小説・文芸 - 文藝春秋作品一覧

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  • 完全なるチェス 天才ボビー・フィッシャーの生涯
    3.7
    「もし、『ボビー・フィッシャーはどんな人?』と聞かれたら、『チェスの世界のモーツァルト』と私は答えます」(羽生善治)。すなわち、誰もが認める天才である。その天才性を棋譜を追うことで簡単に知ることができる。そして、天才としての彼とはまったく別の人間性も有している――。それが、不世出のチェスプレイヤー、ボビー・フィッシャーです。 13歳にしてクイーンを捨て駒とする大胆華麗な「世紀の一局」を達成し、翌年、全米王者に。東西冷戦下、国家の威信をかけてソ連を破り世界の頂点に立つが、奇行を繰り返したあげく表舞台から失踪。ホームレス寸前の日々の末、日本で潜伏生活を送る――。アメリカの神童は、なぜ狂気の淵へと転落したのか。少年時代から親交を結んできた著者が、手紙、未発表の自伝、KGBやFBIのファイルを駆使して描いた、輝きそして壊れた男の評伝。羽生善治氏による解説付き。
  • 箱根駅伝を伝える テレビ初の挑戦
    NEW
    -
    “箱根”に魅せられたテレビマンたちが、前代未聞の生中継に挑む いまやお正月の風物詩となった、箱根駅伝。1987年、初めてテレビ中継に挑んだテレビマンたちの奮闘を描く傑作ノンフィクション。 正月の風物詩として人気を誇るテレビ番組「箱根駅伝」。しかし、1987年の初回生中継は挑戦の連続だった。全長200km超え、800m以上の高低差のある過酷なコース。電波の届かない箱根の山々と、降りかかる無理難題にどう立ち向かったのか。今なお語り継がれる初回放送の舞台裏。テレビスタッフの物語をドラマチックに描く。 単行本……『「箱根駅伝」不可能に挑んだ男たち』2007年12月ヴィレッジブックス刊 文庫版……単行本を改題し、加筆・修正 2024年5月文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としておりますが、文庫版収載の写真4点は収録されておりません。ご了承のほど、お願いいたします。
  • なぜ日本は原発を止められないのか?
    4.8
    「安全神話」に加担した政・官・業・学 そしてマスコミの大罪! 原発を続けるということは、 事故が起きる可能性を抱え続けることを意味する。 福島第一原発では、その影響の大きさを私たちは思い知った。 事故をひとたび起こせば取り返しのない事態を招くにもかかわらず、 原発はなぜこうも優先されるのか。 その理由を解き明かすには、歴史を俯瞰し、考えてみなければならない。 原子力ムラの実態とエネルギー政策の構造的問題を衝く! 官・政・業・学・メディアはいかにして「原発安全神話」を作ってきたのか? 原発取材をライフワークとしてきた記者の集大成の一冊。
  • 世にも危険な医療の世界史
    4.0
    爆笑と恐怖が交互に襲い来る強烈な歴史書 梅毒には水銀風呂! 夜泣きする子にはアヘン! 水難事故にはタバコ浣腸! かつて人類の常識だった残念すぎる医療の全てがここに。 〈最終的には次の簡単な問いを自問するといいだろう。その治療法には、信頼できるエビデンスがあると思うか? 副作用が出ても構わないか? それから忘れてはならない問いがもう一つ──治療費にいくらまで払えるか?  実のところ、この本は何でも治ることを売りにした最悪の治療法の歴史を、簡潔にまとめたものだ。言うまでもなく、「最悪の治療法」は今後も生み出されるだろう。〉(「はじめに」より) ※この電子書籍は2019年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 武藤章 昭和陸軍最後の戦略家
    4.3
    昭和陸軍キーパーソンの本格評伝 昭和の戦争に大きな影響を与えた武藤章。陸軍をリードしつつ対米戦反対という「つかみにくい」人物とされる。その思考を解き明かす。
  • 2050年のメディア
    4.2
    読売、日経、ヤフー、波乱のメディア三国志! 大幅加筆400字70枚でここに完結! インターネット上で巨大化しているプラットフォーマーたちに、今日の競争政策はうまく機能していないとして、独占禁止法の強化を主張する思潮が全世界を覆う。日本に独自に成立しているプラットフォーマー、ヤフーにも公正取引委員会のメスが入ることになる。だが果たして新聞の凋落はプラットフォーマーだけのせいなのか? 著者は、日経、読売、ヤフーの三社のみならず、ニューヨーク・タイムズ、英エコノミスト誌から鳥取のローカルメディアにいたるまでを、丹念に調査し、「持続可能なメディアとは何か」を、30年にわたるメディアの興廃史の中から掘りさげていく。 文庫書き下ろし新章 新聞VS・プラットフォーマー 大きくなりすぎたヤフーに対して公正取引委員会のメスが入る。「国境なき記者団」にネットの言論空間正常化のためのシステムを依頼された村井純は、読売の山口寿一に会う。 ※この電子書籍は2019年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 11人の考える日本人 吉田松陰から丸山眞男まで
    3.5
    吉田松陰は国防のために、幕府を倒した? すべてをお金で説明する福沢諭吉が今も読まれる理由とは? 趙進化論者、北一輝は天皇のカリスマに賭けた? 小林秀雄はひとつのことしか言っていない? 日本が抱えた難問に答えを出した「考える日本人」。これだけ押さえれば近代日本がわかる。
  • オーガ(ニ)ズム 下
    -
    1巻1,200円 (税込)
    壮大な偽史を紡ぐ「神町トリロジー」完結篇。 これはQアノンなのか、フォークナーなのか、 それらに拮抗しようとする無謀な「文学」なのか。――大塚英志 前任者の遺したファイルから明かされる菖蒲家の遠大な計画。 秘術アヤメメソッドをめぐって暗躍する諜報機関。 米大統領オバマの新都・神町訪問が迫る。 ラリーと作家はスーツケース爆弾を追い、息子はママを恋しがる。 彼らは世界を救えるか? 『シンセミア』『ピストルズ』からつづく 神町トリロジーここに完結。 解説 柳楽馨 ※この電子書籍は2019年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 魔王の島
    4.4
    ――彼女のはなしは信じるな。   2019年度コニャック・ミステリ大賞受賞、 幾重もの罠を張り巡らせた真のサイコ・ミステリー。 祖母の訃報を受け、彼女は孤島に渡った。終戦直後に祖母とここで働き始めた者たちだけが住む島。本土への船が来る日までを島で過ごす彼女は、やがてこの島に漂う不吉な影に気づきはじめる。ここには何か忌まわしい過去がある。そして若き日の祖母の手記にも謎の「魔王」の影が……。 島で行われていたというナチスの実験。 この島に逗留し、やがて海で死んだ子供たち。 何かを封じた開かずの扉。 すべての核心となる「サンドリーヌの避難所」事件。 積み重なる謎。高まりゆく不安と恐怖。 誰かが誰かを欺こうとしている。 誰が誰を欺こうとしているのか? いったい何が真実なのか? 読めば読むほど深まる謎また謎。曲折しながら突進する行先不明のストーリー。反則スレスレの大驚愕。――この種の不敵なミステリーの名産地といえばフランス。そこから新たな鬼才が登場しました。不吉なイメージの乱舞と恐ろしい出来事の連打の中に編み込まれた幾重もの罠!  『その女アレックス』のルメートル、『黒い睡蓮』のビュッシ、『パリのアパルトマン』のミュッソに続くフランスの刺客、ジェローム・ルブリ。その大胆不敵な怪技をご体験ください。
  • 魔術師の匣 上
    3.5
    スウェーデンで20万部突破! 北欧ミステリーの女王、新シリーズ開幕。 女性刑事と男性メンタリストが忌まわしい過去に端を発する奇術連続殺人に挑む。 女は箱に幽閉され、剣で貫かれて殺されていた。まるで失敗した奇術のように……ストックホルム警察の刑事ミーナは、メンタリストで奇術に造詣の深いヴィンセントに協力を依頼する。奇術に見立てた連続殺人が進行中なのだ……。スウェーデン・ミステリーの女王レックバリが一流メンタリストとコンビを組んで送り出した新シリーズ第1作。 60か国43言語で刊行され、売上は3000万部を突破。スウェーデン・ミステリーの女王カミラ・レックバリが長年の友人でもあったスウェーデン屈指のメンタリスト、ヘンリック・フェキセウスとタッグを組んだ新シリーズ第1作である本書は、人口900万人のスウェーデンで20万部を売り上げ、36か国での翻訳刊行が決定しています。
  • レオナルド・ダ・ヴィンチ 上
    4.0
    画家、科学者、軍事顧問、舞台演出家など多彩な顔を持ち、光学、幾何学、解剖学などを独自に研究。様々な分野に革命的インパクトをもたらし、普遍の価値を持つ名画を遺した――。ルネサンスを代表する”万能人”レオナルド・ダ・ヴィンチは、なぜ不世出の天才たり得たか。稀代の伝記作家が、全自筆ノートを基にその秘密に迫る。 人類初の「創造者(イノベーター)」は何者だったのか? 『スティーブ・ジョブズ』著者が7200枚の自筆ノートを読み解いた決定版評伝! なぜレオナルド・ダ・ヴィンチを描くのか。それは私が伝記作家として一貫して追い求めてきたテーマを、彼ほど体現する人物はいないからだ。芸術と科学、人文学と技術といった異なる領域を結び付ける能力こそが、イノベーション、イマジネーション、そして非凡なひらめきのカギとなる。(本文より) ※この電子書籍は2019年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 後悔の経済学 世界を変えた苦い友情
    3.3
