国内小説 - 文春e-book作品一覧
-
-
-
-
-
-
-
-
-
5.0
-
-
-
-
-
-
-
-
-
4.0
-
-
-
3.5
-
3.31巻611円 (税込)小説誌の雄『オール讀物』編集部がお贈りする、文藝とエロスの豪華絢爛コラボレーション! 近年オール讀物が掲載した、性とエロスの香り漂う創作や特集記事を再編集し、一冊にまとめたのがこの『エロスの記憶』です。まずは創作。小池真理子、桐野夏生、村山由佳、桜木紫乃、林真理子さんの女性作家陣が妍を競う一方で、野坂昭如、勝目梓、石田衣良、山田風太郎という重量級の男性作家陣も、練達の筆でときに熱く、ときにねちっこく性を描きます。 特集記事は、女優の岸惠子さん、サッカー元日本代表監督フィリップ・トルシエ氏、池田満寿夫・佐藤陽子夫妻といったバラエティ豊かな人選。渡辺淳一×弘兼憲史、東海林さだお×鹿島茂など対談も充実。「飛田新地の『写真屋』」(井上理津子)、「『フランス書院』の秘密」(北尾トロ)など、性の深淵に肉薄するルポものも満載です。 かつて小説雑誌が全盛だった昭和40年代、その一翼を担ったのが他ならぬ官能特集でした。それから半世紀近く経ちましたが、いかなる世であっても男女の仲に秘められた情理を描くのが小説の真髄。本書には、歴代オール讀物編集部がエロスの深淵を追求してきた、その熱気が横溢しています。『エロスの記憶』、どうぞお楽しみください!
-
4.4
-
4.0
-
4.0
-
3.4
-
5.0十津川警部、最後の事件! SLやまぐち号の5号車と乗客32人が消えた。 事件発生前、JR山口線を旅していた亀井刑事は、寺の住職から、 ある現代女性が高杉晋作に綴った恋文を託されていた。 一方、十津川は、消えた乗客名簿の中にアメリカ出身の会社経営者を発見する。 この会社から身代金らしき2億円が何者かに渡されたことが判明。 事件解決かと思われたが、乗客一人の遺体が発見される。 十津川は、事件解決のヒントが、謎の恋文にあることを突き止めるが……。 捜査で浮かび上がったのは「奇兵隊」をめぐる悲運の物語だった。 2022年3月に永眠したベストセラー作家、西村京太郎の絶筆。
-
4.0〈人間関係不得意〉 伝説のハガキ職人が自らの生い立ちを赤裸々に綴った型破りな青春家族小説! 僕は父の顔を知らない。気がついたら、オカンとふたり。 すぐ新作のオッサン(新しい男)を家に連れてくる、オカン。 「別に、二人のままで、ええやんけ!」 切なさを振り切るように、子どもの頃からひたすら「笑い」を摂取し、さみしさも、情熱も、性欲も、すべてをネタにして生きてきた。 本書は、いまなお抜けられない暗路を行くツチヤタカユキの赤裸々な記録であり、母と息子、不器用でイカれたふたりの泣き笑い、そのすべてが詰まった愛すべき青春家族小説である
-
3.5西村京太郎の推理世界 空前絶後のベストセラー作家全軌跡! 追悼 レジェンドに贈る感謝とお別れの言葉 赤川次郎「0・1ミリの違い」 東野圭吾「小説家として」 特別対談 『殺しの双曲線』『名探偵が多すぎる』『華麗なる誘拐』…… 綾辻行人×有栖川有栖 「僕らの愛する西村作品ベスト5」 オール讀物推理小説新人賞受賞作全文掲載 歪んだ朝 歳月を経ても色あせない社会派推理小説が原点だった 第2回オール讀物推理小説新人賞決定発表 受賞のことば 「嬉しさでいっぱい」西村京太郎 選評 有馬頼義/高木彬光/水上勉/松本清張 随想 ベストセラー作家前夜 「推理小説新人賞」の頃 「瞼の師」長谷川伸 オール讀物傑作選 美談崩れ 一九六五年九月号 見舞の人 一九六七年三月号 夜行列車「日本海」の謎 一九八二年十二月号 事件の裏で 一九八三年七月号 座談会 「オール讀物」と推理小説の90年 北村薫×北上次郎×戸川安宣 作家同士で語り合った四方山秘話 山村美紗「事実は推理小説より奇なり」 佐野洋×三好徹 司会・大沢在昌 「ミステリー界の巨人たち」 阿川佐和子「唯一無二の同志兼恋人」 赤川次郎「ミステリーを書き続ける幸せ」 トラベルミステリーと歩み続けて 宮脇俊三「ミステリーはローカル線に乗って」 インタビュー 鉄道と小説を愛して 絶筆 「SL『やまぐち』号殺人事件」の日々 作家活動の歩み 家の履歴書 思い出アルバム 蒸気機関車と 文士とカメラ 妻への手紙 生涯647冊全著作リスト
-
4.6破天荒に生きた父に捧ぐ! 「金スマ」2時間スペシャルで大反響を呼んだ父と娘の感涙の物語 野沢直子さんの父親ほど破天荒で魅力溢れる人物がほかにいるでしょうか。 まったく奇抜なアイディアで事業を成功させたり、完全に失敗したりを繰り返し、愛人をあちらこちらに持つ父。 しかし家族のことは大切にしていました。その父が死に、通帳には千円の残高しかなかったのでした。 父には一生背負わなければならなかったある経験がありました。それらの秘密や、家族の大切な記憶が徐々にひもとかれていきます。 野沢さんの祖父は、直木賞候補と目された作家、陸直次郎。一家を支える三味線の師匠である祖母と、夫を信じ、愛人との駆け落ちも受け入れる母。叔父に声優の野沢那智氏。 事業を手掛けては失敗する父と、成功を信じて疑わない母。その間で、野沢さんは懸命に「お笑いの道」を目指します。 ところが母親の死後、韓国人の隠し子が現れ、最後の章では、誰もが仰天するあらたな出会いが待っています。 「文藝芸人」(文春ムック)掲載時に、読者から「リリー・フランキー『東京タワー』に匹敵する親子愛の名作」と絶賛された作品に、格闘家デビューした長女、野沢・真珠オークライヤーと激しく争った子育ての日々などを、大幅に加筆しました。 懸命に生きる野沢家の人々の姿は、可笑しくてせつなくていとおしい。全編笑いに包まれながら、涙をなくして読むことができない本書は、小説を越えた小説と言えるでしょう。 野沢直子さんはやはり並の人間ではなかった!
