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音大のピアノ科に通う曽我真尋は、たまたま参加した大学の授業で人の心を薬のように癒す音楽もあることを知り、三上先生の診療所で音楽療法士の実習を受けることにした。大人の声に耳を閉ざす少女、キラキラと飾った虚構の自分しか愛せないパーソナルスタイリスト、探し求めた愛情を見付けられず無気力に生きる中年男性……様々なクライエントと音を通じて向き合ううちに、真尋自身も自分が抱えた秘密と向き合うことになり――。
私たちはこんなにも弱くて、脆い。それでも生きることから、逃げられない。美しい旋律と共に、生き抜く強さを与えてくれる感動の一冊。
Posted by ブクログ 2021年02月21日
人は誰しもこころのどこかに影があるのかなと感じた作品。一人一人が持っている闇が重くて、心がそちらへつられていきます。重いものを抱えている人が多く登場するので、喫茶店のマスターの言葉や主人公の友人に少し癒されます。
最後の数ページでさらに心に重くなりました。でも気になって一気に読んでしまった。
音楽...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年09月13日
音楽療法士を目指す音大生の真尋。
実習では三上先生のもとを訪れるクライエントとともに音楽療法に加わる。
ここを訪れる人々は見ようとして敢えて見ていなかった心の中と対峙することになっていく。
それが解決に向かう人と、より辛くなっていく人と。
音楽療法を受けなければならないのは真尋なのでは?
いったい真...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年02月08日
『病みついた誰かを魔法のように癒やすことなんて出来ない』
『あんたは話題が少ないわね。なんて言うか、特徴がないのよ』
『本当に向いてることも、本当にやりたいことも、大概の人にはないんだって』
『星はいいよ…決まった時間に必ず決まった場所にいるわけだし』
『生きている人間を支えてくれるのなら、幻にだっ...続きを読む
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