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思考の方法 人生を面白く生きるヒント
生成AIが自分の代わりにさまざまなことを考えてくれる時代、私たちはどのように思考を深めていけばよいのだろうか。解剖学者養老孟司氏が思考の方法について、4人の識者と語り合う。認知科学者の今井むつみ氏は、AI時代に人間に求められるのは「アブダクション推論」の力だという。アブダクション推論とは、「この状況なら、これが真である蓋然性が最も高いだろう」と思われる推論を行なうこと。AIは膨大なデータをもとに推論を行なうが、そのようなデータを持ちえない人間は限られたデータから思考の跳躍を行なって推論を行なう必要がある。質のいい推論を行なうために大切なのは、物事の全体像をつかむことである。養老氏は「全体像をつかもうとするのは、まさに自分がこれまでやってきたこと」と語り、その一例を語る。民俗学者兼レンコン学者である野口憲一氏は、1本5000円のレンコンを売り出して成功を収めた。5000円のレンコンを売り出すきっかけになったのは、人文社会科学で唱えられる理論「作られた伝統」だったという。さらに1本5000円という価格には、「農家のソフト」という身体知の価値が含まれていると説く。ベストセラー『僕には鳥の言葉がわかる』の著者である鈴木俊貴氏は、多くの研究者が仮説を立ててから研究のフィールドに入るのに対し、「それでは新しい発見はできない、自分は一つの場所で観察を続け、気づいたことから仮説を立てて研究を進めている」と述べる。漫画家のヤマザキマリ氏は、子どものころの孤独や「お風呂には入れない」という欲求不満が『テルマエ・ロマエ』につながったと振り返り、養老氏は「自分の中を突き詰めていくと、逆に極めて一般に通じる表現になっていくんだ」と語る。質のいい推論を行ないたい方、問題解決の力を身につけたい方、探究活動において新たな気づきを得たい方、魅力的な作品を作り出したい方……自分なりの思考法を身につけるためのヒントを提供する一冊。 -
ヤマケイ文庫 「身体」を忘れた日本人 JAPANESE,AND THE LOSS OF PHYSICAL SENSES
解剖学者・養老孟司氏と作家・冒険家のC・W ニコル氏が、都市生活によって衰えた日本人の身体をテーマに、子どもたちのこと、食べるということ、極地での気づきなどさまざまな問題に切り込んだ対談集。 アレルギーになる子ども、災害時に火をおこすことが出来ない大人たち。 便利になりすぎた都市生活によって、あまりに身体を使わない世の中になっていないだろうか。 そして自然と触れる機会もなくなった現代人は、嗅覚、免疫といった身体機能も衰えている―。そんな問題意識から、話は広がっていきます。 文庫版には、著者のお二人と交流がある甲野善紀先生による解説を追加しています。 ■内容 【1章 森と川と海のこと】 荒れた森を再生する/日本の杉は苦しがっている/木の力、森の力/森と川、そして海のつながり…ほか 【2章 食べること、住まうこと】 田舎の力/都会の罠/虫は貴重なタンパク源だった/何でも食べられるのは「貴族」/木を生かす適材適所…ほか 【3章 子どもたちと教育のこと】 「ほったらかし」が一番/二人の子ども時代/母親の世界から飛び出せ/ゲームより実体験/体験を通すと生きた知識が身に付く…ほか 【4章 虫のこと、動物のこと】 生き物の分類は分ける人によって変わる/ゾウムシは中央構造線を知っている?/オスは時々いればいい/熊との付き合い方…ほか 【5章 五感と意識のこと】 ハエも用心するクサヤのにおい/顔色をうかがうための進化/意識はコントロールできない/「意識の時代」と「身体の時代」…ほか 【6章 聞くこと、話すこと】 英語を強制されたトラウマ/気持ちと結びつく日本語/訓読みは難しい/主語の有無は文化の違い/自我の目覚めが遅い日本人…ほか 【7章 これからの日本のこと】 子供も、大人も外で遊べ/若者に責任を持たせよ/日本人に覚悟はあるか/言い訳の多い日本人/日本人よ、自分を取り戻せ…ほか ■著者について 養老孟司(ようろう たけし) 1937年神奈川県鎌倉市生まれ。解剖学者。東京大学名誉教授。 1962年に東京大学医学部を卒業。1981年、東京大学医学部教授に就任。 1995年に東京大学を退官。脳科学や人間の身体に関するテーマをはじめ、幅広い執筆活動を行う。 昆虫研究でも知られ、2022年まで福島県須賀川市の科学館「ムシテックワールド」の館長を務めた。 著書に『養老先生と虫』(山と溪谷社)、『バカの壁』『「自分」の壁』(新潮社)など多数。 C・W ニコル(クライヴ ウィリアム ニコル) 1940年英国ウェールズ生まれ。作家、環境保護活動家、探検家。 カナダ水産調査局主任技官、エチオピア・シミエン山岳国立公園長などを歴任後、1980年長野県に居を定める。 1986年、荒れ果てた里山を購入し『アファンの森』と名付け、森の再生活動を始める。 2002年「一般財団法人C.W.ニコル・アファンの森財団」を設立し、理事長となる。著書に『勇魚』(文藝春秋)など多数。 2020年、79歳で逝去。 -
虫は人の鏡 擬態の解剖学
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 カモフラージュ、なりすまし、威嚇、死んだふり・・・虫の面白さは「擬態」にあり。なぜ虫はこんな色と形をしているのか。擬態を考察すると人間がわかる。解剖学者・養老孟司の思想の原点。初心者から本格的な虫好き(虫嫌い)まで、圧巻のビジュアルとともに<自然の見方>が学べる1冊。すべての現代人に贈る珠玉の虫エッセイ! オールカラー。 「私が虫なら、ヒトを笑う。こういう生き方があることを教えてやりたいよ」 擬態はゲノムのすることなのに、脳がすることにソックリである。もちろんそれは、神経系の機能の反映だからである。脳はそこに自分の秘密を見る。十九世紀およびそれ以前の科学者たちは、虫がする本能的行動を見て感嘆した。これこそ神の設計にほかならない、と。かれらは進化を知らなかった。だから、本能のほうが先で、神経系がそれに従って形成されたことに気づかなかったのである。かれらは虫を見て、本能を発見したつもりだったが、発見したのは、自分自身の出自だった。いまでもそうは思っていない人は、たくさんいるはずである。脳はなにか特別で、心というはたらきを示す。虫は馬鹿の一つ覚えをくりかえしているだけだ、と。(本文より) -
自分を生ききる -日本のがん治療と死生観-
「がん」の心構えと医療の現状がよくわかる。 医療技術が高度に進歩していても、人が死ぬということは必定です。しかし、現代社会ではこのことを自然なことと受け止めにくくなっています。この「どのように生き、どのように死ぬのか」という個人テーマに、医療はどのように関わっているのでしょうか? 現在、日本では、約3人に1人ががんで死亡しています。本書は、BSジャパンの同タイトル番組を元に、『バカの壁』『死の壁』で話題の養老孟司氏と東大附属病院で緩和ケア診療を立ち上げた中川恵一氏の対談を中心に、日本におけるがんを主とした緩和医療を考察し、それを通して「人間らしく生きるために必要な死生観」や「生きている間をどう生き抜くのか」を考える本です。 ※【ご注意】この作品はレイアウトの関係で、お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立読みファイルをご確認いただくことをお勧めいたします。 -
