステリー! 大正五年、「探偵になりたい」と探偵事務所の門をたたいた青年が遭遇した重大事件。 大正四年、アメリカより一時帰国した野口英世の前に現れた自称・娘を巡る一騒動。 大正七年、芥川龍之介が解き明かす、さえない男の恋を叶えた願掛けの謎。 大正七年、元・バンカラ学生が死後に推察した、偉大なる劇作家・島村抱月の秘した想い。 大正七年、与謝野晶子・鉄幹夫妻が大阪で遭遇した、絶体絶命の危機。 大正十四年、世界一有名な秋田犬・ハチと上野教授の一世一代の大捕り物。 大正十三年、遠野で花子という少女が出会った、不思議な言葉を話すざんだ坊主の正体は。 大正十二年、時代を経ていろいろな人の手を渡っていく紙人形「姉さま人形」の数奇な運命。 大正の偉人×不思議な謎を読み解く8編を収録! -
刑事の父
中央区日本橋に住むOL、三上舞衣が行方不明になった。警視庁刑事部捜査一課の西弘毅警部補は、所轄の和田ともに彼女の行方を追っていた。彼女の足取りは、六本木のホテル以降消えていた。そこで、ホテルから出てきた車に目を付け、車の持ち主・山川に事情を聞くことにする。すると、ホテルから出た後、友人と川に行ったというのだ。西は、山川たちの行った川を捜索し、三上舞衣の遺体を発見する。殺した犯人は誰なのか……。調べていく内に、「藤森駿」という大物議員の秘書の名前が挙がってくる。藤森を調べようとするも、捜査本部から西は外されてしまう。一方、御茶ノ水警察署からの電話に出た西は、「息子さんを逮捕しました」と言われる。捜査と家庭の間で揺れ動く西はどう動くのか――。 -
闇の代理人 偸安-TOAN-
「災害直後は子どもの略取が増える」 明治26年横浜。古堂弥郷(こどう・いやさと)は、義兄から災害時による子どもの行方不明事件の調査を任される。相棒は、尊敬する兄・秀多郎の家庭教師兼書生だった品川吉史(しながわ・よし)。吉史は元上海領事館総領事の息子で、語学に堪能な男だ。24年に起きた美濃地震を皮切りに、八王子の大火事など各地で連絡がつかなくなっていた子どもの行方を捜すために、横浜港に出入りする商船に目を付ける――渋々協力する吉史の調査は、合理的で要領も良く、正攻法んじる弥郷と何かと反目する。しかし、日本人略奪事件解決に向けて、協力し合ううちに、お互い認め合う存在になっていき――。暗躍する人身売買組織との熱い戦いが火蓋を切る! -
闇に消えた男 フリーライター・新城誠の事件簿
断崖絶壁に建つ武家屋敷から一族が忽然と姿を消した「消失屋敷」の殺人事件で出会ったフリーライターの新城誠と文芸評論社の編集者・中島好美。その二人にまた不可解な人間消失事件が起こった。念入りな取材を重ねることで知られるノンフィクション作家が失踪したと、捜索を依頼してきたのは、その作家の妻だった。新城は聞き取りをさっそく初めていくのだが、失踪直後に作家の実家の放火事件が発生、まじめに見えていた作家の裏の顔が暴かれることに――。富豪だった父の謎の自殺、知らない人物への送金、そして顕れる疑惑の数々。新城は持ち前の推理力を活かし推理を続けた。そして事件は意外な方向へ。巧妙に張り巡らせたミステリの伏線と物語のダイナミズム。本格ミステリの女帝が放つ、驚愕の推理エンタテインメント。 -
闇祓
転校生の白石要は、少し不思議な青年だった。背は高いが、髪はボサボサでどこを見ているかよくわからない。優等生の澪は、クラスになじめない要に気を遣ってこわごわ話しかけ徐々に距離を縮めるものの、唐突に返ってきた要のリアクションは「今日、家に行っていい?」だった――。この転校生は何かがおかしい。身の危険を感じた澪は憧れの先輩、神原一太に助けを求めるが――。学校で、会社で、団地で、身の周りにいるちょっとおかしな人。みんなの調子を狂わせるような、人の心に悪意を吹き込むような。それはひょっとしたら「闇ハラ=闇ハラスメント」かもしれない。「あの一家」が来ると、みんながおかしくなり、人が死ぬ。だから、闇は「祓わなくては」ならない――。辻村深月が満を持して解き放つ、本格長編ホラーミステリ! -