-
4.0スタイリッシュな文体で、世界の真実に触れる! 七年間の勤務後、一年間の休暇を取る権利を得た僕は 、肌寒いバンコクで、車椅子の彼女と会った。 世界の真実に触れる、芥川賞候補作! 資本(キャピタル)と個人の適切な距離ってなんだろう? 僕は一年間のサバティカルを取った。 誰もが権利を得られるわけではない。 コンサルティングファームで七年間生き残るのは難しい。海亀みたいなものだ。 卵から孵る、海にたどり着く、最初の餌を見つける、宿敵から逃れる…… 1/5000の確率であなたは生き延びて成亀になり、 同じく1/5000をくぐり抜けた恋人に愛を囁くことができる。 (本文より)
-
3.0
-
3.7最後の夏、世界にしがみつくように、恋をした。 画家への夢を諦めてフリーター生活を送っていた宏は、突然余命三ヶ月の宣告を受ける。残された時間を知るまでは、この夏もいつものように、ただやり過ごすだけの季節になると思っていた。それが人生最期の夏に変わってしまった時、立ちはだかるように現れた女子高生の真衣。 「私が生きてるんだから生きろ」 宏は、容赦なくありのままの感情をぶつけてくる真衣に翻弄され、戸惑いながらも、生と死の間に強烈な光を見る……。 もっとも純粋で痛切なラブストーリー。 漫画家・手塚治虫氏が亡くなる3週間前まで病床で書き続けていた日記を原案とし、 カリスマ的な人気を誇るロックバンド「RADWIMPS」のヴォーカル&ギター野田洋次郎が主演を務めた映画の原作小説!
-
3.0漫画編集者って、なんてかっこわるい仕事なんだ! 人気投票と評価、そして売れ行きの間で煩悶する漫画家と漫画編集者。 不人気の果て、開き直って描いた官能漫画がようやくヒット、しかし創作のエゴイズムから逃れられない漫画家。 その矛先は担当編集に当然のように向けられる。 「俺の漫画に関われるだけでありがたいと思え」。 漫画家と編集者との共闘、そして決裂までを描いた『担当の朝』。 担当編集はまるで修行のような態度で臨まなければならない、現在では不人気となってしまった鬼才の大巨匠。 それでも「破門」される日はやって来る。 その理不尽さ、恩と怨念を描いた『担当の夜』。 有望な新人のはずなのに、なかなか新作を描かない漫画家。 その驚くべき「描かない理由」としたたかすぎる生命力を描く『最後の担当』。 今日もまた訃報が届く――。 なぜか早死にする漫画編集者たちへの痛切なレクイエム『俺酒』。 元青年漫画誌の編集長だった著者が描く、知られざる青年漫画の熱かった季節。 表紙・巻末マンガ:すぎむらしんいち
-
4.0映画「俳優 亀岡拓次」、2016年1月30日(土)テアトル新宿ほか全国公開! 亀岡拓次、40歳。下着泥棒から火宅の作家まで、哀愁漂う男を演れば天下一。傑作シリーズ第二弾の本書では、大女優・松村夏子さんの胸を揉んだり、さっぽろテレビ塔で狙撃されたり、伊東で地元のおっちゃんたちと踊ったり、イカれたTVプロデューサーと保育園のニワトリを追いかけたり。ついに、ポルトガルの海辺の町で、郷愁の酔っぱらいになって……。 川端賞作家・戌井昭人が贈る、脇役俳優の酒と仕事と恋の物語。 新春、横浜聡子監督映画『俳優 亀岡拓次』公開!亀岡に安田顕、ヒロインに麻生久美子。新井浩文、染谷将太ら人気若手俳優から、山崎努、三田佳子らベテラン俳優まで、豪華キャスト結集!
