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Posted by ブクログ
朝日新聞、1994年10月~96年10月連載。山田風太郎、72歳~74歳。
タイトルから、日々の晩酌と夕食の献立、まわりで起こる出来事と追想、そんな軽妙なエッセイを予想していたのに、まったく違った。
本人も、最初は、老いや死についての飄々としたエッセイを書くつもりだったのに違いない(冒頭では「アル中ハイマー」というダジャレも飛ばしている)。しかし、そうはいかなかった。若い頃に言ったり書いたりした老いや死についてのアフォリズムが自分の身にふりかかる。(医者の不養生とはよく言うが、医学を勉強しただけあって、72歳までしっかり不養生していたからね。)
ただの老化、ただの白内障、ただの書痙、ただの頻尿だと思っていたのに……糖尿病とパーキンソン病、しかもかなり進んでいる、加えて大腿骨を骨折。入院治療のため、連載も途中で中断せざるをえなかった。半ばからは、エッセイは実況中継風になってゆく。でも、筆は冴えている。
山田風太郎は2001年7月28日に亡くなった。享年79。この7月28日は、彼の敬愛する江戸川乱歩の命日。乱歩先生もパーキンソンで苦しんだ。
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72歳となった自身の老いの自覚から、そこはかとなく始めた連載日記。余生が3年として約千回の晩御飯となることから、このタイトルに。
中でも人間の尊厳について考察する内容が過激。「痴呆になった老人は無意味な人生を送らざるを得ない、その老醜を避けて自殺しようにもその決断力と行動力さえなくなっている。では、醜い老人を減らすために・・」夏目漱石の「吾輩は猫である」を参考に風太郎先生独自の「老人大氾濫予防法」が現代版楢山節考で怖い!
また、こんな珍説皮肉も。「人間の1日のウンチ排泄量は平均150g。80年で約5トン。人間の最大の事業は一生に5トンの肥料を生産したことではあるまいか」
1994年から朝日新聞に連載開始した日記ですが、途中で白内障からの失明宣告、糖尿病、パーキンソン病と様々な病気が見つかり「あと千日」という見積もりが甘かったと反省、しかし結果的には2001年まで生きるので逆の意味で外れてよかった。
最後の風太郎先生の人物番付(敗戦後の復興立役者、亡国責任者、昭和の美女、日本の英雄)が意外性があり面白い。
Posted by ブクログ
山田風太郎 著「あと千回の晩飯」を読みました。
著者独特の死生観、老いへの提言をユーモアたっぷりに綴ったエッセイ集。
自分の余命を感じながら老いを生きていく人生観は、まだ想像がつきません。
おそらく、人生の折り返し地点を過ぎてしまったと思われる自分ですが、人生のゴールをどのような心境で走り終えられるのか、考えずにはいられませんでした。
著者のようなユーモアや皮肉を込めた辛辣な切り口で人生や世界を割り切ることができたら、老いの世界も悪くはないのではないかなと感じました。
自分はあと何回晩飯を食べられるのでしょうか。
家族と共においしく食べられる幸せをしっかり味わっていきたいと思いました。
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