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〈魔法治療師のティーショップ〉シリーズ
無実の罪で逃亡中の治療師エルウィンがたどり着いたのは、ある村外れの一軒の家。無人のようだが、彼女を歓迎するかのように、目に見えない何者かの手で料理が振る舞われ、寝台まで整えられていた。ここは主を迎えたがっている治療師の家なのだ。もう治療師の仕事をするつもりはなかったが、しばし身を隠すつもりで滞在して村の女性たちの心配事を聞いているうちに、さまざまな症状に効くハーブティーを出すティーショップを開くことになってしまう……。〈(株) 魔法製作所〉の著者が贈る、不思議な村を舞台にしたお茶と謎のコージーファンタジイ。 -
わたしが幽霊だった時
季節は夏。昼下がりの林道は家に続いている。歩きながら(事故だわ!)ふいにそう思った。なにかが変。事故に遭ったって思うんだけど、頭がぼやけてて何も思い出せない。気がついたら、ここ歩いてるんだもの。あたしいま何着てるんだろう。わからないから下を見た。体がない! あたしは生垣を通り抜け、ドアを通り抜けて家のなかに入った。宙に浮きながら。部屋じゃ、だいっ嫌いな姉さんや妹たちが相変わらずのけんか。誰もあたしのこと気づきゃしない。あたし、幽霊になっちゃったんだ……でも、なぜ? 現代英国を代表する著者が贈る、おかしくてほろ苦くも暖かい時空を超えた物語。/解説=金原瑞人 -
星天の兄弟
ある王国の田舎の村に高潔な学者が住んでいた。学者には母親のちがう息子が二人おり、兄は賢く弟は美しかった。ある時、王国の第二王子が学者の評判を聞きつけ、自分の家庭教師にと招いた。王子は聡明で学者も喜んで教えたが、王子に父王に対する反乱を企んでいるとの疑いがかけられ、学者も捕らえられてしまう。幼くして罪人の子という重い軛(くびき)を背負うことになってしまった兄弟。互いを思いやりながら別々の道をゆく二人の運命は? 〈天山の巫女ソニン〉シリーズで人気の著者が家族とは何か、絆とは何かを問う感動のファンタジイ。 -
ペレス警部シリーズ
新年を迎えた凍てつく夜、孤独な老人マグナスを訪れたのは、ふたりの女子高校生だった。ひとりは金髪、もうひとりは黒髪――そう、まるで彼が助けた、傷ついた大鴉の羽根のようにつややかな。だが、四日後の朝、黒髪のキャサリンは死んでいた。大鴉の群れ飛ぶ雪原で、赤いマフラーを喉に食い込ませて……。地元のペレスと本土のテイラー、二人の警部が見いだしたのは、八年前の少女失踪事件との奇妙な相似。誰もが顔見知りの小さな町で、誰が、なぜ、彼女を殺したのか? 試行錯誤の末にペレスが掴んだ悲しき真実とは? 英国本格派の新旗手が、冬のシェトランド島の事件を細密な筆致で描き出す、CWA最優秀長篇賞受賞作。/解説=川出正樹 -
〈マーダー・ミステリ・ブッククラブ〉シリーズ
ミステリが大好き、クリスティが大好きなアリシアとリネットの姉妹が出した読書会──ブッククラブのメンバー募集の告知に応えてきたのは、古着ショップの女性オーナー、毒薬ミステリ好きの医師、平凡な主婦、図書館員の女性に博物館勤務のゲイの男性といった面々。はじまりは順調だったが、二回目の読書会で早くもトラブルが。主婦のバーバラが会場に現われなかったのだ。どうやら前日から家にも帰っていないらしく、事件に巻きこまれたのかもしれない。アリシアはブッククラブのメンバーの協力のもと、彼女をさがし始めるが……。〈マーダー・ミステリ・ブッククラブ〉シリーズ開幕。 -
〈イモージェン・クワイ〉シリーズ
セント・アガサ・カレッジは、ケンブリッジ大学屈指の貧乏学寮。その学寮付き保健師(カレッジ・ナース)イモージェン・クワイのもとに、卒業生で国際的大企業の経営者の訃報が届いた。アルコール依存症の治療施設に入っていたところ、誤って崖から転落したという。だがその数か月前に、イモージェンは彼から、さまざまな相手に命を狙われていると打ち明けられていた。イモージェンはその死に疑念を抱いて調べはじめるが、事件はカレッジにとんでもない危険をもたらす……。『ウィンダム図書館の奇妙な事件』にはじまる、〈イモージェン・クワイ〉シリーズ第3弾!/解説=若林踏 -
〈ワニの町へ来たスパイ〉シリーズ
新町長シーリア就任のせいで、シンフルの町はいまだ落ち着かない。長年、行方不明だったシーリアの怪しい夫も現われ、不穏さは増すばかり。そんななか、ハリケーンが襲来、困難な状況をあまたくぐり抜けてきたフォーチュンも、自然災害にはお手上げだ。なんとかやり過ごしてほっとしたのもつかの間、嵐はとんでもない置き土産を残していっていた……。今度は、偽札に殺人?! フォーチュンに公私ともども最大級の危機が迫る! 型破りすぎな老婦人ふたりの助けを借りて、フォーチュンは町と自分の窮地を救えるか? 好評〈ワニ町〉シリーズ第7弾!/解説=柿沼瑛子 -
ロンドン幽霊譚傑作集
19世紀ヴィクトリア朝、文化・産業ともに飛躍を遂げた大都市ロンドン。その栄華の陰では、犯罪のもたらす恐怖、そして超自然がもたらす恐怖が蔓延していた――晴れ渡ったケンジントン・ガーデンズの一角で目に見えぬ何かと交信する、美しき寡婦を巡る愛憎劇を主軸とした出色のサスペンス「ザント夫人と幽霊」。アイルランドのバンシー伝説を背景に、野心家の外科医が運命の奇蹟に遭遇する「ハートフォード・オドンネルの凶兆」。周囲から憧憬を集めた愛らしい令嬢が、死に際に抱いた最後の願いを描く「揺らめく裳裾」ほか、魔都ロンドンを舞台に贈る様々な趣向のゴースト・ストーリー13篇を収録する。集中12篇が本邦初訳。/【目次】ザント夫人と幽霊 ウィルキー・コリンズ/C―ストリートの旅籠(はたご) ダイナ・マリア・クレイク/ウェラム・スクエア十一番地 エドワード・マーシー/シャーロット・クレイの幽霊 フローレンス・マリヤット/ハートフォード・オドンネルの凶兆 シャーロット・リデル/ファージング館の出来事 トマス・ウィルキンソン・スペイト/降霊会の部屋にて レティス・ガルブレイス/黒檀の額縁 イーディス・ネズビット/事実を、事実のすべてを、なによりも事実を ローダ・ブロートン/女優の最後の舞台 メアリ・エリザベス・ブラッドン/揺らめく裳裾(もすそ) メアリ・ルイーザ・モールズワース/隣牀(りんしよう)の患者 ルイーザ・ボールドウィン/令嬢キティー ウォルター・ベサント、ジェイムズ・ライス/編者あとがき――魔の都(みやこ)、霊の市(まち) 夏来健次 -
