国内小説 - 講談社作品一覧
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4.4大正15年の年の瀬、12月25日の午前1時過ぎ、陸軍省軍務局の少佐・竹田耕三のもとに、待ちに待った男子が誕生した。志郎と名付けられた子供は、その後、親である耕三と共に満州事変の調査の密命のため、不穏な空気の立ち込める中国大陸へ渡る。 一方そのころ北陸・金沢では、侠客一家・矢野辰一が、敵対する一家に落とし前をつけるため、組長宅に乗り込んだ。帰宅した矢野が目にしたのは、預かっていた哀れな女工の出産と、母親の死だった。矢野は生まれてきた孤児を四郎と名付け、自分の手元で育てることにする。 ところ変わって、東京神保町の出版社で進歩的な雑誌「群青」の編集者として働く森村タキは、社会運動家の夫との間に女の子を出産。イプセンの「人形の家」の主人公にあやかり、ノラと名付けたその子を、身勝手な夫と別れたあとシングルマザーとして育てていくことを決意する。 さらに、中国は大連のジャズマン・五十嵐譲二は、ジャズ楽団の年越しパーティの最中に生まれた子供を満と名付け、満と共に、開戦後の中国大陸を転々としながら、なんとか興業を続けていく。 大正天皇が崩御し、昭和天皇が即位した激動の瞬間に生まれた子供たちは、時代やそれぞれの親の影響を受けながら、政治、裏社会、婦人活動、興業と全く異なる世界で成長をし、数奇な出会いと別れを繰り返すなどしながら、戦争の時代から終戦を経て、高度経済成長期の昭和日本を精いっぱい生きていく。 昭和100年、戦後80年に生まれる、壮大な昭和史サーガ三部作。第一部は、親世代の視点を中心に、大正天皇の崩御から太平洋戦争開戦までを描く。
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4.5★★★★★ 「すみません」の大安売りはもうやめた! 72歳の殺し屋が、「モラハラ」「カスハラ」「介護は娘」……全部まとめてぶっとばす! ★★★★★ 口を開けば「すみません」、理不尽には「しょうがない」。 更年期に悩む52歳・榊冴子はパート先で舐められ、実家では介護要員にされかけ、冴えない日々を過ごしていた。 ある日、レジで迷惑客を撃退するド派手なジャージの老女に遭遇。山田グロリアという名の彼女の正体は、齢72にして凄腕の殺し屋だった! 「私、今からでも変われますか?」 束縛夫に軟禁された親友を救うため、冴子はグロリアに弟子入りを志願する――。 読後のスカッと絶対保証! 怒ることを諦めてきたあなたに読んでほしい、自分自身を取り戻すリベンジ・アクション!
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5.0数学を愛し、数学から愛されている上杉和典。 ライバルの早逝に触れ、大学受験目前に医学部に進学することに決めたが、まだ数学研究者の夢を諦められないでいた。 そんな矢先、父が膵臓癌であることが判明。さらにフランスの学会に出ていた母がアルプスの麓で自動車ごと崖に転落、遭難してしまった。当局に問い合わせをするも確認が取れず、生存率が下がる72時間以内に救出するため和典はフランスに向かう。 小学生時代、探偵チームKZ(カッズ)を組んでいた小塚、黒木、美門、七鬼が、そして立花彩が母親の捜索に力を貸す! 母は助かるのか、そして和典と彩の関係はどうなるのか……。 藤本ひとみ先生から読者の皆様へのメッセージも掲載!
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-きみはあの事故で、わたしを忘れてしまった。 きみは描こうと決意する。事故で亡くした幼馴染――わたしの姿を。 第16回小説現代長編新人賞奨励賞受賞! いま注目の著者の一番泣けるデビュー作! 芸術を通して死者と向き合うといった普遍的な取り組みに、 死者視点の二人称と、さらにはSF的な趣向を加えた技巧的な意欲作。――宮内悠介 記憶喪失、アップデートされる幻覚、さらに夢を用いながら大切だった人を思い出していくという、とても凝った造りの作品で強く惹きつけられた。――薬丸岳 完成間近の卒業制作を酷評された蒼介は、事故で亡くした幼馴染・明音をテーマに絵を描き直そうと決意する。だが蒼介は、彼女にまつわる記憶を完全に失っていた。明音の情報を集めるうち、蒼介のイメージを投影した幻覚・アカネが現れる。固く蓋をした過去にたどり着くまでの、苦しくも力強い再生の物語。
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5.02022年10月、テレビアニメがスタートする大人気サッカー漫画、待望のノベライズ!! 2018年、W杯で日本代表はベスト16敗退。これを受け日本フットボール連合はW杯優勝のため育成寮・ブルーロックを設立。300人の高校生FWを集め「エゴイズムにあふれるストライカー」の育成に乗り出した。育成の指揮を執るのは謎の男・絵心甚八。無名のFW、潔世一をはじめ300人はたった一つの椅子に座るため非情なセレクションに挑む!栄光かそれとも永遠の敗北か!?くたばれ日本サッカー! 青い夢を見るために!! <小学上級・中学から すべての漢字にふりがなつき>
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-言論はいかに弾圧され、口を封じられるのか。どうやって人々は生き延びるのか。 台風の如く、人々を翻弄し、敗戦に至る日本の行く末を決定した天皇機関説事件。 「昭和百年」に「合法無血のクーデター」の真相に迫る。 評伝『江藤淳は甦える』の著者による、天皇と憲法をめぐる人間ドラマ! 宮沢俊義は蓑田たちから次のターゲットとされていた。昭和十年には危うい位置に座っていたのである。美濃部の後を継いだ憲法学の少壮教授は、いかに巧みにサバイバルしたか。それは当人には棘となり、良心は痛み続け、戦後にまで尾を曳く。美濃部とは違う宮沢の「小さい」ありよう。それを他人事として批判するだけではすまされない。大なり小なりあの「小さい」ありようは当時の人々に内在していた。当時に限定することなく、いまの我々、いや私にもそれがあることを認めざるを得ない。史料を注意深く読んでいくと、その「小さい」ありようは、東京帝大出の官僚にも、政治家にも、それどころか、首相で海軍大将の岡田啓介にも、はるか上の「最後の元老」西園寺公望にも、雲の上の昭和天皇にも分有されていたのではないかとも思えてきた。けっして他人事ではないのだ。(あとがきより)
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3.7ついに封印を解かれたのは、著者初の「ノワール小説集」。嗜虐と背徳によって黒く塗りこめられた衝撃作! 深海魚 Secret Sanctuary 高校生の真央は友だちも彼氏もいないうえ、クラスメイトからいじめられていた。そんな真央が安息を得られるのは押入れの中だけだった。真っ暗にすると「海の底」のようで……。 楽園の破片 A Piece of Paradise ニューヨーク発の急行列車は遅れていた。ボストン美術館での講演会でスピーチをする予定の響子は焦る。もうひとりの話者のレイとは7年間の不倫関係を清算したばかりだった。 指 Touch 私は私大の日本美術史博士課程の2年生。家庭を持つ彼の研究室で助手をしている。ある週末に奈良の室生寺を訪れ、ずっと手をつないでいる私たちは、どう見ても不倫カップルだ。 キアーラ Chiara アッシジには10年ぶりの再訪だった。亜季は文化財の修復科のある芸術大学を休学して20歳で渡伊し、長年フレスコ画修復の修業をしていたところ、中部の大地震に見舞われ……。 オフィーリア Ophelia わたくしは絵の中の囚われ人。水に浸ってあとひと息で命が絶えるその瞬間を、生き続けています。ロンドンから日本へ連れて来られたわたくしが目撃した、残虐な復讐とは……。 向日葵(ひまわり)奇譚 Strange Sunflower 超売れっ子の役者・山埜祥哉の舞台の脚本を書きたくて、脚本家の私は、ゴッホが主人公の脚本を完成させる。が、脚本が仕上がった直後に、ゴッホらしき人物の奇妙な写真を入手して……。
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3.5身体に埋め込んだチップで複数の娯楽を同時に楽しむ時代。子供達の将来の夢は「ええ愛」が大人気。完璧な等質教育で名高い保育園で、オフラインに拘るママ友の観察は最高のエンタメだった…。「推子のデフォルト」ほか、マンション最上階に住む家族を滑稽に描く「マイ・イベント」を収録。世界が注目する作家がえぐり取る最恐リアルな全2編! スマホ依存、管理教育……私たちはどこへ向かうのか? 本谷有希子が愛用するAI・マルスラによる解説を収録。 「推子のデフォルト」 子供達を<等質>に教育する人気保育園に娘を通わせる推子は、身体に超小型電子機器をいくつも埋め込み、複数のコンテンツを同時に貪ることに至福を感じている。そんな価値観を拒絶し、オフライン志向にこだわるママ友・GJが子育てに悩む姿は、推子にとっては最高のエンターテインメントでもあった。 「マイ・イベント」 大規模な台風が迫り河川の氾濫が警戒される中、防災用品の点検に余念がない渇幸はわくわくが止まらない。マンションの最上階を手に入れ、妻のセンスで整えた「安全」な部屋から下界を眺め、“我が家は上級”と悦に入るのだった。ところが、一階に住むド厚かましい家族が避難してくることとなり、夫婦の完璧な日常は暗転する。
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-冴えない容貌、天才的な頭脳、人の幸せを第一に考える稀代のお人好し弁護士、百瀬太郎。 大福亜子と入籍を果たし、まだ式は挙げられていないものの、結婚生活にも少しずつ慣れてきた、そんな時。 福引きの一等賞で、とんでもない「景品」をもらったという相談が……。 いつもより、事件も謎も、喜びも驚きも、超特盛! 累計58万部突破!の大人気シリーズ「猫弁」、第2シーズンここに完結! 婚約から3年かかってやっと入籍した百瀬と大福亜子。 しかしまだ、結婚式を挙げられていなかった。 ある日、亜子の勤め先、ナイス結婚相談所に思わぬ客が訪れる。 百瀬法律事務所の事務員、仁科七重だった。 亜子にしか叶えることのできない「願い」があるらしい。 百瀬は、ひなた商店街の野原鮎太の相談を受けていた。 福引きで当たった一等賞の「景品」。 そのせいで、夫婦の間に亀裂が走ったそうだ。 次から次へと迫り来る事件を、百瀬は乗り越えられるのか?