-
3.0長崎の被爆にこだわりつづける芥川賞作家の、思索と創作イメージの深まりを示す2篇。 原爆で妻と子どもを喪った自由律俳句の俳人、松尾あつゆきの日記を読みながら、「被爆者の証言やエピソードを粘土のようにこねまわして物語(フィクション)をこしらえてきた」自分へのうしろめたさを意識する「わたし」。林京子さんの「自由に書いていいのですよ」という言葉から、さらなるイメージの飛翔がはじまる――。【「愛撫、不和、和解、愛撫の日々」】 戦争を経験し、原子爆弾の光景を目撃した父の病死。家族と葬儀の準備をしながら「わたし」は、言葉をもたず、その光景を語らなかった父のかわりに、「感傷に流されることなく人間のしわざを告発するなにかを書くことができないか」、模索を始める。 愛読してきた作品……フォークナーの『八月の光』や宮沢賢治の『よだかの星』、アンリ・デュナンの『ソルフェリーノの記念』やクロード・シモンの『フランドルへの道』にインスピレーションを得て文体を掴み取り、「廃墟のなかをさまよう十六歳の父の内奥にしみこんでいった被爆の実相」を書こうと試みる。 それが「しょせんは想像でしかない」、「なにもわかりもしない」、なぜなら「わたしたちはついに語り合えなかった」のだから、と自らを戒めながらも、作家は想像力の翼をひろげ、その日の長崎を描き出そうとする。【「悲しみと無のあいだ】
-
3.3
-
3.8劇団・五反田団主宰の劇作家・前田司郎の芥川賞候補作! 愛とは何か? 愛は存在するのだろうか。愛が信じられない男をめぐる三角関係 36歳の京子と、もうすぐ40歳の俊介。 結婚して6年目の夫婦の悩みは、子どもができないことだ。 愛なんてこの世にないかもしれない。 でも、京子に子どもが生まれたならば。 検査の結果、不妊の原因は俊介にあり、しかも治療の余地さえないという。 二人の間に子供が出来ることは永遠にない。 諦めきれない俊介が提案したのは、驚くべき解決策だった。 男二人と女一人。 過去が思いがけない形で未来へと接続される、危うい心理劇。
-
4.6子供の頃から引越しを繰り返してきたサトルは、相棒猫ナナを連れて、懐かしい人々を訪ねる旅に出る。家業を継いだものの妻が家出中の幼馴染、今や立派な農業家となった中学時代の親友、高校・大学の同級生同士で結婚してペンションを営む友人カップル……行く先々で思い出を語る時間は、サトルとナナを迎える人々の胸の内にもささやかだが大切な変化を芽吹かせてゆく。旅の果てに1人と1匹が見る風景とは。現代最強のストーリーテラーが贈る、光あふれる傑作長篇!※本作品は文藝春秋、講談社で同一タイトルの作品が販売されております。本編内容は同じとなりますので予めご了承下さい。既に同作品をご購入されているお客様におかれましてはご注意下さい。
-
4.0僕には【サバの味噌煮の缶詰】を見ると思い出す友だちがいる。小学校の運動場。放課後にサッカーボールを追いかけることだけが人生の全部だった、あの頃。そこにはタケちゃんがいた。小学校最後の夏休み、僕はタケちゃんと一緒に冒険の旅に出た――。 懐かしくて、じんと来る、笑いと涙の映画『サバカン SABAKAN』(2022年8月19日全国公開、出演は番家一路、原田琥之佑、 尾野真千子、竹原ピストル、貫地谷しほり、草なぎ剛)。本書は金沢知樹監督が書き下ろした原作小説です。 「サバカン SABAKAN」「ガンダムの恋」「弟と少年ジャンプとプラネットマン」の三篇を収録。
-
4.1世界中の読者を熱狂させる、村田沙耶香の最新短篇&エッセイ 「なあ、俺と、新しくカルト始めない?」 好きな言葉は「原価いくら?」で、 現実こそが正しいのだと、強く信じている永岡。 同級生から、カルト商法を始めようと誘われた彼女は――。 信じることの危うさと切実さに痺れる8篇。 〈その他収録作〉 ★生存 65歳の時点で生きている可能性を数値化した、 「生存率」が何よりも重要視されるようになった未来の日本。 生存率「C」の私は、とうとう「野人」になることを決めた。 ★書かなかった小説 「だいたいルンバと同じくらいの便利さ」という友達の一言に後押しされて、クローンを4体買うことにした。 自分を夏子Aとし、クローンたちを夏子B、C、D、Eと呼ぶことにする。 そして5人の夏子たちの生活が始まった。 ★最後の展覧会 とある概念を持つ星を探して、1億年近く旅を続けてきたK。 彼が最後に辿り着いた星に残っていたのは、1体のロボットだけだった。 Kはロボットと「テンランカイ」を開くことにする。 ほか全8篇。
-
3.5デビュー以来連続して芥川賞候補になってきた二十代天才女性作家が、沈黙を破り放つ決定打。 作曲に天賦の才をみせる15歳の妹。母語から離れ、自らの言語表現を模索する姉。『肉骨茶』『影媛』で注目を集める高尾長良が音楽の都ウィーンを舞台に繰り広げる待望の本格芸術小説! 芸術の都、ウィーンへ音楽理論の大家である父を尋ねた姉妹。 妹・真名は外界との接触を拒み、内から湧きあがる音楽を汲みだす。翻訳家の姉・有智子はその天分を生かすべく心を砕くが、父の言葉によって絶望と嫉妬を思い知らされる。 音楽が記憶に掬いきれない価値を刻印するなら、言葉は底に穴の空いた器に等しいのか――。 音楽と言葉がぶつかり合う新鋭の傑作。