〈イモージェン・クワイ〉シリーズ
ケンブリッジ大学の貧乏学寮セント・アガサ・カレッジ。カレッジの学寮付き保健師(カレッジ・ナース)イモージェン・クワイの家に下宿する学生フランが、ある数学者の伝記を執筆することになった。今は亡きその数学者は立派な人物ではあったものの、生涯であげた目覚ましい業績はただひとつだけ。しかも、フランは伝記を手掛ける初めての人物ではなかった。伝記の執筆がこれまで途切れてきた原因は、数学者の経歴でどうしても詳細が不明な1978年の夏の数日間にありそうで……。好評『ウィンダム図書館の奇妙な事件』に続く、実力派作家によるシリーズ第2弾登場!/解説=古山裕樹 -
騎士団長アルスルと翼の王
人間を滅ぼすほど危険な人外、六災の王討伐をかかげる鍵の騎士団。率いるのはかつてレディ・がっかりとよばれていた前皇帝の娘アルスルだ。新皇帝の要請を受けた騎士団は、六災の王の一体である隕星王の眷属、ワシ人外との戦いで疲弊した城郭都市アンゲロスの救援にむかう。一方、アルスルの護衛官となったルカは、アルスルへの恋心を抱きつつも、身分のちがいから想いを告げられずにいた。ところがアンゲロス公爵と対面した晩、ルカはとても奇妙な双子の夢を見たのだった。変わり者の少女の成長と戦いを描く、人気の『皇女アルスルと角の王』続編。/解説=乾石智子 -
〈ワニの町へ来たスパイ〉シリーズ
独立記念日を迎えたシンフルの町。だがアイダ・ベルとガーティの宿敵シーリアが新町長の座につくなり、保安官を解任する暴挙に出たとあっては、フォーチュン含めた三人は祝賀ムードではいられない。そんなとき、湿地で爆発が発生。密造酒の製造所での事故かと思いきや、現場の建物で作られていたのは覚醒剤だと判明する。爆発の巻き添えで友人が負傷してしまい怒りに燃えるアイダ・ベルたちと手に手を取って、フォーチュンは悪党探しにまっしぐら……CIAスパイ&おばあちゃんズの活躍はますますヒートアップ! 〈ワニ町〉シリーズ第6弾!/解説=池澤春菜 -
8つの完璧な殺人
雪嵐の日、ミステリー専門書店の店主マルコムのもとに、FBI捜査官が訪れる。マルコムは10年ほど前、もっとも利口で、もっとも巧妙で、もっとも成功確実な殺人が登場する犯罪小説8作を選んで、ブログにリストを掲載していた。ミルン『赤い館の秘密』、クリスティ『ABC殺人事件』、ハイスミス『見知らぬ乗客』、アイルズ『殺意』……。捜査官によると、そのリストの“完璧な殺人”の手口に似た殺人事件が続いているという。犯人は彼のリストに従って殺しているのか? 著者のミステリーへの愛がふんだんに込められた、謎と企みに満ちた傑作長編!/解説=千街晶之 -
寒波
冷えこみの厳しい十一月の朝。P分署にはいった通報が、アパートの一室で起きた二重殺人を知らせる。被害者は部屋で同居していた兄妹。化学者の兄とモデルの妹、仲の良いふたりを誰がなぜ殺したのか。ロヤコーノ警部とディ・ナルド巡査長補は即時捜査を開始する。いっぽう、署を訪れた中学校教師に受け持ちの女子生徒が家族に虐待されているという疑念を打ち明けられ、ロマーノとアラゴーナは確認のため学校に赴くのだが……。ナポリの街で発生する事件を解決するため、型破りな刑事たちは悩み、怒り、走る! 21世紀の〈87分署〉シリーズ第3弾。/解説=三橋曉 -
赤ずきんの森の少女たち
神戸に住むかりんはお菓子作りが得意な高校生。祖母の遺品の中にあったドイツ語の本を従兄の慧に訳してもらい、一緒に読んでいくことにする。そこに書かれていたのは、19世紀末の寄宿学校を舞台にした少女たちの物語だった。赤ずきん伝説の残るドレスデン郊外の森、学校で囁かれる幽霊狼の噂。校内に隠された予言の書と宝物の言い伝え。読み進むうちに、二人は物語と現実を結ぶ奇妙な糸に気づく。そして浮かんできたひそかな悪意……。『ぬばたまおろち、しらたまおろち』の著者がグリム童話をもとに描いた神戸とドイツの不思議な絆の物語。 -
だからダスティンは死んだ
そのふた組の夫婦は、よく晴れた風の強い日に、屋外パーティーで知り合った。――版画家のヘンは、夫のロイドとともにボストン郊外に越してきた。パーティーの翌週、ふたりは隣の夫婦マシューとマイラの家に招待される。だがマシューの書斎に入ったとき、ヘンは二年半前のダスティン・ミラー殺人事件で、犯人が被害者宅から持ち去ったとされる置き物を目にする。マシューは殺人犯だと確信したヘンは彼について調べ、跡をつけるが……。複数視点で語られる物語は読者を鮮やかに幻惑し、衝撃のラストへなだれ込む。息もつかせぬ超絶サスペンス!/解説=村上貴史 -
英国クリスマス幽霊譚傑作集
ヴィクトリア朝期、ディケンズ『クリスマス・キャロル』がベストセラーとなって以降、聖夜の訪れに伴って出版社は作家に怪奇小説の新作を依頼し、特別なシーズンの贈り物として大衆に届けた――幽霊をこよなく愛するイギリスの国民性に根ざす慣例から生まれた作品を、数々の怪奇幻想小説を紹介する翻訳家が精選する。古屋敷に招かれた男が鏡の中に見た幻影「鋼の鏡、あるいは聖夜の夢」、もの悲しい海岸の村で起きたゴシック的怪異を綴る「海岸屋敷のクリスマス・イヴ」、奇妙な下宿で女性が体験する恐怖の一夜「メルローズ・スクエア二番地」など、知られざる傑作から愛すべき怪作まで13篇を収録。集中12篇が本邦初訳。/【目次】クリスマス・ツリー チャールズ・ディケンズ/死者の怪談 ジェイムズ・ヘイン・フリスウェル/わが兄の幽霊譚 アメリア・B・エドワーズ/鋼の鏡、あるいは聖夜の夢 ウィリアム・ウィルシュー・フェン/海岸屋敷のクリスマス・イヴ イライザ・リン・リントン/胡桃邸の幽霊 J・H・リデル夫人/メルローズ・スクエア二番地 セオ・ギフト/謎の肖像画 マーク・ラザフォード/幽霊廃船のクリスマス・イヴ フランク・クーパー/残酷な冗談 エリザベス・バーゴイン・コーベット/真鍮の十字架 H・B・マリオット・ワトスン/本物と偽物 ルイーザ・ボールドウィン/青い部屋 レティス・ガルブレイス/編者あとがき 夏来健次 -
〈ワニの町へ来たスパイ〉シリーズ