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4.5変人に、恋をした! 仕事のやる気ゼロ、歴代彼氏は1人だけ。 編集者・一葉は恋愛コラムを書くはめになり、「専門家」に取材を申し込むが――!? 雑誌編集者・一葉は悩んでいた。 憧れのモデルに恋愛コラムの連載を依頼するも、原稿を代筆する羽目になったのだ。 交際経験が少なく自信がない一葉は、 「恋愛を研究するスペシャリスト」の噂を聞いて大学を訪れる。 だが、そこで出会ったイケメンはとんでもない変人で!? 恋のヒントが詰まったシリーズ第1作! ☆登場人物紹介☆ 柴田一葉:カルチャー雑誌の編集者。ファッション誌志望で、今の仕事にやる気が出ない。 椎堂 司:大学教員。「野生動物の求愛行動」にしか興味がない変わり者。イケメン。 灰沢アリア:伝説のスーパーモデル。女王様気質で、周囲をたびたび振り回す。
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5.0名判官だった祖父・失踪した父・重責に戸惑う息子――町奉行を家職とする三代それぞれの葛藤を描く。 18歳の草壁総次郎は、何の前触れもなく致仕して失踪した父・藤右衛門に代わり、町奉行となる。 名判官と謳われた祖父・左太夫は、毎日暇を持て余す隠居後の屈託を抱えつつ、 若さにあふれた総次郎を眩しく思って過ごしている。ある日、遊里・柳町で殺人が起こる。 総次郎は遺体のそばに、父のものと似た根付が落ちているのを見つけ、また、 遺体の傷跡の太刀筋が草壁家が代々通う道場の流派のものではないかと疑いを持つ。 さまざまな曲折を経て、総次郎と左太夫はともにこの殺人を追うことになるが、 果たして事件の真相と藤右衛門失踪の理由とは。 第165回直木賞、第34回山本周五郎賞候補『高瀬庄左衛門御留書』の砂原浩太朗が描く、 令和の時代小説の新潮流「神山藩シリーズ」第三弾。 ~「神山藩シリーズ」とは~ 架空の藩「神山藩」を舞台とした砂原浩太朗の時代小説シリーズ。 それぞれ主人公も年代も違うので続き物ではないが、統一された 世界観で物語が紡がれる。
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-◎3000万PVを獲得したヤバすぎる夫婦の実話◎ ウェブマガジン「mi-mollet」で累計3000万PVに達し大バズリ中で、人気漫画「さよなら私のクズ旦那」(Kiss)の原案ともなった大人気連載が待望の電書化! これってほんとに実話? 目を、耳を疑うノンフィクション作品です。 ◎2歳の娘のトイレトレーニング中に「ぼくもおトイレできるよ」と主張する夫 ◎都心のタワマン在住なのに生活費を全然くれない夫 ◎重度障害児がいるのに、外で浮気をくり返す夫 ◎「少子化を食い止める」と主張し、婚外子を作りまくる夫 ◎夜の寝室で、妻の財布から1000円抜く夫 ◎年下妻を家庭と病院で働かせたおす開業医の夫 そんなクズ旦那、本当にいるのか?????と思いますよね? あり得ない! と思われそうですが、すべて実話。 しかも、これは掲載エピソードのごく一部です。 でも、ひどいクズ旦那から逃れて前向きに歩み始める女性たちの物語は爽快! 腹は立つけど、最後にはじーんときたりします。 徹底した取材をもとに、女性たちの「生きなおし」と「クズ旦那からの勝利」を描いた渾身のノンフィクションです!
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4.0※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 これは文学×ファッションで起こす事件だ! 日本を代表する豪華執筆陣とカリスマ的ヴィンテージデニムブランドによる豪華アンソロジー。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
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3.8第47回野間文芸新人賞候補作! ここで暮らしていた人々の存在の証を、ただ、描きとめておきたい。 三田文學新人賞でデビューした注目の小説家が、傑出した完成度で紡いだあたらしい建築文学。 ********************** いしいしんじ氏&松永K三蔵氏、推薦! 「大切に建てられた一軒の家に、ひとの気配がやどる。流れる時のすきまから、あまたの声がもれだしてくる。いつかまた、この本のなかに帰ってこようと思った。」 ――いしいしんじ 「紐解かれていく「時の家」の記憶は、語られなかった想いに繋がる。物質(モノ)がこれほど繊細に語り得る小説を私は知らない。」 ――松永K三蔵 ********************** 青年は描く。その家の床を、柱を、天井を、タイルを、壁を、そこに刻まれた記憶を。 目を凝らせば無数の細部が浮かび、手をかざせば塗り重ねられた厚みが胸を突く。 幾層にも重なる存在の名残りを愛おしむように編み上げた、新鋭による飛躍作。 【装幀】水戸部 功
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-すべての香りに物語がある。時代も距離も超えて辿る、美しく哀しい記憶の旅。香りと人と時間が奏でるショートストーリー。フランスで刊行され高く評価された作品を、著者自ら邦訳した幻想的な一冊。 ************************** 悲しみの匂いとはどんなものだろう。人の気配を匂いから感じることがあるが、不在の匂いとはどんなものだろうか。 誰かが死ぬとき、この世界の秘密の一部は永遠に失われてしまう。 人はみずからの秘密を抱えてあの世に旅立つ。残されたものにできることは、物語を語ることだけ。それが真実か否かは一生わからないまま。 秘密はどのような匂いをさせているのだろう。〈本文「ニューヨークで」より〉
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3.6高齢者の疾患全般を診る老坂クリニック。院長の小町先生には短歌の趣味があり、治療に応用も。現役医師作家が描く書下ろし医療小説! 東京・自由が丘にある老坂クリニックは「老年内科」を看板に掲げる、高齢者の疾患全般を診る診療所。ちょっとした坂を上り切ったところにあり、お年寄りにはきつい。医師は2人。普通の高齢者の治療がしたいと言って、都心の大学病院から移ってきた31歳の山里羊司医師と、赤茶色に髪を染めた68歳のベテラン・老坂小町院長だ。小町先生には短歌の趣味があり、患者への診察メッセージを短歌に込めるという特技を持つ。それが治療に役立っているのかは不明だが。そして集まってくる患者は狙いどおりお年寄りばかり。今回の診療項目には、エンディングノート、白内障、免許返納の三つが並ぶ。
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3.8中華店とんこつの一員でいるため奇怪な努力を続けるわたし。 ナゾの読後感に唖然・鳥肌ッ!! へんてこ小説の金字塔! ***** 常識ってなんやったっけ?と、おかしな展開になっていく。面白不気味。 ――3時のヒロイン・福田麻貴 1/11放送「王様のブランチ」(TBS系毎週土曜日 あさ9時30分より生放送) 根拠の薄い不安定な強さが周囲を引きずりこみ、世界を歪ませる―― そんな危うい実体を「ほらほら」と容赦なく描きだす今村夏子、無敵。 ――平松洋子(解説より) ***** 大将とぼっちゃんが営む町中華とんこつ。「いらっしゃいませ」もろくに言えない従業員のわたしは、接客対応マニュアル「とんこつQ&A」を自作し居場所を見つけたはずだった。あの女が新たに雇われるまでは――。表題作をはじめ、予想しえない展開に鳥肌が止まらない、ほのぼのと不穏が奇妙に交わる全4編! 「とんこつQ&A」 大将とぼっちゃんが切り盛りする中華料理店とんこつで働き始めた「わたし」。「いらっしゃいませ」を言えるようになり、居場所を見つけたはずだった。あの女が新たに雇われるまでは―― 「嘘の道」 姉の同級生には、とんでもない嘘つき少年がいた。父いわく、そういう奴はそのうち消えていなくなってしまうらしいが…… 「良夫婦」 いつもお腹を空かせている近所の少年・タム。彼の心を開くため、友加里は物で釣ることを考える。 「冷たい大根の煮物」 お金を借りて返さないことで有名な芝山さん。ずるずる仲良くなってしまった「わたし」は……
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4.0世界文学の旗手が紡ぐ、初の連作長篇三部作、完結! 響きあう言葉とともに地球を旅する仲間たちの行方は――。 国境を越えて人と人をつなぐ、新しい時代の神話 ヨーロッパで移民として生きるため、自家製の言語「パンスカ」をつくり出したHirukoは、 消えてしまった故郷の島国を探して、仲間たちと共に船の旅に出る。 一行を乗せた船はコペンハーゲンからバルト海を東へ進むが、 沿岸の港町では次々と謎めいた人物が乗り込んできて――。 言葉で結びついた仲間たちの、時空を超えた出会いと冒険を描く、多和田葉子の新たな代表作。 『地球にちりばめられて』『星に仄めかされて』に続くサーガ、ついに完結!
