遠い指先が触れて

遠い指先が触れて

1,672円 (税込)

8pt

3.6

「一緒に、失くした記憶を探しに行こう」。彼女の言葉で、僕らの旅は始まった。
過去を奪うものたちに抗い、ままならない現在を越えていく、〈愛と記憶〉をめぐる冒険。
デビュー作『鳥がぼくらは祈り、』、芥川賞候補作『オン・ザ・プラネット』を超える、鮮烈な飛躍作!

「ねえ、覚えてる?」--両親を知らずに育ち、就職した僕〈一志〉のもとに、見知らぬ女性が訪れる。
〈杏〉と名乗る彼女は忘れていた過去を呼び起こし、僕の凡庸で退屈な日常が変化していく。
〈不可視のシステム〉に抵抗し、時間の境界を越える恋人たちの行方は――?

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遠い指先が触れて のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年01月29日

    ここで展開される視点の切り替え方は斬新だ。
    章ごとに語り手が切り替わるのはよくある手法だけど、この作品では同一の文章内でも切り替わる。
    これにより自我と自我を認識する自分、自分の自我に気づいているであろう相手の意識が溶け合っていく。
    新しい才能だ。

    0

    Posted by ブクログ 2022年12月10日

    文字のボリュームと文章の雰囲気から「わりとサクッと読めるかな。」という最初の印象は早々に外れる。
    僕の視点と彼女の視点が1ページの中で何度も入れ替わり、じっくりたどるようにしか読み進められない。
    二人の関係性を表しているのだろう。
    次回の芥川賞候補になりそうな作品。

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2024年03月18日

    久しぶりにこんなに良い本が読めた、凄かった
    素敵な言い回し(何回読んでも理解できない表現もあったけど)がたくさんあって全体的にお洒落だったし、
    一文のうちに語り手が代わるのも、読んでいて心地よかった。
    記憶を見てからの鬱展開に自分もかなりショック受けてしまった、、
    一志のそれからを、ふとした時に度々...続きを読む

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2022年10月02日

    混じり合いの文章は意外に、さほど違和感なく良かった。

    展開的には何となく読めるので、早く、早くと読み進めたくなる。

    だからだろうか、終わり方が消化不良だった。
    純文学はそういうものなのかもしれない。

    けれど個人的には、何らかの希望が見えたり
    一応のおさまりがついている小説が好きだ。

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2024年02月27日

    ⚫︎感想
    ストーリーでは二人の記憶が一つに収束していき、描き方では「僕」と「私」の視点が混ざり合い一つに見えるようにも仕掛けてあって、文章でこういう試みができるんだなぁと思った。

    ⚫︎あらすじ(本概要より転載)

    「一緒に、失くした記憶を探しに行こう」。彼女の言葉で、僕らの旅は始まった。
    過去を奪...続きを読む

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2023年08月01日

    人称が入れ替わる独特の文体なので、
    なんとなく、彼と彼女が溶け合うような感覚でふわふわと読んだ。

    小さな頃の記憶って、この物語のような外部要因がなくても
    親や親戚から聞いた(聞かされた)話のツギハギだったりするので、
    記憶の不思議さを感じる。

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2023年03月04日

    主人公の元へ、児童養護施設で一緒だった「杏」と名乗る女性が訪ねてくる。
    杏が語る2人が幼少時にされた事とは─。

    タイトルと装丁で読んだんですが、すごく内容にマッチしてると思う。
    意識があっちへ行きこっちへ行きする、「僕」と「私」が混じりあっていく、のを文章に起こしたような文体。
    (文学的なんだけど...続きを読む

    0

遠い指先が触れて の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    講談社
  • ページ数
    168ページ
  • 電子版発売日
    2022年08月10日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    1MB

閲覧環境

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