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小説・文芸
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Posted by ブクログ
読んだのが1年前であるため、記述に若干うろ覚えの箇所があるが、悪しからずご了承いただきたい。
つい先日、「檸檬色」というのは「全く赤みがない鮮やかな黄色」を指すと知り、悶絶した。
「檸檬先生」と語り手の「少年」の危なげないふたりぼっちな関係性が、本作の一番の魅力。「少年」視点から世界を覗いた読者の中には、思わず「檸檬先生」に恋した人もいるのではなかろうか。
「モノクロな世間を私の赤で染めてやる」(要約)という衝動は、梶井基次郎の「檸檬」にも似たようなものが見受けられるが、梶井基次郎の方は純粋な破壊欲であるのに対して、本作『檸檬先生』のそれは、マイノリティであるが故に満たされなかった、自己実現欲の暴走の果てだろう。
そんな衝動性を抱えてた「檸檬先生」にとって、同じくマイノリティ側であった「少年」は、ある意味救世主だったのかもしれない。
だが「少年」は尽く誤ってしまった。
『この世の中で一番強い色はなんだと思う』
「強い、つよい? え、・・・・・・黒かな」
『ははは、そっか』
ここの掛け合いは一番切ない。「檸檬先生」は「少年」に対して恐らく「赤」という答えを期待していたのに、返ってきたのは無彩色の「黒」だった。かつて、運動会で怪我をし、血を流したときに動転していた「少年」が、「赤」ではなく「黒」と即答してきたときの檸檬先生の絶望感は、僕ら読者には計り知れないだろう。
冒頭の断章でも触れられているが、「檸檬先生」が死してなお、皮肉なことに「少年」は彼女を理解することができていなかった。彼女が自殺した晩に、彼はなんと「檸檬先生」と性交した夢を見たのだ。男性との恋愛を拒んでいた「檸檬先生」に対して、そのような欲情を抱いてしまうのは、やはり「理解不足」だと言わざるを得ず、「少年」の悲惨さが際立つ。共感覚ですら捉えきれなかった「檸檬先生」の影を、僕ら読者は、果たして掴みきれていたのだろうか。
Posted by ブクログ
最初と最後が同じ内容にしていたから、最後まで読み終えたとき「これ最初にも書いてなかった!?」って自然と最初の部分を読み返しました。素晴らしすぎる。個人的に同じ本をあまり繰り返し読まないんだけど、これは最初だけでも読まなきゃ!って思えた。お互い悩んでいるはずなのにどっちかが救われるとすれ違ってしまい、なんて切ないんだろうと思いました。お互い救われないのが一番お互いにとって苦しくないということ。そしてあの姿も美しいと思える心を持ってるのにいい意味で恐怖を覚えました。それだけ好きでもあるってことだと思うけど。正直ハッピーエンドではない気がするけど凄い好きな作品です!