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デビュー以来連続して芥川賞候補になってきた二十代天才女性作家が、沈黙を破り放つ決定打。
作曲に天賦の才をみせる15歳の妹。母語から離れ、自らの言語表現を模索する姉。『肉骨茶』『影媛』で注目を集める高尾長良が音楽の都ウィーンを舞台に繰り広げる待望の本格芸術小説!
芸術の都、ウィーンへ音楽理論の大家である父を尋ねた姉妹。
妹・真名は外界との接触を拒み、内から湧きあがる音楽を汲みだす。翻訳家の姉・有智子はその天分を生かすべく心を砕くが、父の言葉によって絶望と嫉妬を思い知らされる。
音楽が記憶に掬いきれない価値を刻印するなら、言葉は底に穴の空いた器に等しいのか――。
音楽と言葉がぶつかり合う新鋭の傑作。
Posted by ブクログ 2020年01月21日
本作品に登場する姉妹、そして父親の役割が意味しているものを考えると、音楽がいかに崇高なものなのか分かる。有智子は言葉の役割を持つ。妹の真名は音(音楽)の役割だ。父親は音楽理論の権威で、音と言葉の両方を表している。そんなふうに読み取った。
長く離れていた父に姉妹が会いに行くのだが、父と真名は父の気持...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年01月03日
有智子と真名。ウィーン。
難しくて美しい。
翻訳された小説のような文体。
油断すると上滑りしてしまう。
だから、慎重に読み進めた。
・・・それでもわかんない所が出てきちゃう。
でも、はっきりとわからなくても、
「あたしは有智子じゃないし、まあまあわかればいっか。」
みたいな感じでわからなさを心...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年02月11日
これぞ純文学という難解な小説。
芥川賞候補になったということで読んでみた初読みの作家さん。
う~ん。難しい。
翻訳文のような文体とそこはかとなく流れる音楽への深い憧憬。
やはり、音を文章にしようとするって難しいな。
『蜜蜂と遠雷』的なものを想像していたけど、まったく違った。どちらかというと主...続きを読む
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