新訳 サロメ
「歪(いびつ)に見え実は巧みなフランス語でヴェールを纏(まと)ったサロメの姿を、初めて日本語で見た。クイアに美しく、リリカルな声に身震いがした」ロバート キャンベル(国文学者) 日本初演から110年。 「本当のサロメ」とは? 最新研究に基づく画期的新訳×新解釈で、物語の真の意味が明らかに! 日本初演から110年。私達は「本当のサロメ」に初めて出会う。 ――月夜の晩。エロド王に請(こ)われ、妖艶な踊りを披露したサロメ。王に求めた褒美は美しき預言者ヨカナーンの首だった。少女の激情を描き、男性同性愛の記号(モチーフ)を潜めることで、当時の西欧社会の抑圧を挑戦的に描いた本作は、実はワイルドの抵抗(レジスタンス)!? 仏語原文を忠実に読み解き、見過ごされてきた男達の意外な葛藤を示し、真のドラマ性を見事に新訳! ビアズリー画18点掲載。 【日本初演から110年。新訳で物語の真の意味が明らかに!】 ポイント1 今まで見過ごされてきた男たちの意外な葛藤を訳出 人との距離感を表す、仏語の二種類の語法――ヴーヴォワイエとチュトワイエ。それを原文通りに丁寧に訳しわけることで、ヨカナーンらの意外な葛藤を表現! ポイント2 サロメに隠された男性同性愛の記号(モチーフ) 劇中に登場する「緑のお花」は、実は男性同性愛の記号。そのためラストの悲劇的展開には、キリスト教による弾圧への抵抗(レジスタンス)の思いが込められている。後に男性同性愛で裁かれ、客死するワイルド自身の悲劇をも予言した。 ビアズリーの名画を18点掲載! 目次 サロメ 一幕劇 訳者あとがき -
新訳 テンペスト
シェイクスピア、「最初」で「最後」の傑作 徹底注釈&詳細な解説 シェイクスピア、「最初」で「最後」の名作。復讐と再生、植民地支配を描く 邪悪な弟にミラノ公爵位を奪われ、娘ミランダとともに島流しにされたプロスペロー。そんな目に遭わせたナポリ王と弟への復讐を誓い、12年後、魔法で大嵐を起こし、彼らを載せた船を難破させ、島に上陸させる。一行からはぐれ、一人、島に辿り着いた王子はミランダと恋に落ちる。プロスペローはそれを利用し、復讐を果たして公国を取り戻そうとするが…。赦しと再生、そして植民地支配を描いたシェイクスピア単独執筆最後の傑作。 目次 新訳 テンペスト 楽譜 一六〇九年バミューダ海域遭難の二つの手記 ウィリアム・ストレイチー『騎士サー・トマス・ゲイツの遭難と救済の真の報告』抄訳 シルヴェスター・ジュアデイン『バミューダ諸島、別名悪魔の島の発見』全訳 ジョン・フローリオ訳のモンテーニュ「人食い人種について」抄訳 訳者あとがき -
お役に立ちます! 二級建築士 楠さくらのハッピーリフォーム
コロナ禍を吹き飛ばす、令和のお仕事小説決定版 家族の幸せの設計図、描きます! 「読めばすっきり温かく、気持ちまでリフォームされること請け合いだ」 書評家大矢博子さんも太鼓判!! 「みんなで幸せになりましょう」クライアントに寄り添う設計を心掛けた父の遺志を継ぎ、二級建築士となった楠さくら。さくらが勤める父が世話になった木之本工務店に、ある時川沿いのスポーツ用品店から改装の依頼が。さっそく現地に赴いたさくらだが、店は昔ながらのジリ貧で店主も安くあげてくれの一点張り。持前のまっすぐさであたるさくらの驚きの提案とは? リフォームで幸福を呼ぶ、令和のお仕事小説決定版! -