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-「かえりたい。かえりたい! かえりたい!!」 ドロドロの食べ物、かけさせてもらえない電話、へんな薬。 少女は見知らぬ男の拘束から逃がれ、明け方の街を駆ける。 「おとうさんは、どこへいったの?」 恐怖、不安、孤独。どこへ行けばいいのかもわからない。 まだ暗い街で見つけたひと筋の灯り。 暖かな光に導かれた先はベーカリーだった。青いエプロンをつけた男の人がやさしく迎えいれてくれた。 「ようやくたどり着けた」 店中に広がる焼きたてパンの香りは少女の不安を溶かし、安堵でこころを満たした。 しかし……。 インディゲームクリエイター・yonaが手がけるNintendo switch(TM)・Steamで配信中のゲーム『ダレカレ』を、『英国妖異譚』『欧州妖異譚』『古都妖異譚』などのシリーズで人気を博する篠原美季が小説化。 ゲームに描かれた「誓い」を軸に小説オリジナルのエピソードを加えた、生きること信じることを問いかける感動の物語。
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4.7待望のリブラリアン・ファンタジー、再始動。 マツリカが、キリヒトが、帰ってきた。 囚われた魔女を救うべく、仲間たちは雷鳴轟く山峡の砦を目指す。 風が唸り、雷が轟く「霆ける塔」に囚われた図書館の魔女・マツリカ。宿敵ミツクビの罠にかかり、閉ざされた山城で彼女を待つのは、夜毎降り注ぐ稲妻と奇妙な因縁を背負う砦の主。脱出の糸口を探るマツリカを、新たな謎と出会いが待ち受ける。一方遠く離れた故郷では、ハルカゼ、キリン、そしてキリヒトたちが、マツリカ救出のため立ち上がる。 彼らは、わずかな手がかりと研ぎ澄まされた知恵を武器に、雪深い山脈を越え、未踏の隠し砦を追う! 強靭な意志と絆が試される極限状況の中、マツリカは、そして仲間たちは、この絶望的な状況を打ち破ることができるのか? メフィスト賞が生んだ弩級のファンタジー「図書館の魔女」。シリーズ最新作がついにそのベールを脱ぐ。
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4.0圧倒的な面白さ!!南北朝の動乱を描いた日本最大の軍記物語が、唯一無二の文体と圧倒的な面白さで生まれ変わる!大反響ロングセラー『口訳 古事記』に続く〈町田日本史〉、新たなマスターピース! 「どえらいことになりました。主上御謀反です」「マジか」 「マジです」―― 利権を求めて誰もが争い、混沌を極める世の中。なんでこんな事になってしまったのか? 鎌倉時代末期、権勢をふるう執権・北条高時に対抗し、武家政権の転覆をめざす後醍醐天皇の謀略はあえなく失敗。窮地に陥った帝の前に、天才戦略家・楠木正成が現れる――。智謀と裏切り、欲得と愚行と涙にみちた人の世の実相を、破天荒なスケールで描き尽くす、壮大な〈歴史人間絵巻〉!
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4.8致命的な心の傷を、人はいかにのりこえうるか? ささやくような美しい声で、答えてくれる物語。 (川上弘美 / 作家) 旅をするとき、人は同時に、命を見つめているのではないか。 (西加奈子 / 作家) この“旅”の体験と記憶は、いつまでも失われない。 自分もいつかは“最高の旅”を誰かとしてみたい。 人生に終わりはないのだ。 (小島秀夫 / ゲームクリエイター) あらすじ 「若年性アルツハイマーと宣告された男性、26歳。人生最後の旅の道連れ募集」。エミルは病院と周りの同情から逃れるため、旅に出ることにした。長くても余命2年。同行者を掲示板で募集したところ、返信が届いた。「高速道路の三番出口で待ち合わせしよう。こちらは、つばの広い黒い帽子にゴールドのサンダルに赤いリュック。どう?」。現れたのはジョアンヌと名乗る小柄な若い女性。自分のことは何も語らない。2人はとりあえず、ピレネー山脈に向けキャンピングカーで出発することにした。それは、驚くほど美しい旅の始まりだったーー。 爽やかな筆致で描く、命と愛、生きる喜びについての感動大長編。
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5.0『枕草子』『土佐日記』の昔から日本人に親しまれてきた「エッセイ」。「昭和軽薄体」の大ブームや芸能人エッセイの人気、そして高齢者エッセイの百花繚乱ぶりなど、いつの世も「エッセイ」は時代とともにある。 では「エッセイ」とは何か? 「随筆」「コラム」「ノンフィクション」とどう違う? 「エッセイ」を読んだことのない人はいないはずなのに、意外と誰も答えられない「エッセイ」の正体。 「エッセイスト」を名乗り講談社エッセイ賞選考委員を長らく務めてきた「エッセイの専門家」である著者が、時代を彩った大ヒット名エッセイ160余作品をひもときながら、満を持して真正面から「エッセイ」を縦横無尽に語り尽くす! エッセイストがエッセイについて綴るエッセイ、ついに登場。
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3.0すがすがしく力強い声がする。 この先、人間として小説家として迷ったとき、 私はこの本の言葉に奮い立たされることになるだろう。 ーー宇佐見りん 山田詠美は常に今を生きている。それも常に今に迎合せずに。 だからこそ、誰よりも文学を愛した少女は、誰よりも文学に愛される作家となったのだ。 ーー吉田修一 初めて「売文」を試みた文学少女時代、挫折を噛み締めた学生漫画家時代、高揚とどん底の新宿・六本木時代、作家デビュー前夜の横田基地時代、誹謗中傷に傷ついたデビュー後、直木賞受賞、敬愛する人々との出会い、結婚と離婚、そして…… 積み重なった記憶の結晶は、やがて言葉として紡がれる。「小説家という生き物」の魂の航海をたどる本格自伝小説。 私は、この自伝めいた話を書き進めながら、自分の「根」と「葉」にさまざまな影響を及ぼした言霊の正体を探っていこうと思う。 ーー山田詠美
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3.8なんと潤沢な物語だろうか。 強烈なパンチラインであり、まさに「ブレイク」作品なのだ。 ――逢坂冬馬さん 予想する「面白い」の1000倍面白い! ――大垣書店京都本店 荒川夏名さん マイクを握れ、わが子と戦え! 山間の町で穏やかに暮らす深見明子。 女手一つで育て上げた一人息子の雄大は、二度の離婚に借金まみれ。 そんな時、偶然にも雄大がラップバトルの大会に出場することを知った明子。 「きっとこれが、人生最後のチャンスだ」 明子はマイクを握り立ち上がる――! 第16回小説現代長編新人賞受賞作。 ーーーーーー 選考委員も激賞! こんなにスカッと面白い作品が新人賞なら、いっそ清々しいじゃないか!(中略)おかんのラップが響く今宵、この余韻! ――朝井まかて 「親との戦い」ではなく、親の側から「子との戦い」を力強く描いた、大人の小説であると感じさせられた。 ――宮内悠介
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3.5さぁ、出かけよう! 「物語」という旅へ。 国境、日常、現実を飛び越え、行き先は無限大! 宮内悠介、藤井太洋、小川哲、深緑野分、森晶麿、石川宗生――。 最旬の作家たちが想像の翼を広げて誘う、魅惑のノベル・ジャーニー! 宮内悠介 「国境の子」 対馬から韓国まではわずか一時間。でも「ぼく」にはそれが遠かった。 藤井太洋 「月の高さ」 旅公演スタッフとして遠征中、あの日見た月が胸に去来する。 小川 哲 「ちょっとした奇跡」 自転が止まった地球。カティサーク号は、昼を追いかけ移動を続ける。 深緑野分 「水星号は移動する」 移動式の宿・水星。今日はどんなお客様と出会うのだろう? 森 晶麿 「グレーテルの帰還」 あの夏、最後の家族旅行での惨劇が、私の運命を大きく変えた――。 石川宗生 「シャカシャカ」 地表が突然シャッフルをはじめた!? 姉弟の生き残りをかけた旅が始まる。