保安官助手カーターとの初デート成功に浮かれるフォーチュンのもとに、朝から凶報が届く。いまだ空席のシンフル町長の座に、アイダ・ベルやガーティの宿敵シーリアが立候補したのだ。彼女が当選したら、CIAのスパイという自分の正体が明るみに出かねない。三人が当選阻止に動こうとした矢先、カーターからSOSが飛びこんできたと知らされる。緊急捜索の果て、銃撃されて沈みゆくボートから間一髪救出するが、カーターはそのまま病院行きに。ブレーキ役不在の三人組が、犯人さがしのため町を史上最大の混乱に陥れる〈ワニ町〉シリーズ第5弾!/解説=穂井田直美 -
〈刑事ハービンダー・カー〉シリーズ
高齢者向け共同住宅に住む90歳のペギーが死んだ。彼女は推理小説の生き字引のような人物で、“殺人コンサルタント”と名乗り、多くの作家の執筆に協力していた。死因は心臓発作だったが、ペギーの介護士ナタルカはその死に不審を抱き、刑事ハービンダーに相談しつつ、友人二人と真相を探りはじめる。しかしナタルカたちがペギーの部屋を調べていると、覆面の人物が銃を手にして入ってきて、一冊の推理小説を奪って消えた。謎の人物は誰で、なぜそんな不可解な行動を? 『見知らぬ人』の著者が贈る、本や出版界をテーマにした傑作謎解きミステリ!/解説=杉江松恋 -
長い別れ
酔っぱらい男、テリー・レノックスと友人になった私立探偵フィリップ・マーロウ。大富豪の娘との夫婦関係が破綻したテリーは、なんとか彼女と元の鞘に収まったようだったが、ある日、突然現われ、メキシコまで送ってほしいとマーロウに頼んできた。そして彼を送り届けて戻ったマーロウは勾留されてしまう。テリーには妻殺しの嫌疑がかっていたのだった。彼は自殺、マーロウには、ギムレットを飲んですべて忘れてほしい、という手紙が届く……。男の友情を描いたチャンドラー畢生の大作を、これ以上望むべくもない名手渾身の翻訳で贈る新訳決定版。/解説=杉江松恋 -
悪い弁護士は死んだ
その日は犯罪捜査部のベックストレーム警部にとって、人生最良の日だった。マフィアお抱え弁護士として警察を悩ませてきたエリクソンが殺されたのだ。ベックストレームは部下を率いて捜査を開始。殺害場所は被害者の自宅らしく、死因は鈍器による殴打、部屋からは被害者が発射した銃弾の跡が発見された。だが奇妙なことに、主人が殺害された四時間後に、飼い犬が喉を掻き切られて殺されていたのだ。なぜ犯人はわざわざ引き返して犬を殺したのか。エリクソンを恨んでいた人物は多数いるはずだが……。CWAインターナショナル・ダガー賞最終候補作。 -
アリスが語らないことは
大学卒業を数日後に控えたある日、ハリーは父親が事故死したという知らせを受ける。急ぎ実家に戻ると、傷心の美しい継母アリスが待っていた。葬儀の翌日、ハリーは刑事から意外な話を聞かされる。父親は海辺の遊歩道から転落して死亡したが、その前に何者かに殴られていたという。しかしアリスは父の死について話したがらず、ハリーは疑いを抱く。――これは悲劇か、巧妙に仕組まれた殺人か? 過去と現在を行き来する2部構成の物語は、ある場面で、予想をはるかに超えた展開に! 『そしてミランダを殺す』の著者が贈る、圧巻のサスペンス!/解説=吉野仁 -
ジェームズ・ボンド・シリーズ
「恥辱を与えて殺害せよ」――ソ連国家保安省内の殺害実行機関SMERSH(スメルシュ)へ、死刑執行命令が下った。標的は英国秘密情報部の腕利きのスパイ、007のコードを持つジェームズ・ボンド。かつてソ連側に敗北をもたらした彼を陥れるために、SMERSHの作戦計画立案者が送りこんだのは、英国秘密情報部が飛びつくに違いない、魅力的な餌を抱えた国家保安省の美女だった。ヨーロッパとアジアが交わる混沌の都市イスタンブールやオリエント急行を舞台に、巧妙に張りめぐらされた二重三重の罠。最大の危機がボンドを襲う! 新訳で贈るシリーズ最高傑作。/解説=戸川安宣、小山正 -
〈ワニの町へ来たスパイ〉シリーズ
シンフルの町に身分を偽り潜伏中のスパイであるわたしフォーチュンは、いろいろあって保安官助手カーターとのディナーの日を迎えていた。ところが、そこにカフェの店員アリーの家が火事だと連絡が入る。幸い彼女は無事だったが、原因が放火と判明してはほうっておけない。アリーはこの町で初めてできた、大事な同年代の友人なのだから。けれど、誰からも恨まれそうにない彼女がなぜ? カーターの警告を無視して、わたしは町を知りつくした年上の友人ふたりアイダ・ベルとガーティとともに行動を開始する。大好評に応えて贈る〈ワニ町〉第4弾!/解説=♪akira -
アーサー王ここに眠る
ブリテン島、紀元五百年頃。ひとりの司令官に率いられた、荒々しい騎馬の男たちの集団が農場を襲い火を放った。燃えさかる屋敷から、命からがら逃れたみなしごの少女グウィナは、奇妙な風体の男に救われる。鷹のような風貌の男の名はミルディン。ブリテン島の統一を目指す司令官、アーサーに仕える吟遊詩人だった。言葉を巧みに操り、人々の心を手玉に取る不思議な男。グウィナはミルディンのもとで、彼の企みに手をかすことになる。カーネギー賞受賞。『移動都市』の著者がアーサー王伝説を新たな視点から語り直した傑作ファンタジイ。 -
〈刑事ハービンダー・カー〉シリーズ
これは怪奇短編小説の見立て殺人なのか?──イギリスの中等学校タルガース校の旧館は、かつてヴィクトリア朝時代の作家ホランドの邸宅だった。クレアは同校の英語教師をしながら、ホランドを研究している。10 月のある日、クレアの親友である同僚が殺害されてしまう。遺体のそばには“地獄はからだ”という謎のメモが。それはホランドの怪奇短編に繰り返し出てくる文章だった。事件を解決する鍵は作中作に? 英国推理作家協会賞受賞のベテラン作家が満を持して発表し、アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長編賞受賞へと至った傑作ミステリ!/解説=大矢博子 -
龍の刻
恐るべき力を秘めた古(いにしえ)の呪術品〈アーリマンの心臓〉を手に入れた黒魔術師。彼は〈心臓〉の用法に熟達した大神官を3000年間の死から蘇生させた。世界再編のためネメディア国を動かし、西方のアキロニア国を打ち倒すのだ。かの国の王は北の国から訪れた蛮族の子孫――その名をコナンといった。だが勇猛果敢をもって鳴るコナンさえ、大神官の妖術の前では虜囚となり果てる。逆襲はなるか? 30歳で夭折した天才作家が創造し、すべてのヒロイック・ファンタジーの源(みなもと)となった傑作シリーズを、最新の校訂研究にもとづいて贈る全集はここに完結する。/【収録作】「龍の刻」/資料編「I・M・ハワード博士からH・P・ラヴクラフトへの手紙」/「I・M・ハワード博士からE・ホフマン・プライスへの手紙」/解説=中村融 -
