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Posted by ブクログ
以前,「街場のメディア論」が面白かったので。
恥ずかしながら教育論なるものを読んだことがなかったため,読み進めていくうちに様々なことを知りました。(地方の国立大学の存在意義など)
なかでも印象に残ったのは,「制度内に組み込まれたなかで埋没してしまう個性など,個性ではない」ということや,「ブレイクスルーは突如起こるものだから予測できるはずもないし,来年度のシラバスなんてきっちりと決められるはずもない」「教員評価制度は,できる人の時間の浪費」「学ぶことは努力と成果の等価交換ではないし,大学に消費者的態度で来てはならない」など。
こういう警告がされるほど,大学はビジネス化してきているんですね…。
まあ,私が通う大学も私学なので,学生を金の支払い者として見ている節もあるのかもしれませんが…?
友人や知人に是非一読してほしい本です。
Posted by ブクログ
【大学での生き方を見直せる一冊】
今日は大学で授業のTAがあるので大学論をとりあげます。
個人的に内田樹さんの文章が好きなんです。
優しく語りかけてくれるようで読んでてとても癒される上に、
知的好奇心がどんどん湧いてくるような感覚がして。
苗字が同じだからというのは…関係ないか。
この本の中で印象に残っているのは、
①教育が子どもを均質化しようとしていること。
②就職活動は「時間割通り」にやりなさい。
③人文系が強化されないといけない理由。
①教育システムは「うまくゆきすぎた」ために、バグやノイズを消そうとしすぎているとのこと。システムの効率を「上げる」のではなく、「下げる」ことを考えてみることの提案をしています。
②僕が就職活動の当事者なのもありますが、この論には納得しました。僕達はまだ大学生であって、いま、ここでやらなきゃならないことである勉強(授業を受けること等)を放棄してまで面接とかに行くような人間を社会人として信用出来るのか、といったことです。
周りが騒いでるときこそ落ち着きなさいというお話。
③日本の大学では理系分野は世界と張り合えているのに、今一歩そこから上に行けないのは人文系の分野がまだまだ発達出来るからであると述べられています。日本社会全体のものの考え方、発想の仕方が育たないためとのこと。僕も人文系といえばそうなので自戒の念を込めて。
長々と書きましたが、議論の余地がある部分もあると思うので、「教育」に関することに興味がある方には強くオススメしたい本です。
Posted by ブクログ
2000年から2006年にかけてブログに書かれた
内容を採録したというだけあって、ウチダ節が冴え
わたった一冊。
“学校というのは子どもに「自分が何を知らないか」を
学ばせる場である。一方、受験勉強は「自分が何を
知っているか」を誇示することである。”
“定期的に「頭の中身」を満天下に明かして、批判の
矢玉に身をさらすのは、学者の責務であると私は思う。”
縦横無尽の炸裂ぶりに、いつもの通り胸がすく。
でも、この本を読んでいていつものウチダ本と少し
趣が違うなと感じたのが、母校・日比谷高校と全共闘
について描かれた第8章と第9章。
正直、全共闘と言われてもピンとこないワタシには、
この部分はウチダ本としては珍しくあまり”入って”
こなかった。
Posted by ブクログ
街場の大学論
内田樹24冊目
・学ぶことそれ自体がもたらす快楽
「こうやってバリバリ勉強していればいつかいいことが経験できるという未来の確実性ではなく、こうしてばりばり勉強が出来るのも今だけかもしれないという未来の不透明性によって勉強していたのである」後者がまさしく勉強することそれ自体の快楽である。これが根源的な人間の学習へのモチベーションであるし、並行して読んでいた「グーグルの働き方とマネジメント」にも、潤沢な資金や時間ではなく、一定の制限によってもたらされる制限にこそ、イノベーションの種があると言っていた。
・狼少年のパラドクス
狼が来たというそれ自体は村落の防衛システムの強化を求める教化的なアナウンスを繰り返しているうちに「狼の到来」による村落の防衛システムの破たんを無意識に望んでしまうこと。
組織の自己評価は難しく、「欠陥はない」という言い逃れで問題点を隠蔽して責任を回避しようとする人間と、「欠陥がある」という己の指摘の正しさを証明するために、組織的欠陥を露呈するような状況を待ち望むような人間の二種類を生み出してしまうからである。
・学術性の本質は「贈与」。論文は、自分を同じ主題で論文を書こうとしている5年後、10年後の人間を想定し、その人がその研究をしやすいような道筋を整える、まさしく地図を贈与することである。だから、贈与ではない論文、つまり、未来の読者を想定していない論文は、今の読者にとっても非常に不親切で読みにくい。
・大学は、大学外の組織や階層にとらわれない「アジール」「駆け込み寺」であることが本義であるのにもかかわらず、資本主義的な淘汰の波にさらされることによって、付属の高校や中学をつくったり、その人間のまさしく階層を作り出す側の機能を持ち始めていることが問題である。
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