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3.0横溢する暴力と身体、無垢なる魂の軌跡。第44回野間文芸新人賞受賞作! 元同級生あべくんからのメールにあった文章から着想したシーンをつないで、 商業作家はあべくん自身の人生を小説にしようとする。 父による母殺傷事件、両親がころしころされていたあべくんはやさしく恋するみたいに他の人体を壊す。 殴られても反発するようによろこぶ身体。やさしさや暴力で愛撫し合い痛みをこらえるようによろこぶ身体。 物語にかえろうとするから人生はつらく、日常が重すぎてひとをころしたくなる。 恋人をころして自分も死んだところで折り返し、あべくんの物語は無限に再生を繰り返す。 小説家があべくんなのかあべくんがかれなのか、やがてふたりの境界は曖昧になり、問い自体が意味を失う。 言葉を与えられていない領域に光をあて小説は紡がれ、大量虐殺の記憶が時空を架橋しやがて物語は侵蝕される。 ーー世界文学に接続する芥川賞作家の真骨頂・新境地。ーー 小説で考え、小説が考える。作者には小説に対する圧倒的な信頼がある。ーー保坂和志(野間文芸新人賞選評より) 鴻巣友季子さん絶賛!読書量と強靭な知性に瞠目! “すべてのポートレイトは画家の自画像であり、すべての小説は自伝を目指すと言う。おそらくすべての小説はどこかしら、一人称の失恋なのだ。” “小説でなにかを「再現」することは、過去のよみがえりのように見えて、未然の予告なのだ。すべてのフィクションは自伝を目指し、すべての自画像は他人の顔をしている。” “かきあうこと、傷しあうこと、死にあうこと。「かれ」と「私」、その人称空間のよじれは経験と真実味との落差そのものだ。落差から、小説は来る。”――鴻巣友季子(翻訳家)
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-幻視者たちの見た夢……伝説の幻想文学四部作! 「読めば分る。──私はこの作品について、なにも語りたくないのである」澁澤龍彦 反地上的な夢濃密な幻想、日常世界を超えた者が見るのは反地上的な夢。濃密な幻想で構築される、妖美なる博物館ーー日常的な人間世界を超え、あるいは離脱して、幻視者たちが存在する。彼らが視るものは、反地上的な夢、濃密な幻想である。それを蒐集して構築される、幻想博物館の妖美さ。著者が熱愛する短篇形式への供物として捧げた13の幻想譚は、手作りトランプのように、装飾にみち色鮮やかに語られる。(『新装版 連作とらんぷ譚1 幻想博物館』) 【収録作品】 ・『新装版 とらんぷ譚1 幻想博物館』 ・『新装版 とらんぷ譚2 悪夢の骨牌』 ・『新装版 とらんぷ譚3 人外境通信』 ・『新装版 とらんぷ譚4 真珠母の匣』
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3.3冷蔵庫を見れば、持ち主のすべてがわかる――。 ミステリー史上、もっともクールで生活感のある探偵、登場! 新人刑事の涼は思慮の浅い行動ばかりして上司に叱られっぱなし。「次に問題があればクビ」と言われて失意のなか、友人の小川が主催するホームパーティーへ参加する。だが、その場で突然小川が倒れてしまう。誰かが意図的にアレルゲンのそばを混入させたようだ。全く手がかりがつかめず途方に暮れる涼だったが、ケータリング業者として来ていた怜子が、冷蔵庫を見てプロファイリングし、たちまち謎を解いてしまう。 その深い洞察力に涼は感銘を受け、彼女に弟子入りを志願するのだった。 二人は仕出し先で次々と事件を解決し、やがて怜子が過去にパワハラの濡れ衣を着せられ退職した「スワンビューティーカンパニー」の闇に挑む! 第1話 ニンジンフライの正体 第2話 不屈のレモンおむすび 第3話 おからケーキの秘密 第4話 ピザ・カプリチョーザの選択 第5話 再生のラタトゥイユ
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4.2★電子書籍特典ショートストーリー付★ ●発売決定告知後、即Xでトレンド1位で話題沸騰中! ●アニメ化、漫画化され150万部超えのベストセラー『NO.6』が 14年ぶりの新シリーズ『NO.6再会』シリーズとしてスタート! ●世間知らずな超エリートの紫苑とテロリストのネズミは運命的に出会い、 偽りの理想都市「NO.6」を崩壊させた。 「再会を必ず、紫苑」と告げて、ネズミが「NO.6」を去ってから2年後、 『NO.6再会』が幕をあけるーーー。 ●紫苑は「NO.6」再建委員長に就き、不安定な政情に悩み、得体のしれない無差別暗殺者に狙われていて、ネズミの存在を渇望していた。そんなとき、ネズミの気配を近くに感じて……。 二人は、再び、誰もが虐げられない世界をつくることができるのかーー? 罠だらけの現実に二人は「希望」を見つけることができるのかーー? 紫苑とネズミ、二人の少年のかけがえのない結びつきと「戦い」を見届けてください! ●「NO.6」シリーズ読者からの感想 「たくさん本は読んできたけれど、これ以上面白い本に出合ったことがない」 「呼吸を楽にしてくれた本」 「死にたくなったらネズミの言葉を思い出します。逃げずに前へ進め!現実を見ろ! どんなに現実が辛くても光を見いだせる人になりたいと思います」 「泣きたくなった夜に読みます。おまえはどうありたいんだ? いつでも自分にできることを問いかけ、動きづつけたいと思います」 ●あさのあつこさんからのメッセージ 声を聞きました。ネズミの声です。 「生きる場所も死ぬ場所も自分で決める。あんたじゃなくおれが決める。余計なお節介は止めてもらおうか」と。 そうか、彼らは既に出逢い、運命を紡ぎ始めているのか。 だとしたら、わたしも、もう一度だけ、本当にもう一度だけ、彼らに手を伸ばそう。この手で彼らの生に触れてみよう。 『NO.6』の作者として戦ってみよう。あれほど恋焦がれた少年たちに挑んでみよう。 今はただ、それだけを考えています。 14年の時を経て、あなたに再び『NO.6』を届けます。
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3.0『脳男』にも挑んだ超個性的ヒロイン! 被害者の思いがけない接点に隠された謎! 立て続けに起きた殺人事件の被害者となった 若い女性たちは片目を抉りとられていた――。 殺人者はなぜそんな残酷な犯行に及んだのか? 事件に動揺したレイチェルが姿を消した理由とは? 感情は厄介、数学は完璧。 若い女性がサバイバルナイフで刺され、顔を激しく傷つけられたうえに片目を抉りとられるという異様な殺人事件が立て続けに発生した。捜査本部で被害者の接点を探る青木一は何か助言を得ようと鵜飼縣とともに元精神科医のレイチェルの部屋に集まって事件の概要を説明したところ、レイチェルが異常なほどに動揺し、ワイングラスを取り落としてしまう。その時に漏らした言葉が気になってしかたがない縣は、彼女がかつて行った犯罪者の精神鑑定のカルテを調べるよう桜端道に指示して、十年数前に鑑定した凶悪犯が来日していることを突き止めるも、第三の事件の発生とともにレイチェルの失踪を知らされる……。
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3.0☆☆☆心当たりに胸がざわつく! 第68回 群像新人文学賞受賞作!!☆☆☆ 戦争より、芸能人の不祥事、炎上。やめられない、不健全なこの快楽。 SNSに依存し、他人のコメントに扇動され、炎上に心ときめく私たち――。 「逆」推し事小説にして、ネットに囚われ生きる「いま」を高純度で描く令和の日常系文学。 新聞社で校閲者として働くアザミ。同僚とは遠慮にまみれた会話しか交わさず、空き時間はSNSとニュースサイトのコメント欄に没入する。たまに会う友人とは話が弾まず、夢見が悪く、頭痛も絶えない。そんな無味乾燥なアザミの日常は、炎上するアイドル「ミカエル楓」の存在を知って一変する。私もこの人を、「嫌い」になるのはどうだろう――?
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4.3若き小隊長と怪物級無敵男の最強バディが駆け抜ける、 壮絶アクション×驚愕の国際謀略エンターテインメント! 舞台は2001年、日本最東端の小さな港町・枝室。 想像を絶する巨大な陰謀と最悪な戦争が待っていた──。 「戦争と国家が、このモンスターを生み、育てたのだ。」 杉江松恋氏、驚嘆! 「犯罪小説の読み手として至福の読書体験だった。 駆りたてられるように読み、物語が示す世界の破滅がいかに身近かを思い、しばし茫然とした。」 交通事故で兄を亡くした陸上自衛官の市瀬の官舎に、異相の大男・佐川が訪ねてくる。「あんたの兄弟は事故死じゃない。殺しだ」。不可解な死の謎を追う二人に次々と危険が迫り来る。元自衛官の芥川賞作家が放つ、大砲級のエンタメ超大作!