世界怪奇実話集 屍衣の花嫁
推理小説ファンが最後に犯罪実話に落ちつくように、怪奇小説愛好家も結局は、怪奇実話に落ちつくのが常道である。なぜなら、ここには、なまの恐怖と戦慄があるからだ――伝説の〈世界恐怖小説全集〉最終巻のために、英米怪奇小説翻訳の巨匠・平井呈一が編訳した幻の名アンソロジー『屍衣の花嫁』が、60年の時を経て、〈東西怪奇実話〉海外篇としてここに再臨! 怪奇を愛し霊異を尊ぶ、古き佳き大英帝国の気風がノスタルジックに横溢する、遠き世の怪談集。ハリファックス卿やE・オドンネルら、英国怪奇実話を代表する幽霊ハンターが集結!【収録作】1「インヴェラレイの竪琴弾き」/「鉄の檻の中の男」/「グレイミスの秘密」/「ヒントン・アンプナーの幽霊」/「エプワース牧師館の怪」/「ある幽霊屋敷の記録」/2「死神」/「首のない女」/「死の谷」/「女好きな幽霊」/「若い女優の死」/「画室の怪」/「魔のテーブル」/「貸家の怪」/「石切場の怪物」/「呪われたルドルフ」/「屍衣の花嫁」/「舵を北西に」/「鏡中影」/「夜汽車の女」/「浮標」/3「ベル・ウィッチ事件」/解説=平井呈一/新版解説=東 雅夫 -
たとえ天が墜ちようとも
高級住宅街の路地で女性の遺体が発見された。刑事マックスは、目撃者の証言から被害者の夫である刑事弁護士プルイットに殺人の疑いをかける。プルイットは、長年ともに働いた仲間である引退した弁護士ボーディに潔白を証明してくれと依頼した。ボーディは弁護を引き受けたが、それは命の恩人である親友のマックスと敵対することを意味していた。たとえ友情を失おうとも、正義を為すべく対決する、検察側の証人マックスと弁護人ボーディ。予想外の展開となる陪審裁判を制するのはどちらか? 『償いの雪が降る』の著者が描く、激動の法廷ミステリ!/解説=若林踏 -
その裁きは死
【ミステリランキング4冠! 第1位『このミステリーがすごい! 2021年版』海外編・第1位〈週刊文春〉2020ミステリーベスト10 海外部門・第1位〈ハヤカワ・ミステリマガジン〉ミステリが読みたい! 海外篇・第1位『2021本格ミステリ・ベスト10』海外編】実直さが評判の離婚専門の弁護士が殺害された。裁判の相手方だった人気作家が口走った脅しに似た方法で。現場の壁にはペンキで乱暴に描かれた数字“182”。被害者が殺される直前に残した謎の言葉。脚本を手がけた『刑事フォイル』の撮影に立ち会っていたわたし、アンソニー・ホロヴィッツは、元刑事の探偵ホーソーンによって、奇妙な事件の捜査にふたたび引きずりこまれて──。年末ミステリランキングを完全制覇した『メインテーマは殺人』に並ぶ、シリーズ第2弾! 驚嘆確実、完全無比の犯人当てミステリ。/解説=大矢博子 -
魔法使いのウエディング・ベル
この二年ほどの間、魔法の戦い(マジカルバトル)を戦い、陰謀の黒幕と対決し、魔法界のマフィアに潜入し、さまざまな任務を全うしてきた。だが、このミッションほど緊張したことはない。愛するオーウェンとの結婚式のために、ウエディングドレスのセールで最高の一着を手に入れるのだ。友人たちの協力を得て作戦開始。ところが、会場で魔法を使ったいざこざが発生。大勢の人々が魔法を目撃してしまう。誰かがわざと魔法を人目にさらそうとしている? ケイティはオーウェンの反対を押し切り、調査を始めるが……。大人気シリーズ、ついにグランドフィナーレ! -
ごきげんいかが、ワトスン博士
1889年夏。アイリーン・アドラーと親友のペネロピーは、パリで意識を失った男性を助ける。偶然にも、彼はペネロピーが家庭教師をしていたときの知人クウェンティンだった。医師の診察により、昏倒したのは毒物が原因だと判明するが、彼は詳細を語らない。だが、アイリーンの家で療養中に狙撃されたことで事情を打ち明ける。かつて戦場で助けられた軍医に迫る危機を知らせるため、危険を承知で彼を捜しているというのだ。軍医の名はワトスン――。アイリーンたちはアフガニスタンに端を発する事件をめぐり、名探偵ホームズとまたもや相まみえる! -
秘密
1961年、少女ローレルは母が突然現われた男を刺殺するのを目撃した。男は近隣に出没していた不審者だったため、母の正当防衛は認められた。しかしローレルには警察には話せない秘密があった。男は母に「やあ、ドロシー、久しぶりだね」と言ったのだ。二人は知り合いだった! 50年後、大女優となったローレルは死期の近い母の過去をさぐりはじめる。あの事件の真相は? そして母の本に挟まれていた写真の見知らぬ女性は誰か? 本に残された署名ヴィヴィアンとは? 『忘れられた花園』の著者が新たなる迷宮へと読者を誘う。傑作ミステリ。 -
チャイルド・ファインダー 雪の少女
周囲を雪と氷に覆われた山。両親の車から降りた5歳の少女は、次の瞬間深い森に消えていた。折しも降り始めた雪は吹雪となり少女の足跡を消して、捜索を困難にした。3年の月日がむなしく過ぎ、みな少女は死んでしまったものと考えた……少女の両親以外は。そして両親は、“子ども見つけ屋(チャイルド・ファインダー)”のナオミに最後の望みを託した。自らも過去に消すことのできない傷を負ったナオミは、行方不明の子どもを見つけ出すことに自分のすべてを捧げていた。生きていようが死んでいようが、必ず見つけ出す。深い森に閉ざされた山のなか、ナオミの闘いが始まる。 -
飢え渇く神の地
死の神ダリヤが支配する西の砂漠。遺跡の地図を作ることを生業とする青年カダムは、探索を終えて落胆しながら帰宅した。十年前、遺跡の調査に行くと言い残したまま、西の砂漠に消えた家族の行方を探し続けているのだ。もう見つからないのかもしれない。そんなある日、レオンという若い宝石商が、カダムを道案内に雇いたいと言ってきた。どうやら治安警護隊に追われているらしい。カダムは渋々引き受けるが、彼らが砂漠の奥深くに迫ったとき、そこに眠る恐るべき秘密が目を覚ます……。第2回創元ファンタジイ新人賞受賞の著者が贈る意欲作!/解説=乾石智子 -
魔法使いにキスを
