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なぜ日本の子どもたちは勉強を、若者は仕事をしなくなったのか。だれもが目を背けたいこの事実を、真っ向から受け止めて、鮮やかに解き明かす怪書。「自己決定論」はどこが間違いなのか? 「格差」の正体とは何か? 目からウロコの教育論、ついに文庫化。「勉強って何に役立つの?」とはもう言わせない。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
すでにこの時代にこう言われていて、今やそれが加速して行っている気がする。AIが出てきた今、どうなってっちゃうんだろうなぁ
等価交換をしようとする子どもたち、それは無時間的であり、消費であることだ。消費をすることの危険性を述べていた國分功一郎先生の述べていることも通ずるが、勉強をして、学習過程が終わるまで学習する意味がわからないという、絶対的時間性の学習というものに、消費的な思考を介入させることは大きな矛盾である
当座の報酬の期待値の低さ・不確定性に対し、経済合理性の下、消費者マインドで「こんなん何になるんだよ」と突っぱねちゃうのがニートと不登校、つまり労働や学びの拒否の始まり。 その曖昧さや不確定性に対して「きっとなにかになるはず」と、気長かつ楽観的・期待的に身を投じて、労苦を負って行くこと。そして自己の...続きを読む不確定な変化という性質を認め、受け入れ、期待し、勘定に入れた上で学びに向かうこと。それらの勇気ある殊勝な態度が知性。 また「自身の存立」時点で社会や周囲の人間から受けてきた恩義、つまりは贈与に負い目を認められ、その反対給付義務意識に駆られて積極的に労働という(返報)贈与を社会に行っていくこと。それこそ伝統的人間らしさ・文化人類学的知見に合致する労働者マインドであり、労働の倫理・哲学・美学である。 ※ただこの倫理に関しては(薄給なだけならともかく)ハラスメントや長時間労働強制、肉体的・心理的安全性侵害が横行するような、日本に跋扈するブラック職場では成立しないと思うけど(2005年の本だししゃーなし?)。 含蓄が多い本だと感じました。 勇気と忍耐のある、道徳的な内発的動機づけに強く意志付けられた人間になりてぇ。
学ぶことができるという環境を放棄している日本の子どもたち。納得のいく内容でした。 生産と消費がかけ離れ、生産することへの尊敬と感謝が失われている日本社会。たくさん消費することが良いライフスタイルであることのように報じられるメディア。日本はどうなっていくのでしょう。
面白かった。 本人も書いておられるように「ずいぶん力んで書いている」力作であります。 消費者として全てを同時性の中で生き、世の中を等価交換で見る体質。 こういったことが学びを馬鹿にし、労働を無意味なものと見る価値観に結びつくと見る。 解明していく際の気押される程の勢いある文章に引き込まれて行く。 ...続きを読む学校内の状況は改善はされてきているのだろうか。 ニートの数は減少しているのだろうか。 外からは見えない隠れた部分。実態を知る術が無いが、良くなってきていることを望む。 対談部分は文庫化に際して削っても良かった気がする。何か著者にもしがらみがあるのかも知れないが…
今まで読んだ中でベスト・オブ・ベスト。 ウチダイズムの原理というか、ベースを知れた=社会の構造。 如何にして社会的上層と下層の差が生まれているのかそしてその原因は何なのかを考えさせられる書籍である。個人主義がいかに恐ろしい思想であるか。 そしてすべて個々人に降りかかるという、良い意味でも悪い意味でも...続きを読む。 勉強を放棄してもそれは将来の自分が連帯保証人として存在する。
まさに現代教育の核心をついている。過去のフォーマットにしがみついている場合ではない。評価で釣って、子供に勉強をさせる手法は限界だ。そもそも学問とはそういうものではない。損得勘定でしか人間が動かなくなる。生徒は消費者目線で学校にやってくる。まさに、この通りで、変えることは困難であり、どう折り合いをつけ...続きを読むていくのか。
めちゃめちゃ面白かった。 幼年期から経済主体として成長している。 この視点から現代の問題、例えばクレームする親や教育に反抗する子供などを説明していた。 これがすごく新鮮で、25の自分にも当てはまるところが多分にあった。 懐古的に昭和時代の大きな家族ぐるみの付き合いを失ってしまったことを嘆いて...続きを読むいる。 一家の大黒柱が働けない家族を含めて支えていた時代を。 こんな友人や家族を築けたらいいなと思う。
当時勧めてくれた友達に、「読んだよ!なんか、哲学者なのに読みやすい語り口だね、堅くないし」と言ったら「わたしは内田樹の本のことはあるある本だと思ってるから」と返ってきたのを覚えてる
本書では、子どもが授業を真面目に聞かないこと、勉強をしないこと、すぐに転職する若者が増えていること、ニート問題など、人によっては近頃の若者はけしからんと根性論で片付けてしまいそうなテーマが扱われている。 しかし、実はこれらの背景には共通しているものがあり、それが消費者マインドだということがわかりやす...続きを読むく説明されていて、なるほどと大変感心した。 現代社会において、消費者マインドは、重要かつ不可欠な思考であるというイメージがあったので、教育などの場に持ち込まれることで弊害にもなり得るというのは新たな学びだった。
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