    「人間の直感はなぜ間違うか?」。その命題を突き詰めてあらゆる学問の常識を覆したのは、2人の天才心理学者だった。 生い立ちも性格も全く違うカーネマンとトヴェルスキーの共同研究は、やがて経済学の分野にも革命を齎(もたら)すのだが……。 『マネー・ボール』で著者が見落としていた先に隠されていた、感動のヒューマン・ドラマ。解説・阿部重夫 「ぼくらは友だちだ。きみがどう思っていようと」 不合理な人間モデルを前提とした行動経済学を生み、世界を永遠に変えた、2人の天才科学者の友情と別れ 世界的ベストセラー『ファスト&スロー』著者にして、 ノーベル経済学賞を受賞した心理学者ダニエル・カーネマン。 華やかに見える彼の人生には、決して欠かすことのできない共同研究者がいた。 彼の名はエイモス・トヴェルスキー。 カーネマンはこの悲運の天才を愛し、そして激しく嫉妬した――。 ※この電子書籍は2017年10月に文藝春秋より刊行された単行本『かくて行動経済学は生まれり』を改題した文庫版を底本としています。
  • 小林秀雄 美しい花
    -
    小林秀雄の“信仰”に迫る画期的評伝 今なお読み継がれる稀代の批評家が己の批評スタイルすなわち詩法を編み出すに至るまでの軌跡を同時代文学者らとの交流などから辿る。 解説・山根道公 ※この電子書籍は2017年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 阿川佐和子のこの棋士に会いたい(文春ムック)
    3.9
    「週刊文春」大好評連載「阿川佐和子のこの人に会いたい」の30年近い歴史のなかから、 棋士が登場する11の対談を収録。 羽生善治、渡辺明、谷川浩司、森内俊之、佐藤康光、佐藤天彦、先崎学、杉本昌隆、瀬川晶司、そして米長邦雄……。 将棋の天才たちの本音に迫る抱腹絶倒、珠玉のトーク。 〈空前の将棋ブームである。 発端となったのは、なんといっても藤井聡太氏の出現であろう。 この天才棋士が生まれる背景と、その歴史を築き、 彼を育んできた偉大なる先輩たちの思いと功績を これほど綴った本は、この一冊をおいて他にはないと思われる。たぶんね。〉 (阿川佐和子「はじめに」より) 【目次】 杉本昌隆 「彼が小学二年生のときからタイトルを取ることは 確信していたので全然驚かない」 先崎学 「将棋の世界を継続させることの大事さを 後輩に伝えたくて飲みに連れて行くんです」 佐藤康光 「まだ藤井聡太さんの本当の強さは引き出されていない気がします。 今後、タイトル戦に出ると……」 佐藤天彦 「将棋は、何十手先まで読む力より、 少し先の局面がいい形になるか見極められる力が重要」 羽生善治 「投了って非常に難しいんですよ。 他の人だったらまだ続けるというケースもあるし」 森内俊之 「羽生さんに名人を獲られたら楽になって、 半年後に竜王と王将を獲ったんです」 米長邦雄 「女房が言ったんです。『あなたは勝てません。 若い愛人もいない男が勝てると思いますか』」 瀬川晶司 「取材が増え続けたので、マスコミも みんな僕の応援団と思うようにしました」 谷川浩司 「羽生さんが別の世界の人に 見えたこともあります」 渡辺明 「小さい頃からの目標を達成して、 喜びで頭が真っ白になってしまった」 渡辺明&伊奈めぐみ 「マンガのエピソードって実話なの」(渡辺) 「若干、盛ってるけど、普段からメモはしてるよ」(伊奈)
  • 子どもが作る弁当の日 「めんどくさい」は幸せへの近道
    5.0
    西日本の小・中学校を中心に広がる「弁当の日」に迫る。 子どもが親の手を借りず、自分で作った弁当をもって学校に行く「弁当の日」。 この取り組みで変わる子どもと親の姿を記録する。 <目次> はじめに 母の罪悪感 第一章 「かわいそうな子」はそのままでいいの? 第二章 親が子どもに残せるもの 第三章 失敗するのもまた楽しい 第四章 「めんどくさい」には意味がある 第五章 子どもが変わった、大人も変わった 第六章 巣立つ君たちへ 第七章 アレンジは自由自在 第八章 百年後の子どもたちへ おわりに 罪悪感は幸せのスパイス
  • ぼくをつくった50のゲームたち
    4.3
    麒麟のボケ担当、芸能界随一のゲーマー川島さんがゲーム愛を語る! 人気芸人がレトロゲームで綴る、初の半自伝的エッセイ。 ドラクエ、ダビスタ、ストII……懐かしゲーム50本の思い出にアラフォーの共感必至。 誰もが一度は聞いたことのある有名ゲームから、マニアックなゲームまで。 子ども時代の思い出や、芸人をはじめたころの大変さ……、そして、第1回M-1での決勝進出。 ゲームとともに、芸人・川島明の半生を振り返る。 実家。放課後。楽屋。今。 いつもそこにはゲームがありました。
  • 宗麟の海
    4.0
    九州の若獅子吼ゆ! 信長に先んじて海外貿易を行い、硝石、鉛を輸入、鉄砲隊をいち早く整備。軍事力と知略で九州六か国を制覇した若き日の大友宗麟。 ザビエルから「世界を手に入れたとしても、心が満たされなければ幸せになれない」と諭された宗麟は宣教師を通して新知識を導入。 瞬く間に九州の覇王に駆け上がった男の波乱の生涯を活写する。 ※この電子書籍は2017年9月にNHK出版より刊行された単行本を、文春文庫で文庫化したものを底本としています。
  • 日本VS韓国 対立がなくならない本当の理由
    4.3
    なぜ日韓関係はこれほど悪化したのか? 池上彰が「反日のなぜ?」を分かりやすく解説。 フジテレビ人気番組「池上彰スペシャル!」の完全書籍化。 『反日種族主義』編著者の李栄薫・元ソウル大教授との対談もノーカットで収録。 ◎いったいなぜ? ・文在寅政権発足から約3年半、日韓関係は戦後最悪に。 ・2019年夏以降、日本製品の不買運動が激化し、多くの韓国民が参加。 ・解決済みのはずの「徴用工問題」で韓国の最高裁が日本企業に賠償を命じる判決を下し、 敗訴した日本企業の資産が差し押さえられ、いつ現金化されるか分からない事態に。 ・慰安婦問題の解決に向けて日韓が合意して設立した慰安婦財団(和解・癒やし財団)も、 文政権が日本の同意を得ないまま解散させた。 なぜこうした事態に陥ったのか、現地取材を通じて池上彰が分かりやすく解説。 日本企業の資産がいつ現金化されてもおかしくない今、 知っておきたい基本情報をコンパクトに伝える。 (目次) はじめに――日韓対立はいつまで続くのか 第1章 なぜ日本に厳しく、北朝鮮に甘いのか 第2章 反日の象徴「不買運動」その後 第3章 意外と知らない!? 徴用工問題 第4章 若者世代に変化の兆し 第5章 「反日種族主義」と嘘の歴史教育 第6章 日本と韓国がわかり合うために
  • 担当の夜
    3.0
    1巻1,200円 (税込)
    漫画編集者って、なんてかっこわるい仕事なんだ! 人気投票と評価、そして売れ行きの間で煩悶する漫画家と漫画編集者。 不人気の果て、開き直って描いた官能漫画がようやくヒット、しかし創作のエゴイズムから逃れられない漫画家。 その矛先は担当編集に当然のように向けられる。 「俺の漫画に関われるだけでありがたいと思え」。 漫画家と編集者との共闘、そして決裂までを描いた『担当の朝』。 担当編集はまるで修行のような態度で臨まなければならない、現在では不人気となってしまった鬼才の大巨匠。 それでも「破門」される日はやって来る。 その理不尽さ、恩と怨念を描いた『担当の夜』。 有望な新人のはずなのに、なかなか新作を描かない漫画家。 その驚くべき「描かない理由」としたたかすぎる生命力を描く『最後の担当』。 今日もまた訃報が届く――。 なぜか早死にする漫画編集者たちへの痛切なレクイエム『俺酒』。 元青年漫画誌の編集長だった著者が描く、知られざる青年漫画の熱かった季節。 表紙・巻末マンガ:すぎむらしんいち
  • 果てしなく流れる砂の歌
    3.5
    「愚かな戦争を終わらせるために、われに英雄的な死を――」 たくらみに満ちた異世界ファンタジー! 世界を総べる超大国〈象の胃袋〉は同盟諸国を率いて砂漠の小国〈朱雀の翼〉に宣戦布告し、たちまち国土を占領した。 〈朱雀の翼〉の指導層は地下に広がる迷宮都市に潜伏してゲリラ戦を展開。 そんな中、同盟国の一つ〈銀の狼〉のクレーメル少尉は〈象の胃袋〉軍の一隊を突如攻撃した。 婚約者を〈象の胃袋〉の貴族に奪われ、やけになって死に場所を求めたのだ。 案の定、軍法会議で死刑を宣告されるが、処刑の直前、忠実なる従僕ムルカとクレーメルの頭の中に突然飛び込んできた〈弟〉の超能力によって救われる。 人間たちが誕生するはるか以前から、〈弟〉たち〈兄弟〉は〈父〉のために〈母〉が支配する(姉妹)たちと闘ってきた。 ほかの生物の身体に憑依し、その意思をのっとり、あやつることができる〈兄弟姉妹〉は、仮の姿で果てしない戦いを続けていた。 〈兄弟姉妹〉の戦いに巻き込まれながら、〈弟)の力を借りて〈象の胃袋〉に立ち向かい、婚約者サリーネの奪回を目指すクレーメルの冒険の行方は? 壮大なスケールで展開される異世界ファンタジー! 【大森望氏推薦!】 「研ぎ澄まされた多声的(ポリフォニック)な“語り”と圧倒的なスピード感。ハイファンタジーの分野に颯爽と登場した大型新人作家を見逃すな。」
  • 新型コロナウイルスを制圧する ウイルス学教授が説く、その「正体」
    4.0
    人類にとって、戦後最大の脅威となっている新型コロナウイルス。 私たちはいかに、未知の感染症と向き合えばいいのか? 著者の河岡義裕氏は東大医科学研究所ウイルス感染分野教授、同感染症国際研究センター長、ウイスコンシン大学獣医学部教授を兼任。 世界で初めて新型インフルエンザの人工合成に成功し、エボラウイルスのワクチンも開発中の、ウイルス学の世界的権威である。 その河岡教授が、新型コロナウイルスの最新情報、有効な対策と無意味な対策、終息までの見通し、ウイルスの正体について、 分かりやすく解説する。 新型コロナウイルスを理解する決定版!