免疫者(イミユーン)のはずなのに、〈月の目〉を破壊した時の衝撃でどういうわけか魔法を使えるようになったケイティ。本業のマーケティングが暇なため、同様に魔力が戻ったボーイフレンドのオーウェンに魔法の使い方を教わる毎日だ。そんなある日、ケイティはアシスタントのエルフの様子がおかしいことに気づく。〈魔法使いがエルフを抑圧している〉というビラが配られ、(株)MSIに勤めるエルフたちも動揺しているというのだ。周囲では、エルフたちが次々と姿を消しはじめる。ひそかに調査に乗り出したケイティとオーウェン。やがてふたりの身にも敵の魔の手が伸びる……。大人気シリーズ第7弾。 -
魔法無用のマジカルミッション
(株)MSIのマーケティング部長ケイティは退屈していた。魔法の悪用を企てる輩に勝利をおさめたのはいいが、競争相手のいない市場でのマーケティングなど、サルでもできる。そんなとき、魔力を失ったのを好機と、魔力をもつ者が読むと正気を失う古写本の解読にいそしんでいたオーウェンが、とんでもないことに気づいた。権力への渇望を生み出し、他者を支配する力を与える危険な石〈月の目〉が、こともあろうにニューヨークのティファニーに現れたというのだ。放っておけば、世界中が大混乱に陥ってしまう。オーウェンはケイティとともに追跡を開始する。大人気シリーズ第6弾、セカンド・シーズン開幕。 -
スーパーヒーローの秘密
(株)MSIに復職するため、ニューヨークに戻ったケイティ。ところが久しぶりの出勤の朝、地下鉄内でいきなり魔法を使った犯罪の現場に出くわす。どうやらライバル会社スペルワークスの仕業らしい。魔法の悪用を企む輩を阻止すべく立ちあがった、伝説の大魔法使いマーリン率いる(株)MSI。切り札はマーケティング部長に昇進したケイティのカスタマーカンファレンス。愛するオーウェンの協力も得て、計画は順調に進むかに見えた。だがカンファレンスのさなか、敵の陰謀がオーウェンを襲う。そしてついにオーウェンの出生の秘密が明らかに……。大人気のロマンチックファンタジー第5弾! -
女王のジレンマ
公園で見つかった奇妙な死体。70年代のディスコ全盛期の服装で、外傷はないが、怯えた表情をしている。現場を調べていた刑事マイケルは、側に妖精がいることに気づく。その妖精によると、新しい女王の命を受けた部下たちが、人間と、女王に忠誠を誓うことを拒んだ妖精を追放しているのだという。死体の男も、妖精界から追放された人間だった。だが、新たな女王になったソフィーがそんなことをするはずはない。妖精界で何が起きているのか? マイケルは新米女王のソフィーと共に妖精界に乗りこむ。〈(株)魔法製作所〉の著者の新シリーズ第2弾。 -
ニューヨークの妖精物語
俳優を夢見てNYにやってきたエミリーは、念願かなって舞台で主役を獲得し脚光を浴びたその晩、忽然と姿を消してしまった。だが、姉のソフィーにはわかっていた。妹は妖精にさらわれたのだ。なぜならソフィーはかつて妖精の世界を訪れ、踊りを教えてもらったから。今頃になってあのときの対価を支払えというのか? とはいえ、警察に話しても信じてはもらえまい。ソフィーは、エミリーの友人の親切な刑事マイケルの追及をかわしつつ、妹を捜し始める。『ニューヨークの魔法使い』の著者が贈る、ロマンティックな現代のフェアリーテイル開幕。 -
旧神郷エリシア 邪神王クトゥルー煌臨!
風の邪神イタカを退けたのち、ふたたび時空往還機に乗り探索の旅へと出立したド・マリニーとモリーンがボレアに帰還した。シルバーハットらとの再会を喜ぶも束の間、タイタス・クロウより突然の知らせが入る。最も恐るべき脅威、あのクトゥルーとその邪神どもがついに蠢きはじめた不吉な兆しが見られるという。やつらが決起したら、地球のみならず、全宇宙さえ危うい! クロウがいる善なる旧神たちの地〈エリシア〉へ、なんとしても行かねばならぬ――そう決心したド・マリニーはわずかな手がかりをもとに、エリシアへと急遽旅立つのだが……。〈タイタス・クロウ・サーガ〉最終巻!/解説=鵺沼滑奴 -
ボレアの妖月
風の巫女アルマンドラと婚姻し、ボレアの台地の将軍となった、精神感応能力者シルバーハット。台地民の尊敬を集め、よく地を制していたが、探索の途中で、地平線の彼方に墜ちゆく物体を目撃する。それこそは、アンリ‐ローラン・ド・マリニーの乗った時空往還機であった! だが、墜落の際、時空往還機がイタカ軍の手に落ちてしまう。これなくしては、ボレアからの脱出も、邪教集団との闘いも困難を極める。シルバーハットは、ド・マリニーと共に奪還を決意するが、風の邪神イタカの魔手が、ボレアに、そして愛するアルマンドラに迫りつつあった。邪神と人類の闘争を描きクトゥルー神話体系に新風を巻き起こした伝奇ホラー、長編第5弾。/解説=鵺沼滑奴 -
青玉は光り輝く
予言された12番目のタイムトラベラーであることが判明したグウェンドリンは、タイムトラベル能力の調整のために行う“時間消化”中に、若き日の祖父に出会った。絶好のチャンスとばかりギデオンや〈監視団〉のメンバーには内緒で、ルーシーとポールがクロノグラフを盗んで逃亡した謎を解明しようと画策する。クロノグラフが12人のタイムトラベラーの血を読みこんだとき、いったい何が起きるのか? そしてグウェンドリンに固執するサンジェルマン伯爵の思惑は? ドイツで100万部突破。大人気のタイムトラベル・ファンタジー3部作、第2弾! -
コブの怪しい魔法使い
故郷の田舎町、テキサス州コブに戻って三カ月、ドラゴンや邪悪な魔法使いの襲撃を心配する必要のない日々が続いている。あこがれのオーウェンと互いの気持ちを確かめ合ったのも束の間、彼の最大の弱点が自分だという、ロマンス小説のヒロインのような立場に立たされてしまったケイティ。魔法の悪用を企む一味との戦いの足手まといになるまいと、ニューヨークをあとにしたのだった。ところが、魔法とは縁のないはずのコブの町で、魔法のにおいのする事件が発生。ケイティは(株)MSIに助けを求める。大家族が繰り広げるてんやわんやをさばきつつの大奮闘、果たしてその結末は? おしゃれでロマンチックなファンタジー第4弾。 -
赤い靴の誘惑