変調「日本の古典」講義――身体で読む伝統・教養・知性
この二人が読み直すと「古典」はこんなに面白い。日本文化の奥の底のさらに奥へ! 能、論語、古事記……あまりに濃厚な対談講義。思想家・内田樹と能楽師・安田登。異才の二人が語り尽くす! -
世界「最終」戦争論 近代の終焉を超えて
アメリカの国力の低下と共に勃興する諸大国の新たな覇権主義。拡大する中東の戦乱、国境を越える大量の難民、欧州のテロ事件。行き過ぎたグローバル経済と格差社会。国内に目を転じれば大規模な災害が起こる中、平和主義の戦後レジームからの脱却を主張する動きが勢いを増している。いよいよ混迷を深める世界と社会の情勢。その背景にあるのは、世界史レベルのパラダイム(知的枠組)の地殻変動である。顕在化している近代の崩落過程についてリベラル派の言論人を代表するふたりが語り合い、難局を避けるために必要な世界の見取り図を提示する。【目次】はじめに――悲劇の氾濫の中で 姜尚中/序章 問題提起 世界は「最終戦争」に向かっているのか/第一章 液状化する国民国家とテロリズム/第二章 我々は今、擬似戦時体制を生きている/第三章 帝国再編とコミューン型共同体の活性化/第四章 グローバリズムという名の「棄民」思想/第五章 シンガポール化する日本/第六章 「不機嫌な時代」を暴走させないために/おわりに 内田 樹/主要参考文献 -
小田嶋隆と対話する
いまだ「小田嶋隆が生きていたらなんと言っていただろう」という声が途切れない。 それならと、誰よりも小田嶋隆と親しかった思想家が、小田嶋隆ラスト3年間のツイートと対話を試みた。ついに登場、畢竟の小田嶋隆論! いなくなった人のことをいつまでもくどくどと思い出し続ける。その人がどれほどたいせつな人であったかをいつまでも語り続ける。そして、「あの人がいまここにいたら、これを見て何と言うだろう」「あの人が生きていたら、私のこのふるまいを見て、何と言うだろう」という問いをことあるごとに脳裏によぎらせる。私たちはそうやって死者に叱られ、死者に笑われ、死者に教えられる。そういう想像力の使い方をすることを「供養する」というのだと私は思う。死者をして生きる者たちの規矩たらしめよ。(著者「はじめに」より) 【目次】 はじめに 2020 2021 2022 おわりに 【関連ワード】 内田樹 小田嶋隆 Twitter X ネトウヨ パヨク リベラル 自民党 友達 学歴 -
ねこバカ いぬバカ
ペットとひとの長生き、医療、看取りを語る。 「動物はいい、気持ちが休まって」、 「ひとりで生きるより手のかかる相手がいた方がいい」(養老孟司) 「弱っていく姿を見かねて安楽死を考えたことも」、 「ペットのがん治療は、アバウトすぎて一種の無法地帯」(近藤 誠) 日本で買われているペットは15歳未満の子どもより多い、約2千万頭。 猫、犬、サル、ネズミ…小さい頃からいろいろ飼ってきた養老先生と、歴代4匹のワンコを飼い、哺乳瓶でミルクをあげて“子犬育て“までした近藤先生。ペット大好きドクターふたりが、愛するペットとの暮らし、医療、看取りを語りつくしました。 人もペットも寿命が延びて、さぁ大変。高齢ペットのがん治療、介護、安楽死など悩ましい問題がいっぱい。そんな時代に、おもしろくてためになる、実は深い対談です。 養老まる(スコティッシュ・フォールド、11才)と、近藤ボビー(ボストン・テリア、1才)のほほえましいスナップはカラーページに収めました。 【ご注意】※この作品はカラー画像が含まれております。 -
沈む日本とカオス化する世界
戦後日本モデルの限界と、カオス化する世界秩序の中で、沈まないための「日本再生論」 統治コストを嫌う権力が中産階級を壊し、人を信じる制度は監視へ傾く。役に立たない人を排除する空気のなかで、言葉を失った社会はさらに統治しやすくなる。画面に奪われた身体感覚と共感に寄りかかる政治が「改革」を空洞化させ、単純な物語が人と社会を傷つける。世界では同盟の前提が揺らぎ、安保を他国に委ねてきた日本に選択が迫られる。コモンが痩せた国で、何を守り、どこに居場所をつくるのか。複雑さに耐える知性への招待。 ※カバー画像が異なる場合があります。 -
気はやさしくて力持ち
子育てにおいて、いちばん大切なことは「子どもに対して敬意を以て接すること」 男の子の親にも、女の子の親にも読んでもらいたい、旧くてあたらしい子育て論。 男手で女の子を育てた内田先生と、女手で男の子を育てた三砂先生。共に「離婚して子どもを育てた親」であるふたりによる、誰も書かなかった子育て論。最優先にされるべきは、「子どもに対して敬意を以て接すること」。いまの時代にあわせてアップデートされた、旧くてあたらしい子育て論にして、すべての子育て中の親たちと、育てられ中の子どもたちへ贈る、あたたかなエール。 「子どもを育てる、ということは、許されることを学ぶことだ、と思います。(…)子どもを持った時点での親の成熟なんて、たかが知れているし、親自身が生きてきた時代と環境とに抜き難い影響を受けながら、なんとか生き延びようとしているような不完全な存在なのですから、かならず、間違います。よかれ、と思ってやったことも、間違っているかもしれない。」(三砂ちづる) 「僕は未熟な親として子育てをしてきて、ある時点で、「子どもを愛すること」と「子どもを傷つけないこと」では、「子どもを傷つけないこと」の方を優先させるべきではないかと考えるに至りました。(…)「子どもを愛しているから」「子どものことを心配して」「子どもの将来のことを考えて」という理由で子どもを傷つける親が実に多いということを骨身にしみて知ったからです。」(内田樹) 子育てって困難でしょうか?/子どもは手離すときがむずかしい/親子関係で決定的に重要なこと/子育てにおける母語の意味/性教育はナナメの関係で/感情のカタログを増やす/親を許すこと、親から許されること/生きているなら、それでいい/一度は死んだもの、と思って育てる/「女の社会」にも「男の社会」にも逃避できること/「〈それ〉を何と呼ぶか」よりも「〈それ〉をどう扱うか」/複雑な現実は複雑なままに/今日を機嫌良く生きていくことができたら/……子育てで悩み迷うひとに響く言葉が満載。 目次 ■第1便 寄り道しながらはじめましょう 第1便A 子育てって困難でしょうか? 三砂ちづるより 第1便B 子どもを手離すときのむずかしさ 内田樹より ■第2便 感情とのつきあい方 第2便A なぜすべてにそう悲観的なのでしょう? 三砂ちづるより 第2便B 親子関係で決定的に重要なこと 内田樹より ■第3便 子育てにおける母語の意味について 第3便A 性教育はナナメの関係で 三砂ちづるより 第3便B 感情のカタログを増やす 内田樹より ■第4便 親を許すこと、親から許されること 第4便A ぼんやりすることで得られる力 三砂ちづるより 第4便B 生きているなら、それでいい 内田樹より ■第5便 家族をむずびつけるもの 第5便A 一度は死んだもの、と思って育てる 三砂ちづるより 第5便B 家族とは「想像の共同体」 内田樹より ■第6便 『細雪』の世界から 第6便A 「女の文化」と「男の文化」の絡み合い 三砂ちづるより 第6便B 「女の社会」にも「男の社会」にも逃避できること 内田樹より ■第7便 野生と文明のあわいにて 第7便A 女性の身体性は取り戻せたか? 