  • 月刊文藝春秋特別編集 コロナと日本人 私たちはどう生きるか(文春ムック)
    3.0
    佐藤優×片山杜秀 コロナで変わる世界史 ■コロナ不況から暮らしを守る 玉木雄一郎 補正予算200兆円のまやかし 対策はもっと大きく、早く、簡素に! 神谷秀樹 トランプバブル崩壊 株、債券、土地はこうなる 荻原博子 アフターコロナの「生活防衛術」 小柳津篤 働き方は変わる もう元には戻らない ■激変する世界と中国の闇 黒田勝弘 韓国・文在寅政権を救った挙国一致の“コロナ自慢” アイ・フェン 中国政府に口封じされた 武漢・中国人女性医師の手記 中野剛志 グローバリゼーションが終わりを迎える 峯村健司 米中コロナ戦争 CIAと武漢病毒研究所の暗闘 山中伸弥×橋下徹 緊急事態を超えて ウイルスvs.日本人 磯田道史 「感染症の日本史」~答えは歴史の中にある 続・感染症の日本史 第二波は襲来する 養老孟司 人生は本来 不要不急 ■私とコロナの日々 阿川佐和子/福岡伸一/野村萬斎/ブラックマヨネーズ吉田敬/宮本亞門/落合陽一/古谷経衡/尾木直樹/林伸次/古市憲寿 ■暴かれた日本の不都合な真実 橘玲 「狡猾なウイルス」に試されている 赤坂太郎 ポスト安倍で官邸分裂 コロナ禍は人災だ 保阪正康 自粛警察とファシズム 能町みね子 無駄な原稿を書かせてほしい 中村淳彦 誰も助けてくれない「貧困女子」の地獄 後藤逸郎 東京オリンピックはもう無理だ 石橋正道 ベテラン開業医も困惑「コロナ感染記」 女子部JAPAN 「コロナ婚」へ急ぐ女子たちの本 三浦瑠麗 コロナ給付金10万円 使い途でわかった日本人の新しい絆
  • 東大式スマホ勉強術 いつでもどこでも効率的に学習する新時代の独学法
    3.9
    「受験」「英語」「資格」「暗記」すべてに対応! いつでもどこでも誰でもできる! 現役東大生が明かす、スマホを駆使した超効率的なシン・独学術。 学習に特化した厳選勉強アプリ20を徹底紹介&解説! 〈スタディサプリ〉〈anki〉〈YouTube〉〈Studyplus〉 〈目標達成タイマー〉〈モノグサ〉〈reminDO〉〈abceed〉 ● 人工知能が「暗記」を超効率化! ●「世界一わかりやすい授業」が自宅で見れる ● 成績上位者の「勉強データ」が見れる ● 無理せずに勉強が続けられる 「塾や予備校に頼らず、独力で試験に合格したい」 そう考える人は、受験生にもビジネスマンにも多いと思いますが、実際にはかなりハードルが高いのも事実です。 全部一人でやると時間もかかるし、何が正しいかもわからない。集中力も続かない。 独学がうまくいかないのは、「独り」による弊害を乗り越えられないからです。 しかし、スマホを上手に活用すれば、その弊害をクリアして独学で成績をあげるために必要な「5つの力」が簡単に手に入るのです。 本書では、その自身の経験や周囲の東大生たちからの最新情報も踏まえ、誰でも簡単に無理せず独学し、そして成績を上げるためのノウハウを紹介します。 ――スマホは、勉強の「味方」だ。
  • フライングガールズ 高梨沙羅と女子ジャンプの挑戦
    4.0
    2014年ソチオリンピックの金メダル最有力候補! 天才少女はどうやって生まれたのか 2014年のソチ冬季オリンピックから正式競技となる女子スキージャンプ。この競技の金メダル最有力候補が17歳の高梨沙羅だ。昨シーズンのワールドカップで史上最年少の総合優勝を果たした天才少女は、果たしてどうやって誕生したのか。本書では、高梨沙羅と日本女子ジャンプの歴史に迫ります。 「女子にジャンプは無理」「ショーじゃないんだから」と、たった20年前までは競技への参加すら許されなかった時代から紐解く、女子ジャンプのパイオニアたちの苦闘とそこから生まれた天才少女の感動の物語。緊急電子化!
  • きずな 藤圭子と私
    1.0
    追悼・藤圭子。育ての親が綴った幻の名著、緊急復刊! 巻末解説/水道橋博士 2013年8月22日にこの世を去った怨歌の女・藤圭子。昭和40年代に「新宿の女」「圭子の夢は夜ひらく」などの大ヒットで時代を作った彼女を発掘し、育て上げたのが本書の著者であり、作詞家の石坂まさをである。親に連れられて来た藤圭子との衝撃的な出会いから、大ヒットの裏側、結婚と離婚、十数年を経ての再会と娘・宇多田ヒカルとの新たな出会いまで。藤圭子母娘三世代の壮絶な人生の軌跡が、赤裸々に綴られる! 著者は2013年3月9日、闘病の末、死去。藤圭子は「石坂まさをを偲ぶ会」の前日、この世を去った。時代を駆け抜けたふたりのきずなとは何だったのか? 衝撃の1冊
  • いやしい鳥
    3.5
    1巻1,152円 (税込)
    『爪と目』で、第149回芥川賞を受賞した注目作家のデビュー短編集 文學界新人賞受賞作『いやしい鳥』を含む三作を収録 鳥に変身した男をめぐる惨劇を描いた文學界新人賞受賞作「いやしい鳥」、絶滅したはずの恐竜に母親を飲み込まれた女性の内面へ踏み込んだ「溶けない」、愛とヴァイオレンスが奇妙に同居する「胡蝶蘭」。奇想天外な発想と作風で魅了する三作品
  • 黒面の狐
    4.1
    あの真っ暗闇の奥から、何かが私を凝っと覗いている! ホラーミステリーの旗手による新シリーズ、ここに開幕。 戦後まもない混乱期。 主人公の物理波矢多(もとろい・はやた)は満洲の建国大学から日本に帰国し、足の向くままに北九州の炭鉱で炭坑夫となって働き始める。 波矢多は同じ炭鉱で働く美青年・合里光範(あいざと・みつる)と意気投するが、彼もまた朝鮮人の友を過酷な労働に従事させた過去に罪悪感を負っていた。 やがて同室の合里が落盤事故で坑道に取り残されたのを皮切りに、炭坑夫が次々と自室で注連縄で首を括るという、不気味な連続怪死事件に遭遇する。 現場からはいつも、黒い狐の面をかぶった人影が立ち去るのが目撃され……。 敗戦に志を折られた波矢多は、相次ぐ変死体と“狐面の女”の謎を解けるのか。 細密な炭坑の描写の中から、じわじわと迫ってくる恐怖と連続する密室殺人の謎。 本格ミステリとホラーの魅力を併せ持った、著者の本領発揮の傑作長篇。 解説・辻真先
  • この先をどう生きるか 暴走老人から幸福老人へ
    3.7
    いきなり「人生百年時代」と言われても……。立ちすくむ老人予備軍に、ベストセラー『暴走老人!』の著者が、「暴走老人化」せずに孤独と向かい合う術を伝授する。 序章は、現代の神話化した「人生100年」の実像と平均寿命のカラクリについて。 第1章は、ネットやスマホとの距離を保つということについて。 第2章は、コミュニケーションのとり方、生き方の正しい方法について。 第3章は、世の中に流布する「孤独観」を整理して、そのなかで老人が陥りやすい孤立と孤独について。 第4章は、老人を取り巻く社会の眼差し、同調圧力に影響されない生き方について。 第5章は、セカンドライフのための意識の大転換に必要な「リボーン・ノート」について。 第6章は、価値ある「暮らし」を再構築するということについて。 芥川賞作家が教える、「生きがいのある老後の過ごし方」。
  • 母・小川真由美との40年戦争 ポイズン・ママ
    3.0
    「小川真由美は素晴しい女優でしたが、“母親”としては失格でした。娘の私にしたこと、私の体験をすべてお話しします──」。 昭和を代表する大女優・小川真由美と、2011年に急逝した名優・細川俊之の一人娘として生を受けた著者だが、幼少時に両親が離婚してから、人生の歯車が狂い始めた。ドラマ『浮世絵 女ねずみ小僧』『アイフル大作戦』で人気を博し、映画『復讐するは我にあり』で日本アカデミー賞を受賞するなど大スターとして活躍した母・真由美は、私生活では奔放な男性遍歴を続け、育児には興味を示さず、娘に対して虐待やネグレクトを繰り返す。一週間も食事をさせず、放置されていたことさえあった。 著者は高校を中退し、母の仕事の手伝いをするようになる。しかし、真由美の奇行は止まらない。常軌を逸した浪費癖、さらには占いや風水、怪しげな宗教に凝り出し、付き人は次々と辞めいく。真由美の歪んだ愛情に翻弄される著者は、うつ病を患い、逃げるように母から遠ざかる。そして、真由美は「出家」し、芸能界から消えてしまう──。 「この本がきっかけになって、出来れば平穏無事なごく普通の親子関係を取り戻したい」  あまりに特異な環境で過ごした娘と母の40年の愛憎を、赤裸々な筆致で描いたドキュメント。
  • みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記
    5.0
    海を渡った宣教師と、命を賭した信徒たち。 殉教をめぐり400年の時を駆ける旅へ! 16世紀後半、織田信長の時代にローマに送られた天正遣欧使節の4人の少年たちは、帰国後、秀吉による伴天連追放令。キリシタンが迫害される世に何を思い、どう生きたのか。 また、日本で布教に携わって殉教した外国人の神父たちは、どんな思いで最期を迎えたのか――。 あらゆる資料・文献を丁寧に読み込み、自ら迫害にまつわる土地を旅して、当時のキリシタンの生き方に迫る。 長崎、島原城、日野江城、原城跡、大村、鈴田牢……さらには、殉教した外国人神父たちの故郷であるスペインの小さな村の教会まで。 果たして、日本人にとってキリシタンとは何だったのか――。 著者は4人の少年たちが8年にわたる訪欧の旅から戻った直後に、秀吉の前で奏でたリュートに強く興味をひかれ、東(日本)と西(ヨーロッパ)の狭間で翻弄された少年たちの気持ちに近づくために、自らリュートを習得した。 400年前、その時代を切実に生き抜いたキリシタンの息吹を新たな視点で現代に伝える野心作。 解説・若松英輔 「時空と距離を超えて、人々の心が結びつく瞬間が、著者の情熱によって到来する」(三浦しをん)
  • 捏造の科学者 STAP細胞事件
    4.0
    iPS細胞を超える夢の万能細胞として、華々しく発表されたSTAP細胞。そのニュースに日本中が熱狂したのも束の間、論文には次々と疑義が浮上する。一流科学者が揃いながら、なぜ捏造が起きたのか。そしてSTAP細胞の正体とは。独自取材を重ねた記者が掴んだ全貌。大宅賞受賞作に新章を追加した完全版。解説・緑慎也
  • 数字を一つ思い浮かべろ
    3.6
    まるで手品のような謎、謎、謎。 思い浮かべた数字を的中させる殺人者。警察小説と本格ミステリの融合。 数字を一つ思い浮かべろ。その奇妙な封書にはそう記されていた。658という数字を思い浮かべた男が同封されていた封筒を開くと、そこにあった数字は「658」! 数々の難事件を解決してきた退職刑事に持ち込まれた怪事は、手品めいた謎と奇怪な暗示に彩られた連続殺人に発展する。眩惑的な奇術趣味と謎解きの興趣あふれる華麗なミステリ。
  • 火星人の殺し方
    4.3
    松本人志の出した3つのお題に吉本若手芸人86人が挑戦した。 爆笑・失笑・珍作・怪作・傑作・・・選りすぐりの123編! 〈後輩の芸人たちに僕からお題を出して、原稿用紙一枚程度、文章を書いてもらいました。言ってみれば、文学的な大喜利です。まずタイトルを決めて、そこに向かって書いていくとどうなるか、縛りがある分、逆に個性がよく出てくるんじゃないか。〉(まえがきより) ダウンタウンの松本人志が、後輩の若手芸人たちにお題を出した。 「火星人の殺し方」 「ゴリラへの詫び状」 「日本人はなぜうんこが好きなのか」 芸人の中には舞台で輝かなくても、トークが下手でも、文章なら意外な才能を発揮する人が埋もれているかもしれない。それを見出すべく自由に発想してもらった、いわば文学的大喜利である。 集まった数百の回答は、わずか数行のものから原稿用紙数枚のものも。一発ギャグがあればショートショートもあり、まさに多彩かつ多才だった。 そこから120篇を精選。さらに各お題につき一人を選び、あらためて長めのものを書き下ろしてまとめたのが本書である。 回答例 火星人の殺し方 〈小学生の時にまずひょんなことから火星人と出会います。そこから一緒の学校に通うことになり、中学、高校、大学と一緒に過ごし互いを親友と呼ぶ間柄になります。大学卒業後は別々の人生を歩むことにします。そして大学卒業の別れの日に「これからも親友で居てくれるよな」と握手を求めて近づいて来たところを、鋭利な武器でズバッといきます。〉(ウエスP) なぜ日本人はうんこが好きなのか 〈日本人にはジャイアント馬場(大きいうんこ)が深く心に刻まれてるから。〉(吉本新喜劇・前園健太)
  • 第二次世界大戦 アメリカの敗北 米国を操ったソビエトスパイ
    5.0
    二人のスパイを軸に描くアメリカ現代史の闇 第二次世界大戦の勝者アメリカ。しかしソ連によるスパイ戦争には完敗していた! ケインズを手玉に取った経済学者、国際連合設立を仕切った実力官僚――。ソビエトのスパイがアメリカの政権の中枢を蝕んでいた! 大戦後の体制を形作った重要な局面で、彼らはどのような役割を果たしたのか? そしてチャーチル、トルーマンが認めざるを得なかった「敗北」とはなんだったのか? 戦後史がいま覆る!