-
3.3浮気がばれて、パリへ逃げた。そこに悪夢が待っていた。 もう笑うしかない……松尾スズキ、衝撃の最新小説! 二年間の浮気が、キレイにばれた。別れたくない。二度目の結婚で、孤独な生活はこりごりだ。 妻の黒いヒールスリッパの鼻先に、海馬五郎は土下座するしかなかった……。 無条件降伏として、仕事場の解約と、毎日のセックスを、妻から宣言された。 性に淡白な海馬五郎は、追い詰められて、死すら望むものの、死ねるはずもなく、がんじがらめの日々を過ごしている。 半年ほど息苦しい生活を味わった頃、海馬五郎は、フランスのエドルアール・クレスト賞の受賞を知らされる。 「世界を代表する5人の自由人のための賞……?」 胡散臭いものだが、パリへの旅費と一週間の滞在費を支給してくれるらしい。 飛行機が嫌いで、外国人が怖い海馬五郎も、一週間は妻とのセックスを休めるというので、その誘いにのった。 これが悪夢の旅になったのである。 表題作『もう「はい」としか言えない』の他、海馬五郎の恥ずかしい少年時代をヴィヴィッドに描いた『神様ノイローゼ』をカップリング。 天才・松尾スズキのシュールでエンタテイメント精神にあふれる、まったく新しい小説世界へようこそ! 〈著者プロフィール〉 一九六二年、福岡県出身。 一九八八年に「大人計画」を旗揚げする。主宰として多数の作・演出・出演を務めるほか、エッセイや小説の執筆、映画監督など、その活躍は多岐にわたる。 一九九七年、岸田國士戯曲賞受賞。二〇〇一年、ゴールデン・アロー賞演劇賞受賞。二〇〇六年、小説『クワイエットルームにようこそ』が芥川賞にノミネート。二〇〇八年、映画『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』の脚本で、日本アカデミー賞最優秀脚本賞受賞。二〇一〇年、小説『老人賭博』が芥川賞にノミネート。 二〇一八年、「大人計画」は三十周年を迎えた。
-
3.8いま最も注目されている宮内悠介が、時の流れをこえて、この世界の真実に迫る! 芥川賞候補作品。 いまの東京に重なって、あの戦争が見えてしまう――。 茶の間と重なりあったリビングの、ソファと重なりあった半透明のちゃぶ台に、曾祖父がいた。 その家には、まだ少女だった祖母もいる。 昭和十九年の戦時下が、2019年の日常と重なっているのだ。 大混乱に陥った東京で、静かに暮らしている主人公に、昭和二十年三月十日の下町空襲が迫っている。 少女のおかあさんである曾祖母は、もうすぐ焼け死んでしまうのだ。 わたしたちは幻の吹雪に包まれたオフィスで仕事をしながら、落ち着かない心持ちで、そのときを待っている……。 表題作「ディレイ・エフェクト」の他、「空蝉」と「阿呆神社」を収録した驚愕の短篇集。
-
3.080年代の上野界隈でネオンを輝かせていたフィリピン・パブ。 父親の経営する店の人気者だった姉は、AV女優として成功したけれど……。 麻美ゆまにインスパイアされた表題作の他、「午前零時の同窓会」「月夜の群飛」「鶯の鳴く夜」「吉原浄土」を収録。 石井光太は『物乞う仏陀』や『遺体――震災、津波の果てに』など、この世界の非情なる現実を見つめて、われわれの振舞うべきスタンスを、真摯に問い続けています。 ここ十数年で風俗業界も大きく変わりました。かつて女性が生きるための最終手段だったものが、いまや“普通の貧困”によって、生活費を得るために体を売るようになっているのです。過酷さの質が変わったのかもしれません。 『世界で一番のクリスマス』で、石井光太が描いているのは、東京・上野界隈にある風俗業界で必死に生きようとする女と男たち。 女性用デートクラブ、無許可営業のデリバリーヘルス、廃墟と化したラブホテル、風俗嬢の駆け込み寺となるクリニックなどを舞台に、男女のせつない心情の遍歴を、丹念にたどりながら見つめています。 表題作の主人公は、AV女優の姉を持つシングルマザー。上野駅ホームで撮影した本書のカバー写真にも協力してくれた伝説の元AV女優、麻美ゆまに、石井光太がインスパイアされて書いた作品です。 クリスマスの夜の奇跡を、お楽しみください。
-
4.2最強の無人機を開発せよ! 新設した防衛装備庁の肝入りで作られることになった高性能ドローン。 大手メーカー三社が関わり、完成間近までこぎつけたのだが――。 防衛庁vs大企業vsベンチャー。果たして最後に笑うのは誰だ? 大ヒット作『推定脅威』の著者による、渾身の最新作! 「自衛隊が武器として使わなくても、相手がそうとは限らない――」 マルチコプタードローンについて、防衛省の試験研究が始まった。 メーカー側に提示された目標スペックはシビアなものだったが、フリーランスのデザイナー倉崎が、画期的なアイデアを思いつく。 「すべてがリアルすぎる」との声、多数。 最強のものづくりエンターテインメント!
