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縁故主義、相互監視、正常性バイアス、反知性主義、
“コロナ・マッチョ”、『1984』的ディストピア……
なぜ日本はここまで劣化したのか?
・エビデンスを軽んじ、政治効果を優先させた日本の感染症対策
・知的無能が評価される「イディオクラシー」(愚者支配)とは
・“母子癒着”する日米関係とディストピア化する社会
・カミュ『ペスト』に描かれた危機下における大人の市民像
・「王道」と「覇道」――中国はこれからどうなるのか?
・書物という外部への回路がもつ「コモンの再生」の可能性……etc.
社会の病毒をえぐり、再生への道筋を示す真の処方箋!
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Posted by ブクログ
2021年10月発行の書籍。内田樹が、ブログやその他の色々な媒体に書いたものをまとめ、加筆・修正したもの。「コロナ後の世界」という書名になっているが、ポストコロナについてのものばかりではなく、色々なテーマのについての論考を集めたもの。章立ても「コロナ後の世界」「ゆらぐ国際社会」「反知性主義と時間」「共同体と死者たち」という題名になっている。もとになっている原稿が書かれたのは、2020年から2021年にかけてのもの。
本書を読んだ後、あらためて世界のコロナウィルス感染状況がどうなっているのかをネットで調べてみた。
全世界での感染者数は4.8億人、これまでの死者数は6百万人強。世界人口は75億から80億人の間であり、全世界の感染率は6%弱。致死率は感染者数の約1.3%、人口の0.078%ということになる。
日本の感染者数は、おおよそ6.2百万人、これまでの死者数は27,000人強。日本の人口は約1.2億人なので、感染率は5%強、致死率は感染者数の0.45%程度、人口の0.022%ということになる。世界的な数字と比較すると、感染率は少し低く、また、致死率は世界の数値から比べると随分と低いということになる。
また、約100年前のパンデミックであるスペイン風邪について調べてみた。スペイン風邪には、全世界で約5億人が感染したと言われている。数自体はCovid-19と変わらないが、当時の世界人口が18-19億人であったので、感染率は27%、4人に1人は感染したと言われている。また、死者数は1億人を超えていたと言われており、致死率は感染者の約20%、人口の約5.6%なので、今回のパンデミックよりも感染率・致死率ともに高いものであった。
Covid-19について内田樹の2020年当時の論考をあらためて今回読んでみて思い出したのは、パンデミック発生直後は、Covid-19の感染率、致死率、あるいは重症化率は、もっと高いものである、Covid-19というのは、とても危険なものであるという認識が一般的であったということだ。実際に重症になられた方、実際に亡くなられた方もいらっしゃるので、軽々しいことは言えないが、現時点の実際の感染率・致死率よりも、もっとずっと高いもの、例えばスペイン風邪に近いものをイメージしていたと思う。もちろん、危険なものであるという認識のもとで対応したり、あるいは、比較的早くにワクチンが接種できたりしたことにより、結果的に感染率・致死率は上がらなかった、すなわち、世界の人たちの対応は、ある程度うまくいったということでもある。
内田樹の論考が、ということではなく、もう少し一般論的に言って、パンデミック発生直後に言われていた「コロナ後の世界」についての論考が現実のものと少しずれていることが多いように感じるのは、こういった実際の感染率や致死率についての予測が(良い方に)はずれていたから、とも言えるのではないか、とあらためて感じた。
Posted by ブクログ
何度も思うが、やはりこの人の考え方は面白い。だから面白く思えば思うほど、この人はもっと表に出ていくというか、もっと周りがこの人の言うことを取り上げて(もしかしたら自分が思う以上に取り上げているのかも?)、広く知られていてもいいのにと思うのだが。それこそ養老先生や、小林秀雄にだって引けを取らないのではないだろうか。
本の最後に、内田樹という人が敬愛していたのだなと思われる、大瀧詠一、橋本治、鹿島茂の諸氏がいずれも2019年に亡くなっていて、その追悼の意味合いで各氏の著者の書評をしたものが収められているのだが、自分にはなぜこれらが収められているのかわからず、でも本人の後書きでこの本で言いたいことはここに収められているとあったので、俺は何を読んでいたのだろうと、愕然としてしまった…
Posted by ブクログ
著者が,いろいろなところで書いた論文を集めたもの。いつも通り,内田さんの筆はよく動く。視点が面白くて,しかも難しくないので読みやすい。本のタイトルにある「コロナ後の世界」は,本の4分の1くらいで,あとは,違う話題が多い。最終の第Ⅳ章では,4人への弔辞?がまとめられていて,ちょっと変わった編集となっている(これは編集者の工夫らしい)。内田さん本人は,「この本を通じて僕が一番言いたかったことは,(吉本隆明を含めた)4人の死者たちに向けて書かれたこれらの言葉の中に表現されていたように思います」と言っていて,ここだけでももう一度読んでみようかな。
気に入ったところに付箋を付けながら読んでいたら,付箋紙が30枚近くになった。この付箋の部分をこれから抜きだして,どっかに書き留めておくことにする。これがわたしの本の読み方の一方法である。
一カ所だけ,引用しておく。これを意識してくれれば,おそらく,ネトウヨ・ネトサヨなんていなくなるんだがなあ。これもわたしの加害責任がついて回るんだよな。
僕はものごとの適否を「それをすることによって、集団として生きる知恵と力が高まるか?」ということを基準にして判断しています。もちろん、その言明が「正しいか正しくないか」ということを知るのも大切ですけれど、僕はそれ以上に「それを言うことによって、あなたはどのような『よきもの」をもたらしたいのか?」ということが気になるのです。言っている言葉の内容は非の打ち所がないけれど、その言葉が口にされ、耳にされ、皮膚の中に浸み込むことによって、周りの人たちの生きる意欲が失せ、知恵が回らなくなるのだとしたら、その言葉を発する人にはそれについての「加害責任」を感じて欲しい。(p.2)
Posted by ブクログ
いつも以上に?アグレッシブな内田樹を読めて、ちょっとヒヤヒヤしつつ、面白かった。
選挙を終えて、さて、そろそろ「この状況」を振り返らなくてはならないよな、と誰もが少しずつ思い始めている。
結局、日本のコロナ禍における対応はどうだったのか?そして、私たちには何をしてきたのか?
でも、と内田樹は言う。
恐らく、それを知っていて答えるべき人たちは皆、記憶喪失にかかるだろうね、と。
施政者たちは手と手を取り合い、無言を貫く。
一方、私たちはそんな政治を諦めながら、お互いにルール違反を犯していないかを見張り合い、SNSで拡散することは脅迫のレベルにたどり着いた。
でも、そこに認められる善は、あまりにも一方的で個人的に歪められたものでもある。
自分よりも富める者への憎しみ、のような。
そこで、市民としての振る舞い、大人としての振る舞いを身につけることが求められる。
自分が社会の一員だと認識し、スマートに行動する機会は、けれども、どんどんと先回りするサービスに、取って代わられているようにも思う。
今の日本社会に最も欠けているものは「親切」だと書かれていて、私はなるほど、と思ってしまった。
そして、それを教えることを担う場所も人も、少しずつ分断され、役に立たないものと見做されてしまっている気がする。
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ビジネス・実用
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