作品一覧 2023/09/26更新 あの光 試し読み フォロー 昨日壊れはじめた世界で 試し読み フォロー 永遠の詩 試し読み フォロー 見えない星に耳を澄ませて 試し読み フォロー やわらかな足で人魚は 試し読み フォロー 1~5件目 / 5件<<<1・・・・・・・・・>>> 香月夕花の作品をすべて見る
ユーザーレビュー あの光 香月夕花 読みごたえがあった1冊だった。開運とお掃除と聞いたら、私もはまるかもと思った。脚光を浴びてやめられなくなる様子や、自己啓発セミナーに、はまっていく感じが巧みに描かれていた。高岡紅が 本当に求めていたものが手に入ったときに、後戻りができなくなっていたのは、なんとも言えない気持ちになった。全てを失くして...続きを読むも、母親に求めていたものを歓心なく人に与えられる日がいつかくることを願った。 Posted by ブクログ あの光 香月夕花 現代人は、日常的に生存そのものを脅かされることがおよそなくなった。一方で、自身の生に意味を与えようと「承認欲求」を日々増殖させている。 本作は、この厄介な「承認欲求」を鍵に、信じる側、信じさせる側双方の思いの相乗効果が作り上げた小さな虚構の王国の盛衰記である。 ハウスクリーニング会社から独立をは...続きを読むたした主人公高岡紅は、ある日、汚部屋のクライアントから悩みの相談を受け、掃除と開運を結び付けたアドバイスをする。 それがたまたま功を奏したことから、彼女は、クライアントたちから奉られ、あれよあれよと新興宗教まがいのオンラインサロンの巫女に祭り上げられる。 しかし、嘘を重ねて固められた砂の城は、一部の信者の暴走であえなく崩壊する。廃墟の中から主人公が見つけた「あの光」とは何だったのか。 心に闇を抱える登場人物たちの移ろいゆく心理や、一度、流れができると教祖すら神輿につかまり続け、偽りを演じ続けざるを得ない集団心理の恐ろしさを巧みな描写し、クライマックスに向けて、息もつかせぬドラマ展開を見せる筆致は、まさに見事の一言に尽きる。 300ページを超える大作だが、ページをめくる手を全く止めさせない。 私たちは、スマホと対峙しながら、主体的に情報を取得しているつもりだが、実はいつの間にか秒刻みで与えられる情報の洪水に翻弄され、考えることを放棄させられている。 本作は、誰かが道を示し、手を引いて、心の空白を満たしてくれることを待ち望みながら立ちすくむだけで、自分で歩く力を失いがちな私たちの鏡に映された本当の姿をまざまざと見せてくれると感じた。 Posted by ブクログ やわらかな足で人魚は 香月夕花 5つの短編から構成された本。 どの話も良かったが、自分は特に4話目の水に立つ人がお気に入り。 来るはずのない人を、全国各地の聖堂を巡りながら待つという、一見めちゃくちゃな女性教師の心境に強く共感した。 香月夕花さんの本は、時に社会が抱える闇に鋭く切り込み、時に人間の心情を深く考察し、時に心を揺さぶる...続きを読む物語を書き。 とても好きな作家さんの一人。 これからも香月夕花さんの本を読んでいきたい。 Posted by ブクログ 昨日壊れはじめた世界で 香月夕花 凄くいい。優しくて悲しくて切なくてあったかくて。少しずつ溶けていく。人は色んな面がある多面体なんだなぁ Posted by ブクログ やわらかな足で人魚は 香月夕花 主人公の絶望に勝手にフタをしない書き手。つづられた物語は容赦がない。血の温もりで、硬直した心を溶かすように。 「傷つけられたことへの補償はないのだ。たぶん、永遠に。悲しみは悲しみのまま残り、それでも人は生きていく。」 Posted by ブクログ 香月夕花のレビューをもっと見る