  • オリーブオイル 亜麻仁オイル MCTオイル キッチンには3本のオイルがあればいい
    4.0
    「油をかえたら、美肌になって、痩せてきた! ホントの話です」 ★「Oggi」編集長 守屋美穂さん推薦★ 話題のオイルで、体の中からきれいになる! 人気エディター発・美と健康に効くオイル活用術。 カサカサ肌、疲れやすい体、頑固な便秘… もしかして、「油」が足りていないからかも? オイルは今、肌ツヤをアップさせ、体を中から元気にする 「美と健康のカギ」として注目されています。 とはいえ、オイルならなんでもいいわけではありません。 女性誌や美容専門誌で活躍するエディターの著者は ビューティ記事を手がける中で「MCTオイル」に出合い、 糖質代わりにとることで3キロやせたことでオイルに開眼。 調べると複雑でむずかしいオイルの情報を 「きれいと健康のため」に照準を絞って研究し、 「これさえやれば」というメソッドにたどりつきました。 現代生活に必要なのは、 ◆エクストラバージンオリーブオイル ◆亜麻仁オイル そして今、ダイエットや脳機能サポートで注目される ◆MCTオイル の3本! ・オイルの選び方、使い方のポイント、保存方法もすぐマスター。 ・「かけるだけ」の今すぐはじめられる簡単アイディアから、 料理研究家の植松良枝さん考案のおいしさを極めた一皿まで全26レシピ掲載。 ・美肌、ダイエット、便秘解消、疲労回復など、悩みに効くレシピも。 目次 Chapter1オイルには「いいオイル」と「避けたいオイル」がある Chapter2きれいと健康のための3本オイル生活をはじめよう Chapter3忙しくてもオイルを今すぐとり入れられる、10の簡単アイディア Chapter4美容&健康に効く!3本のオイルの絶品レシピ Chapter5たとえばこんなふうに。目的別オイルライフ Bonus Chapter美容エディターとしてのオイルコスメ論 ★オールカラー112ページ
  • 須賀敦子の旅路 ミラノ・ヴェネツィア・ローマ、そして東京
    5.0
    須賀敦子没後二〇年。異色の評伝 旅するように生きた須賀敦子。生前から親交のあった著者が、ミラノ、ヴェネツィア、ローマ、東京と足跡をたどり、波乱の一生を描く
  • 王家の風日
    4.5
    商の紂王に仕える箕子は、王朝存続に心を砕くが、周の太公望が遂に商討伐の軍をおこした。古代中国商王朝の滅亡を描く一大叙事詩。 歴史小説家・宮城谷昌光の実質的デビュー作! 六百年に及ぶ栄華を誇る古代中国商(殷)王朝の宰相箕子は、新興国周の勢力に押されて危殆に瀕した王朝を救うため死力を尽す。 希代の名政治家箕子の思想を縦糸に、殷の紂王、周の文王、妲己、太公望など史上名高い暴君、名君、妖婦、名臣の実像を横糸にして、古代中国王朝の興亡を鮮かに甦らせた長篇歴史ロマン。 それまで活動してきた純文学系同人雑誌が終刊することになり、作家としての岐路に立った宮城谷氏が、以前から興味のあった中国の歴史に材を取り、限定500部の私家版で刊行。 そのうちの1部が司馬遼太郎氏の目にとまり、励ましの葉書を受け取る。 その後、名古屋の海越出版社から刊行され、94年3月に文春文庫化。 解説・平尾隆弘
  • 笑うお葬式
    4.6
    1巻1,119円 (税込)
    破天荒に生きた父に捧ぐ! 「金スマ」2時間スペシャルで大反響を呼んだ父と娘の感涙の物語 野沢直子さんの父親ほど破天荒で魅力溢れる人物がほかにいるでしょうか。 まったく奇抜なアイディアで事業を成功させたり、完全に失敗したりを繰り返し、愛人をあちらこちらに持つ父。 しかし家族のことは大切にしていました。その父が死に、通帳には千円の残高しかなかったのでした。 父には一生背負わなければならなかったある経験がありました。それらの秘密や、家族の大切な記憶が徐々にひもとかれていきます。 野沢さんの祖父は、直木賞候補と目された作家、陸直次郎。一家を支える三味線の師匠である祖母と、夫を信じ、愛人との駆け落ちも受け入れる母。叔父に声優の野沢那智氏。 事業を手掛けては失敗する父と、成功を信じて疑わない母。その間で、野沢さんは懸命に「お笑いの道」を目指します。 ところが母親の死後、韓国人の隠し子が現れ、最後の章では、誰もが仰天するあらたな出会いが待っています。 「文藝芸人」(文春ムック)掲載時に、読者から「リリー・フランキー『東京タワー』に匹敵する親子愛の名作」と絶賛された作品に、格闘家デビューした長女、野沢・真珠オークライヤーと激しく争った子育ての日々などを、大幅に加筆しました。 懸命に生きる野沢家の人々の姿は、可笑しくてせつなくていとおしい。全編笑いに包まれながら、涙をなくして読むことができない本書は、小説を越えた小説と言えるでしょう。 野沢直子さんはやはり並の人間ではなかった!
  • 武曲 II
    3.0
    1巻1,119円 (税込)
    主演・綾野剛で映画化! 青春武道小説、待望の第二弾! 恐るべき剣の才能を持つラップ少年の羽田融。 高校三年生の冬の陣。 恋と、受験と、さらなる剣の高みへ。 壮絶な果たし合いを経てさらに激しい運命が……。
  • 朴槿恵  心を操られた大統領
    -
    【電子版先行発売】 韓国の憲政史上初めて弾劾審判によって罷免された朴槿恵前大統領。彼女は、朴正煕元大統領の娘として政界入りし、圧倒的な支持を受けて大統領に当選したはずだった……。しかし、側近・崔順実とのスキャンダルによって前代未聞の弾劾、罷免された大統領となってしまった。なぜ、朴槿恵前大統領はこのような事態に陥ったのか。“親友”崔順実が、親子二代にわたって朴槿恵を洗脳し続けた「黒幕」だった事実を現地報道と取材で読み解いた、大統領洗脳の歴史。
  • 別府倫太郎
    -
    別府君は「子どもが書いてる」んではなくて、作家だけどまだ子ども--吉本ばなな 新潟県在住の別府倫太郎君は十四歳。五歳のときに円形脱毛症により全身の毛が抜けてしまった。さらに七歳で小児ネフローゼを発症。ステロイド治療のためムーンフェイスとなる。小学校2年生のとき、学校に行かないことを選択した。 その後、インターネット新聞『別府新聞』を開設。別府新聞社の社長として、地域の話題の取材にでかけたり、自分のことや周囲のことをエッセイとして発表するようになった。次第にそのみずみずしい文章の魅力が評判を呼び、知られるようになった。 本書は『別府新聞』で発表した文章と、『別府新聞』を休止して以後に発行する個人雑誌『文藝雪月花』などに掲載したエッセイ、日記、小説、詩のほか、別府君の文章が大好きだという吉本ばなな氏との対談も収録。
  • キャピタル
    4.0
    1巻1,119円 (税込)
    スタイリッシュな文体で、世界の真実に触れる! 七年間の勤務後、一年間の休暇を取る権利を得た僕は 、肌寒いバンコクで、車椅子の彼女と会った。 世界の真実に触れる、芥川賞候補作! 資本(キャピタル)と個人の適切な距離ってなんだろう? 僕は一年間のサバティカルを取った。 誰もが権利を得られるわけではない。 コンサルティングファームで七年間生き残るのは難しい。海亀みたいなものだ。 卵から孵る、海にたどり着く、最初の餌を見つける、宿敵から逃れる…… 1/5000の確率であなたは生き延びて成亀になり、 同じく1/5000をくぐり抜けた恋人に愛を囁くことができる。 (本文より)
  • コルバトントリ
    3.3
    1巻1,119円 (税込)
    「ぼく」を通して語られる、いつか、どこかで暮らしていた人々の物語。 おばさんは幼い頃、「ぼく」の母親が窓から捨てた油で顔に消えない痕がのこるが、のちに、刑務所に入った父親、交通事故死した母親のかわりに「ぼく」をあずかる。 幼馴染みたち、アパートの飲んだくれのおじさん、月を見張っているおじいさん――。 富とは無縁の人々を、静かな雨が包み込む。「永遠」にめぐる世界を閉じ込めたかのような奇跡的中編。 第一五六回芥川賞を『しんせかい』で受賞した著者による、2014年発表の中編小説
  • あかんやつら 東映京都撮影所血風録
    4.8
    ヤクザとチャンバラ。熱き映画馬鹿たちの群像―― 型破りな錦之介の時代劇から、警察もヤクザも巻き込んだ「仁義なき戦い」撮影まで。 東映の伝説秘話を徹底取材したノンフィクション。 東映京都撮影所。『旗本退屈男』『仁義なき戦い』など名作誕生の場所には 破天荒な映画人たちの歴史がある。 破格のスター・中村錦之助、鬼と呼ばれた製作者・岡田茂、 「緋牡丹博徒」藤純子の心意気、照明。殺陣師ら裏方の職人たち――。 エロとヤクザとチャンバラと。熱き映画馬鹿たちを活写した決定版ノンフィクション。 解説・水道橋博士 【登場する主な作品】 「赤穂浪士」 「大菩薩峠」 「日本戦歿学生の手記 きけ、わだつみの声」 「旗本退屈男」 「酔いどれ無双剣」 「幕末残酷物語」 「十三人の刺客」 「大殺陣」 「十兵衛暗殺剣」 「忍者狩り」 「宮本武蔵」 「緋牡丹博徒」 「仁義なき戦い」 「やくざの墓場 くちなしの花」 「北陸代理戦争」 「山口組三代目」 「柳生一族の陰謀」 「魔界転生」 「蒲田行進曲」 「鬼龍院花子の生涯」
  • 直撃 本田圭佑
    3.8
    本田圭佑との真剣勝負の対話! 「本田くん、ある意味、それは勝ち逃げだよ」。気鋭のスポーツライターが投げかけた一言からすべては始まった。2010年南アW杯でベスト16の立役者になったサッカー日本代表・本田圭佑は突然口を閉ざした。すべてマスコミからの取材を断り、孤高の道をゆかんとする本田。そんなカリスマ・フットボーラーに筆者の木崎伸也氏はアポなしの独占直撃取材で本音を引き出し続けた。足かけ7年、28回の真剣勝負の対話から、本田圭佑の型破りの哲学が浮かび上がる。これは知られざる本田圭佑の人物像であり、アスリートに迫るジャーナリストの試行錯誤の物語でもある!