-
3.5
-
3.5
-
4.3
-
-2023年6月9日に逝去された平岩弓枝さん。 1932年に代々木八幡宮の宮司の娘として生まれた平岩さんは、劇作家の長谷川伸に師事。1959年、「鏨師」で直木賞を受賞しました。73年に始まった「御宿かわせみ」シリーズは、続編の「新・御宿かわせみ」シリーズにいたるまで、全34冊、30年以上にわたる長大シリーズとなりました。 また、平岩さんには脚本家としての顔もありました。主な作品には「肝っ玉かあさん」「ありがとう」、そしてNHK大河ドラマ「新・平家物語」などなど。 すばらしい物語を紡ぎ続け、さまざまな形で私たちに届けてくださった91年の生涯。ここに、平岩さんと「御宿かわせみ」の世界を振り返る、永久保存版のムックをお届けします。 【目次より】 秘蔵写真で振り返る平岩弓枝の軌跡 感動講演「日本のこころ」――小説家としての原点が語られる 直木賞受賞作「鏨師」全文掲載 「御宿かわせみ」傑作選 初春の客/白萩屋敷の月/祝言 「御宿かわせみ」座談会――るいや東吾を演じる歓び 新珠三千代×田村亮×小野田正 名取裕子×沢口靖子 高島礼子×中村橋之助 真野響子×黛りんたろう 対談 華麗なる交遊録 山田五十鈴/八千草薫/若尾文子/曽野綾子/阿川佐和子 特別インタビュー 作家人生五十年を語る 傑作エッセイ「わが来し方の記」 天皇の松/卒寿の春 蓬田やすひろの挿絵で見る「御宿かわせみ」登場人物 「御宿かわせみ」全作品リスト
-
3.9私の身体は、生き抜いた時間の証として破壊されていく 「本を読むたび背骨は曲がり肺を潰し喉に孔を穿ち歩いては頭をぶつけ、私の身体は生きるために壊れてきた。」 圧倒的迫力&ユーモアで選考会に衝撃を与えた、第128回文學界新人賞受賞作。 打たれ、刻まれ、いつまでも自分の中から消えない言葉たちでした。この小説が本になって存在する世界に行きたい、と強く望みました。 ――村田沙耶香 小説に込められた強大な熱量にねじ伏せられたかのようで、 読後しばらく生きた心地がしなかった。 ――金原ひとみ 文字に刻まれた肉体を通して、 書くという行為への怨嗟と快楽、 その特権性と欺瞞が鮮明に浮かび上がる。 ――青山七恵 井沢釈華の背骨は、右肺を押し潰すかたちで極度に湾曲している。 両親が遺したグループホームの十畳の自室から釈華は、あらゆる言葉を送りだす――。
-
3.8選考会で異例の満場一致! 第127回文學界新人賞受賞作 松井まどか、高校2年生。 うみちゃんと付き合って3か月。 体重計の目盛りはしばらく、40を超えていない。 ――「かけがえのない他人」はまだ、見つからない。 優しさと気遣いの定型句に苛立ち、 肉体から言葉を絞り出そうともがく魂を描く、圧巻のデビュー作。 ★★★ 文學界新人賞・全選考委員激賞!! ここには誰のおすみつきももらえない、肉体から絞り出した言葉の生々しい手触りがある。――青山七恵 安易なマイノリティ表現への違和感の表明であり、同時にそのような表明の安易さへの批判でもあるという点で、まさにいま求められる文学なのではないか。――東浩紀 本作には紛うことなき現代を生きる人間が、そして現代がぶち当たっている壁が克明に描かれている。――金原ひとみ 世界が傷つくとみなす事項に対する、最初からの「傷ついてなさ」が、ぐっとくるのだ。――長嶋有 満場一致の受賞となり、今後の活躍を楽しみにしている。――中村文則 主人公にとって、また小説にとって、とても重要なもの、安易に言語化できないものたちが、物語の力によって、この小説の中に確かに存在している。――村田沙耶香
-
3.6演出家、劇作家、俳優、映画監督、小説家とマルチに活躍する松尾スズキ、三年ぶり待望の新作小説。 放送作家見習いの「俺」は、十年間師匠と仰いでいた人物が自殺した日、映画館で偶然出会った女・スミレにいきなり結婚を申し込む。スミレは離婚したばかりだった。 することのない俺とスミレは、酒浸りの日々を送るようになる。 そんな中、俺を捉えて離さないのは、師匠が手首に入れていた矢印形の刺青のことだった――。 次々と地獄の扉が開いていくような男女の転落物語でありながら、どこかに人間存在を見つめる苦い笑いがにじむ松尾ワールドの真骨頂。 (本文より) 今、自分に必要なのは、人生をなめている女だ。 酔っぱらってくれ、俺のそばで。 あと一時間でもいい。一五分でもいい。 いや、今わかった。 俺には俺より酔っ払ってくれている人間が、隣に、必要なのだ。 もう、ずっとそうだったし、きっと今日からもずっと。
-
