作者の数学への愛が伝わってくる美しい作品。
数学が苦手な関数馬が、高木環との偶然の出会いを通じ、自身の将来を定めてゆく青春モノ。
数馬が徐々に数学への情熱を持つ様が魅力的であると共に、有理や圏との不思議な距離感のラブコメも楽しめる一作でした。
一般的に、青春系の話はスポーツやイベントが題材として扱わ
...続きを読むれることが多いと思うけれども、数学をこれらの題材と同等に扱って作品を仕上げている点がとても新鮮に感じました。
なお、昔々受験数学に実際に触れていたので、色々わかりみな点が多く、個人的により一層楽しめました。いや、懐かしい。
あと、本文中に言及はなかったけど、主要登場人物の名前は、著名な数学者の名字+数学用語なのかな?
関数馬 → 関孝和 + 数?
志村有理 → 志村五郎 + 有理数
掛谷圏 → 掛谷宗一 + 圏論
高木環 → 高木貞治 + 環論
なんとも、こだわりを感じました。