  • ことばおてだまジャグリング
    4.2
    “ことばあそび”の世界へようこそ! 気鋭の歌人、山田航さんは、実は回文(上から読んでも、下から読んでも同じ文)作りの達人でもありました。ひとつ紹介しましょう。 「眠たいが眠ると太る、胸が痛むね」(ねむたいがねむるとふとるむねがいたむね) 回文以外にも、辞書1冊あれば、いえいえ、満員電車で吊り広告を見上げるしかない数分間にも、ことばあそびの入り口は無限に開かれています。アナグラム、パングラム、アクロスティック(折句)、しりとり、なぞなぞ、早口言葉など、シンプルで奥が深い“ことばあそび”の魅力へいざなうエッセイ。和田ラヂヲさんのシュールなイラストも魅力。
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    4.0
    1巻1,119円 (税込)
    新人登場! 「いま」を描ける才能がここにある。 IT企業、シェアハウス……クールな文体でスタイリッシュな世界が秘める真実の感触に迫る! 文學界新人賞受賞作&芥川賞候補作。 吉田さん、綿矢さんが、その才能を高く評価しています。 吉田修一 「触れればすぐに破れる「今」という薄い膜に、作者の指は慎重に触れようとしている」 綿矢りさ 「新しい扉を目の前で開けてくれる」
  • ホモサピエンスの瞬間
    3.0
    1巻1,119円 (税込)
    介護施設に毎週、マッサージ治療の機能訓練に通う主人公の鍼灸師。五十山田さん(仮名)のひどい首凝りをほぐすうちに浮かび上がる、日中戦争の記憶とは――? ホモサピエンスとは、人間の、人間らしさを脱ぎ捨てた姿。 「還ってしまっていいのですか? 人のかたちをした獣に」と呼びかける 幻の少女の声。 ユーモアと軽快さを武器に、異文化間の緊張をやわらげようとする試み。 整体で身体の記憶と歴史を探る、第154回芥川賞候補作!
  • ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争(上)
    4.2
    十年の歳月をかけて取材執筆、ハルバースタム最後の作品 1950年、北朝鮮軍の南進により勃発した朝鮮戦争。反共の名の下に、参戦を決定したアメリカだったが、それは過酷極まりない戦争への突入だった。スターリン、金日成、トルーマン、マッカーサー、毛沢東―時の指導者たちが抱いた野望と誤算、彼らに翻弄され凍土に消えた兵士たちの血の肉声…その全てから、あの戦争の全貌に迫る。 【目次】 第1部 雲山の警告 第2部 暗い日々―北朝鮮人民軍が南進 第3部 ワシントン、参戦へ 第4部 欧州優先か、アジア優先か 第5部 詰めの一手になるか―北朝鮮軍、釜山へ 第6部 マッカーサーが流れをかえる―仁川上陸 第7部 三十八度線の北へ
  • 現代日本バカ図鑑
    3.0
    バカとは知識がないことではありません。価値判断ができないことです。 豊富な知識と立派な肩書きをもつバカは大勢います。 いつの時代でも一番強いのはバカなのです。「非学者論に負けず」という 言葉があるように、バカは論破できないから。批判する側は疲弊し、バカをみるのです。 バカにバカと言ったところで、奴らが反省するわけでもないし、無駄な反発をかうだけだし、徒労である。 しかし世の中には言ってもムダかもしれないけど、言わなければならないことがあります。 バカが圧倒的な権力を握るようになってしまった今の時代、国を滅ぼすバカには、 やはりバカと言うしかありません。 週刊文春の好評連載「今週のバカ」を再構成。 主な登場人物は、石原慎太郎、橋下徹、安倍晋三、みのもんた、朴槿恵、秋元康、朝日新聞、ネトウヨ、松本人志・・・。
  • 悪霊の島(上)
    5.0
    恐怖の帝王の放つ圧倒的ホラー大作! 孤島に暮らす男を襲う怪異。愛する者たちを見舞う怪死。この島には何かがいる! 悪しきものの棲む廃墟の館が隠す秘密とは?
  • 真田幸村
    5.0
    2016年のNHK大河ドラマ『真田丸』の主人公、真田幸村。その唯一の決定的な評伝。 もっとも知られた武将でありながら、名前さえ確実な史料に残っていない真田幸村。その謎に満ちた生涯を、信濃を拠点とする郷土史家が、真田家の歴史をふまえて、丁寧に追った唯一の決定的評伝。家康をあわやのところまで追い詰めた英雄の実像が明かされる。
  • 戦争前夜 米朝交渉から見えた日本有事
    -
    すでに日本を取り巻く状況は「戦後」から「戦前」に移った。安倍政権が目指した集団的自衛権は、果たして、この現実に即しているのか? 自衛隊が密かに持つ「日本有事3計画」をスクープ。また、ワシントン徹底取材で北朝鮮核問題の最前線を分析する。 自衛隊(秘)「日本有事3計画」 日本有事その1 朝鮮半島:北朝鮮軍の特殊部隊が難民に化けて上陸をはかったら? 日本有事その2 台湾:中国軍が先島諸島(宮古、八重山列島)を攻撃したら? 日本有事その3 尖閣:中国軍が漁民に偽装して上陸し、退去に応じなければ? 朝日新聞エース記者による、超インサイド・レポート!
  • Yの木
    3.3
    1巻1,119円 (税込)
    自らの死を思ったとき、目に留まった木の形 作家志望の男はある作家と親交を持つ。デビュー時に注目を集め、賞の候補にもなった作家だったが……。味わいの異なる四篇を収録。
  • 体も心も暮らしも心地よくする美習慣 パリジェンヌ流シンプル食ライフ
    3.8
    食を変えれば、暮らしが変わる!! パリジェンヌはおしゃれ同様、食習慣もシンプル・シック。目にも口にもおいしいフレンチ食でヘルシー&ハッピーに。自宅にいながらパリジェンヌ気分が味わえる簡単レシピ付き。
  • 合本 神苦楽島(かぐらじま)【文春e-Books】
    4.0
    秋葉原で若い女性の不審死に遭遇した浅見光彦は、出張先の淡路にて日本神話、民俗、古くからの習慣が絡み合う、不可解な殺人事件に巻き込まれる。やがて政治家の陰謀まで見え隠れし、事件の背後にある組織に光彦は戦慄するのだった――。 古事記に描かれた「国産み」神話、伊勢や奈良の遺跡、淡路の「拝み屋」の呪詛、民間信仰などが登場する一方、官僚や政治家と大企業の癒着、怪しい団体まで描かれる傑作長編ミステリー、待望の合本!
  • トイレのピエタ
    3.7
    1巻1,119円 (税込)
    最後の夏、世界にしがみつくように、恋をした。 画家への夢を諦めてフリーター生活を送っていた宏は、突然余命三ヶ月の宣告を受ける。残された時間を知るまでは、この夏もいつものように、ただやり過ごすだけの季節になると思っていた。それが人生最期の夏に変わってしまった時、立ちはだかるように現れた女子高生の真衣。 「私が生きてるんだから生きろ」 宏は、容赦なくありのままの感情をぶつけてくる真衣に翻弄され、戸惑いながらも、生と死の間に強烈な光を見る……。 もっとも純粋で痛切なラブストーリー。 漫画家・手塚治虫氏が亡くなる3週間前まで病床で書き続けていた日記を原案とし、 カリスマ的な人気を誇るロックバンド「RADWIMPS」のヴォーカル&ギター野田洋次郎が主演を務めた映画の原作小説!