3.6外資系食料品メーカーの事務職として働く元地下アイドルの華美は、 生活費を切り詰め株に投資することで、 給与収入と同じ配当を生む分身(システム)の構築を目論んでいる。 恋人の直幸は「使わないお金は死んでいる」と華美を笑うが、 とある人物率いるオンラインコミュニティ活動にのめり込んでゆく。 そのアップデートされた物々交換の世界は、 マネーゲームに明け暮れる現代の金融システムを乗り越えゆくのだ、と。 やがて会員たちと集団生活を始めた直幸を取り戻すべく、 華美は《分身》の力を使おうとするのだが……。 金に近づけば、死に近づく。 高度に発達した資本主義、その欠陥を衝くように生まれる新たな幻影。 羽田圭介の新たな代表作。
-
4.7著書発行部数1000万部を超える齋藤孝・明治大学教授がはじめて小説スタイルに挑戦。 現代版『君たちはどう生きるか」。 サッカーに熱中する中学二年生の「メッシ君」と、絵を描くことが大好きな高校二年生の「ゴッホ君」の兄弟。 二人の家の近所に、古書店「人生堂」が開店した。 その店主「サイトウさん」は、二人がさまざまな悩みを相談するたびに、さりげないアドバイスとともに、何冊かの本を教えてくれる。 コンプレックス、いじめ、進学、恋愛、身近な人の死……思春期の少年なら誰しも突き当たるような問題に、本は道しるべを与えてくれ、成長に誘ってくれる。 またそれらの本を読んでいるうち、格差社会や環境問題など、未来を生きていく上での指針も見つかるだろう。 あまり読書が好きではなかった二人だが、サイトウさんの店に通う半年弱の期間に、みるみる本が好きになっていった。 カバー絵は「漫画 君たちはどう生きるか」の羽賀翔一氏。 ポストコロナの時代を生き抜く青少年に贈る決定版の読書・人生の手引きです。
-
3.4
-
4.0詩人兼絵本作家と若年性認知症の画家が、 一人の女性をめぐり繰り広げる、遅れてきた青春――。 詩人で絵本作家の笹原、画家の石黒、40代後半の美しい珠代という名の女性の三角関係を描く長篇小説です。 笹原は編集者に紹介され石黒と出会います。 二人はたまたま中学の同級生であると分かり距離が縮まっていきます。 石黒は愛想は極めて悪いが憎めない魅力的な男です。 一冊の絵本を一緒に仕上げますが、その後、石黒は突然仕事をすべてやめてしまった。 石黒は若年性アルツハイマーを病んでいるのでした。 そして、ナックルボールを投げることだけに異常に執着します。 ナックルボールを仲立ちにして、マドンナたる珠代に出会った二人は、まったく違ったように仲良くなるのでした。 笹原はじりじりしながら友人と珠代の間を行き来しますが、ある日石黒は失踪してしまい、笹原と珠代は必死で石黒を探し始めるのでした。 中年男女三人に遅れてやってきた青春を描く、さわやかで感動的なドラマです。
-
-秘剣をあやつる18歳の少女が、やくざの親分に、殺し屋に、渾身の一撃を見舞う! 松本清張賞作家が描く、痛快アクション・コメディ 十八歳の若さで鷹月流剣術第三十二代当主となった鷹月つぶらは、かつての兄弟子、桜庭廉を探すため、山形から上京する。東京・原宿で偶然知り合った有村依子と、代々木に住む叔父の鷹月賢秀を訪ね、廉の居場所を訊くが、「お前は、廉と関わるな」と言われてしまう。「あの者とお前は、とうに道を違えてしまった」と。その後、依子が、やくざの事務所に拉致されてしまう。それを知ったつぶらは、依子の救出に駆けつけ、“光る刀”を武器に、やくざ者を次々に倒していく。本人も知らぬ間に、彼女は極道の抗争に巻き込まれていたのだった――。
-
3.9【電子書籍特典付き】カバーイラストを手掛けたゴルさんによる特別描きおろしイラストと住野よるさんの「電子特典用メッセージ」を収録! 片想い男子とちょっと気にしすぎな女子。二人は友達だけど、違う生き物。 一緒に過ごす、夏の特別な四日間。 めえめえ(瀬戸洋平)は下宿仲間でクラスメイトの女子サブレ(鳩代司)に片想いをしている。 告白もしていないし、夏休みでしばらく会えないと思っていた。そのサブレが目の前にいる。 サブレは夏休み中に遠方にあるじいちゃんの家に行くのだが、それはある"不謹慎な"目的のためだった。 「じゃあ一緒に行く?」 「うん」 思いがけず誘われためえめえは、部活の休みを利用してサブレと共にじいちゃんの家を目指す。 夜行バスに乗って、二人の"不謹慎な"そして特別な旅が始まる――。 恋という気持ちが存在する、この世界に生まれてしまった全てのあなたへ。
-
3.0
-
3.9
-