運のいい人の法則
Amazonレビュー300超の大ベストセラー書籍『運のいい人、悪い人―運を鍛える四つの法則』、待望の文庫化! 世の中には運のいい人と運の悪い人がいる。ツキのある人生とツキのない人生はいったい何が違うのか。誰もが、運の不公平さには気づいていても、どうしてその違いが生まれるのかはうまく説明できない。英国の心理学者リチャード・ワイズマン博士は、講演会での聴衆のやりとりのなかで、幸運と不運を隔てるものに興味を抱き、調査を開始した。“運の科学的研究”だ。ちょっとしたアンケートからはじめた調査は10年の歳月を費やし、実験の協力者は数百人にのぼった。その結果、「運のいい人」に共通する「四つの法則」にたどり着いたのである。さらに、「運の悪い人」たちに、法則を実践してもらい“運”に変化があるかどうか試してもらった。結果、“運”は考え方と行動で変えられるということが明らかになったのである。英BBC、米NBC等で話題沸騰、世界30カ国でベストセラーとなった“運”の科学書。 -
笑う執行人 女検事・秋月さやか
六本木のクラブのVIPルームで撲殺された死体は、鋭利な刃物で鼻がすっぱりと削がれていた。殺されたのは、青年実業家の在日韓国人三世だった。異様な殺人は、連続殺人となった。その頃、東京地検特捜部に28歳の若さで配属された秋月さやかは、”無理筋”の仕事に戸惑っていた。大物代議士の不正献金事件の証拠がつかめず、立件が難しくなってきていたのだ。それにも拘わらず捜査を急ぐ特捜部。正義を掲げて秋月は孤立していく。いつしか結びつく二つの事件。その背景には日本社会の腐敗した組織構造があった。捜査一課のベテラン刑事・神代と、財務省出身の美男子弁護士・朝比奈と新米検事・秋月は事件の真相に迫るー。科警研所属の医師・白鳥奈津子も登場。著者渾身の社会派ミステリー。 -
汝、ふたつの故国に殉ず 台湾で「英雄」となったある日本人の物語
台湾で、その命日が「正義と勇気の日」に制定された日本人がいた――。日本と台湾の絆を表す「英雄」が歩んだ苦難と感動の物語。史上初の「日台」同時発売ノンフィクション! 1895年、ひとりの若者が台湾を目指して故郷・熊本をあとにした。台湾の治安維持と発展に尽くすためである。やがて台湾女性と家庭を築いた彼は、のちに「英雄」と呼ばれる男の子をもうけた。しかし、戦後の台湾の悲劇は、一家を動乱に巻き込んでいく。日本と台湾の“絆”を表わす「5代120年」にわたる壮大な一族の物語――。 「私には大和魂の血が流れている」「台湾人、万歳!」。台湾最大の悲劇となった1947年の「二二八事件」で、そう叫んで、永遠の眠りについた英雄がいた。坂井徳章弁護士(台湾名・湯徳章)である。父親は日本人、母親は台湾人で、生まれながらにして日本と台湾の“絆”を表わす人物である。父を早くに亡くした徳章は、貧困の中、辛酸を舐めながら勉学に励み、ついに当時の最難関国家試験である高等文官司法科と行政科の試験に両方合格する。 帝都・東京から故郷・台南へ帰り、台湾人の人権確立のために活動する中、徳章は国民党政府の「二二八事件」弾圧から台南市民を救うために奔走する。自らの身を犠牲にしながら、多くの市民を助けた徳章は、50年後に忽然と“復活”する。苦難の道を歩んだ台湾と、なぜ今も台湾人が日本と日本人をこれほど愛してくれているのか、その根源を解き明かした感動の歴史ノンフィクション――。 -
夕暮れ密室(角川文庫)