三砂ちづるより 第7便B 「産めよ殖やせよ」の逆説 内田樹より ■第8便 「母性」なるものをめぐって 第8便A 母性活性化スイッチ 三砂ちづるより 第8便B 「〈それ〉を何と呼ぶか」よりも、「〈それ〉をどう扱うか」 内田樹より ■第9便 複雑な現実は複雑なままに 第9便A 人間が太古から物語を使って行ってきたこと 三砂ちづるより 第9便B 「真のリアリスト」と「リアリストもどき」を分かつもの 内田樹より ■第10便 「ものすごく気持ちの良いこと」を経験する 第10便A 自分を手放せること/自立していくこと 三砂ちづるより 第10便B 自我が消えてしまう時の解放感と愉悦 内田樹より ■第11便 没入すること、10歳前後であること 第11便A 当時の女の子たちは失神していた 三砂ちづるより 第11便B 師に全幅の信頼を置く 内田樹より ■第12便 長い時間軸の中で考える 第12便A 無条件に愛され、無条件に見守られること 三砂ちづるより 第12便B 大人たちから子どもを守るために学校は生まれた 内田樹より ■最終便 子育てにおいて、時代が変わっても変わらないもの 最終便A 今日を機嫌良く生きていくことができたら 三砂ちづるより 最終便B 親族が存続するために最もたいせつなこと 内田樹より 長いあとがき 三砂ちづるより 短いあとがき 内田樹より -
戦後民主主義に僕から一票
雑誌・新聞掲載原稿、解説、講演を大幅加筆修正、書下ろしを加え、未来の日本がどのような変化を遂げていくべきか、日本の根幹を創る「民主主義」「政治」「憲法」「教育」の4項目について論じる、内田イズムが詰まった1冊。 戦後民主主義の価値観はどのように生まれ、どのような変遷をたどったのか? 「戦後民主主義」の含意は、さまざまであるが、日本国憲法に示された主権在民、平和主義、基本的人権の尊重、また教育基本法が背景にあることには誰しも異論がないだろう。占領下に生まれた戦後民主主義はこれからどこへ向かうのか? 日本の国の根幹を支える「民意」の反映は、もう失われてしまったのか? 道徳的「インテグリティ」が欠如する政治、日本社会が「株式会社化」する民主主義、沈黙の憲法制定過程問題、貧して鈍して劣化する教育。 日本の未来を創るうえで最重要となる4大イシューを取り上げ、日本を代表する論客が日本のイディオクラシーを批判するとともに、この国の未来を問う。 -
別冊NHK100分de名著 読書の学校 養老孟司 特別授業『坊っちゃん』
「本は読まなくてもいい」「効率は求めない」……。生徒との対話は、世間の常識を覆すことから始まった。人間が成熟するとはどういうことなのか? 他人の評価を気にせずに道を切り開く術とは? 漱石と「坊っちゃん」の姿を自身に重ねながら、養老流・人生の極意を伝授! -
老いのレッスン
【人間への深い洞察から導いた、初の「老い論」】 少子化・人口減する日本、カオス化する世界、長寿化による生き方の変化―― 先行きの見えない現代において、心穏やかに生きるための12のレッスン もくじ まえがき 1「老い」を忌み嫌う時代に Q.老いることは悪いことなのでしょうか……? 老いて、「あまりよけいなことをしない人間」になった など 2 長持ちする身体のつかい方 Q.老いると体はどう変化するのでしょうか……? 死んだはずがまだ生きている など 3 親の老いとの向き合い方 Q.老いる祖母に対して、後ろめたさがあります…… 親の死に方を想像する など 4 死について考えることは生を豊かにする Q.「供養」とは何なのか、よく分かりません…… なぜ墓参りをするのか など 5 人生は思い通りにいかないけれど Q.人生に行き詰まった時、どうしたらよいのでしょうか…… 「疑似的老人になる」という教養 など 6 人を育てる、たった一つの大切なこと Q.年下への接し方が分かりません…… 答えはシンプル「親切にする」 など 7 「ほんとうの友だち」とはなにか Q.友だちと疎遠になり、さみしいです…… 友情が語られない時代 など 8 いい人間関係のつくり方 Q.どうすれば、長く続く人間関係を築けるのでしょうか……? 大人になっても友だちはつくれる など 9 「天職」の見つけ方 Q.いまの仕事を続けていてよいかわかりません…… 内定をもらって迷う学生 など 10 いまの時代に「結婚」は必要か Q.「結婚」に意味を見出せません…… 結婚は幸福になるためにするものではない など 11 子育て困難な時代で、子を持つこと Q.子を持つことが不安です…… 人類が経験したことのない、少子化・人口減 など 12 「死」という難問 Q.いずれ死ぬという現実にむなしくなります…… いずれ死ぬけれど、今ではない など あとがき -
沈む祖国を救うには(マガジンハウス新書)
物価上昇にステルス増税、政財界の癒着、そしてマスメディアの機能不全…… 激動の国際社会の中で、沈みゆく「祖国」に未来はあるか!? ウチダ流「救国論」最新刊!! ここ数年で、加速度的に「冷たい国」になってしまった日本。 混迷を極める永田町、拡大する経済格差、税の不均衡、レベルが落ちた教育界など問題が山積となっている。 また、アメリカの新大統領がトランプに決まり、国際情勢も先行きが不安定である。 生活苦しい国民に手を差し伸べることのない冷たい国で、生き抜いていくためにはどうしたらいいのか……。 この「沈みゆく国」で、どう自分らしく生きるかを模索する一冊! -
なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた
人生は、なるようになる――これがひとまずの結論です。幼少期の最初の記憶から、虫と猫とバカの壁と出会った八六年を語りつくす。読売新聞の好評連載「時代の証言者」を大幅加筆、「五〇の質問」を増補。養老先生はじめての自伝。 目次 Ⅰ 幼年時代と戦争 Ⅱ 昆虫少年、医学部へ Ⅲ 解剖学者の奮闘 Ⅳ 『バカの壁』と〈まる〉との出会い 養老先生への五〇の質問 ――朝起きて最初に何をやりますか/最後の晩餐で食べたいものは/自分をバカだなと思うことはありますか/いろいろな発言をされると誤解されることが多くて困りませんか/大人になるってどういうことですか/死についてどう思いますか……など -
昆虫はもっとすごい
アリの匂いや動きを真似て巣に居候しタダ飯を食うハネカクシ、交尾のためにわずか数十分の命を懸ける雄と寄生先から一生外に出ない横着な雌のネジレバネ、何の意味や役割があるのか全く分からない奇妙キテレツな形をしたツノゼミ…――アリと共生する昆虫が専門の人気学者・丸山先生、無類の虫好きでお馴染み養老ハカセ、生態が謎だらけの寄生虫研究者・中瀬クンによる夢の“虫屋”トリオが、昆虫ワールドの魅力を語りつくす。 -
転換期を生きるきみたちへ