3.8星の数ほどあるケーキのなかでも、不動の人気を誇る「苺のショートケーキ」。 「和菓子のアン」シリーズなど、甘いものを描いた作品に定評のある著者による、ショートケーキをめぐる5篇の連作集。 大学生の<ゆか>と<こいちゃん>はどちらも、母との二人家族。父が出て行ってから買えなくなったホールケーキを求めて、ふたりは<失われたホールケーキの会>を結成、切れていないケーキを楽しんでいる。ある時、離れて暮らす父親から、「大事な話がある」と連絡があり……。(「ホール」) 俺が働くケーキ屋では、残りがちなホールケーキを予約なしに買ってくれるお客さんを天使と呼んでいる。天使の中には常連もいて、女子大生と思しきその二人組が俺は気になっている。どうやら彼女たちは、丸いホールのケーキにこだわっているようなのだ。(「ショートケーキ。」) ケーキ屋で働く私には、嬉しいことがあったときにひとりで行う「趣味」がある。ケーキを冒涜しているようで人には言えないのだが……。 (「追いイチゴ」) ママになった瞬間からさまざまなことがままならなくなった。大好きなショートケーキをもう一度ひとりでゆっくりと味わいたい。その願望を実現すべく、<あつこ>は二人のママ友と互助会を結成する。(「ままならない」) 央介の口癖は「嫁に行きてえ」、何事にも受け身で生きてきた28歳の会社員だ。ある時、領収書の不備を指摘されたのをきっかけに、会社の経理担当の女性のことが気になり始める。弟の学費を捻出するために倹約弁当を続ける彼女だが、どうやら本当はショートケーキが食べたそうなのだ。 (「騎士と狩人」)
-
3.6僕の愛する恋人には、もう一人恋人がいる―― 対等でありがたいともがき、傷つけませんようにと願う。 “恋がしづらい”この世の中で、20代から圧倒的支持を集める俊英、初の長編! 町枝圭吾、24歳。京都市内の観光ホテルで働いている。 圭吾は、恋愛をすることが怖い。自分の男性性が、相手を傷つけてしまうのではないかと思うから。 けれど圭吾には、好きな人がいる。二条城で毎日ランニングをしている、あやめさんだ。 想いを告げたら、あやめさんはこう言った。 「わたし、ポリアモリーなんだけど、それでもいい?」 ポリアモリーとは、複数の人とオープンな恋愛関係をもつこと。 あやめさんのことは丸ごと受け入れたい。だけど……
-
3.6人知れず抱える居心地の悪さや寂しさ。 そんな感情に寄り添い、ふと心を軽くする物語 「コードネームは保留」 楽器店で働く優香は、人知れず“殺し屋”の設定を生きることで、 味気ない日々をこなしていた。 「タイムマシンに乗れないぼくたち」 新しい街に馴染めない「ぼく」は、太古の生物が好きで、博物館が唯一落ち着く場所だった。 ある日、博物館で“現実逃避”をしているスーツ姿の男性と出会い―― 「夢の女」 死んだ夫のパソコンに残されていた小説原稿。 それは、夫と「理想の女」が主人公のSF小説だった。 「深く息を吸って、」 息をひそめるように日々を過ごすかつての「きみ」に、私は語りかける。 「対岸の叔父」 町いちばんの変わり者、それがぼくの叔父さんだった。
-
3.5著者初の自伝的小説集。 因習的な故郷に、男性社会からのいわれなき侮蔑に、メディアの暴力に苦しめられた時に、 「わたし」はいつも正論を命綱に生き延びてきた―― 7年ぶりに声を聞く母からの電話で父の危篤を知らされた小説家の「わたし」は、最期を看取るために、コロナ禍の鳥取に帰省する。 なぜ、わたしの家族は解体したのだろうか? 長年のわだかまりを抱えながら母を支えて父を弔う日々を通じて、わたしは母と父のあいだに確実にあった愛情に初めて気づく。 しかし、故郷には長くは留まれない。そう、ここは「りこうに生まれてしまった」少女にとっては、複雑で難しい、因習的な不文律に縛られた土地だ。 何度埋められても、理屈と正論を命綱になんとかして穴から這い上がった少女は東京に逃れ、そこで小説家になったのだ。 「文學界」掲載時から話題を呼んだ自伝的小説「少女を埋める」と、 発表後の激動の日々を描いた続篇「キメラ」、書き下ろし「夏の終わり」の3篇を収録。 近しい人間の死を経験したことのあるすべての読者の心にそっと語りかけると同時に、 「出ていけ、もしくは従え」と迫る理不尽な共同体に抗う「少女」たちに切実に寄り添う、希望の書。
-
4.2
-
3.9寂しさを消すことができるなら、私は死んでもいい―― 女が女になり、女でしかなくなる瞬間を描く問題作! わたしの心が「寂しいの、なんとかして」と色目ならぬ物欲しげな瞳を駆使して、受動的に、男を付け狙っているわけです。(中略) 男に付け込まれるように、狙われるように、心がそういう風に巧みに振る舞っているわけです。 これがわたしの本性であるところの「受け身のストーカー」です。(本文より) これは、性にまつわるあらゆる体験を味わい尽くす「女」の物語。 女という性をやめられず、女という性から逃れられない「生」の先には何が見えるのか? 太宰治の『人間失格』を下敷きに、「女性が女性であることで覗きこむ深淵」を照らし出す意欲作!