斬新なトリックで選考委員のミステリ心を奮い立たせた、本格青春推理小説が、ついに文庫化! 〈単行本刊行時帯コメントより〉 かつて、あの北村薫さんと、この綾辻がともにエールを送った問題作――『夕暮れ密室』。それがこのたび、全面的な改稿を経て、折り目正しい学園本格ミステリとして完成した。まことに“嬉しい”事件である。――綾辻行人 「密室テーマの夕暮れの時代」に、敢然と白昼の光を取り戻そうとしている。その心意気がよい。至難ともいうべき「密室」の扱いに成功。それは、上品な手品師の指使いを見るようで、まことに美しい。――北村薫 ※本作は、2015年2月に小社より刊行した単行本を文庫化したものです。 -
ロック・オブ・モーゼス(角川文庫)
わたしはこのギターから全てを教わった―― いつも俯きながら生きてきた。 音楽がわたしに光を与えてくれた。 熱情、誇り、挫折、才能――青春の全てがここにある。 心を掻き鳴らす、珠玉の青春音楽小説。 朝倉桜は京都の私立校に通う高校二年生。同級生の「モーゼ」こと百瀬は幼い頃から天才ギタリストとしてもてはやされ、今はプロで活躍中だ。学校に居場所を見いだせない桜はいつのころからか目立たぬように行動するのが習い性になっていたが、モーゼの強い勧めでギターを始めることに。すぐにギターの虜になった桜は高校を中退し、モーゼ率いるバンド「モーゼス」に加入。プロのミュージシャンになると決意するが……。 -
天河伝説殺人事件
作品とともに、わたしたちと浅見光彦の旅は続きます。 素晴らしい謎と冒険の数々を、これからも――。 能の水上流宗家の嫡男・和春の七回忌に催された追善能。宗家である和憲の二人の孫、和鷹と秀美もそれぞれ「道成寺」と「二人静」を舞うことになっていた。しかし、和鷹は舞台の最中に蛇面をつけたまま急死する。センセーショナルな和鷹の死、兄妹間の後継問題などに注目が集まる中、和憲の行方もわからなくなる。秀美は祖父の残した言葉を頼りに吉野へと向かうが……。惨劇に隠された悲劇に浅見光彦が挑む。シリーズ屈指の人気作! ※本書は、2008年7月に刊行された角川文庫版(改版)を底本に、上下巻を合本にしたものです。 -
かんかん橋の向こう側(角川文庫)
父の亡き後、常連客に支えられながら残された食堂『ののや』を守リ続ける継母の奈央と高校生の娘真子。客の笑い声があふれる店にある晩、新顔の青年が現れる。東山と名乗るその男は、ネットで評判の小説を読み、その舞台になっている『ののや』と登場人物のモデルを見にやって来たという。「小説? ののやが?」「いったい誰が?」みなの驚きをよそに、すっかり気に入って町に滞在する東山。しかし間もなく、胡散臭い探偵が町にやってきて……。「人は帰る場所があるから、旅立つことができる」小さな食堂を舞台に、毎日をせいいっぱい生きる人々の絆とそこから巣立っていく少女の成長を描いた傑作長編! -
慟哭の海峡(角川文庫)
2013年10月、2人の老人が死んだ。 1人は大正8年生まれの94歳、もう1人はふたつ下の92歳だった。2人は互いに会ったこともなければ、お互いを意識したこともない。まったく別々の人生を歩み、まったく知らないままに同じ時期に亡くなった。 太平洋戦争(大東亜戦争)時、“輸送船の墓場”と称され、10万を超える日本兵が犠牲になったとされる「バシー海峡」。2人に共通するのは、この台湾とフィリピンの間にあるバシー海峡に「強い思いを持っていたこと」だけである。1人は、バシー海峡で弟を喪ったアンパンマンの作者・やなせたかし。もう1人は、炎熱のバシー海峡を12日間も漂流して、奇跡の生還を遂げた中嶋秀次である。 やなせは心の奥底に哀しみと寂しさを抱えながら、晩年に「アンパンマン」という、子供たちに勇気と希望を与え続けるヒーローを生み出した。