世の中の枠組みが大きく変化し、既存の考え方が通用しない歴史の転換期に、 中高生に向けて「これだけは伝えておきたい」という知見を集めたアンソロジー。 言葉の力について、憲法について、愛国心について、科学的態度について、 弱さや不便さに基づいた生き方について……。 若者たちがこれからの時代を生き延びるための知恵と技術がつまった、 未来へ向けた11のメッセージ。 タイトルにある「転換期」というのは、世の中の枠組みが大きく変化する時代のことです。(…)大人たちの大半が今何が起きているのかを実は理解できていない状況のことです。だから、大人たちが「こうしなさい」「こうすれば大丈夫」と言うことについても、とりあえず全部疑ってかかる必要がある。今は「マジョリティについて行けばとりあえず安心」という時代ではないからです。(「はじめに」より) 【目次】 身体に訊く──言葉を伝えるとはどういうことか 内田樹 僕の夢――中高生のための「戦後入門」 加藤典洋 表と裏と表――政治のことばについて考えてみる 高橋源一郎 人口減少社会について根源的に考えてみる 平川克美 13歳のハードワーク 小田嶋隆 空気ではなく言葉を読み、書き残すことについて 岡田憲治 科学者の考え方――生命科学からの私見 仲野徹 消費社会とは何か――「お買い物」の論理を超えて 白井聡 「国を愛する」ってなんだろう? 山崎雅弘 「中年の危機」にある国で生き延びるために 想田和弘 社会に力がついたと言えるとき 鷲田清一 -
しょぼい生活革命
ほんとうに新しいものは、いつも思いがけないところからやってくる! 仕事、結婚、家族、教育、福祉、共同体、宗教……私たちをとりまく「あたりまえ」を刷新する、新しくも懐かしい生活実践の提案。 しょぼい起業でまっとうな資本主義を再生/もののはずみで家族になる/国家が掲げる大義名分より仲間が大事/欲しいものがあればまずそれを他人に与えるところから/話はどんどん複雑にする/お金は「思いがけない使い道」に……。 世界を変えるには、まず自分の生活を変えること。熟達の武道家から若き起業家へ、世代間の隔絶を越えて渡す「生き方革命」のバトン。 何か「新しいけれど、懐かしいもの」が思いがけないところから登場してくる。それを見て、僕たちは、日本人がまったく創造性を失ったわけではないし、才能が枯渇したわけでもないと知って、ほっとする。きっとそういうことがこれから起きる。もうすぐ起きる。それが「どこ」から始まるのかは予想できないけれど、もうすぐ起きる。そういう予感が僕にはします。えらてんさんとの出会いは僕にとってそのような徴候の一つでした。 (内田樹 まえがきより) 【目次】 1章 全共闘、マルクス、そして身体 2章 しょぼいビジネス、まっとうな資本主義 3章 共同体のあたらしいあり方 4章 教育、福祉制度を考える 5章 先祖と宗教とユーチューバー 6章 日本とアジアのあるべき未来 -
江戸の智恵
いま、なぜ江戸時代が大事なのか。養老氏・徳川氏いわく、われわれがこの時代の社会に学ぶべきは「人の力」であるという。「世間」に配慮して欲を抑える個人の忍耐や、目上や同僚が仲間を叱咤する習慣の積み重ねが、二百六十年ものあいだ平和と国力を築いた原動力だった。武士も町人も美学をもち、己を律することを知っていた。だからお上の威光は「そこそこ」でよく、行政の実務は町人や農村の顔役に任せた。お触れ(法律)の実施についても、杓子定規ではなく、「目に余る」ときに罰した。法より世間の目が社会秩序を守ることを知っていたからである。翻ってこの十数年、日本では条例・法律や規制の類がやたらと増えている。だが、それで世の中が良くなったかといえば、むしろ悪くなったと感じる方が圧倒的に多いのではないか。風通しの良い社会を築くために、いまこそ江戸の智恵が必要である。グローバル時代に生きるヒントと、日本人の美質を発見する一冊。 -
価値観再生道場 本当の仕事の作法
いい会社を見分ける方法、失業不安を乗り切る方法、夢の実現法――会社員、起業家、ノマドなど、働き方が多様化する現代、社会人として働くすべての人に必要な仕事の心得について、思想家・武道家の内田樹、精神科医の名越康文、作家の橋口いくよが語り合う。雑誌『ダ・ヴィンチ』連載書籍化第3弾。 -
反知性主義者の肖像
〈本書は、単行本『コロナ後の世界』(2021年 文藝春秋刊)を文庫化にあたり改題したものです。〉 「生きている気」がしなくなる国で 陰謀論、他者への悪意、排外主義……社会の病毒をえぐり再生への道筋を示す処方箋。文庫化企画として森本あんりさんとの対談を掲載。 なぜ日本は”生きている気”がしない国になったのか。「自分は正義を執行している」と信じる人は時にとてつもなく残酷になれる。尖った言葉が蔓延する社会で「親切」であることの意味を問う言葉の処方箋。『コロナ後の世界』を改題し、文庫化特別企画として『反知性主義』『不寛容論』の著者、森本あんりさんとの対談を収録。 単行本 『コロナ後の世界』2021年12月 文藝春秋刊 文庫版 2025年12月 文春文庫刊 ※文庫化にあたり改題 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
だからあれほど言ったのに(マガジンハウス新書)
不自由で、貧しく、生きづらい―― この国の不出来なシステムを 悪用するか、逃げ出すか、それとも…… ウチダ流「日本人論」最新刊!! 失われた30年で「不自由な国」になってしまった日本。 新自由主義の迷走ぶり、経済格差や税の不均衡、少子高齢化、低レベルな政治、大手企業の不祥事など問題が山積となっている。 社会全体に諦観が蔓延しており、一般市民は不自由さをも感じているが……。 「不自由な国」への警告の書! <項目> ★“大人”が消えている ――日本の危機 ★ アメリカの顔色をうかがう日本政府の悲哀 ★ 属国の身分を利用するか、そこから逃げ出すか ★ 食文化は「経済」ではなく「安全保障」 ★ 日本の「ダメな組織」の共通項 ★ 「21世紀の囲い込み」を目指す、現代の資本主義 ★ 村上春樹が描く「この世ならざるもの」 ★ 自然と文明社会の「境界線」を守る ★ 人生は「問題解決のため」にあるわけではない ……etc. -
こう考えると、うまくいく。~脳化社会の歩き方~
“現代社会を快適に生きる答え”は、20年以上年前に出ていた! 「脳の世紀」といわれる21世紀社会の正しい生き方とは? 20年以上に行われた養老孟司氏の講演録だが、 それは現代を予見している内容であった! 本書は、20年以上も前に行われた養老孟司氏の講演録をまとめたもの。 「意識は、なぜあるのか?」「 人間は死んだら『モノ』なのか?『ヒト』なのか?」「人間は『人工身体』と『自然身体』の二つのからだを持っている」「 人工(脳)と自然(身体)との釣り合いこそ重要である」「 人間は、意識だけでできているわけではない」「『男』と『女』という言葉ができたとき、性の連続が断ち切られた」「人間は、自分ができることの説明ができない」「 子どもを育てるとは『手入れ』をすること」「『ああすれば、こうなる』だけになった現代社会」という9講演を収録している。 -
ヤマケイ文庫 養老先生と虫 ~役立たずでいいじゃない~