-
4.3直木賞候補作、高校生直木賞受賞作『くちなし』から4年―― 私たちは一人じゃない。これからもずっと、ずっと 愛するものの喪失と再生を描く、感動の物語 幸せな恋愛、結婚だった。これからも幸せな出産、子育てが続く……はずだった。 順風満帆に「普通」の幸福を謳歌していた森崎青子に訪れた思いがけない転機―― 娘の死から、彼女の人生は暗転した。離婚、職場での理不尽、「普通」からはみ出した者への周囲の無理解。 「再生」を期し、もがけばもがくほど、亡くした者への愛は溢れ、「普通」は遠ざかり……。(表題作「新しい星」) 美しく、静謐に佇む物語 気鋭の作家が放つ、新たな代表作!
-
3.5日露戦争から第二次世界大戦、激動の時代に翻弄された美貌の混血ダンサーがいた! 図らずも日本のスパイとして活躍した波乱の人生が甦る、感動のノンフィクション・ノベル。 1990年春。ベルリンの壁崩壊を取材に訪れたジャーナリストは、日本人の母親を持つという元タンゴダンサーの老女、エヴァ・ミツ・ロドリゲスと知り合う。 娼婦だった母はアルゼンチンで入水自殺を遂げ、母親の元同僚トミエに育てられたエヴァはタンゴダンサーとなる。 やがてエヴァはコンチネンタルタンゴの本場ドイツへと渡るが、欧州はナチス・ドイツにより戦火の坩堝と化していく。 その美貌とダンスでナチスの大物にもかわいがられるようになったエヴァに近づいてきたのは、日本の商社員・吉川公夫だった。 陸軍の諜報員である吉川に魅入られ恋に落ちたエヴァは、日本側の女スパイとして活動することを余儀なくされる……。
-
3.5
-
3.0海から来た謎の男が、奇跡と愛をもたらしてゆく 『淵に立つ』でカンヌ映画祭ほか内外の絶賛を浴びた深田晃司監督が、ディーン・フジオカ主演の最新映画(5月公開)を自ら小説化! インドネシア、バンダ・アチェの浜辺に打ち上げられた、日本人らしき謎の男。 彼の正体を探る周りの人間たちの間に、波紋が広がっていく……。 2004年のスマトラ島大津波と、2011年の東日本大震災。 そして、第二次大戦中は日本の軍政下に置かれ、オランダからの独立戦争においては日本人義勇兵が支援した、インドネシアと日本の歴史上の因縁。さまざまな要素が織り込まれ、映画のストーリーをさらに発展させた力作です。
-
4.0青春大炎上……『横浜大戦争』で話題の若きストーリーテラー、超弩級書き下ろし! 目が覚めると、夕方の16時23分。外は雨が降っている。 大学を中退して、仕送りもなく、2年近く続いた居酒屋のバイトもやめた。携帯も壊れた。 ただひとり付き合っていた人妻ともケンカした。 アパートの部屋を飛び出した僕は、なんとなく訪れた新宿の古びたバーで、かつて天才児として名を馳せていた親友の「サクマ」と再会して、ひさしぶりにビールを飲んだ。そのときには、すでに、貨物列車に轢かれて死んでしまっていたはずのサクマと……。 親友の死の謎を追いかけて、僕はようやく、自分の意思で動きはじめていた。 「バビロン」とは何か? サクマは「バビロン」にいるのか? ユーチューバー、女天才弁護士、伝説の元プロレスラー、美少女の元同級生……使えるものはなんでも使って、親友の死の謎を追いかける!
-
4.1主人公の真知子は海外企業に職を得た夫の転勤で南半球へ。 幼い娘と共に海外での新生活が始まった。 美しく小さな異国の街に暮らす日本人達のコミュニティには、暗黙のヒエラルキーがあり、夫の職業や現地の家の場所によって厳然たる階級が築かれていた。 その中で真知子は、投資銀行に勤める夫を持つ佐倉郁子、商社マンの妻の津田宏美、現地の日本人シェフと再婚した木村弓子と親しくなる。 しかし、日本人会のバザーで起こった事件をきっかけに、彼女たちの関係は一気にあやういものになっていく。 内気な真知子は翻弄されつつも、壊れかけた友情の糸を結び合わせながら、少しずつ自分の居場所を獲得していく…。 結婚、出産、仕事、お金…。 今、女性が「生きる」ことについて、真摯に、正面から向き合った傑作長篇。
-
3.8
-
4.0文学少女の私が、青年漫画の編集者に!? 青年漫画誌に配属になった新人女子。大御所を怒らせ、童貞の作家に戸惑う日々だが――。 25歳期待の新人による長編エンタメ! 「漫画なんて、くだらない」 入社一年目、ザ・文学少女山田友梨が配属されたのは、男だらけの青年漫画誌「ヤングビート」編集部。 大物作家を激怒させ、長寿連載「解決屋一平」はまさかの終了。 童貞が主人公のエッチ漫画「いまだ、できず」の人気は急降下。 雑誌を牽引する大ヒット作「キヨのひらく箱」には激しく心を動かされるが、担当なのに作者とは一回も会えない。 第16回ボイルドエッグズ新人賞受賞の新鋭が描く、イタくて深い、新感覚!青春感動物語