ケイティ・チャンドラー26歳。ニューヨークに出てきて1年余り。やっと自分の能力をいかせる職場と巡り合い、どうやら彼氏のいない生活からも卒業の気配。一見順風満帆のようだが、やはり人生そううまくはいかないもの。スパイ事件が発生し、社内の雰囲気は最悪に。魔法に免疫のあるケイティがスパイ事件の調査を任され、ただでさえ目が回るほどの忙しさのなか、なんとテキサスからパパとママがやってくるという。つき合いはじめたばかりの、会社の顧問弁護士で免疫者(イミユーン)仲間イーサンの協力で、なんとか無事乗りきれると思った矢先、ママが変なものが見えると言い出した。危うし、ケイティ! 好評〈(株)魔法製作所〉第2弾。 -
石と星の夜
ギルデアの使節が暗殺されたことで、ギルデアとアトーリスの和平交渉は決裂。アトーリス王室の諜報員ステランは、仲間内に敵に通じている裏切り者がいるとの情報を得て、懸命に捜査を行う。一方、戦火を逃れて最果ての地フォーディル村に身を寄せていたリーヴたちは悲しみに包まれていた。故郷テス王国を守るべく戦っていた父が戦死したのだ。迫りくるギルデアの脅威に、立ち向かう連合国。フィーンの預言者が謳った英雄はどこにいるのか? アトーリス王国が極秘裏に開発を進める恐るべき兵器の正体は? 風雲急を告げる、好評シリーズ第2弾。 -
冬のフロスト
【第1位『IN★POCKET』2013文庫翻訳ミステリーベスト10/総合部門/作家部門/読者部門/翻訳家&評論家部門】寒風が肌を刺す一月。デントン署の管内では、いつものように事件が絶えない。二ヶ月以上も行方の知れない8歳の少女に続き、同じ学校に通う7歳の少女も姿を消す。売春婦殺しは連続殺人に発展し、ショットガンを振りまわす強盗犯に、酔ったフーリガンの一団、“怪盗枕カヴァー”といった傍迷惑な輩が好き勝手に振る舞う、半ば無法地帯だ。われらが名物親爺ジャック・フロスト警部は、とことん無能で好色な部下の刑事に手を焼きつつ、人手不足の影響でまたも休みなしの活動を強いられる……。史上最大のヴォリュームで贈る、大人気警察小説第5弾。 -
休日はコーヒーショップで謎解きを
拳銃を持って押し入ってきた男は、なぜ人質に“憎みあう三人の男”の物語を聞かせるのか? 意外な真相が光る「二人の男、一挺の銃」をはじめ、腕利きの殺し屋に次々と降りかかる予測不可能な出来事を描く「残酷」、殺人事件が起きたコーヒーハウスで、ツケをチャラにするため犯人探しを引き受けた詩人が探偵として謎解きを繰り広げる黒い蘭中編賞受賞作の「赤い封筒」など9編。正統派推理短編、私立探偵小説、ヒストリカル等、『日曜の午後はミステリ作家とお茶を』で人気を博した短編の名手が贈るとっておき! ごゆっくりお楽しみください。【収録作】まえがき/「ローズヴィルのピザショップ」/「残酷」/「列車の通り道」/「共犯」/「クロウの教訓」/「消防士を撃つ」/「二人の男、一挺の銃」/「宇宙の中心(センター・オブ・ザ・ユニバース)」/「赤い封筒」/編訳者あとがき -
ケイトが恐れるすべて
ロンドンに住むケイトは、又従兄のコービンと住まいを交換し、半年間ボストンで暮らすことにする。だが、到着した翌日に、アパートメントの隣室の女性オードリーの死体が発見される。オードリーの友人と名乗る男や、アパートメントの向かいの棟の住人の話では、彼女とコービンは恋人同士だが、まわりには秘密にしていたという。そしてコービンはケイトに、オードリーとの関係を否定する。嘘をついているのは誰なのか? 見知らぬ他人に囲まれた、ケイトの悪夢の四日間が始まる。ミステリ界を席巻した『そしてミランダを殺す』の著者の衝撃作!/解説=川出正樹 -
リガの犬たち
スウェーデン南部の海岸に、一艘のゴムボートが流れ着いた。中には、二人の男の死体が抱き合うように横たわっていた。共に射殺。身に付けた高価なスーツからするに漁師や船員ではなさそうだったが、身元を示すような物は何もなく、ボートには製造元すら書かれていなかった。彼らはいったい何者なのか? 検死医の報告によれば、どうやら海の向こう、ソ連か東欧の人間らしいのだが……。小さな田舎町の刑事に過ぎないヴァランダーは、思いもよらない形でこの国境を超えた事件の主役を演じることになるのだった! 話題のスウェーデン警察小説、第2弾。 -
そしてミランダを殺す
ある日、ヒースロー空港のバーで、離陸までの時間をつぶしていたテッドは、見知らぬ美女リリーに声をかけられる。彼は酔った勢いで、1週間前に妻のミランダの浮気を知ったことを話し、冗談半分で「妻を殺したい」と漏らす。話を聞いたリリーは、ミランダは殺されて当然と断じ、殺人を正当化する独自の理論を展開してテッドの妻殺害への協力を申し出る。だがふたりの殺人計画が具体化され、決行の日が近づいたとき、予想外の事件が起こり……。男女4人のモノローグで、殺す者と殺される者、追う者と追われる者の攻防が語られる鮮烈な傑作犯罪小説。/解説=三橋曉 -
犯罪心理捜査官セバスチャン 白骨
道に迷ったトレッキング中の女性が偶然見つけたのは、泥に埋まった人骨だった。山中に埋められた六人の遺体。大人が四人、子どもが二人。ずいぶん前に埋められたらしく白骨化していたが、頭蓋骨には弾痕があり、殺されたものと思われる。早速トルケル率いる殺人捜査特別班に捜査要請が出された。トルケルは迷ったあげく、有能だがトラブルメーカーのセバスチャンにも声をかける。家に居座ってしまったストーカー女にうんざりしていたセバスチャンは、渡りに舟とばかりに発見現場のイェムトランド県に同行する。史上最強の迷惑男セバスチャン再び登場。 -
深夜の市長
昼とは全く別の姿を見せる真夜中の東京“大都市T”。奇怪な人々が闇に潜む不思議な都市を支配するのが、謎の老人・深夜の市長である。ある晩の殺人事件をきっかけに、彼の存在を知った僕。果たして深夜の市長の正体は? 傑作都市ミステリ「深夜の市長」。祖父とも思う資産家の老人が亡くなった後、少年が取った行動が予想外の事態を招く「仲々死なぬ彼奴」。人間の興奮をグラフにした“興奮曲線”によって、殺人犯を特定した博士が陥った悲劇を描く「キド効果」など珠玉の11編を収録。日本SFの先駆者にして唯一無二の奇想で彩る作品を描いた著者の真髄を示す、傑作ミステリ短編集。 -
狂乱廿四孝/双蝶闇草子
三世澤村田之助、江戸末期から明治初期にかけて一世を風靡した歌舞伎の名女形。舞台の最中の怪我から脱疽となり結果として四肢を切断せざるを得なかった悲劇の名優である。明治3年、異彩の画家・河鍋狂斎の描いた幽霊画を発端とした連続殺人事件が、猿若町を震撼させる。幽霊画には歌舞伎界を揺るがす秘密が隠されているらしい――。滅び行く江戸の風情とともに、その事件の顛末を戯作者見習いのお峯の目を通して丁寧に活写した、第6回鮎川哲也賞受賞作『狂乱廿四孝』に、その後のお峯たちの姿を描いた未完の長編ミステリ『双蝶闇草子』を付す。/解説=浅野里沙子 -