形はどこにあるのか、色は何でできているか、虫を拡大すると世界はどうなるのか、生物多様性とはなにか。 ただ面白いから一日中、虫を見ているだけ。 そうしているうちに、なにかがわかってしまう。 物事にすべて理由があるとは限らないのである――。 長年、虫と自然に教わってきた世界の見方を明解に楽しく語る養老孟司流の生きるヒント。 虫に憑りつかれた面々が虫好きの楽園・ラオスに集った命がけの採集記も収録。 文庫版オリジナルエッセイ付き。 『虫の虫』(廣済堂出版)を改題・再編集のうえ文庫化。 ■目次 1 虫を見る 見ること/形はどこにあるか(一)/形はどこにあるか(二)/色を見る/虫の色/虫の大きさ/ 拡大する/区別して分類する/五感と虫/虫を見てなにがわかるか(一)/虫を見てなにがわかるか(ニ)/それでも虫なのだ 2 ラオスで虫採り タライいっぱいの虫/虫採りに抵抗のない国/懐かしい風景/似ているのに違う/二次林だという思い込み/ クチブトゾウムシはどこにいるか/行ってみなけりゃわからない/二〇〇八年春、シェンクワンへ/蛍光灯破損事件/ テングアゲハの聖地/チョウを呼ぶ色/ラオスヒノキ方式/原生林は虫が少ない/シダにつくクチブトゾウムシ/ 瞬間移動する蝶人/虫屋とラオスに適応/いてはいけないチョウがいた/ヤシの実から出てきたゾウムシ/爺さんの災難/ ネジレバナという変な虫/完全変態の謎/一つの原理では説明できない/またもや新種発見/広がるトウモロコシ畑/ ラオスには研究拠点が必要/アシナガバチの攻撃/第三の事件 文庫版エッセイ:人が生きる理由とは -
そのうちなんとかなるだろう
「やりたいこと」を諦めたことも、 「やりたくないこと」を我慢したことも、 僕には一度もありません。 思想家・内田樹の痛快人生案内! 心と直感に従って生きればいい。 無理して決断する必要はない。 「なんとなく」選んだことが、 自分にとって一番いい状態だから。 豪快すぎる半生記! いじめが原因で小学校で登校拒否 受験勉強が嫌で日比谷高校中退 親の小言が聞きたくなくて家出 大検取って東大に入るも大学院3浪 8年間に32大学の教員試験に不合格 男として全否定された離婚 仕事より家事を優先して父子家庭12年 *昭和の時代を伝える「非日常写真館」も <あとがきより> 「自分らしさ」という言葉が僕はあまり好きじゃないのですが、 それでもやはり「自分らしさ」というのはあると思います。 ただ、それはまなじりを決して「自分らしく生きるぞ」と力んで創り出したり、 「自分探しの旅」に出かけて発見するようなものじゃない。 ふつうに「なんとなくやりたいこと」をやり、 「なんとなくやりたくないこと」を避けて過ごして来たら、 晩年に至って、「結局、どの道を行っても、 いまの自分と瓜二つの人間になっていたんだろうなあ」という感懐を抱く…… というかたちで身に浸みるものではないかと思います。 僕がわが半生を振り返って言えることは、 僕は他のことはともかく「心と直感に従う勇気」については 不足を感じたことがなかったということです。 これだけはわりと胸を張って申し上げられます。 恐怖心を感じて「やりたいこと」を断念したことも、 功利的な計算に基づいて「やりたくないこと」を我慢してやったこともありません。 僕がやったことは全部「なんだかんだ言いながら、やりたかったこと」であり、 僕がやらなかったことは「やっぱり、やりたくなかったこと」です。 というわけですので、この本はできたら若い方に読んでいただいて、 「こんなに適当に生きていてもなんとかなるんだ」と安心してほしいと思います。 -
孟司と誠の 健康生活委員会
「日本人は世界一、健康だ!」 OECDの調査で、「自分を健康だと思う人」の数が世界一少ない日本。世界に冠たる長寿国でなぜ? 医の賢人二人が、そのカラクリを説き明かす。 ・長生きは医療のおかげ、ではなかった! ・血圧を下げると死亡率は3割上がる ・血糖値をコントロールすると早死にする ・腸内フローラはコントロールできない ・サプリメントの成分は胃でバラバラに溶ける ・ピロリ菌の除去で総死亡率は上がる ・女性の長生きは水道水の消毒から ・がんが「病気」とは限らない ・患者が死ぬのを見たことがない医者 ・放っておけば治るものと老化現象に薬を使う ・医者が「このままでは死ぬよ」とウソをついて脅す ・一粒で長い間効く薬は危ない 深刻なのは健康状態ではなく、医療の劣化だ。 -
枕草子/方丈記/徒然草
「春はあけぼの……」一条天皇の中宮定子に仕えた宮中での生活を英知とユーモアの筆致で綴った平安の清少納言「枕草子」。「ゆく河の流れは絶えずして……」波瀾に満ちた人生を送り、鎌倉前期の大火や地震などの自然災害や人災に見舞われた体験を綴った最初の災害文学・鴨長明「方丈記」。「つれづれなるままに、日くらし硯にむかひて……」鎌倉末期の無常観に基づいた随想や人生訓を鋭い洞察で記した兼好「徒然草」。現代の名手による新訳・全訳で収録。 解説=池澤夏樹 解題=枕草子…藤本宗利 方丈記・徒然草…浅見和彦 ◎月報=上野千鶴子・武田砂鉄 -
日本霊性論
迷走する日本人のこころと向き合う 二賢人から、渾身のメッセージ 東日本大震災後、あらためて問い直された日本人の死生観や宗教性。経済効率至上主義や個人主義が加速するなかで、置き去りにされた日本人の「こころ」の問題を、現代の二賢人が論じる。思想家として教育、医療、司法、宗教の倫理的立て直しを説く内田氏(第一部)、宗教者として日本的霊性のルーツに迫りつつ現代にふさわしい共生のありかたを探る釈氏(第二部)。どちらも自らの信ずる道を振り返りながら、社会を担う一員としての読者に、まっすぐ問いを投げかける。穏やかな笑顔からは想像もつかない、切実な問題意識に胸を打たれること間違いなしの力作。自分探しの「スピリチュアル」でもなく、特定の宗教・宗派にこだわるでもなく、人間が社会をつくり生き延びていくために根源的な支えとなる「霊性」をいま、問い直す。 ※電子版限定 内田樹×釈徹宗対談「日本的霊性と大拙、そして私たち」収載 -
脳は耳で感動する
養老孟司×久石譲 対談集! 脳科学と音楽が織りなす驚きの世界へ、あなたを誘います! 解剖学者・養老孟司と作曲家・久石譲が、脳と音楽の不思議な関係を紐解く画期的な一冊。 なぜ人は音楽に感動するのか? 映像と音楽のシンクロはどのように起こるのか? 脳科学の視点から音楽の魅力に迫ります。 - 脳と音楽の関係を、わかりやすく解説 - 久石譲の作曲秘話や、養老孟司の斬新な視点が満載 - 音楽の楽しみ方が変わる、新しい知見の数々 音楽ファンはもちろん、脳科学に興味がある方にもおすすめ。この一冊で、あなたの音楽体験が劇的に変わるかもしれません。 今すぐ手に取って、音楽と脳の深遠な世界を探検しませんか? -
街場の米中論
疫病と戦争で再強化される「国民国家」はどこへ向かうのか。 拮抗する「民主主義と権威主義」のゆくえは。 希代の思想家が覇権国「アメリカ」と「中国」の比較統治論から読み解く。 アメリカにはアメリカの趨向性(あるいは戦略)があり、中国には中国の趨向性(あるいは戦略)がある。それを見分けることができれば、彼らが「なぜ、こんなことをするのか?」、「これからどんなことをしそうか?」について妥当性の高い仮説を立てることができる。それがこれからこの本の中で僕が試みようとしていることです。(第1章より) アメリカと中国というプレイヤーがどうふるまうかによって、これからの世界の行方は決まってきます。僕たち日本人にできることは限られています。直接、両国に外交的に働きかけて彼らの世界戦略に影響を及ぼすということは日本人にはできません。日本自体が固有の世界戦略を持っていないのですからできるはずがない。できるのは、両国の間に立って、なんとか外交的な架橋として対話のチャンネルを維持し、両国の利害を調整するくらいです。それができたら上等です。 とりあえず僕たちにできるのは観察と予測くらいです。この二つの超大国がどういう統治原理によって存立しているのか、短期的な政策よりも、基本的にどのような趨向性を持っているのか、それをよく観察して、世界がこれからどういう方向に向かうのか、どのような分岐点が未来に待ち受けているのか。(第1章より) -
