あらすじ
第166回芥川龍之介賞候補作。
「終わったのかな」「なにが?」「世界?」
同じ車に乗り込んだぼくら四人は、映画を撮るために鳥取砂丘を目指す。
注目の新星が重層する世界の「今」を描く、ロード&ムービー・ノベル。
「これからぼくらが話すことは、人類最後の会話になるかもしれない。
そうやって考えるとき、皆は何を話したい?」
記憶すること、思い出すこと、未来に向かって過去をみつけ直すこと。
現実と虚構の別を越えて、新しい世界と出会う旅。
群像新人文学賞受賞のデビュー作『鳥がぼくらは祈り、』に続く、23歳の飛躍作!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
まず前提としてナイトオンザプラネットを観ないとと思う。内容自体は鳥取砂丘までの旅の会話を元に、ラストの映画内容をどう解釈するか。この世界について、記憶など。私にとってこの映画は会話で出された議題についてを考えさせてくれる装置であって、あまり内容について言えることはない。しかしラストシーンはとても好み。私も映画の会話に混ざりたいと願う。私なら世界滅亡の時に何を話すか。、
Posted by ブクログ
ストーリーは面白いけど、わざわざこんな回りくどいめんどくさい文体で書かなきゃならんかったんか?確かに記憶の話とかで純文学的に掘り下げが必要なテーマを取り扱ってるんだけど なんかそれがただただ制約が出来てしまった。故にこう書かざるを…みたいなのに感じてしまった。
Posted by ブクログ
島口大樹の『鳥がぼくらは祈り、』から受けた印象と似ていて、本作もいわゆる「一般に小説に対して期待される書かれ方、まとめかた」を無視している。ただし留意したいのは、”丁寧に慎重に”無視しているだろうと思われることだ。
雑さは無い。小説家として書きたいツボを尊重するあまり、小説の設定がとんがる、そういったところで読者を選ぶ作風だが、個人的にそれは嫌いではない。
「これからばくらが話すことは、人類が歩んできた、行ってきた、すべての営みの記憶を背負ったぼくらが話すことは、人類最後の会話になるかもしれない。そうやって考えるとき、ぼくらは、何を話すべき?」
上記のようなセリフを鼻白まずに受け入れられるのは、著者島口氏の”設定が設定過ぎる独特な作風”に依る、と思わざるを得ない。
世界の終わりを巡る短編映画を撮るため東京から鳥取砂丘を目指す若者4人の物語。思念的で新書的な文と、切取り動画的で説明を拒むエモーショナルな文とを同居させて、とりとめない気持ちにさせながら、読者の記憶に残すべきものはゴリっと残す。
腕の立つ作家であることは間違いないと思える。