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4.1平均的な身長体重。勉強も運動もすべてが普通。 何の取り柄もないぼくはある日、人の心を読める力に気がついた。 おかげで口の悪い店長の下でも難なくアルバイトを続けているけれど、 新人の常盤さんだけは心を開いてくれなくて……。 他者の心に寄り添うひたむきな姿をだれもが応援したくなる、究極に優しい物語。 ***書店員さんから絶賛の声があふれた傑作*** ロングセラー『幸福な食卓』、 本屋大賞受賞作『そして、バトンは渡された』、 映画化『夜明けのすべて』、 日本中の読者から愛される感動作の数々を紡ぐ著者による、優しいエールの物語。 【オムライス店NONNAのメンバー】 梨木匠(19)平凡なことが悩みの大学生。珍しくこの店で長続きしているバイト。 常盤冬香(21)看護学校2年生。なかなか心を開いてくれない。 大竹さん(39)口も態度も悪い困った店長。実は世話好き……? オムライス店NONNAのその後を描いたアフターデイズ2編を収録!
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4.0「見えているのに見えないもの、それを捜すの」 オシャレすぎる女性警視が新米刑事に突きつけた言葉の意味は? 美大に通う女子学生が背中をめった刺しにされて殺された。しかし、指紋も足跡もなく、防犯カメラの映像も残っていない。警視庁の捜査一課に異動したばかりの青木一は捜査本部に呼ばれ、地元の有力者の息子がストーカーだったという噂を耳にして、無断で本人に接触したため管理官から大目玉を食らう。一方、鵜飼縣は警視庁本部庁舎の片隅であらゆる犯罪情報を収集分析して汎用性の高い検索システムを構築している。スタッフの桜端道が投資詐欺事件の情報をつつきまわすうちにたどり着いた謎の闇サイトには殺人現場の生々しい写真が。縣は秘かに美大生殺害事件の捜査の進み行きを探り始める……。 『脳男』の作者による規格外の警察小説の誕生!
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4.7わたしは、やっと、自分がなにを作っていたのか知った。 満洲国・新京。 そこで彼女たちに何があったのか。 戦後80年 『きみはいい子』『世界の果てのこどもたち』『天までのぼれ』の著者がおくる、語り継ぐべき物語。 『世界の果てのこどもたち』には書かれなかった、もう一つの真実。 わたしは気づけなかった。 気づけなかったことはたくさんあった。 この物語の中で繰り返されるこの言葉が、いまを生きる、私に迫る。(略) 私はこの作品が『伝言』と題されたことの重大さを、ずっと考え続けている。 ――小林エリカ(解説より) 満洲国・新京で暮らす、ひろみ。 聖戦とよばれた戦に勝つため、工場に集められた彼女たちは、鉄の機械とのり、刷毛を使って畳ほどの大きさの「紙」を作り続ける。 それが何なのか、考えもせずに。 五族協和、尽忠報国――信じていた国でひろみたちはどう生きたのか。 これはわたしたちが忘れてはならない物語。
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-武田麟太郎の斡旋で1934年(昭和9年)に刊行された連作集の『路草』と三人称客観描写の中篇「朽花」を中心に据えた作品集として1937年(昭和12年)に刊行された『朽花』は、川崎長太郎が東京で文壇に連なって作家として生きていた時期の単行本。 この2冊から「初期名作集」として新たに構成したのが本書である。 単行本『路草』収録の5篇から、のちに作家本人によって、冒頭に置かれた「その一 飛沫」が割愛され、「その一 穽」「その二 隻脚」「その三 泥」「その四 路草」という四章立ての連作「路草」となっている。 「路草」は、カフェの女給である民枝と作家本人に近い存在である主人公のもつれた関係の転変、そして悲痛な破局を緊迫感あふれる筆致で描いている。 また、「朽花」は、徳田秋声の息子である徳田一穂が私娼街・玉の井の娼婦を足抜けさせようとして孤軍奮闘するさまを三人称で描く、いわばモデル小説である。 本書では、タイプの異なる2篇を収録することで、可能性を秘めた若い作家だった川崎長太郎の初期の姿を、コンパクトでありながら鮮やかな形で1冊の文庫本に収めることをめざした。 講談社文芸文庫版として著者の歿後40年の節目に刊行するにあたり、「路草」に関連して単行本に収録されながら後に割愛された「飛沫」を、「朽花」について著者が書いた短いエッセイを、それぞれ参考資料として収録することで、川崎長太郎や私小説の愛好家向けに工夫をこらしている。
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3.8近畿地方のベッドタウン・水倉地区で起きた薬物事件。バニッシュと呼ばれるペーパーアシッド、最初の被害者は小学生だった。 県では薬物撲滅キャンペーンが展開され、イメージキャラクターとして俳優・師道一正が選ばれた。クリーンなイメージで俳優としても超一流、人を魅了することに長けた彼は、探偵としての能力も発揮。県警の義永誠刑事に協力して、事件の恐るべき真相を看破した。 事件解決の名声も手伝って師道は国会議員となり、水倉を地元として帰ってくる。そして囁かれはじめる黒い噂。 事件解決の熱狂の最中にも師道に違和感を持っていた支倉彼方と義永刑事の娘・真理子は、師道の真実に迫ろうと仲間を集め、位置情報アプリ「MK2」を使って水倉丘陵に隠されているはずの秘密を調べ始める。 そして誘拐事件は起こった。 二転三転する物語と手に汗握る知的攻防。善とは悪とは? 『スイッチ 悪意の実験』『伯爵と三つの棺』の潮谷験が贈る、傑作ジェットコースターミステリー!
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3.7幾千年の時を超えて、あなたと恋をしている奇跡。 生き死にの極限に迫る、著者渾身の恋愛小説。 ひと月前に兄を亡くして天涯孤独の身となったわか子は、週に三日、空き家管理の仕事をすることになった。趣味の和歌を思い浮かべながら、何かが死んでいるような腐敗臭のする家で掃除をしていると、「なびかじな……」という藤原定家の和歌がきっかけとなって不意に景色が反転し、気を失ってしまう。目が覚めると、空き家の持ち主の河原さんと見たことのない青年がわか子を心配そうに見下ろしていた。それは時間のなかを旅してきたような、不思議な感覚で――。 雲=クラウド=記憶の保存庫 若さを失うことは、少しも寂しいことではないの―― 過去の恋を思い出しながら、わか子は『源氏物語』の朝顔の君に自身を重ねてみる。 前世か先祖か幻か、わか子のなかに眠っていた女たちの記憶が動き出す。 装画:栗田有佳 装幀:大久保伸子
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4.6第20回本屋大賞受賞作! シリーズ累計100万部突破! あなたと生きる、その痛みごと。 著者2度目の本屋大賞を受賞した『汝、星のごとく』が3年の時を経てついに文庫化!同じ空の下であの星を見上げよう。そして、また出会おう。あまりに切ない運命を、繊細な心理描写で描いた著者最高傑作。 風光明媚な瀬戸内の島で育った暁海(あきみ)と母の恋愛に振り回され転校してきた櫂(かい)。ともに心に孤独と欠落を抱えた二人が恋に落ちるのに時間はかからなかった。ときにすれ違い、ぶつかり、成長していく。生きることの自由さと不自由さを描き続けた著者がおくる、あまりに切ない愛の物語【2023年本屋大賞受賞作】 ☆2023年本屋大賞受賞作☆ 【第168回直木賞候補作】 【第44回吉川英治文学新人賞候補作】 【2022王様のブランチBOOK大賞】 【キノベス!2023 第1位】 【第10回高校生直木賞候補作】 【ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2022 第3位】 【今月の絶対はずさない! プラチナ本 選出(「ダ・ヴィンチ」12月号)】 【第2回 本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞 ノミネート】 【未来屋小説大賞 第2位】 【ミヤボン2022 大賞受賞】 【Apple Books 2022年 今年のベストブック(フィクション部門)】 などなど、賞&ノミネート&ランクイン多数!
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3.0「誰かに言えるわけない」私がこう思っている時、あなたは。 若者の真実を描く感動共作!! 就活面接でうまく話せず、彼氏とも疎遠な日々に思い詰める皐月、 寂しさを埋めるため、急に人と会いたくなる衝動を抑えきれない愛衣、 自分の経験を切り売りして曲を作り、シンガーとして活動する文、 大切な友達に言えない秘密を抱えながら過ごす智子ーー 誰かに理解してほしい葛藤をひとりで抱える、"大人未満"の4人の物語。 『青く滲んだ月の行方』(青羽悠)と繋がる世界ーー ●カツセマサヒコ(小説家) 教室の隅で捻くれてた自分に、この物語を読ませたかった。 ●本間悠(うなぎBOOKS) 友人でも恋人でもないあやうい関係性。 みんな、誰かと繋がりたくて、もがいている。 <第1話 さんざんな朝> 就活生の皐月は、ある面接で「あなたを売ってください」という質問を受ける。うまく答えられず落ち込んでいると、大学の先輩のSNSで、恋人の浮気場面らしき写真を見つけてしまう。社会人の彼とは最近うまくいっていない。自分の気持ちに正直に生きたいけれど、私だけが、取り残されてしまうのかーー? <第2話 砂が落ちる> 「好き」は終わりの始まりだ。パパもバイト先の先輩も、彼氏も、マッチングアプリで出会った男の子たちも、みんなあたしの元からいなくなった。わかっているはずなのに、愛衣は新たな誰かを探す衝動が抑えられない。砂時計の砂が落ちていくように、人間関係にもタイムリミットがある。それでも、と願う愛衣が出した答えとは? <第3話 手紙> 井ノ坂文は、SNSで人気のシンガーソングライター・ふみとして活動している。自分の経験をひとつずつ切り出して楽曲を作り、誰かの「自分のための曲」を作ることはできても、楽曲を通して誰とも繋がれないことに不安を感じていた。新曲の制作が進まない文は、ふと男子高校生の自殺のニュースを目にして――。 <第4話 あと1歩> 「男女の友情なんて成立しない」。男同士、女同士だって、友情が成立しないことはあるのに、どうして男女の間だけーー? 智子が、愛衣と涼太と飲む場所は、ラブホテルが定番だ。恋バナをしたり、就活の相談をしたり、定番となった三人で飲む時間だったが、その中で智子はある思いを抱えていてーー <第5話 色を変えて> 大学4年11月、先が見えない毎日を送る皐月。キャリアセンターでの面談を終えてスマホを見ると、サークル仲間の奈美から卒業旅行の誘いの連絡が。「私は皐月のこと、大事な友達だと思ってるよ」。友達って何なのか、そして、私って一体どういう人間なんだろうーー?