晴れた日の森に死す
ノルウェーの森の奥で、独り暮らしの老女が殺害された。被害者は玄関先の階段で血まみれになり、左目に鍬が突き刺さっていた。第一発見者の少年が、忌まわしい存在として知られる、精神病院に入院中の青年エリケを現場で目撃していた。捜査陣を率いるセイエル警部は、エリケを容疑者だと決めつける者たちの偏見の言葉に左右されず、冷静に証言や手がかりを集めていく。しかし信じがたい事実が判明する。エリケは近くの街の銀行強盗事件に巻きこまれ、銃を持って逃走する犯人の人質となっていた……。ガラスの鍵賞受賞作家が贈る衝撃のミステリ!/解説=ヘレンハルメ美穂 -
ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密
名ヴァイオリン職人ジャンニのもとに一挺のグァルネリが持ちこまれた。天才演奏家パガニーニ愛用の名器“大砲(イル・カノーネ)”で、コンクールの優勝者エフゲニーがリサイタルで弾く予定だった。修理を終えた翌日、リサイタルに来ていた美術品ディーラーの撲殺死体が発見される。彼はホテルの金庫に黄金製の箱を預けていた。中にはエリーザという女性がパガニーニに宛てた1819年の古い手紙があり、彼女がパガニーニに何かを贈ったことが書かれていた。殺人事件解明の手がかりなのか? 名職人にして名探偵が“悪魔のヴァイオリニスト”をめぐる謎に挑む!/解説=青柳いづみこ -
ささやかで大きな嘘
最初は子供同士のトラブルだった……。海辺の公立幼稚園、その夜のパーティに子供たちの歌声はなく、聞こえるのは罵り言葉と保護者の乱闘の音。そして保護者の一人が死亡。事故か? 殺人か? ……事の起こりは六カ月前、シングルマザーのジェーンの息子ジギーにいじめの疑いがかかった。本人はきっぱり否定するが、保護者たちは騒然。ジギーをいじめっ子と決めつける者、ジギーの言葉を信じる者に分かれ、険悪な雰囲気に。ジェーンは園で知り合った二人の友人とともに事態に立ち向かう。31カ国で翻訳、英米で150万部突破の傑作ミステリ登場。 -
霜の降りる前に
リンダ・ヴァランダー、まもなく三十歳。警察学校を修了して秋からイースタ署に赴任することが決まり、この夏は父クルトのアパートに同居している。久しぶりの故郷で、旧友ふたりとのつきあいも復活した。だが、その友人のひとりアンナがいきなり行方不明に。いなくなる直前にアンナは、彼女が幼いころに姿を消したままの父親の姿を見たと、リンダに告げていた。アンナになにが? 心配のあまり、まだ正式に警察官になっていないからと諫める父の制止を無視し勝手に調べはじめるリンダ。全世界で4000万部突破! スウェーデンミステリの巨匠マンケルの人気シリーズ。 -
消えた修道士
オー・フィジェンティの大族長が、和平協定締結のために、モアン王国を訪れたその時、大族長とモアン国王を何者かの矢が襲った。どちらも命に別状はなかったが、襲撃がモアン側の陰謀だというオー・フィジェンティの主張に、両国は一触即発の危機に。モアン国王は自国の潔白の証明を、妹で法廷弁護士でもある修道女フィデルマに託した。襲撃者はすでに殺されていた。フィデルマはわずかな証拠を頼りに、相棒エイダルフ修道士と共に、襲撃に使われた矢の出処と思われるクノック・アーンニャに向かう。美貌の修道女が名探偵。好評シリーズ、長編第7弾。 -
白の祝宴 逸文紫式部日記
時は平安。都の人々の注目を集めているひとりの女性がいた――その名は紫式部。かの『源氏物語』の著者だ。式部には、あまり知られていない顔がある。彼女は都の謎を鮮やかに解き明かす名探偵でもあったのだ。折しも、帝が寵愛する女性が待望の親王を出産し、白一色で飾られ沸き立つ土御門邸。しかし、そのきらびやかな祝宴のさなか、都を騒がせている怪盗が逃げこんだとの報が入る。彰子にこわれて出仕していた式部は、『紫式部日記』編纂のかたわら、推理をめぐらせるのだが……。怪盗の行方は? そして書物にこめた式部の思いとは? 第13回鮎川哲也賞受賞作家が描く王朝推理絵巻、第2弾。/解説=細谷正充 -
半身
門をいくつも抜け、曲がりくねった小径をたどった奥にある石の迷宮――ミルバンク監獄。1874年の秋、テムズ河畔にそびえるこの牢獄を慰問のために訪れたわたしは、不思議な女囚と出逢った。19歳のその娘シライナは、監獄じゅうの静けさをかき集めたよりも深い静寂をまとっていた。なぜこんな人が、こんなところに? すると、看守から聞かされた。あの女は霊媒なの。戸惑うわたしの前に、やがて、秘めやかに謎が零れ落ちてくる……。魔術的な筆さばきの物語が終局に至って突きつける、青天の霹靂のごとき結末。サマセット・モーム賞など多くの文学賞に輝く本書は、魔物のように妖しい魅力に富む、絶品のミステリ! -
もう年はとれない
思いかえせば、戦友の臨終になど立ちあわなければよかったのだ。どうせ葬式でたっぷり会えるのだから。捕虜収容所でユダヤ人のわたしに“親切とはいえなかった”ナチスの将校が生きているかもしれない――そう告白されたところで、あちこちガタがきている87歳の元殺人課刑事になにができるというのだ。だがその将校が金の延べ棒を山ほど持っていたことが知られて周囲が騒がしくなり、ついにわたしも、孫に助けられながら、宿敵と黄金を追うことに……。武器は357マグナムと痛烈な皮肉。最高に格好いいヒーローを生みだした、鮮烈なデビュー作!2013年マカヴィティ賞新人賞受賞作、『IN★POCKET』2014年文庫翻訳ミステリーベスト10/読者部門第1位。 -
チャーチル閣下の秘書
アメリカで育ったわたしが、ロンドンで暮らしはじめて1年余り。その間、この国はナチス・ドイツと開戦し、チャーチルが首相になり、そしていま、空襲の時が迫っていた。そんな折、首相官邸での職の話が舞い込んでくる。数学の能力を活かせる秘書官ではなく秘書としてのオファーだが。女性にタイプとファイリングしかまかせようとしないこの国に苛立ちを感じながらも、わたしはその誘いを受け入れる。官邸を取り巻くいくつもの謀略が、待ち構えていることなど知るはずもなく。才気煥発なマギーが体当たりで陰謀に挑む、魅力のシリーズ開幕編。MWA賞、バリー賞、ディリス賞ノミネート! -
