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文化十年、江戸飯田町の小さな家屋で、作家・滝沢馬琴は画家・葛飾北斎に語り出した。宿縁に導かれた八人の犬士が悪や妖異と戦いを繰り広げる『南総里見八犬伝』である。落城寸前の安房・滝田城で、時の城主・里見義実が一縷の望みを愛犬・八房に託したことをきっかけに、里見家の運命が動き出す――。闊達自在な伝奇「虚の世界」と、執筆への執念を燃やす馬琴を綴る「実の世界」を、緻密な構成で見事に交錯させて描いた傑作。
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「八犬伝」
2024年10月25日公開 出演:役所広司、内野聖陽、土屋太鳳
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Posted by ブクログ
この話もすこいし、滝沢馬琴もすごいし、山田風太郎もすごい。なにもかもすごい。南総里見八犬伝自体もよみたくなっているが、この小説を読んだ限りでは、しんどいか。
安倍晴明の山田作品の一節に惹かれて今作品を読む。圧巻の表現力に読む手が止まらない。滝沢馬琴の南総八犬伝と何ら遜色なく楽しめる。馬琴の暮らしぶりも知ることが出来て一石二鳥な作品。下巻を読後に映像化を試そうと思う。
『八犬伝』が映画化するということで手に取った本。 山田風太郎作品は忍法帖シリーズを中心にいくつか読んでいるが、どれも良い意味で荒唐無稽で面白い。 これぞジャパニーズニンジャ! ジャパニーズサムライ! みたいな部分もあり、エロもグロもあり、涙とアクションもある。 『八犬伝』もファンタジー、伝奇要素を絶...続きを読む妙に織り交ぜながら紡がれている。 その『八犬伝』の虚の部分に、この物語を書いた滝沢馬琴周りの実の部分が交互に描かれていく。 上巻は虚の部分が面白かった。 まるで漫画やゲームのパーティが集まるかのように個性豊かな登場人物たちが何かに導かれるかのように集まっていく。 そこに敵の手も迫ったりと、盛り上がり続ける展開であっという間に読んでしまった。 ちなみに映画は原作の良さの100分の1も伝わらない。 何なら原作が端折られすぎてて、原作を読んでないとよくわからない気がする。 余りにも酷い出来だった。映画を観るチケット代で原作買ったほうが絶対良い。
映画公開前に予習しておこうと(なんせ忘れているからね)、平成元年の文庫本(よくぞ置いておいたものだ)を引っ張り出して再読。馬琴の手による『八犬伝』の部分を「虚の世界」、それを執筆する馬琴と物語の筋をきかされる葛飾北斎とのやりとり等を「実の世界」として交互に配置。面白いのなんのって! 馬琴と北斎の人物...続きを読む造形、やりとりの楽しいこと楽しいこと。こちらの方が面白いかと思いきや、八犬士達の因縁の絡み具合出逢い、八犬士達が窮地に立たされ、それを逃れていく筋の展開、こちらは馬琴の構想によるのだろうが(たぶん。原作読んでいないから定かではない)めためた面白い! 多分原作では長々とあれこれ微に入り細を穿って描いているんだろうが、スピーディに息もつかせぬよう描いていく山田風太郎の筆致もすごい! さすが天才老人! 下巻も楽しみ♪
滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』は、千葉県民としてはぜひとも読んでおきたい物語。だから岩波文庫のボックスで買ってあるのですが、なにしろ原文でございますので敷居が高く、まだ踏み込めずにおります。 そこで、この山田風太郎の『八犬伝』。滝沢馬琴が葛飾北斎に、「こんな物語を書こうと思ってるんだけど、どう?」と...続きを読む話して聞かせている、というのが大筋。なので、『南総里見八犬伝』そのもの(虚の世界)と、江戸にいる馬琴&北斎の物語(実の世界)が交互に進んでいくという、一冊で二度おいしいお得なご本となっております。 上巻では、「虚の世界」では安房の滝田城城主里見義実の危機から始まって、八犬士のうち6人の犬士が出現、そして7人目だろうと思わせる人物が登場したところまで。「実の世界」では、馬琴が47歳、北斎が54歳の時点から7年間が描かれております。 べらぼうにおもしろい。「虚」パートでは、出来事も人物も、無関係だと思わせておいて実はみぃんなつながっていたりするので気が抜けません。無駄な話が一切ない。登場人物が多く、読んでいると系図が欲しくなるので人物名や関係をメモしておくことを強くおすすめします。 また「実」パートでは、虎タイプのどっしり馬琴と、竜タイプのしなやか北斎、正反対の2人が良いコンビです。武士気質のカタブツ馬琴をおもしろがって見ている北斎、という図がほほえましく、会話に笑ってしまったりも。 上下巻を左右に並べると、カバーイラストがつながって一枚の絵になるところも良いですな。 それでは下巻へいざゆかん!
2011年『みをつくし料理帖シリーズ』で時代小説の面白さを知り、翌12年に『鬼平』で池波正太郎にハマり、藤沢周平、岡本綺堂と読み継ぐ。その中で山田風太郎のことを知ったが、なかなか手が出せなかった。この度、角川文庫が本書を文庫化してくれたことで、ようやく読むことが叶った。虚の世界として南総里見八犬伝が...続きを読む読め、実の世界で戯作者・馬琴と北斎の不思議な交流が読めて大満足。いずれ代表作ともいえる『忍法帳シリーズ』も読みたい!
最近公開された映画の原作。私たちの世代は八犬伝の映画といえば薬師丸ひろ子主演の角川映画を思い出す。 本作は山田風太郎の傑作と言っても良い。現実の滝沢馬琴の創作生活と北斎をはじめとする周囲との交流を描きながら、虚の八犬伝の物語を進めていく。これにより単に八犬伝の物語を読むだけでなく、28年もの歳月をか...続きを読むけた馬琴の苦労もひしひしと伝わる。そもそも八犬伝自体が現代でもファンタジーRPGに出来るレベルのクオリティだ。このはっちゃけた物語をお堅い馬琴が書いたという対比も非常に面白い。
北斎への読み聞かせという形が面白い。 子供の頃映画で見たうっすらとした記憶の八犬伝。玉が飛んでいく部分が強烈に記憶に残っていたので、書籍に出会えて良かった。 忍者以外の風太郎作品2つめ。 北斎の天才っぷりというか、アーティストっぷりも面白いが、滝沢馬琴に人間味が描かれているのが新鮮。
映画を観る前に読もうと買いました。 八犬伝のターン「虚」と、作者の滝沢馬琴と葛飾北斎がしゃべっているターン「実」という構成がおもしろいです。八犬伝、登場人物が多く複雑で相関図が欲しいー!と思いながら読みました。え?死んじゃうの?!と思ったところは、「実」ターンで北斎が突っ込んでくれました。私自身...続きを読むは馬琴と北斎の性格や暮らしぶりがおもしろく、『北越雪譜』の鈴木牧之が出てきたりと「実」ターンを読むのが楽しいです。八犬伝は本筋以外の補足?がたくさんあり、すごく長い物語だとはなんとなく知っていましたが、なるほどこういう感じで長くなっていったのかと「実」ターンでわかりました。 まだ上巻なので、下巻で八犬士が全員揃ってどんな結末を迎えるのか、また、馬琴と北斎やその周りの人々がどうなるのか楽しみです。
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