養老孟司の人生論
「どうしたら『生きられるか』、そんなこと、私に訊かないでください。わかるでしょ。その疑問に『自分で』答えること自体が、『生きる』ってことなんだから」(本書の第10章「若いころ」より)運、寿命、家族、仕事、学問、科学、医療、宗教、世間、日本人……。死から語り始める養老流「逆向き」人生論。 〈目次より〉◆本当に死んでしまったら、怖いもクソもない ◆私にとっては「死」ではなく「死体」こそが現実 ◆だれだって死体になる ◆すべての患者はかならず死ぬ ◆寿命は運。私は専門家におまかせします ◆共同体を消すことが「進歩」だった ◆本質的に変わらない「私」なんて、ない ◆個性は心にはなく身体にある ◆「世間」が西欧近代的自我の怪しさを教えてくれた ◆「世間という大きな書物を読むために」研究室を出た ◆私の価値観が確立した瞬間 ◆テーマが勝手に増える ◆フリーターになりたかった ◆戦争か飯か。私はぎりぎり、飯をとった ◆利口な人はアメリカかヨーロッパへ行った ◆論理より「いろいろ」が好き。全体をつかみたい ◆解剖を選んだ理由 ◆すべての結果が自分に戻ってくる ◆世間が激動すると科学者と技術者が輩出する ◆本当に自分で学問をするということ ◆非日常より日常を、独創より平凡を、選ぶ ◆「脳という方法」を使う ◆フツーを重ねるとトクベツになる? ◆選ぶのは対象ではなく方法、と決めた ◆「あたりまえ」は意外にむずかしい ◆自己チューの社会的意味 ◆純粋行為はトイレでの小便と同じで、枠が必要 ◆宗教は新しいほど危険 ◆「俺の本って、お経じゃないか」と思った ◆科学はキリスト教の解毒剤 ◆考えるためにはこだわる必要がある ◆ファーブルはハチに徹底的にこだわった ◆単純な解答はたいていウソ ◆日本というヘソの緒が切れない ◆「人間」じゃなく「人」になろうと努力してきた ◆「生きる」ことがわからないはずがない ◆人一倍世間を気にする「変わり者」 ◆この国は「自分流より世間流」 ◆世間と格闘するうち、自分も世間も変わってきた ●本書は、『養老孟司の人生論』(『運のつき』の改題・復刊)を、装い新たに文庫化したものです。 -
ものがわかるということ
自分を自由にしてくれる 養老流ものの見方、考え方。 「わかる」とはどういうことなのか、それが「わからない」。 じゃあ説明してみましょうか、ということでこの本が始まりました。 それなら私が「わかるとはどういうことか」わかっているのかと言えば、「わかっていない」。「わかって」いなくても、説明ならできます。 訊かれた以上は、何か答えるというのが、教師の抜きがたい癖なのです。(本文より) 学ぶことは「わかる」の基礎になる 考えることが自分を育てる ものがわかるとは、理解するとはどのような状態のことを指すのでしょうか。 養老先生は子供の頃から「考えること」について意識的で、一つのことについてずっと考える癖があったことで、次第に物事を考え理解する力を身につけてきたそうです。 養老先生が自然界や解剖の世界に触れ学んだこと、ものの見方や考え方について、脳と心の関係、意識の捉え方について解説した1冊。 -
街場の天皇論
ぼくはいかにして天皇主義者になったのか。 立憲デモクラシーとの共生を考える待望のウチダ流天皇論。 【ウチダ流「天皇論」の見立て】 ◆天皇の「象徴的行為」とは死者たち、傷ついた人たちと「共苦すること」である。 ◆「今」の天皇制システムの存在は政権の暴走を抑止し、国民を統合する貴重な機能を果たしている。 ◆国家には、宗教や文化を歴史的に継承する超越的で霊的な「中心」がある。日本の場合、それは天皇である。 ◆安倍首相が背負っている死者は祖父・岸信介など選択された血縁者のみだが、今上陛下はすべての死者を背負っている。 ◆日本のリベラル・左派勢力は未来=生者を重視するが、過去=死者を軽視するがゆえに負け続けている。 【本書の概要】 2016年の「おことば」から生前退位特例法案までの動きや、これまでの今上天皇について「死者」をキーワードとしてウチダ流に解釈。 今上天皇による「象徴的行為」を、死者たち、傷ついた人たちのかたわらにあること、つまり「共苦すること(コンパッション)」であると定義。 安倍首相が背負っている死者は祖父・岸信介など選択された血縁者のみだが、今上陛下はすべての死者を背負っていると指摘する(「民の原像」と「死者の国」)。 さらに日本のリベラル・左派勢力は生者=現在・未来を重視するが、過去=死者を軽視するがゆえに負け続けていると喝破。 同時に日本は「天皇制」と「立憲デモクラシー」という対立する二つの統治原理が拮抗しているがゆえに、「一枚岩」のロシアや中国、二大政党によって頻繁に政権交代する米仏のような政体にくらべて補正・復元力が強いとも論じる。 天皇主義者・内田樹による待望の天皇論。 -
自分の頭と身体で考える
人はふとした時に“物事の本質”を考えることがある。この国、この社会、この時代……考えはめぐりめぐるもの。本書で刺激的な対論を展開しているこの二人も、同じように“物事の本質”を追究しているが、一味違う。われわれが日ごろ“当たり前”だとか“常識”だと思うことを、次々と突き崩していくのだ!例えば、甲野氏は「法律や規制よりも『自分の美意識』が大切だ」と語る。個人の「美意識」をもっとも尊重しなければならないものと位置付ける。それに対して養老氏は「『安全第一』と考えることがこの国のマザコン体質です」と語る。両者ともに、『安全』が行動原則となっている現代日本に疑問を投げかけているのだ。本書はそれぞれ“身体のしくみ”の専門家と“身体の動き”の専門家が、それぞれの視点で歴史、医療、教育、ことば、格闘技など多彩なテーマで語り合う。解剖学者の“メス”と古武術家の“刀”が火花を散らせる異種格闘対論である。 -
価値観再生道場 原発と祈り
いまだ続く原発問題をどのように捉え、震災後も不安が続く日本でどのように暮らしていくのか。悲しみや怒りに囚われて心が壊れてしまいそうなとき、心と体をととのえるための「祈り」の力とは? 雑誌『ダ・ヴィンチ』連載「価値観再生道場 これなんぼや?」を書籍化。 -
耳で考える ――脳は名曲を欲する
人間はなぜ音楽を生み出し、社会においてどのように役割づけてきたか? そして私たちはどのような曲を美しいと感じ、どうやってそれを受け入れていくのか? 謎の多い分野に脳科学と映画音楽の第一人者が挑む! -
荒天の武学
武術において想定外は許されない。不意の事態に際して、最適な答えを常に求められるのが武術本来の在り方だ。その精神は危機の時代、先の読めない荒天の世にこそ真価を発揮する。現代思想家・内田樹は合気道七段の武道家でもある。その内田が注目するのが中国武術韓氏意拳の光岡英稔。光岡は十一年にわたるハワイでの武術指導歴を持ち、きれい事ではない争闘の世界を歩いてきた。本書は二人の対話を通じ、護身、闘争という狭い世界にとどまらない、武術に秘められた荒天の時代を生き抜くための知恵を提示する。【目次】はじめに 「弱い武道家」という立ち位置から 内田 樹/序章 武運ということ/第一章 荒天を生きるための武術/第二章 荒天型武術の学び方/第三章 達人はフレームワークを信じない/第四章 荒天を進む覚悟/おわりに きれい事では済まない状況を如何にきれいに解決できるか 光岡英稔 -