  • 虹の向こうの未希へ
    4.5
    「急いで高台へ避難してください」 東日本大震災の時、遠藤未希さん(南三陸町職員)は 最後まで放送で呼びかけ続け、津波にのまれてしまいました。 本書は、彼女の母・美恵子さんの手記です。 未希さんの勇気ある行動は「命の呼びかけ」と称賛されました。 しかし、その一方で美恵子さんは喪失感に苛まれ続けます。 ある日、未希さんの遺品を整理していると、一通の手紙をみつけました。 そこに書かれていた一文に勇気づけられ、美恵子さんは決心したのです。 娘の遺志を語り継ぐために、民宿「未希の家」を作ろうと――。 最愛の娘を失った絶望感にたびたび襲われながらも、 母親として魂を再生させていく物語です。 [目次] 序 章 命の呼びかけ 第1章 手がかりを探して 第2章 見られなかった花嫁姿 第3章 「最期の声」を聞きたい 第4章 防災対策庁舎の解体 第5章 未希からの手紙 第6章 あなたの名前を叫びたい 終 章 亡き娘と共に生きる
  • タクシー王子、東京を往く。 日本交通・三代目若社長「新人ドライバー日誌」
    4.0
    桜にNのマークで知られるハイヤー・タクシー会社日本交通の三代目に就任した川鍋一朗氏だったが、MBAも取得した若社長を待っていたのは多額の負債を抱えた社の現実だった。改革を訴えリストラも断行した川鍋氏が次に考えたのだが、自らがタクシー運転手として勤務してみること。しかし、方向音痴を自認し、接客も不慣れな新人ドライバーに世間の風は甘くなく……。涙あり、笑いありの社長兼新人ドライバーの奮闘記。
  • サムスン・クライシス 内部から見た武器と弱点
    -
    ソニー、パナソニックなど、日本を代表する家電メーカーが軒並み苦戦するなか、「一人勝ち」を続けてきたサムスンが岐路に立っている。 最大の懸案は、一気にサムスンを巨大企業に育て上げた二代目社長・李健熙氏が倒れ、一時は昏睡状態に陥るなど、経営の一線に戻るのがかなり厳しいい状況にあることだ。三代目となるはずの息子、在鎔氏の資質は未知数である。 また、スマホ事業では、安価な中国メーカーに押され気味で、中国市場では、シェア・トップの座を明け渡している。 サムスンの参謀本部である未来戦略室の実態。ヘッドハンティングの戦略。トヨタやキャノンの手法にいかに学んだか。世界最強といわれる人事制度。後継問題。今後の成長戦略――これらサムスンの武器と弱点について、元サムスン経済研究所専務の張相秀氏と、経済ジャーナリストの片山修氏が語り合う。
  • バカになれ! カリスマ・エンジニア「ゼロからの発想術」
    4.0
    常識外れのグローバル仕事術! カルロス・ゴーンCEO直轄プロジェクトで、日産GT-Rを 「ヒト・カネ・時間は通常の半分」という非常識な方式で世界一に導いたカリスマ・エンジニア、水野和敏さん。 その発想法は、新しいアイデア、チーム運営、ブランド構築など、イノベーションの起こし方のヒントにあふれています。 ・宣伝費はゼロ。アラブの王族にクチコミさせる。 ・「漏れ聞こえる」オフィスにせよ。 ・リーダーは30分遅く出社しろ。早く帰れ。 ・失敗させてチームをつくる。 ・英語はできないほうが効く! ・ノートはとるな。 ・恋愛しろ。思考のプロテクトを外せ! そして最終章で明らかにされる、 日産を退社後の「アジア圏での新たな挑戦」とは――。 「誰もやってないことだから、やるんだよ!」の“水野節”で元気がでる一冊です!
  • 海王伝
    3.9
    直木賞受賞作『海狼伝』の続編! 海と船への憧れを抱いて対馬で育った笛太郎は、海賊船黄金丸の船大将となり、シャムを舞台に活躍する。同地を本拠地とする明国の海賊マゴーチは笛太郎の実父だが、笛太郎が異母弟を殺したことから、親子の宿命的な対決となる――。海に生きる男たちの夢とロマンを、海洋小説の第一人者が鮮烈に描く。
  • 秋好英明事件
    3.9
    昭和51年に福岡県で発生し、日本列島を震撼させた「一家四人惨殺事件」。満州で生まれ、極貧のなかに育ち、あらゆる辛酸を嘗め尽くしたあげく事件に至った一人の男の姿は、読むものの心を揺さぶらずにはおかない。ミステリー界の雄が渾身の力で対象に肉薄し、その謎と背景とを解き明かした、日本版『冷血』ともいうべき大著。
  • “48歳、彼氏ナシ” 私でも嫁に行けた! オトナ婚をつかみとる50の法則
    3.1
    『十年不倫』『依存症の女たち』など、女性の心に迫るノンフィクションを書いてきた衿野さん。40代後半にさしかかった頃から「どうしても結婚したい」と思うようになり、震災でその思いをさらに強くし、恋人もいないところから「大人の婚活」を開始。1年後に魚沼在住の男性と“がぶりより婚”を成功させます。 自分で婚活をした結果、40代以上のオトナ婚には、世にあふれる従来の恋愛マニュアルや結婚ノウハウ本はまったく使えないことを実感。そこで本書では、ご自分のカラダを張った貴重な経験を面白おかしく綴りながら、40代で嫁に行くための超実用的な「50の法則」をノンフィクション作家ならではの冷静な目で導き出します。「結婚しないつもり」ではなかったのに、いつの間にか独身のまま40代になっていた女性たち必読の書!
  • 定年後に読む不滅の名著200選
    3.0
    1巻1,100円 (税込)
    定年後の知的活動はこの1冊で足りる! 定年後にゆっくりと何を読むか――それは多くの人が抱える課題だろう。 誰もが何かを読まねばという焦燥にも似た思いを抱く。しかし、何を読んでいいのかわからない。 そうしたあらゆる人々に応えるのが本書である。 目次を見てもらえれば、一目瞭然。これはしたり!思わず膝を打つような書物ばかりではないか。 各界の代表者、作家、学者、評論家、芸術家……など、とにかく書に親しんできた人々に「この1冊」をあげてもらうのだ。ためにならないわけがない。 しかも、「不滅の名著百冊」や「老後を支えてくれる古典」をはじめ、「枕頭の歴史書」や「時代小説50本」まである。これだけあれば、30年かけても読了しないだろう。ということは、この1冊さえあれば、定年後の知的活動は事足りるのである。 めでたし、めでたし。
  • 幽霊健診日
    -
    「幽霊」シリーズ記念すべき第30作目! 男やもめの敏腕刑事・宇野は、女子大生の彼女・夕子との ディナーデート中に貧血で倒れてしまう。 運ばれた病院には、「当直の医師に恨まれている。 殺される前に病院を変えてほしい!」と医者に詰め寄るカップルがいた。 翌日、案の定起こった殺人事件。 だが、殺されたのは全く関係のないはずの女性医師で……!? 悲しいピアノの旋律が呼び起こす、事件の真相とは。 人に追われる中学3年生の少女と寄宿制学校の謎を解く「壁を越えて」や、 絵の中に描かれた”死んだはずの女”を探す「展覧会の絵」など、 ユーモアあふれるミステリ7編を集めた一冊。 赤川次郎ミステリーの最先端を、ぜひ味わってください!
  • 大盛り! さだおの丸かじり 酒とつまみと丼と
    5.0
    タコからサクランボまで、丸かじり42冊をよりぬきで 「うまい、まずい」無しでここまで書ける? 累計360万部の大人気食べ物エッセイ「丸かじり」シリーズ傑作選。前人未踏の面白さ。 食べ物エッセイの金字塔・丸かじりシリーズ。1994年刊行の『タコの丸かじり』から最新刊『サクランボの丸かじり』まで、計42巻か ら選りかじった文庫傑作選。「下から目線」でスルドク見抜くのは、誰もが見慣れた食卓にある、誰も気づかないこの世の真理なのだ。 解説再録・逢坂剛/椎名誠/ラズウェル細木/平松洋子/荻原浩
  • 雨滴は続く
    5.0
    1巻1,100円 (税込)
    芥川賞受賞“前夜”の知られざる姿を描いた遺作 連載中に著者が急逝、刊行時に話題を集めた遺作が、三回忌を前に早くも文庫で登場。 2004年の暮れ、北町貫多は、甚だ得意であった。同人雑誌に発表した小説「けがれなき酒のへど」が〈同人雑誌優秀作〉に選出され、純文学雑誌「文豪界」に転載されたのだ。次いで、「群青」誌の編集者から、貫多は小説を依頼される。純文学雑誌に小説を発表することは、私淑してきた不遇の私小説作家・藤澤清造の“歿後弟子”たる資格を得るために必要なことであった。しかし、年が明けても小説に手を付ける気にはなれなかった。恋人を得たいとの欲求が、それどころではない気持ちにさせるのだ。貫多は派遣型風俗で出会った川本那緒子の連絡先を首尾よく入手し、デートにこぎつける。 有頂天の貫多は子持ちの川本と所帯を持つ妄想をする。ところが貫多は、取材に来た若い新聞記者・葛山久子に一目ぼれをしてしまう。小説家志望の葛山に貫多は自作掲載誌を送るが、その返信はそっけないものだった。手の届く川本と脈のなさそうな葛山、両者への恋情を行きつ戻りつしながらも貫多は「群青」に短篇、匿名コラム、書評を発表していく。そして渾身の中篇「どうで死ぬ身の一踊り」が掲載されたが、その反響は全く感じられなかった。同じころ、葛山からは返信が途絶え、川本にはメールが通じなくなり、前途に俄かに暗雲が立ち込めるのだった。 完成直前で未完となった、著者、最後、最長にして最高の長篇1000枚。巻末にヒロイン”葛山久子”による特別原稿を収録。 ※この電子書籍は2022年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 帝国の弔砲
    3.5
    ロシアで育った日系人の数奇な運命を描く、圧倒的歴史改変冒険小説! 舞台は日露戦争で日本が敗戦した世界。日系移民2世の登志矢は、革命の嵐に巻き込まれ数奇な運命に翻弄されていく。 解説 杉江松恋 ※この電子書籍は2021年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 琥珀の夏
    4.1
    1巻1,100円 (税込)
    見つかったのは、ミカちゃんなんじゃないか―― 『かがみの孤城』『傲慢と善良』の著者が描く、 瑞々しい子どもたちの日々。そして、痛みと成長。 かつて、カルトだと批判を浴びた<ミライの学校>の敷地跡から、 少女の白骨遺体が見つかった。 ニュースを知った弁護士の法子は、無騒ぎを覚える。 埋められていたのは、ミカちゃんではないか――。 小学生時代に参加した<ミライの学校>の夏合宿で出会ったふたり。 法子が最後に参加した夏、ミカは合宿に姿を見せなかった。 30年前の記憶の扉が開くとき、幼い日の友情と罪があふれ出す。 解説・桜庭一樹 ※この電子書籍は2021年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 2000年の桜庭和志
