無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで202万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
島口大樹の『鳥がぼくらは祈り、』から受けた印象と似ていて、本作もいわゆる「一般に小説に対して期待される書かれ方、まとめかた」を無視している。ただし留意したいのは、”丁寧に慎重に”無視しているだろうと思われることだ。
雑さは無い。小説家として書きたいツボを尊重するあまり、小説の設定がとんがる、そういったところで読者を選ぶ作風だが、個人的にそれは嫌いではない。
「これからばくらが話すことは、人類が歩んできた、行ってきた、すべての営みの記憶を背負ったぼくらが話すことは、人類最後の会話になるかもしれない。そうやって考えるとき、ぼくらは、何を話すべき?」
上記のようなセリフを鼻白まずに受け入れられるのは、著者島口氏の”設定が設定過ぎる独特な作風”に依る、と思わざるを得ない。
世界の終わりを巡る短編映画を撮るため東京から鳥取砂丘を目指す若者4人の物語。思念的で新書的な文と、切取り動画的で説明を拒むエモーショナルな文とを同居させて、とりとめない気持ちにさせながら、読者の記憶に残すべきものはゴリっと残す。
腕の立つ作家であることは間違いないと思える。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。