嘘みたいな本当の話みどり 日本版ナショナル・ストーリー・プロジェクト
泣いた、笑った、驚いた! 今回も、日本全国からとっておきの“嘘みたい”な話が集まりました。選者・内田樹、高橋源一郎両氏の琴線に触れた実話145編に、田原総一朗、横尾忠則、立川談春、三浦大輔、小泉武夫、近藤聡乃、山崎ナオコーラ、横塚眞己人氏、計8名の「あの人の『嘘みたいな本当の話』」も特別収録。 『きょうの猫村さん』で大人気・ほしよりこさんのたのしいイラストも満載です!! -
日本のリアル
日本人の「家族の絆」の実態を調査し続ける岩村暢子氏。耕さず農薬も肥料も使わない農業で強い米を作った岩澤信夫氏。植林活動で海を変え、震災も淡々と受け止める牡蠣(かき)養殖家畠山重篤氏。日本になかった合理的な間伐を普及する鋸谷(おがや)茂氏。ごくふつうの日常を研究する人、リアルな「モノ」に携わる人と解剖学者が、本当に大事な問題を論じ合う。「日常から消えた『現実』」「不耕起栽培で肥料危機に勝つ」「ダムは造ったふりでいい」「人工林を救う管理法」……地に足をつけて考える一冊。(目次より)◎震災後、家族の絆は回復したか ◎「ミーフェチ世代」の登場 ◎冬期湛水で無農薬・無肥料を実現 ◎現代の田んぼでは耕すことに意味はない ◎海は生きていた ◎気仙沼ユートピア計画 ◎日本の森林は外材輸入で守られている ◎林業は採算が合う -
虫とマンガと日本人 養老孟司のキャラクター論
超・巨大ビジネスに成長した日本のエンタテインメント産業。その躍進を支えているのは、世界と比べても突出して数多い「キャラクター」たちです。なぜ日本のキャラクターは、こんなにも多様性に溢れ、どんどん増殖するのでしょうか――。その疑問を、メディア論が専門の柳瀬博一さん(東京科学大学リベラルアーツ研究教育院教授)が、大の“虫好き”“マンガ・ゲーム好き”な解剖学者の養老孟司さんにぶつけました。「虫好き」な国民性、図鑑などの出版文化、日本語の構造、生物多様性、宗教観までもが影響している――!? 知の巨人が解く、日本人とキャラクター論をお届けします。 〈本書の主な内容〉●日本人はなんでも「図鑑」にしちゃう ●AIもキャラ化し、「チャッピー」呼ばわりです ●日本人は「ムシ偏差値が高い」 ●人間はゲームをするように生まれているんです ●キャラクターのルーツは、やはり「鳥獣(人物)戯画」でしょうね ●日本人は「違い」にこだわります。だから、あらゆる生き物を細かく分類し、どんどん新種を増やすんです ●江戸時代の絵師たちは、種がわかるくらい精密に、生き物を描きました ●日本の“マンガ語”が今や、意味のある「記号」として、世界に受容されています ●人種も国籍も、性別も、個々の「違い」を認めて、並列して一緒に暮らす。日本のコンテンツが世界から注目されるのは、一つの希望かもしれません -
笑いの力
狂言,川柳,落語など笑いの伝統は数多くあるのに,なぜ現代の日本人は笑いの力を忘れてしまったのか.不況下でますます「笑い」が失われつつあるなか,稀代の心理学者,解剖学者,作家がそれぞれの専門分野から「笑い」の効用について真剣かつユーモアたっぷりに論じた講演とシンポジウムの記録.養老孟司氏の新稿を付す. -
日本の歪み
この社会の 居心地の悪さは どこからきたのか? 明治維新と敗戦、憲法、天皇、 経済停滞、少子化、巨大地震… 「考えたくなかった」 戦後日本の論点を徹底討論! <本書の内容> 右も左も、いまだに外圧頼り。 内発的に自分たちの価値を肯定し、守るということができていない(東) 天皇が生物学を勉強したのは、正気を保つためにやっていたんでしょう(養老) 日本人は戦争による被害も、人災ではなく天災のように捉えてしまう(茂木) 「シビリアン・コントロール」なんて、 自分の国の言葉にもできないようなものが身につくはずがない(養老) 戦後、この国は、人の心を安定させるものを、かなり潰してしまった。 新興宗教が強いのも、コミュニティの貧しさと関係している(東) 「九条」に限らず、日本は整合性をつけることへの欲望がない(茂木) 日本経済が30年も停滞している理由は、 もう作らなくていい、壊さなくていい、という暗黙の民意なんじゃないか(養老) 被害の記憶を伝えたいなら、震災の日だけでも実際の津波の映像を流したほうがいい(東) -
生きづらさについて考える【毎日文庫】
「自分が機嫌よくいられる場所」を見つけよう 「最悪の時代」を生き抜くためのウチダ流哲学 【本書の内容】 特に今の若者たちはほんとうに厳しく、生きづらい時代を生きていると思う。 僕が10代だった1960年代は明るい時代だった。 米ソの核戦争が始まって世界が滅びるのではないかという恐怖が一方にはあったが、そんなことを日本人が心配しても止める手立てもない。 「どうせ死ぬなら、今のうちに楽しんでおこう」という半ばヤケクソの、ワイルドでアナーキーな気分が横溢していた。 だから、自由で、民主的で、いろいろな分野で次々とイノベーションが起きるとても風通しのいい時代だった。 それに比べると、今の日本の社会はとても風通しが悪い。息が詰まりそうだ。 誰もが「生きづらさ」を感じている。世界は移行期的混乱のうちにあり、あらゆる面で既存のシステムやルールが壊れかけているのに、日本の社会はその変化に柔軟に対応できず、硬直化している。 当代きっての思想家・内田樹が、この国の閉塞感の原因を解きほぐし、解決のヒントを提示する。 巻末に「あとがき リーダビリティとは何か」を加え、待望の文庫化! -
君たちのための自由論 ゲリラ的な学びのすすめ
かたや哲学者であり武道家、かたやアフリカ・マリ出身の元大学学長。2人の個性派教育者による、自由すぎるアドバイスとメッセージ。曰く、「管理から逃れて創造的であるために、もっと“だらだら”しよう」「“ゲリラ的”な仕掛けで、異質なもの同士の化学反応を生み出そう」「将来は“なんとなく”決めるべし」「“なんでやねん!”とツッコミを入れて、自らの中に問を立てよ」等々。若い人たちが「大化け」するためのアドバイスとメッセージを、コロナ禍の教育現場から発信。かくも窮屈で不自由な世界を、君たちはどう生くべきか? 京都精華大学で行われた人気講義「自由論」をもとに、新規に語り下ろした対談などを加えて構成。 -
地球、この複雑なる惑星に暮らすこと
日本の問題は、「経済」と「環境」にある。そんなのは、コロナにならなくったって、虫を見ていればわかること。虫が生きにくい世のなかは、人間も生き物も生きにくい――。 コロナ禍で一転、イタリアとの行き来が途絶え、日本生活を余儀なくされた根っからの昆虫好きのヤマザキマリが先輩として慕う養老孟司。コロナ以前から箱根の養老昆虫館に足を運んだ4年間、話は虫を通じて見えてくる世界の複雑さ、気候変動とともに変わりゆく生態系、来るべきAIの世界、すっかり脳化が進み「戦時中と似ている」という日本を覆う空気まで。そして養老さんに訪れたまるの死と病。はたして想像力と突破口はどこにある? 世の中との「ズレ」を感じ続けるふたりが、その違和を一つひとつ解きながら、いつしか微視的スコープで文明の深奥までを眺め見る対談。 -