    -
    レジェンド桜庭の全貌を描く決定版! 「プロレスラーは本当は強いんです!」 グレイシー伝説を打ち破った日本総合格闘技界のレジェンドが歩んだ道。 タイガーマスクに憧れプロレスを志した少年・桜庭和志。アマレスを学び、プロレスラーになるとサブミッションレスリングに夢中になり、総合格闘技の世界へ。 そしてPRIDEの主役となり、UFCのレジェンドであるホイス・グレイシーを107分の死闘の末に下し、伝説となった。桜庭が“リアルファイトのタイガーマスク”になったのである。 2000年の桜庭の活躍を振り返りながら、グレイシー柔術とは何か、MMAとは何か、格闘技とは何か、UWFとは何か、プロレスとは何かに迫る。 桜庭への幾度にも及ぶインタビューだけでなく、石井和義やホイラー・グレイシー、ホイス・グレイシーにも直撃取材。著者自ら柔術教室にも通い、そのなんたるかを学んだ。まさに体当たりのこの作品は、著者の真骨頂であり『1984年のUWF』の続編であり、『1976年のアントニオ猪木』の最終章でもある。 ※この電子書籍は2020年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 発酵食品と戦争
    3.8
    一見、関わりなど無いように思える「発酵」と「戦争」。 しかし太平洋戦争末期からの食糧欠乏期、国民全体が発酵食品にいかに救われたか、 また食糧のみならず爆薬・燃料・薬品をもつくる驚異のパワーを、 古今東西の豊富な事例で紹介。その幅広さには、「発酵」の豊かさと 無駄のない強靭さ、無限の可能性が感じられる。 【目次】 第一章 戦争と発酵食品 納豆/味噌/醤油/食酢/漬物/食パン/鰹節/チーズ/甘酒/チョコレート/紅茶/缶詰/軍隊調理法 第二章 戦時下の酒 日本酒/焼酎/泡盛/ビール/ワイン/ウイスキー/酒保/密造酒 第三章 戦争と知られざる発酵 小便から発酵で爆薬をつくる/発酵で爆薬ニトログリセリンを生産/芋を発酵させて爆撃機の燃料をつくる/傷病兵のための抗生物質の発酵生産/海藻を発酵させて軍需用品の沃素をつくる/戦争と堆肥/戦争と柿渋 第四章ウクライナとロシアの発酵嗜好品  ウクライナとロシアの伝統発酵料理/ウクライナのワイン/ロシアのワイン/ジョージアのワイン
  • 観月 消された「第一容疑者」
    3.0
    平穏な街に忍びよる巨大な陰謀。渾身の傑作警察小説 大分の城下町で善良な市民が殺された。必死に犯人を追う警察だったが、同時期に東京で起きた殺人との関連が指摘され事態は急変する。 ※この電子書籍は2020年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 愛子戦記 佐藤愛子の世界
    -
    1巻1,100円 (税込)
    2023年11月でめでたく100歳を迎える 作家・佐藤愛子の魅力と情報が詰まった完全保存版! <作家対談>  又吉直樹 小池真理子 田辺聖子 <直木賞受賞作>  直木賞選評 +「戦いすんで日が暮れて」全文掲載 + 受賞ドキュメント <自薦傑作小説+自作解説> 「ソクラテスの妻」 「オンバコのトク」 「沢村校長の晩年」 <交友録&グラビア> 遠藤周作・北杜夫・川上宗薫 <抱腹絶倒エッセイ> <生涯年譜> etc… ※この電子書籍は2021年7月に刊行された文春ムック「佐藤愛子の世界」の文庫版を底本としています。
  • 座席ナンバー7Aの恐怖
    -
    娘を救いたければ、お前の乗っている旅客機を落とせ! 脅迫される精神科医、誘拐犯を追う女医。犯人は機内にいるのか、それとも……。ショック満載、息もつかせぬドイツ最強のサスペンス! ※この電子書籍は2019年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • さまよえる古道具屋の物語
    3.0
    奇妙な古道具が、さまよえる男女たちを導く その古道具屋の店長から問答無用で買わされたモノが、客の人生を変える。間違いながら懸命に生きる人々を描く傑作長篇ファンタジー。
  • オーガ(ニ)ズム 上
    -
    1巻1,100円 (税込)
    米大統領の訪日を狙った核テロを阻止せよ。 刹那的、或いは壮大な目的のために生きる者たちが織りなしてきた物語の、 思いもよらぬ結末に痺れるほかない。――羽田圭介 2014年3月3日夜、作家・阿部和重の東京の自宅に瀕死の男が転がり込む。 その男ラリーの正体はCIAケースオフィサー。 神町の菖蒲家を内偵していたが組織内での裏切りにあい、 助力を求めてきたのだ。世界を破滅させる核テロの陰謀を阻止すべく、 ラリーと幼い息子を連れた作家は新都・神町へと向かう。 破格のロードノベル! ※この電子書籍は2019年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • そして、ぼくは旅に出た。 はじまりの森 ノースウッズ
    無料あり
    4.6
    まわり道しなければ、たどり着けない場所がある――。 若き日の著者の、人生を決めた旅立ちの物語。読んだ人に深い感動と変化をもたらした話題の書。 第七回梅棹忠夫・山と探検文学賞受賞作。 大学4年のある日、オオカミの夢を見た。自然写真家を目指していた著者は、導かれるように1冊のオオカミの写真集と出会う。「ダメもとくらいの挑戦をしないと、人生は面白くない」と語る著者は、その世界的な写真家ジム・ブランデンバーグに弟子入りを直接志願するため、単身アメリカに旅立つ。 ミネソタ州北部に広がる森と湖の世界「ノースウッズ」の入り口へたどり着き、ジムの家がその先にあると突き止めると、カヤックにキャンプ道具を積み込み、水上の旅へ。深い北国の森と無数の湖、様々な野生動物との出会い。8日間の旅の末にたどり着いた場所で、ついにジムとの対面を果たすが――。 臨場感あふれる自然描写、不安に揺れ動く心情を正直に素直に描く、著者のかざらない姿に、いつしか共感し励まされる。自分の足で歩き、自分の目で見て、人と出会うことの大切さを教えてくれる、人生の羅針盤となりうる一冊。 著者による「文庫版あとがき」追補。 解説:松家仁之(小説家)
  • 大人への手順
    3.7
    迷いから抜け出す「手順」が詰まった決定版 就職、子育てから近しい人の死まで…。人生の岐路に効く名回答を厳選した週刊文春「悩むが花」傑作選。佐藤愛子氏とのお悩み対談も。
  • 文春将棋 読む将棋2022(文春ムック)
    5.0
    すべての棋士にはドラマがある――。 大好評だった文春将棋ムックの第2弾、観る将ファンに向けた「読む将棋」の決定版です。 登場する棋士/女流棋士は総勢24人以上! 巻頭16ページのルポ「藤井時代か、藤井世代か」は、藤井聡太竜王のライバル候補である4名の若手棋士に徹底取材しました。 その他、書き下ろしの読み物や人気棋士のインタビュー、座談会、コラム、コミックが詰まった全144ページ。フルカラーの冊子です。 【読み物】 [若人たちの群像ルポ]藤井時代か、藤井世代か 大橋貴洸/伊藤匠/服部慎一郎/高田明浩(野澤亘伸) [棋士がよみとく]藤井聡太・豊島将之 真夏の十二番勝負(勝又清和) [父親二人が振りかえる]伝説の「親将ブログ」(宮田聖子) [川島滉生さんに聞く]「あの写真」の少年はいま(宮田聖子) 【Interviews】 佐藤天彦九段 自分らしさを盤上で表現したいと思い、振り飛車を指したんですよ 八代弥七段 まずは自分の同世代の中で突き抜けていきたい 飯島栄治八段 40代に入ってからキャリアハイって凄くないですか? 加藤桃子清麗 里見香奈さんと奨励会試験で対峙した日のこと 中川大輔八段 師匠が、「最新形をマスターしたい」と僕のアパートにきた 近藤正和七段 絶望の中で生まれた新戦法“ゴキゲン中飛車"誕生秘話 澤田真吾七段 プロ入り後も三重県を拠点にしている理由とは 読売×朝日×東京 「将棋記者」のおしごと 石井健太郎六段×青嶋未来六段×黒田尭之五段 オールラウンダー座談会 【Comics】 山口恵梨子(えりりん)の女流棋士の日々 出張版(さくらはな。) 盤記者! 番外編(松本渚) イトシンTVの舞台裏(嫁P) 【Columns】 努力と才能はどちらが大事ですか?(上田初美) 棋士はロックなんか聴かない?(遠山雄亮) [棋士・女流棋士が綴る]将棋会館の思い出(武富礼衣/山口恵梨子/糸谷哲郎/中村太地/上村亘/高野秀行) 数字で読む将棋1~2(君島俊介、相崎修司)
  • 文春ムック 西村京太郎の推理世界
    3.5
    1巻1,100円 (税込)
    西村京太郎の推理世界 空前絶後のベストセラー作家全軌跡! 追悼 レジェンドに贈る感謝とお別れの言葉 赤川次郎「0・1ミリの違い」 東野圭吾「小説家として」 特別対談 『殺しの双曲線』『名探偵が多すぎる』『華麗なる誘拐』…… 綾辻行人×有栖川有栖 「僕らの愛する西村作品ベスト5」 オール讀物推理小説新人賞受賞作全文掲載 歪んだ朝 歳月を経ても色あせない社会派推理小説が原点だった 第2回オール讀物推理小説新人賞決定発表 受賞のことば 「嬉しさでいっぱい」西村京太郎 選評 有馬頼義/高木彬光/水上勉/松本清張 随想 ベストセラー作家前夜 「推理小説新人賞」の頃 「瞼の師」長谷川伸 オール讀物傑作選 美談崩れ 一九六五年九月号 見舞の人 一九六七年三月号 夜行列車「日本海」の謎 一九八二年十二月号 事件の裏で 一九八三年七月号 座談会 「オール讀物」と推理小説の90年 北村薫×北上次郎×戸川安宣 作家同士で語り合った四方山秘話 山村美紗「事実は推理小説より奇なり」 佐野洋×三好徹 司会・大沢在昌 「ミステリー界の巨人たち」 阿川佐和子「唯一無二の同志兼恋人」 赤川次郎「ミステリーを書き続ける幸せ」 トラベルミステリーと歩み続けて 宮脇俊三「ミステリーはローカル線に乗って」 インタビュー 鉄道と小説を愛して 絶筆 「SL『やまぐち』号殺人事件」の日々 作家活動の歩み 家の履歴書 思い出アルバム 蒸気機関車と 文士とカメラ 妻への手紙 生涯647冊全著作リスト
  • 火の航跡
    4.0
    1巻1,100円 (税込)