犯罪心理捜査官セバスチャン
「息子が帰ってこないんです」ヴェステロース警察にかかってきた一本の電話、それがすべての始まりだった。少年は心臓をえぐり取られた死体で発見された。センセーショナルな事件に、国家刑事警察の殺人捜査特別班に救援要請が出された。メンバーはリーダーのトルケル以下四人の腕利き刑事。そこにひとりの男が加わった。男の名はセバスチャン・ベリマン、心理学者で殺人捜査特別班の元トップのプロファイラー。だがこの男、自信過剰で協調性ゼロ、アドレナリンとセックス中毒、捜査中でも関係者を口説いて寝てしまう、はた迷惑な奴だったのだ。スウェーデンを代表する脚本家がタッグを組んだ、注目の北欧ミステリ。 -
あの魔女を殺せ
グロテスクな生(いき)人形の作り手として、賛辞を集める常世三姉妹。彼女たちの人形にはまるで人の魂が宿っているかのような迫力があり、世界中の好事家を魅了していたが、一方でその人形作りについて黒い噂が囁かれていた。三姉妹の新作発表の場に立ち会うことになったフリーライター・麻生真哉は、六歳の娘とともに群馬の山中にある彼女たちの拠点である館に向かう。ところが新作発表会の夜、三姉妹の長女が殺害される。現場はほぼ密室。館も孤立状態となり、残された姉妹は、館中を捜索し始めるが――。ある魔術を受け継ぐ一族を巡る驚愕の事件を巧みに描いた、鮎川哲也賞作家の意欲作。 -
案山子の村の殺人
楠谷佑のペンネームで活動する僕ら合作推理作家の、次の新作は山奥の寒村を舞台にした本格ミステリになる予定だ。しかし真舟のプロットは仕上がったものの、執筆担当の僕の作業が捗らない。田舎の村に行ったことがないからだ。だったら、と大学の友人に勧められ、旅館を営む彼の実家がある宵待村に、僕と真舟は旅行に出掛けたが、そこで本物の事件に巻き込まれることになるとは、僕たちはまったく想像していなかった。案山子だらけの宵待村で、案山子に毒の矢が射込まれ、別の案山子が消失し、ついに殺人事件が勃発する。現場はいわゆる雪の密室の様相を呈していた。推理作家の大学生コンビ、篠倉真舟と宇月理久が謎解きに挑む。 -
シャーロック・ホームズは引退しました
名探偵シャーロック・ホームズの物語が人気を博する1932年、こちらロンドンはベイカー街。ホームズの作中住所に建つアビー・ロード住宅金融組合には、かの探偵の実在を信じる人々から依頼の手紙が届き続ける。組合で働くハリエットは、そんな手紙にひたすら「シャーロック・ホームズは引退しました」と断りの返事をタイプする日々を送っていた。しかしあるとき、メイドの失踪にまつわる切実な依頼を読んだ彼女は、ホームズの秘書を名乗り自ら調査に乗り出すことに……。名探偵に代わり挑む、変装、尾行、推理。清新なミステリシリーズ、堂々封切り!/解説=北原尚彦 -
イザベラ・バード、日出ずる国で妖怪に出会う
明治11年夏、奥州を縦断して蝦夷地を目指す英国人女性がいた。その名はイザベラ・バード。お供は通訳兼従者の若者伊藤鶴吉と英国からついてきた小妖精ディル&ジンジャーだ。一行は行く先々で妖怪に出くわし、思わぬ事件に巻きこまれる。本当に恐ろしいのははたして妖怪か人間か。旅を続けるうち、好奇心旺盛なイザベラと無口な鶴吉は少しずつ心を通わせていくが、鶴吉はある秘密を抱えていた。ヴィクトリア朝の英国を飛び出した実在の女性旅行家(レディ・トラベラー)が、日常と非日常のあわいをたゆたう謎に挑む、レトロで新鮮な正統派歴史冒険ファンタジイ!/解説=小出和代 -
警官レイチェル&看護師サラの事件簿
婚約者に裏切られ、深く傷ついた警察官のレイチェルは、豪華客船で看護師として働く親友のサラに誘われて、2週間の地中海クルーズに参加した。素敵なディナーや美術品オークションなどで船旅を楽しんでいたが、寄港したリスボンで、同じ船の乗客が何者かに突き飛ばされ、トラックの下敷きになるという事件が発生。レイチェルは船で親しくなった男性が現場から走り去っていく姿を見て不審に思い、サラと協力しつつ、事件を調べ始める。――でも船内で、どうやって捜査すればいいの? 警察官と豪華客船つきの看護師、親友同士の女性たちが謎に挑むコージーミステリ・シリーズ開幕! -
夜色表紙の本
それは濃紺の革表紙に星座が型押しされた、薄い小さな冊子だった。父が文字を書き、意匠と飾り文字は叔父が、細密画は母が描いた。〈夜の写本師〉である三人が彼のために書いてくれたものだ。その『夜色表紙』が消えた。戦争に行くといって家を出た息子が持っていったのか? 訃報のみがもたらされた息子。『夜色表紙』には必ず自分のもとに戻ってくるという魔法がかけられているはず。戻ってこないのなら息子は生きているかもしれない。息子の消息を求め〈護符師〉ヴァニバスは旅立った……。人気の〈オーリエラントの魔道師〉シリーズ。/【目次】夜色表紙/影の馬/森林監督官/大地女神(イルモア)の罠/あとがき -
修道女フィデルマの慧眼 修道女フィデルマ短編集
聖人の亡骸が眠る地への巡礼に加わったフィデルマ、そこで心臓をひと突きされた修道女の死体が見つかり捜査することに……「祝祭日の死体」。ラーハン王国で催される大祭を訪れたフィデルマとダロウの修道院長ラズローンが、エールの飲み比べ競争の最中に死んだ闘士の事件に挑む「夜の黄金」。ドーリィーとして殺人および窃盗の罪で告発されている少年の弁護を引き受けたフィデルマが真相に迫る「撒かれた棘」など全5編を収録。法廷弁護士にして裁判官、アイルランド全土を旅する修道女探偵フィデルマが、事件を鮮やかに解決する。短編集第6弾。/【目次】祝祭日の死体/狗のかへり来りて……/夜の黄金/撒かれた棘/尊者の死/訳註/解説=♪akira -
ロンドン・アイの謎
12歳の少年テッドは、姉のカットといとこのサリムとともに、巨大な観覧車ロンドン・アイに乗りに出かけた。チケット売り場の長い行列に並んでいたところ、見知らぬ男がチケットを1枚だけくれたので、サリムだけがたくさんの乗客に交じって、観覧車のカプセルに乗りこんだ。だが一周して降りてきたカプセルにサリムの姿はなかった。閉ざされた場所からなぜ、どうやって消えてしまったのか?──「ほかの人とはちがう」頭脳で大人顔負けの推理を駆使する少年テッドが謎解きに挑む! カーネギー賞受賞作家が贈る、清々しく胸を打つ長編ミステリ。/解説=千街晶之