子どもが心配 人として大事な三つの力
子どもたちの遊び場が次々に消失し、体を使って外で遊ぶ子どもの姿を見なくなった。自殺する子どもも、後を絶たない。子どもは本来「自然」に近い存在だと論じる解剖学者が、都市化が進んだ現代の子どもを心配に思い、四人の識者と真摯に語り合う。医療少年院で非行少年の認知能力の低さに愕然とし、子どもの認知能力の向上に努めてきた宮口幸治氏。インターネットで「正しい育児法」を追いかける親を心配する、慶應義塾大学病院の小児科医、高橋孝雄氏。国産初の超電導MRIを開発し、子どもの脳の大規模研究を行なってきた小泉英明氏。生徒が自分で野菜を育て、机や椅子も作る学校、自由学園の高橋和也氏。子どもと本気で向き合ってきた経験から紡ぎ出される教育論。 (目次より)●自分に注意を向けると、行動変容が起こる ●少子化で問題なのは、人口が減ることではない ●「いま」の喜びを体感できず、幸福が先送りされてしまう ●何かに「夢中」になることと「依存」は違う ●中学受験の難点とは? ●子どもは「人材」ではない -
コロナ後の世界
縁故主義、相互監視、正常性バイアス、反知性主義、 “コロナ・マッチョ”、『1984』的ディストピア…… なぜ日本はここまで劣化したのか? ・エビデンスを軽んじ、政治効果を優先させた日本の感染症対策 ・知的無能が評価される「イディオクラシー」(愚者支配)とは ・“母子癒着”する日米関係とディストピア化する社会 ・カミュ『ペスト』に描かれた危機下における大人の市民像 ・「王道」と「覇道」――中国はこれからどうなるのか? ・書物という外部への回路がもつ「コモンの再生」の可能性……etc. 社会の病毒をえぐり、再生への道筋を示す真の処方箋! -
骸骨巡礼―イタリア・ポルトガル・フランス編―(新潮文庫)
ローマの教会やリスボンの墓地、パリの大聖堂。南欧の明るい日差しの下、理性的なはずの欧州に、骸骨で部屋を飾りつけた納骨堂や日本では見かけないような奇妙な墓がある。日本人とヨーロッパ人との身体感の相違に着目し、自然と社会における森羅万象に思いを馳せる。意識と感覚の関係を考察し、無言の死体と格闘する「修行」を通じて辿りついた悟りともいえる新境地! 『骸骨考』改題。(解説・髙橋秀実) -
聖地巡礼 コンティニュード 【電子限定 写真カラー版】
思想家であり武道家の内田樹と、比較宗教学者で僧侶でもある釈徹宗が、日本人が失っている霊性を再発見すべく日本各地の「聖地」を旅する聖地巡礼シリーズ第4弾。最新の第4弾は、日本人にすら忘れかけられている長崎県「対馬」。 福岡空港から空路で30分(100キロ)のところに対馬は位置する。人口3万2千人。 この対馬こそ、日本の原点であり、日本人の源流の地といえる。 日本書紀の「国生み」によれば伊邪那岐(イザナギ)・伊邪那美(イザナミ)の二柱の神は、大八島の国を次のように形成していった。 淡路島→四国→隠岐島→九州→壱岐→「対馬」→佐渡島→秋津島(本州)。 対馬は、その地理的な位置から、朝鮮との国境の島としての運命を担う。魏志倭人伝の最初に出てくる日本の地名が対馬である。今でも晴れた日には、対馬から釜山が見える。対馬と福岡は100キロだが、対馬と朝鮮半島は50キロ未満の近さである。対馬を訪れれば、韓国人のあまりの多さに驚愕するが、この近さを思えば、もっともことである。看板や値段は、日本語とハングル語がほとんど併記されている。ちなみに、携帯電話も場所によっては海外モードになってしまう。 歴史上、いくつかの重要な戦場にもなった。白村江の戦い、元寇、日露戦争(当時は、バトル・オ・ツシマと呼ばれた)。にもかかわらず、朝鮮との友好な関係を築きあげてきた、外交能力。日本人の海民性を物語る。 応神天皇、神功皇后をはじめ、数々の神話・伝説を生み出した古代の信仰。 さまざまな形式の神社やご神木、ご神体が示す、日本人の信仰心の原点。 神仏習合の上をいく、神仏キの習合。 内田樹、釈徹宗の両著者は、まさに、日本人の霊性、心性の原点が、対馬から発せられていることを実感をこめてつづっていく。 -
老人の壁
「明るい老人の本」大好きな虫採りに明け暮れる解剖学者・養老孟司。古今東西さまざまな「本人」になっていくつもの人生を送るイラストレーター・南伸坊。ともに老人になった二人が、「老人とは何か」「老人はどう生きるべきか」を、科学とユーモアで徹底討論! 病気になったらどうしよう。死んでしまったらどうしよう。暗い気分になってしまうのは、暗い気分になるものしか見ていないからだ。どんなに年を取っても人生を変える発見がある。死んだ後のことは生きている人にまかせよう。人間のことより花鳥風月に目を向けよう。養老孟司のエッセンスと、南伸坊の笑いが炸裂する心が軽くなる対談集。 -
「身体」を忘れた日本人 JAPANESE, AND THE LOSS OF PHYSICAL SENSES
解剖学者・養老孟司氏と作家・冒険家のC・Wニコル氏が、都市生活によって衰えた日本人の身体をテーマに、子どもたちのこと、食べるということ、極地での気づきなどさまざまな問題に切り込んだ対談集。 アレルギーになる子ども、災害時に火をおこすことが出来ない大人たち。便利になりすぎた都市生活によって、あまりに身体を使わない世の中になっていないだろうか。そして自然と触れる機会もなくなった現代人は、嗅覚、免疫といった身体機能も衰えている―。そんな問題意識から、話は広がっていきます。 【1章 森と川と海のこと】 荒れた森を再生する/日本の杉は苦しがっている/馬に木を運ばせる/木の力、森の力/森と川、そして海のつながり/川は「流域」で考えよう 【2章 食べること、住まうこと】 田舎の力/都会の罠/虫は貴重なタンパク源だった/何でも食べられるのは「貴族」/木を生かす適材適所/原発事故のあとに残された難問/人間関係を保険で補償する時代/経済成長とはエネルギーを使うこと 【3章 子どもたちと教育のこと】 「ほったらかし」が一番/二人の子ども時代/母親の世界から飛び出せ/ゲームより実体験/自然が足りないと世界は半分になる/新しいエリートをつくる/体験を通すと生きた知識が身に付く/森で授業を/小さいときに触れるべきもの 【4章 虫のこと、動物のこと】 生き物の分類は分ける人によって変わる/ゾウムシは中央構造線を知っている?/オスは時々いればいい/ハチに刺されて死ぬのはなぜか/クモに名前をつける/いなくなった赤とんぼ/生き物は複雑なシステム/キリンの首はなぜ長い/熊との付き合い方 【5章 五感と意識のこと】 ハエも用心するクサヤのにおい/顔色をうかがうための進化/意識はコントロールできない/人が失った絶対音感/山の声が聞こえる/銃を撃つ前に逃げるカモ/夢と意識/時間と空間/「意識の時代」と「身体の時代」 【6章 聞くこと、話すこと】 英語を強制されたトラウマ/気持ちと結びつく日本語/訓読みは難しい/主語の有無は文化の違い/自我の目覚めが遅い日本人/日本語と感覚/片言の中国語/「暗いところ」がなくなった/言葉がなくなると存在もなくなる 【7章 これからの日本のこと】 子供も、大人も外で遊べ/若者に責任を持たせよ/日本人に覚悟はあるか/言い訳の多い日本人/もう一つ先を考える/人間は「状況の産物」である/日本人よ、自分を取り戻せ