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日本を代表するコリアンタウンである新大久保。一方ここ十数年で、ベトナム人、ネパール人をはじめ、東南アジア、インド、中東、中国などさまざまな国の人が学び、働き、暮らすようになっている。国内有数の多国籍タウンでいったいなにが起きているのか。その実態を見てみようとこの街に引っ越した著者が、人々との触れ合いを通して多彩な様相を綴った渾身ルポルタージュ。追加取材をもとに書き下ろした新章も収録。
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Posted by ブクログ
室橋裕和『ルポ新大久保 移民最前線都市を歩く』角川文庫。 2020年に刊行された単行本を加筆修正の上、追加取材をもとに書下ろした新章を追加収録。 なかなか興味深いルポルタージュであった。やはり東南アジアを始めとする外国人たちのバイタリティには感服する。日本人が様々な分野で世界からどんどん置き去り...続きを読むにされていくのも理解出来る。 日本を代表するコリアンタウンである新大久保には様々な国の人びとが集まり、多国籍化が進行し、様変わりしていた。著者は新大久保の多国籍化の理由や外国人と日本人の暮らしぶりに興味を持ち、新大久保に移り住む。 人口の35パーセントが外国人という新大久保。移り住んでみれば、韓国人や中国人だけでなく、ベトナム、ミャンマー、ネパールや東南アジア、インド、中東など様々な国の人びとが暮らしていた。外国人が集まれば、外国人向けのインフラが揃い、各国の料理を提供する店が集まり、さらに多国籍化が進んでいく。 そんな新大久保も東日本大震災の福島第一原発事故で韓国人と中国人が国に帰り、代わってベトナム人、ミャンマー人、ネパール人などが流入して来たと言う。さらには新型コロナにより、新大久保の街は新陳代謝が進み、ますますカオス化が加速しているようだ。 確かに東京に行くと外国人の多いことに驚く。街を歩いている外国人も多いが、留学生やワーキングホリデーの利用者なのだろうか外国人がコンビニや食堂などで働いている姿もよく見る。 ひと昔前の地方では、外国人といえばフィリピンパブのお姉ちゃんくらいしか居なかったが、最近では地方でもコンビニで働く外国人の姿をちらほらと見掛けるようになった。そして、彼らはオタクっぽい日本人バイトよりも優秀なのだ。 また、地方では技能実習生という名目で来日したアジア系の外国人が数人並んで歩いたり、自転車に乗ったりして買物に行く姿をよく見掛ける。勿論、激安スーパーなどで数人で相談しながら、様々な食材を購入している姿も目撃する。 正直に言って日本の地方にこれだけの外国人が流入して来るとは思わなかった。もしかしたら、新大久保は将来の日本の姿なのかも知れない。 本体価格880円 ★★★★★
コリアンタウンから多国籍タウンに移り変わった新大久保の人々と著者の交流が書かれたルポ。 昨今の移民問題というとマイナスなイメージばかりたが、本書に出てくる外国人たちは友好的で勤勉で向上心のある人たちばかり。移民との共生を考える上で参考になる本。
新大久保といえば、コリアンタウンのイメージだが、山手線の西側に行けばベトナム、ネパール、インドなど様々な人種が入り混じる多民族混在の街になる。なんと、新大久保には150もの国の人々が住んでいるらしい。 多文化が入り混じる新大久保ならではの商売や文化が紹介されていて面白かった。例えばネパール専門の...続きを読む送金会社など。ネパールのどんな小さい地方銀行にも日本で稼いだお金を送金できるそう。確かに自分がネパールの銀行にお金を送ろうと思ってもどうしたらいいかわからない。 文庫本では、新大久保の今を追った書き下ろしがあり、黎明期に日本に移住した韓国人の高齢化等の問題が取り上げられていた。 異国の文化が混じり合い、もちろん問題がないわけではないが、ポジティブな側面も多々あると感じた。移民商売人の生命力に当てられてより交流の進んだ開かれた街になっていくことを願う。
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