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-「ここからどうすればいい?」僕がこう思っている時、きみは。 若者の真実を描く感動共作!! 何かを「好き」と言える人を眩しく感じる隼人、 「女の子との遊びはクレーンゲームみたいなもの」と言ってみせる大地、 高校時代までは、周囲から認められて自信を持っていた和弘、 仲間が何に苦しんでいるのか分からず、寄り添えない自分に絶望するBーー 「なりたい自分」に向かってひとり藻掻く、"大人未満"の4人の物語。 『茜さす日に嘘を隠して』(真下みこと)と繋がる世界ーー ●ニシダ(ラランド) あの頃の感受性が戻ってきて痛くて気持ちいい。 ●瀧井朝世(ライター) どんな人間にも、その人だけの真実があるのだと改めて気づかされた。 <第1話 端正な夜> 恋人の咲良に別れを告げられた隼人。1年半付き合っていたはずなのに、胸は痛まないことに動揺する。サークル同期の皐月は、自分の好きなことを活かせる業界に就職したいらしい。それに比べて隼人は、手堅い企業ばかり受けていた。恋人と別れて「悲しい」、サークル活動が「楽しい」、あの会社に「就職したい」。それは、本当に自分の感情なのかーー? <第2話 街の地球人たち> 大学2年生の大地は、女の子を絡め取って過ごしている。友達の俊也は最近また、彼の人生を狂わせた女と連絡をとっているらしい。サークルのあの子も、マッチングアプリで出会ったあの子も、幼なじみの俊也のことさえも、全然わからないーーそうもがく大地がとった行動とは? <第3話 途方> 留年続きで三回目の大学3年生となってしまった和弘。ついに実家に帰らなくてはならない――。喫煙所で出会った綾香が、なぜか和弘の帰省に付き合うと言い出し、一緒に海沿いの故郷へ向かうことになった。大学に入ってからずっと「何かが違う」と感じていた和弘。過去と現実の間で揺れる、二人の逃避行が始まる。 <第4話 αを待ちながら> クラスメイトのAが自殺した。放課後、校舎の三階から飛び降りたらしい。演劇部のBは、それからなぜか脚本が書けない。空想の悲劇とは違う、本物の悲劇。今まで書いてきた不幸な出来事について、自分は何を思っていた? 無自覚な残酷さについて思い悩むBは、非常階段でαと出会う。どうやら、彼女もAの自殺について考えることがあるようでーー <第5話 逆三日月> 就職して2年半、隼人は後輩の大地と大学の学園祭に顔を出した。いつまでも続くと思っていた学生生活が今となっては遠く、当時心に秘めていた自分に対する葛藤や悩みも、すっかり過去のものになってしまったと気がつく。一方で、最近の大地は特別な女性との付き合いを続けているらしくーー
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4.1選考委員瞠目! 第19回小説現代長編新人賞受賞作 今村翔吾さん「執念の如き力を感じた」 塩田武士さん「朝宮さんの『業』に、私は期待している」 中島京子さん「チャレンジングな作品」 凪良ゆうさん「著者にしか書けない光と闇」 宮内悠介さん「シンプルに心を動かされた」 薬丸岳さん「一番に推した」 5人の納棺師たちは全力を尽くす。遺された人々が、最後に顔を見てお別れを言えるように。 「どんなに考えても、探しても、人が死んだ理由なんて絶対に見つからないんだよ」 納棺師、遺品整理士、生花装飾技能士……葬儀関係のプロ集団「株式会社C・F・C」。 とりわけ損傷の激しい遺体を専門に扱う「二課」は、無残な状態から生前の面影を復元するのがミッション。 事故、事件、自殺ーー二課には毎日のように遺体が運ばれてくる。入学式を明日に控え線路に正座していた少年、ゴミ屋敷で餓死した男性、幼い我が子を残して事故に遭った母親、飛び降りる瞬間を動画配信していた少女ーー 二課の納棺師たちはその手で、失われた生前のおもかげを復元していく。 愛する人が突然この世を去った時、どうすれば立ち上がれるのか。あの人はなぜ命を絶ったのか。遺された者はどう生きればいいのか。 それぞれに「喪失」を抱えた納棺師たちもまた、明日を生きる微かな光を見出していく。
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-23歳で文壇デビューしながら、その後不遇の時代が続いた私小説作家の川崎長太郎。東京での執筆に見切りをつけ、小田原の実家物置小屋に棲み、創作に専念すること十数年……。 1954年に娼婦たちとの関わりを描いた『抹香町』で長太郎ブームが起きるが、しばらくすると終息、そして間を置いて再び話題に……という具合の作家人生だった。 この作品は大正期後半、24歳の主人公が私小説の習作に励みながらも食べていくために子供向け読み物で糊口をしのいでいた時期に始まる。その後は27歳、29歳、31歳、33歳、35歳、すこし空いて42歳、45歳と年齢を重ねるたび、その時期に交際のあった女(カフェの女給、若い女流作家、家出した人妻、娼婦、芸者、食堂の女中)との日々を媒介にして大正末から敗戦直後に至る作家生活の周辺を回想するという仕立てで書かれている。 一見、いい気なものだという話にすぎないと感じられるかもしれないが、その筆致に甘さや虚飾はない。愛すべき人間でありながら、とうてい普通の市民としては生きられない「業」を背負ったかのような者たちが懸命に生きる姿が鮮やかに描き出されている。読後感はむしろ清々しささえ湛えているのである。
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-日本の警察シリーズ 全3冊合本版 『焦土の刑事』『動乱の刑事』『沃野の刑事』収録。 東京は壊れつつある。見慣れぬ街に変わりつつある――。 1945年。B29による空襲の翌朝、防空壕の中で女性の遺体が発見される。首には刃物による切り傷が。無数の遺体と目の前のたったひとつの遺体。 これは戦争ではない。個人に対する犯罪だ――。 捜査を進める京橋署刑事の高峰は署長から思わぬ言葉を聞かされる。「あれは、空襲の被害者だ」。殺人事件のもみ消し――そしてまた殺人が起きる。 高峰は、中学からの同級生で特高に籍をを置く海老沢とともに、終戦をまたいで「戦時下の殺人」の犯人を追い詰めていく。 警察小説の旗手が満を持して描く、壮大な警察大河シリーズ、ここに開幕。(『焦土の刑事』)
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-Cocoonシリーズ第二部 全5冊合本版。 『Cocoon 京都・不死篇-蠢-』『Cocoon 京都・不死篇2-疼-』『Cocoon 京都・不死篇3-愁-』『Cocoon 京都・不死篇4-嗄-』『Cocoon 京都・不死篇5-巡-』収録。 最強の花魁が、帰ってきた! 京都で新たな闘いが始まる! 最強の鬼・平将門を倒し、江戸を破滅から救った瑠璃。しかしその代償は生半可なものではなく、義兄を失い、友の炎を失い、自らも片腕を失った。江戸を離れ、京都にたどり着いた瑠璃は最愛の人を想わせる男性に出会う。つかの間の平穏を得たかに思えたが、京都では陰陽道を使う、不気味な集団が動き出そうとしていた。(『Cocoon 京都・不死篇-蠢-』)
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-Cocoon第一部+外伝+第二部 全11冊合本版 <第一部>『Cocoon 修羅の目覚め』『Cocoon2 蠱惑の焔』『Cocoon3 幽世の祈り』『Cocoon4 宿縁の大樹』『Cocoon5 瑠璃の浄土』/<外伝>『連理の宝 Cocoon外伝』/<第二部>『Cocoon 京都・不死篇-蠢-』『Cocoon 京都・不死篇2-疼-』『Cocoon 京都・不死篇3-愁-』『Cocoon 京都・不死篇4-嗄-』『Cocoon 京都・不死篇5-巡-』全11冊収録。 時は天明。江戸では、夜になると「鬼」と呼ばれる異形の怪物が出没するようになっていた。 強い恨みを抱いて死んだ人間の成れの果て、鬼。並の人間では歯が立たないほどの力を持ち、人々を襲う。 そんな江戸、吉原にある大見世の黒羽屋には、花魁として名を馳せる瑠璃という女性がいた。 ひとたび道に出れば、あらゆる人を虜にするほど美しい瑠璃。 しかし、瑠璃には鬼退治の闇組織「黒雲」の頭領という裏の顔があった。 四人の仲間とともに、瑠璃にしか抜けない刀「飛雷」で鬼を斬り倒し、密かに江戸の平和を守っているのだ。 だがある日、瑠璃の遊女仲間で唯一の理解者の津笠が失踪。 動揺を隠せない瑠璃に無慈悲な運命が襲いかかる。 激しい熱が迸る圧巻の滅鬼譚、開幕。 (『Cocoon 修羅の目覚め』)
