あらすじ
お前は独りじゃないよ、少年。
これは、「普通」じゃない僕だから出会えた、ある奇跡の物語――。
Z世代の新鋭が放つ、これが令和青春小説の新スタンダード!
小説現代長編新人賞を史上最年少で受賞!
小説紹介クリエイターのけんご小説紹介さん激賞&水野良樹さん(いきものがかり)、茂木健一郎さん(脳科学者)など各界からも絶賛された伝説のデビュー作を待望の文庫化!
小学三年生の私は、音や数字、人に色がついて見えるせいで、クラスメートたちからいじめられ、孤独な日々を送っていた。ある日、逃げ込んだ音楽室で中学三年生の少女と出会う。彼女もまた音に色がついて見える共感覚を持っていた。檸檬色に見える彼女のことを「先生」と慕い交流することで、私の人生は一変する! 第15回小説現代長編新人賞受賞作。
カバーイラスト:山口つばさ
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Posted by ブクログ
「檸檬」と作品の題名にもあるとおり、色に関する表現や色彩感覚についての描写が綺麗で、読んでいて楽しかったです。
人と違うことは負けじゃない、と思わせてくれた作品です。
Posted by ブクログ
最初と最後が同じ内容にしていたから、最後まで読み終えたとき「これ最初にも書いてなかった!?」って自然と最初の部分を読み返しました。素晴らしすぎる。個人的に同じ本をあまり繰り返し読まないんだけど、これは最初だけでも読まなきゃ!って思えた。お互い悩んでいるはずなのにどっちかが救われるとすれ違ってしまい、なんて切ないんだろうと思いました。お互い救われないのが一番お互いにとって苦しくないということ。そしてあの姿も美しいと思える心を持ってるのにいい意味で恐怖を覚えました。それだけ好きでもあるってことだと思うけど。正直ハッピーエンドではない気がするけど凄い好きな作品です!
Posted by ブクログ
ラストの怒涛の展開は正直あまり好きではないが、全体を通して読みやすく、良い作品だと思った。
作者はこの文章を18歳で書いたのだから尚更驚きだ。
Posted by ブクログ
やっと読み終わった。
一文一文のカロリーが高くて、表現に重みがある。
世界に一人でも自分を理解してくれる誰かがいて、その人を失っても生きていかなければいけない辛さ。
誰かに縋ることの美しさと醜さ。
みたいなものを改めて解った気がする。
Posted by ブクログ
ー「少年、共感覚が全て正しい訳じゃないよ」ー
共感覚がテーマの一つとなる。それもあり作中様々な色と音が存在する。中には聞いた事のないような、しかし想像しやすいようになってる。共感覚としての感じ方を少しだけ共有できるような気がする。
主要人物の名前が最後まで明かされない。この世に何かを残したかった檸檬先生が名前さえ読者に残せないという残酷さ。世界と自分の感覚を無理やり二分させることが出来たからこそいつまでも世界に違和感があったのかもしれない。
取扱いを凄く気をつけなければいけないなと思った。檸檬先生の終わり方の描写に美しささえ感じてしまった。凄く鋭利で瞬間的だからこそ読んでいる人の何かを刺激させる
Posted by ブクログ
まあまあ…
面白いとも面白くないとも言い難い。共感覚については以前調べたことがあり、割と馴染みのある内容であった。檸檬先生と少年の関係は好みだったものの、設定から期待する文章の美しさは感じられなかった。当時18歳ということで、これから先どんな作品を書かれるのか、楽しみ
Posted by ブクログ
共感覚、実は私もあり文字を見ると頭に色が浮かんでくる。この物語のように生活に支障があるほどではないけど。随所にある、檸檬先生の艶やかな描写がこの本の魅力とラストの凄惨さをグッと跳ね上げる。