一方、中嶋は死んだ戦友の鎮魂のために戦後の人生を捧げ、長い歳月の末に、バシー海峡が見渡せる丘に「潮音寺」という寺院を建立する。 膨大な数の若者が戦争の最前線に立ち、そして死んでいった。2人が生きた若き日々は、「生きること」自体を拒まれ、多くの同世代の人間が無念の思いを呑み込んで死んでいった時代だった。 異国の土となり、蒼い海原の底に沈んでいった大正生まれの男たちは、実に200万人にものぼる。隣り合わせの「生」と「死」の狭間で揺れ、最後まで自己犠牲を貫いた若者たち。「アンパンマン」に込められた想いと、彼らが「生きた時代」とはどのようなものだったのか。 “世紀のヒーロー”アンパンマンとは、いったい「誰」なのですか――? 今、明かされる、「慟哭の海峡」をめぐる真実の物語。 -
木島日記
昭和初期――オカルト、猟奇事件、ナショナリズムが吹き荒れる東京。 民俗学者の折口信夫は古書店「八坂堂」に迷い込み、その棚にあるはずのない、未だ構想中の自分の小説『死者の書』を見つける。 「何が書いてあるか読んでごらんなさい」 奇怪な仮面を被った店の主人、木島平八郎に促され、その奇妙な書の頁をめくった時から、折口のまわりで奇怪な出来事が起こり始める……。 「あってはならない物語」へ誘う傑作文豪怪奇ミステリ! 書き下ろしの〈自著解題〉を付す改訂新装版で復活。 【目次】 第一話 死者の書 第二話 妣が国・常世へ 第三話 古代研究 第四話 水の女 第五話 若水の話 〈自著解題〉物語を供養する -
記者たちは海に向かった 津波と放射能と福島民友新聞(角川文庫)
2011年3月11日、一人の新聞記者が死んだ。福島民友新聞記者、熊田由貴生、享年24。福島県南相馬市で津波の最前線で取材をしていた熊田記者は、自分の命と引きかえに地元の人間の命を救った。その死は、仲間に衝撃を与えた。それは、ほかの記者たちも同じように津波を撮るべく海に向かい、そして、生命の危機に陥っていたからである。なかには目の前で津波に呑まれる人を救うことができなかった記者もいた。熊田記者の「死」は、生き残った記者たちに哀しみと傷痕を残した。取材の最前線でなぜ記者は、死んだのか。そして、その死は、なぜ仲間たちに負い目とトラウマを残したのか。非常用発電機のトラブルで新聞が発行できない崖っ淵に立たされ、さらには放射能汚染で支局も販売店も避難を余儀なくされた福島民友新聞を舞台に繰り広げられた新聞人たちの壮絶な闘い。「命」とは何か、「新聞」とは何か、を問う魂が震えるノンフィクション――。 -
あの一瞬 アスリートが奇跡を起こす「時」
瀬古利彦、サッカー日本代表、遠藤純男、ファイティング原田、新日鉄釜石、明徳義塾……。さまざまな競技から歴史に残る名勝負を選りすぐり、勝敗を分けた「あの一瞬」に至るまでの心の奇跡を描きだす。 ※本書は二〇一〇年七月に新潮社より刊行された単行本『あの一瞬 アスリートはなぜ「奇跡」を起こすのか』を一部改題し、加筆・修正したものが底本です。 -
孤独の森
北海道の奥地に佇む、世間から隔離された児童施設「梟の森」。そこで暮らしていた少年・宗太は、父危篤の知らせを聞き脱走を計画。父の入院する函館に向けひとり歩き出した。監視部隊が追い迫る中、宗太は父が託した一冊のノートを巡り、隠されてきた施設の歴史や自らの過去を知ることになる。やがて函館に着いた宗太を待っていたのは、過酷な運命だった――。圧倒的なスケールで展開される波瀾万丈のロードノベルファンタジー。
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