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3.5未知の災厄に覆われた世界を 文学はどう描いたか? 日本文学の最前線をなす 2020年のベスト短編アンソロジー 解説:冨岡幸一郎 我が人生最悪の時 磯﨑憲一郎 移民の味 王谷 晶 母になる 木村友祐 猫はちゃんと透き通る 最果タヒ あたらしい日よけ 井上荒野 ばばちゃんの幽霊 朝吹真理子 サクラ 尾崎世界観 四半世紀ノスタルジー 町屋良平 斧語り 松田青子 ふらここ 山下澄人 ダン吉の戦争 髙橋源一郎 ヨブに会う 加藤 櫂 スカピーノと自然の摂理 金子 薫 あなたのことを話して 長島有里枝 下品な男 上田岳弘 その一匹を殺したのは誰か 高山羽根子 解説:冨岡幸一郎
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4.0YouTube総登録者数100万人&再生回数9億回突破!! 【ハンドレッドノート公式小説】 眠り姫・恵美まどかが「記憶」を駆使して数々の謎を解く! 「答え合わせをしよう」 「だって仕事したくないんだもん」 恵美まどかは、見たもの全てを記憶する天才。 しかしこの世の何よりも寝ることが好きで、眠り姫とも呼ばれている。 恵美が事務所を抜け出し、喫茶店《ライム》で仮眠をとりながらサボっていると、少女がドアを開けて入ってきた。 亡くなった彼の事故の真相を調べていると言う。 恵美は《ライム》のマスター・康介に言われ、仕方なく少女の話を聞くがーー
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4.3何度も作り直せばいい。器を焼くことは、心に明かりを灯すようなもの。 テレビ局の放送作家の仕事を突然辞めるはめになった30歳のジョンミンは、何ヵ月も抜け殻のようになり家に引きこもっていた。 ある日久しぶりに外に出て、歩いているうち、彼女はカフェと間違えて陶芸工房の扉を開ける。突然現れたジョンミンに、工房の主ジョヒは珈琲をふるまう。コーヒーのおいしさのわけは器にある、自分で作ってみない? というジョヒの誘いを受け、ジョンミンは陶芸教室に通い始める。 土の匂い、手を動かしてものを作る喜び、人懐こい猫、年代も悩みもさまざまな仲間たち。自分に向き合い、人生を見つけていくということ……。工房を舞台に繰り広げられる癒しと希望の物語。 手を動かすこと食べること。それが、力をくれる。
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4.3DVから逃れた女性が迷い込んだのは、高齢者だけが身を寄せ合って生きる山奥の村だった──現役医師作家のメディカル・サスペンス! 夫のDVに耐えかねて札幌の自宅を飛び出した明日香は、道北の見知らぬ村にたどり着いた。7歳になる娘のリサといっしょに。村で匿ってくれたのは修造という高齢男性と、床に臥すハツの夫妻だった。修造は認知症なのか、明日香のことを孫娘と勘違いして「なっちゃん」と呼ぶ。近隣の住民からも温かく迎えられた明日香親子であったが、この村は何かがおかしい。住民は皆高齢で、しかもほぼ全員が認知症を患っているように思われるし、そもそも自立した生活が成り立っていないようなのだ。村まるごとが高齢者用施設ということなのか。老老介護、ヤングケアラー、介護破綻……日本における「認知症のいま」を問う問題作。そして衝撃のラスト!
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-普通の幸せって、何? 小説現代長編新人賞『檸檬先生』で鮮烈デビュー! Z世代の新鋭が描く、切なさと温かさに満ちた青春&家族小説! 東京で大学生活を謳歌していた茂果は、友人の由紀からあるアニメを布教される。 柔らかな表情、手描き感のあるタッチ、自然な体重表現、甘い雰囲気の色使い、繊細な塗り。紹介された絵師のイラストは、弟の穂垂が描いたものだった。 Twitterの裏アカウントでBL作品を創作し、普段から異性との恋愛話をしない穂垂に対して、茂果は同性愛者なのではないかと考え、やがて過干渉してしまう。境界の曖昧さ、線引きの難しさを、姉弟の視点から見つめ直す。 小説現代長編新人賞受賞後第一作
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3.0「そうやってズレたまま生きていくの?」 たった一秒が、あなたを変える。未来へ踏み出す一歩となる。 奇跡の花と不思議な青年をめぐる再生の物語。 生きていくうちに心も世界も少しずつズレていく。 この物語は、あなたのズレを優しく整えてくれる。 ――凪良ゆうさん 心の霧を晴らしてくれる、人生のヒントが詰まった物語です。 ――けんごさん 綿来千晶は、息子に手を上げた夫と離婚したばかりで鬱々とした日々を過ごしていた。彼女は、偶然入った霊園事務所で日置凪という青年に出会う。 親しみやすく価値観の合う凪に、ぽつぽつと悩みを打ち明けると、「ひとつだけ、おとぎ話をさせてください。」と「うるうの朝顔」という不思議な朝顔の種を取り出した。 なんでもその花を咲かせると、現実とはほんの少しだけ変わった過去をもう一度体験でき、その瞬間から始まっていた心の「ズレ」が直るという。 その夜、千晶には、姉が父に殴られた日の記憶がよみがえり……。 第17回小説現代長編新人賞受賞作!
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4.1お待たせいたしました、ド直球のお仕事ラブコメです。 恋と宝石。 「宝石の価値ってそんなに重要?」 思いがけない彼女の言葉がぼくを心地よく壊す。 当たり前を超えていけ 「いや、ごめん要らないわ、これ」 「は!?い、要らないってお前……嵌めてみもせずに!?」 横浜で三大続いた宝石(ジュエラー)商の嫡男・大江頼任と、彫金を家業とする職人の娘・黒江彩。 最初のデートで頼任が贈ったリングを突き返してから、二人の関係は「メシ友」と「恋人」の間で謎のまま。 頼任の店のお得意様のブライダルジュエリーのオーダーを皮切りに、クロエがジュエリーデザインを引き受けるようになってから、二人の関係性が変わっていく。 宝石をのぞくと見える美しい別世界。これを表現できるのは彼女だけ。
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-『チーム・オベリベリ(上)』『チーム・オベリベリ(下)』収録。 約140年前、その女性は、北海道十勝の原野へ渡った オベリベリ――和人たちによって「帯広」とされた新天地 明治の先進教育を受けた彼女は、いかに生き抜こうとしたのか 開拓に身を投じた実在の若者たちを基にした、著者が初めて挑む長篇リアル・フィクション 〈明治維新という大きな時代の変わり目を体験した上に、それまでとまったく異なる世界に身を投じる若者たちの姿は、今、世界的な新型コロナウイルスの流行により、またもや大きな時代の変わり目を経験しなければならない私たちに何を思わせ、感じさせることだろうか〉――乃南アサ 文明開化の横浜で時代の最先端にいた女性は“その地”でいかに生きたか 私たちの代が、捨て石になるつもりでやっていかなければ この土地は、私たちを容易に受け入れてはくれない 宣教師たちが開いた横浜の共立女学校に学ぶ鈴木カネは、父や兄にならって聖書の教えを受け、勉学に励んでいた。 兄の銃太郎は、神学校で一緒だった渡辺勝、依田勉三と北海道開拓について考え始めている。 彼らは勉三を中心に「晩成社」を興し、新天地へ向かう準備を進める。 明治15(1882)年、23歳になったカネは女学校を卒業し、渡辺勝と結婚、そしてオベリベリとよばれた帯広へ行くことを決意する。
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4.010年後に思い出す。そんな日は突然やってくる。 『わたしを空腹にしないほうがいい』『うたうおばけ』『湯気を食べる』がロングヒット&話題沸騰!! ままならない人生に巻き起こる、心ざわつく悲喜こもごも――。 エッセイで日常のシーンを鮮やかに切り取り掬い上げてきたくどうれいんが描く、風味絶佳な初の小説作品集。 「そうだ。この間、酔って穴掘ったんだよ」「穴?」「どこに」 高校時代からの三人の友情は、公園の穴に吸い寄せられてゆく。(「スノードームの捨てかた」) 「いいんだよ、バイキングって『ご自由に』って意味なんだから」 同じヨガ教室に通う美女・ようこさん。彼女の“秘密”を知った私は――。(「鰐のポーズ」) 「どういうことですか」「こういうことです」 別れた恋人との指輪の処分に迷うまみ子が出会った、しゃがみ込む男。(「川はおぼえている」) 「すみません相席いいですか」 美術館の監視係をするわたしに舞い込んだ恋の予感、のはずが……。(「背」)」 「なにか直してほしいところ聞きたい、時間つくるから、つくって」 ――結婚目前の彼女からの不穏な質問。(「湯気」) 「あら、じゃあもう決定だ、正解だ、運命だ」 仕事を辞め、虚ろな毎日で見つけたのは、一枚の祖父の絵だった。(「いくつもの窓」) 思ってもみなかった。こんなに心ざわつく日がくるなんて。 くどうれいんが描く傑作6篇。
