ブロスの大根仁さんのコラムで知る。『オール読物』等で連載していたらしい。安達哲・華倫変・ジョージ秋山、あとは松永豊和?にかかわっていたときの話。四編のうち、漫画家と編集である自身の関係に焦点が当てられた前半三編までは面白い。かつての上司と酒について綴った最後の書きおろし「俺酒」は、前章では毛嫌いして
...続きを読むいたはずの無頼派をきどっているかのような安易な文体に辟易した。一冊をとおして、明らかに同じ人物について書いているのに実名風の仮名(?)で出てきたり、イニシャルで出てきたりとゆらぎがあるのは勘弁。なら一冊にする意味ないでしょう。文豪の作品集ならそういう構成もあるだろうけど。最大手の漫画誌編集者の露悪的、卑屈、自滅的な破天荒ぶりと、経費を使った金遣いのむちゃくちゃさ。編集長・局長レベルの中堅になると世間の目線からすると「一切仕事をしていない」ように見えるのかがわかった。とにかく一般的な編集の話ではないが、そこから気づくことはあった。