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一体どうしたら自分は人間になれるのだろう。
当たり前に愛される人間の子供に。
タワマンを舞台に電話詐欺の嘘によって結びつく偽物の母と息子。
“前科”のある中学教師と孤独な少女。
悲しみを抱えた二人が出会うとき、世界は色を変える。
『昨日壊れはじめた世界で』が話題沸騰のオール讀物新人賞作家の、痛々しいほど危うく美しい傑作短編集。
四六時中わけもなく淋しくて、悲しくて、心許ない。
まるで私たちの足元にはちゃんとした地面がないかのようだ。──「水に立つ人」
人魚姫が王子を刺せなかったなんて、やっぱりウソだ。いつの間に引っ張り出したのか、赤い万能ナイフは陽の手の中にあった──「やわらかな足で人魚は」
この短編集の五人の主人公たちは、皆、「どこにでもいるけれども、悲しみを抱えているとは傍目に分からない人たち」だ。
香月夕花の描く世界は、どこまでも儚く、残酷で、美しい。
満場一致でオール讀物新人賞を受賞したデビュー作「水に立つ人」と同名の短編集を改題し、「逃げていく緑の男」を追加して再構成。
解説:川本三郎
※この電子書籍は2016年10月に文藝春秋より刊行された単行本『水に立つ人』の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
初読みの香月さん♬とても良かった〜!
5編の短編集です。
なんとなく柔らかくて優しいイメージを勝手に抱いてたけど、描いてたイメージとはちょっと違ってわりとビターな印象でした。
それぞれの主人公の「悲しみ」を描いた作品。
香月さんの描く文章が凄く好きでした。
直接的に感情に訴えかけてくる様な感じではなく、むしろ穏やかなんだけどじんわり心に残るというか、、。
うまく言えないけれど、静かに余韻が残る感じが絶妙に好きでした!
どの話も良かったけど、私は表題作の「やわらかな足で人魚は」が1番良かったな♡♡
あ〜、また1人好きな作家さんが増えてしまった〜\♡/"
Posted by ブクログ
"はじめまして"の香月夕花さんは、とても印象深かった。 この文章、好みです。
離婚・貧困・不登校・犯罪など、愛不在の悲しい子どもたち・大人たち。心やすらげる居場所がない。
そんな哀しみをまとった人々の物語。
でも、哀しいだけの物語ではない。温かさがある。
だが、物語は、憐れみなどいらないとばかりに、淡々と進んで行く。
そこに、わたしの感情は無く、物語を淡々と追う。
そして、ラスト、"あぁそうくるか"と、納得、わたしの心は息を吹き返し、鮮やかな色に染まる。淡い淡いピンクに、明るいブルーに、といった具合に。
そんな風に感じさせてくれる香月夕花さんの文章は、とてもとても心地よかった。
特に、それを感じたのが『水に立つ人』。
淡々と綴られた文章、なのに、ラストのなんと甘やかなこと。素敵でした。
そして『やわらかな足で人魚は』は、読み応えがありました。
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