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-人間中心主義でやってきた世界は繁栄のなかに滅びが見え始めている。人間中心的な世界認識を改めなけれならない。いまあらためて空海を読み直さなければならないのである。 空海は二つの「頌」を残した。『声字実相義』と『即身成仏義』の核心をただそれだけで語りきってしまった「頌」(「詩」)である。空海の「詩」は、膨大な仏典を読み解いた上で可能になったものだ。『大日経』と『金剛頂経』 の交点、 胎蔵界曼荼羅と金剛界曼荼羅の交点に、空海は自身の信仰の体系にして思想の体系を築いたのだ。胎蔵界曼荼羅と金剛界曼荼羅を見れば『大日経』と『金剛頂経』の異なることは明らかである。空海は異なる経典を統合してみせる。生涯を通して宇宙の根源にして意識の根源、さらには身体の根源に位置づけられる「法身」を求め続けた。 「空」の無限と「海」の無限、精神の無限と物質の無限、その融合。無限が一つに交わるところ、その二つの無限の間で人間は何を考え、どのように生きるのか。 空海は偉大な宗教家であった。それ以上に偉大な文学者であった。空海の宗教は空海の文学のなかにすっぽりと包み込まれる。 空海は生涯を通して、宇宙そのものである一冊の書物を書き続けていた。 あらゆるものが生まれ出てくる根源への尽きない想い。根源の場所に立つことで表現の未来がひらかれる。 空海の全貌がわかる記念碑的大著。空海とは何者なのか――日本思想史最大のオリジネーター・空海の思想に迫る。
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3.7☆『死んだ山田と教室』で2025年本屋大賞にノミネートされた著者が送る”嫌愛”短編集。 登場人物は皆、身勝手でクズ。でも、そこに人間の本質があるーー。 ・偶然の再会を「運命」と勘違いして、安全圏から告白をしようとするアーティスト。――流星と吐き気 ・アニメにもなった作品の主人公のモデルは自分? サイン会で作者が元カレか確かめる高校教師。――リビングデッドの呼び声 ・担当編集者に振られたにもかかわらず、才能は認められていて作品だけで繫がっている人気漫画家。――種 ・昔付き合っていた彼女から独り言のようなLINEが送られてきて、死を仄めかされた編集者。――消えない ・かつて旅行先で意気投合した男性が偶然お客さんとなり舞い上がるレンタル彼女。――プラネリウム 仄暗い気持ちが過去を呼び戻してしまう5人の物語。
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4.4《みなさんの感情や意見には一切口出ししません。手紙の書き方、つまり文章の書き方を教えるのがわたしの役割です》北フランスのリールで書店を営むエステルは、亡くなった父を偲んで手紙教室を開くことにした。参加者を募る新聞広告を出すと、5人から応募があった。孤独な老婦人、重度の産後うつに苦しむ夫婦、仕事にやりがいを見いだせないビジネスマン、そして進路に悩む青年。性別も年齢も異なる参加者とエステルは、手紙のやりとりを通して新しい言葉との出会いに飛び込んでゆく。言葉の力を賛美した小説。"Le Prix Du Roman Qui Fait Du Bien"(癒やしの小説賞)を受賞。
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3.5住まい探しは、生き方探し。 近藤麻琴36歳、賃貸仲介部門勤務。行きつけの店で愚痴っても、あなたのお部屋、みつけます! 近藤麻琴は、大手不動産会社「グリーンホーム」の賃貸仲介部門に勤めて14年。中堅どころとして仕事にも慣れ、年若い部下と「昭和」から抜けきれない上司に挟まれながら、譲れない条件だらけのお客さま相手に「そんな部屋はない!」と内心叫びながら奮闘する毎日。 息抜きは、親友の仲島恵が店主を務める居酒屋『慈雨』や、風変わりなマスターがいるバー『LR』に仕事帰りに立ち寄って、美味しいお酒と料理を楽しむこと。 人生の節目に立ち、住まいを探すお客さまを通して、自身の人生についても迷い、考える麻琴。長く付き合う恋人と結婚するのかしないのか、子どもはどうする? 仕事はーー?〈文庫書下ろし〉
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3.8「リフレッシュ休暇をもらったが、もはや私にはリフレッシュする気力自体が残っていなかったのだった。」 入社希望の学生のSNSチェックに疲れ果てた会社員。代々続く母と娘の台所戦争。遅れても許せてしまうことが美点のロバによる配送サービス……。膨大な情報の摂取と判断に疲れてしまった現代人の生活に寄り添うやさしさと、明日を生きるための元気をくれるユーモア満載! 味気ない日々をゆるゆると肯定し、現代人の張りつめた心をゆるめる短編集。 「もう何もしたくないという切実な本音に寄り添ってくれる稀有な小説」――金原ひとみ 本屋大賞2位『水車小屋のネネ』、Xで何度もバズった芥川賞受賞作『ポトスライムの舟』など、 書店&SNSで話題を集める著者による、「脱力系」日常譚の真骨頂!
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-第75回野間文芸賞受賞作 「いつか冷めない恋をしてみたいと思う?」 学生劇団で男とも女とも恋を重ねたヒカリ。 六人の男女が彼女が残したものを語る。 『ヒカリ文集』の中核となるヒカリという女性も〈心を使わない人〉である。 無類に優しく人を傷つけることを小心なまでに恐れていて人の役に立ちたいと願っているのに、男性とも女性とも恋愛が長続きせず次々とつき合う相手を替える。(略) ヒカリという女性が伝統的な〈宿命の女〉像を少しでも塗り替えることができていれば幸いである。 ――松浦理英子(「群像」2022年3月号より) 無類に優しく、好意以上のものを語る笑顔で人に依存を惹き起こす。 小心なまでに人を傷つけるのを恐れ、身についた習慣のように人を喜ばせ力づける。 それなのに、親密な関係を結んでは自分から壊す。 学生劇団で男とも女とも恋を重ねたヒカリとは何者だったのか。 第75回野間文芸賞受賞の著者の新たな代表作。
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4.0SATを出すまでもないが警官には危険と思われる、凶悪事件に発展しそうな事案を担当する組織が新設された──新・警察ミステリー誕生! 警視庁特殊班は新設部署である。庁内では「SAT-light」と呼ばれている。SATやSITなどの特殊部隊が出動するまでもないが、一般の警察官が対処するには危険すぎる事案を担当する。具体的には、カジノや裏風俗店への着手支援、一般人の身辺保護、反社会勢力の組織の摘発などだ。そんな特殊班が今回出動したのは、都内で起きた地下アイドルへのストーカー案件。生活安全課ストーカー対策室からの要請を受け、対象女性の保護に出向いたものだった。ナイフを向けて保護対象に接触しようとした被疑者を班員が無事確保。ミッションは完了したかに思われた。だが、被疑者の自供から芸能事務所による「管理買春」の疑惑が持ち上がる。SAT-lightは真相究明に乗り出すことになった……。
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3.9満場一致のメフィスト賞受賞作にしてデビュー作がいよいよ文庫化。まさかゴリラに泣かされる日がくるとは――数多の作家、書評家、書店員の度肝を抜いた全人類必読のミステリー! 「ダ・ヴィンチ」プラチナ本! 読書メーター「読みたい本ランキング」1位! 京極夏彦さん、宮部みゆきさん、宮内祐介さん、五十嵐律人さん、斜線堂有紀さん、宮島未奈さん、QuizKnock河村拓哉さんなどが大絶賛!! カメルーンで生まれたニシローランドゴリラ、名前はローズ。メス、というよりも女性といった方がいいだろう。 ローズは人間に匹敵する知能を持ち、言葉を理解し「会話」もできる。彼女は運命に導かれ、アメリカの動物園で暮らすようになる。そこで出会ったゴリラと愛を育み、夫婦の関係となった。 だが ―― 。その夫ゴリラが、人間の子どもを助けるためにという理由で、銃で殺されてしまう。どうしても許せない。 ローズは、夫のために、自分のために、人間に対して、裁判で闘いを挑む! 正義とは何か? 人間とは何か? アメリカで激しい議論をまきお こした「ハランベ事件」をモチーフとして生み出された感動巨編。
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