    名手・平岩弓枝による長編ミステリー小説。六本木に事務所を持つ有名カメラマン・城重文夫がある日突然姿を消した。呆然とする新婚の妻・久仁子は、知人の協力を得て夫の行き先を探し始めたところ、夫が向かったと思われるギリシアで事務所で働いていた女性が遺体で見つかる。彼女と夫の間には恋愛関係があったのか? 彼女を殺したのは夫なのか? そして久仁子は、有田焼の里で窯業を営む夫の実家を訪ねたことで、いままで知らされてなかった夫の家族の陰の歴史に向き合うことになる。東京、佐賀、ギリシア、マイセン、メキシコと夫の影を追い続けた久仁子が探し出した驚愕の真実とは? 細やかな心理描写と巧みな構成で読む人をうならせる著者円熟期のサスペンスロマン。 ※この電子書籍は1980年1月に刊行された文春文庫の新装版を底本としています。
  • 自転車泥棒
    4.2
    失踪した父と同時に消えた自転車の行方を追う「ぼく」。台湾から戦時下の東南アジアへ、時空を超えて展開する壮大なスケールの物語。 ※この電子書籍は2018年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • わたしたちに手を出すな
    3.6
    ハンマーを持って迫りくる殺し屋から逃げる老婦人、孫娘、勇猛な元セクシー女優。 彼女たちの勇気と家族の再生を描く傑作ミステリー。 私、人を殺してしまった。言い寄ってきた老人を灰皿で殴り倒した未亡人リナは、男を残して娘の家へ駆け込んだ。 だが、そこにハンマーを持つ殺し屋が襲撃してきた。娘の愛人がマフィアの金を強奪したというのだ! 元ポルノ女優と孫娘も道連れにリナの逃避行が始まる。女たちの絆を描いて絶賛を受けたミステリー。
  • 白墨人形
    4.0
    スティーヴン・キング強力推薦! 少年時代の美しい思い出と、そこに隠された忌まわしい秘密。 最終ページに待ち受けるおそるべき真相。 世界36か国で刊行決定、叙情とたくらみに満ちた新鋭の傑作サスペンス。 あの日、僕たちが見つけた死体。はじまりは何だったのか。僕たちにもわからない。みんなで遊園地に出かけ、 悲惨な事故を目撃したときか。白墨のように真っ白なハローラン先生が町にやってきたときか。 それとも僕たちがチョークで描いた人形の絵で秘密のやりとりをはじめたときか――。 あの夏。僕には四人の友達がいた。太り気味のギャヴ、不良を兄に持つミッキー、シングルマザーの息子ホッポ、そして牧師の娘ニッキー。 不良たちに襲撃されることも、僕がニッキーへの恋に胸を焦がすこともあったが、この日々が終わるなんて考えもしなかった。 でも町では不和が広がりはじめていたのだ。僕の母の診療所への反対運動をニッキーの父が煽り、 ミッキーの兄に悲劇が降りかかり、少女の妊娠騒ぎが起こる。大人たちにも、僕たちのあいだにもヒビが入りはじめた。 そして、あの子が殺された。森で。バラバラになって。見つけたのは僕たちだった。でも、頭部は見つからないままだ。 30年が経った現在。白墨人形の絵とともに、あの事件が甦る。あの人が死んだことで、事件は解決したはずなのに。 20年ぶりに帰郷したミッキーは言った。「おれは真犯人を知ってる」。僕は友人たちとともに、あの夏の秘密を探りはじめる……。 第2作『アニーはどこにいった』も絶賛発売中! ※この電子書籍は2018年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 六月の雪
    3.9
    1巻1,100円 (税込)
    夢破れた30代の将来への不安、認知症がはじまった本人と周囲の驚愕。 いまの日本の現代的なテーマと、台湾と日本との現代史がからみ合う、乃南アサ台湾ものの決定版! 30代前半、独身の杉山未來は、声優になるという夢に破れ、父母、妹、弟と離れ、祖母・朋子と東京でおだやかな二人暮らし。 ある日、祖母の骨折・入院を機に、未來は祖母が台湾うまれであることを知る。 彼女を元気づけるため、未來は祖母ゆかりの地を訪ねようと台湾へと旅立つ。 ところが戦前の祖母の記憶はあいまいで手掛かりが見つからない。 そこで出合ったのはひと癖もふた癖もある台湾の人たち。 台湾が日本の植民地であったこともぼんやりとしか知らない未來は、中国国民党に蹂躙された台湾の人々の涙を初めて知る。 いっぽう、朋子は認知症を発病し、みずからの衰えに言いようのない恐怖を覚えていた。 それに追い打ちをかける、朋子の遺産目当ての実の娘、真純(ますみ)の突然の出現……。 未來は祖母のふるさとに辿りつくことができるのか。 朋子の衰えに、未來は間に合うのか。そして長い旅路の果てに、未來が下した重大な決断とは……。 『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』と続く著者の台湾ものの、決定版とも言うべき感動巨篇。 ※この電子書籍は2018年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 沢村栄治 裏切られたエース
    4.3
    ――私は野球を憎んでいます。 その年最高の投手に与えられる特別賞「沢村賞」に名を遺す沢村栄治。 職業野球選手一期生として活躍し、太平洋戦争中に兵士として27歳で命を散らした男は、死の直前そう書き残しました。 六大学野球が全盛の時代に、職業野球(プロ野球)は、スタート直後世間の蔑視に晒されていました。 中学の野球部で指導を受けた監督の縁があった慶応大学への進学を夢見た沢村栄治は、家庭の経済状況から果たせず、中学を中退して出来てまもないプロ野球の世界に。 その後は親族が無軌道に膨らませていく借金に拘束されて、学業に戻ることも叶わず、その結果、戦争の状況が悪化すると、沢村には徴兵猶予の特典もなく、戦死するまで繰り返し兵役へ駆り出されました。 日米戦ではベーブルースと対峙し、アメリカにも二度渡ってその名を轟かせた沢村栄治の軌跡と、波乱にみちた職業野球の誕生の物語を自身も東大で六大学野球をプレイした作家が描きます。
  • 文春ムック 渋沢栄一 道徳的であることが最も経済的である
    -
    1巻1,100円 (税込)
    2024年から発行される一万円札の「顔」となる日本資本主義の父・渋沢栄一。NHK大河ドラマ「青天を衝く」の主人公でもある渋沢栄一とはどんな人物だったのか。十九年間かけて評伝『渋沢栄一 上下巻』(文春文庫)をまとめた鹿島茂さんが渋沢の偉大さを解き明かす。 はじめに  渋沢栄一の「偉さ」を探索する旅 第一章 日本の資本主義を興した男の足跡 日本の資本主義はどこからきたのか 渋沢栄一とサン・シモン主義 渋沢栄一はいかにして日本に資本主義を根付かせたのか 適材適所を徹底し、資本主義を育む 企業経営と再建の手腕 第二章 親族が語る知られざる素顔 渋沢家百年のオヤジの背中  ×渋沢雅英  現当主が語った渋沢家四代とっておきのエピソード 正しい道理の「富」でなければ企業の永続はない  ×鮫島純子 エッセイスト 渋沢栄一に学ぶ経世済民の心得  ×渋澤健  「ヘッジファンドやってて、ご先祖さまに悪いかナと……」 第三章 華麗なる人脈 明治・大正・昭和 経済人の群像 M&Aとイノベーションに満ちた時代の寵児たち  ×坪内祐三 評論家、エッセイスト 明治・大正経済人の華麗なる旦那芸ネットワーク  ×山口昌男 文化人類学者 明治から昭和のすごい経営者  ×楠木建  日本を変えた二十人に学ぶ大成功の秘訣  ×佐々木常夫   第四章 現代に受け継がれる経営哲学 “経営農民”渋沢栄一の「たった一人の株式会社革命」  ×福原義春 “ブランド化”こそが「企業永続」のカギである  ×塚越寛
  • マイル81 わるい夢たちのバザールI
    3.7
    その車に近づいちゃダメ! 恐怖の帝王キングの短編集  廃墟となったパーキングエリアに駐まる1台の車。不審に思って近づいた者たちは―― キング流の奇想炸裂の表題作。この世に存在しない作品が読める謎の電子書籍リーダーをめぐる「UR」。 忌まわしい恐怖の物語「悪ガキ」。アメリカ文学の巨匠に捧げる「プレミアム・ハーモニー」他、 ホラー、SFから文芸色の強い作品まで10編を収録。 巨匠がさらなる洗練をみせる短編集その1。自作解説つき。
  • ひかりの剣【電子特典付き】
    3.5
    1巻1,100円 (税込)
    『チーム・バチスタの栄光』でお馴染みの面々が、メスの代わりに竹刀で鎬を削る。 医療ミステリーの旗手が放つ鮮烈な青春小説! 1988年、バブル真っ盛りの頃。 いずれ医療の世界で悪戦苦闘する医学生も最初は医学の素人で、普通の大学生のようにサークル活動に部活に励んでいた、そんな時代。 桜宮・東城大剣道部の猛虎・速水晃一と天下の官僚養成大学、東京・帝華大の臥龍・清川吾郎もまだ医学生で、剣道部員だった。 医学部剣道部の象徴的大会「東日本医科学生体育大会」(東医体)。 この大会の覇者は将来、外科の世界で大成するという言い伝えがあった。 優勝校に送られる「医鷲旗」をめぐって、速水と清川による伝説の闘いが繰り広げられる。 解説・國松孝次(元警察庁長官) 【電子特典】 全電子版共通の「あとがき」、付録(「海堂尊・全著作リスト」「作品相関図」など)のほかに、本書には以下の文章を収録。 電子版あとがき 『ひかりの剣』 【関連小文】1 「ジェネラル・ルージュの伝説」自作解説より『ひかりの剣』 【関連小文】2 「夢はいつか叶う」 【関連小文】4 「すべては剣道場から始まった。」 【関連小文】5 「大学道場で剣道 体にたたきこむ」
  • ゲバラ覚醒 ポーラースター1【電子特典付き】
    4.1
    1~3巻1,100円 (税込)
    ゲバラ、カストロ、エビータらを活写! キューバ革命に至る壮大な物語がいま始まる。 喘息持ちだった少年エルネストは舞台女優のジャスミンとの恋など青春を謳歌しつつ、やがて医学生となる。 そして1952年、ペロン政権下の母国アルゼンチンから出発して、親友ピョートルと共に南米大陸縦断の旅へ。 そこで社会の弱者らと出会いながら、成長していく――。 ゲバラ、カストロというキューバ革命の英雄たちが躍動する著者渾身のシリーズ。 第一巻では、ゲバラ、エビータらを活写。キューバ革命に至る壮大な物語の青春編が開幕! 巻末に著者と女優・鶴田真由さんとの対談のほかに、電子版オリジナルの特典付き。 【電子特典】 全電子版共通の「あとがき」、付録(「海堂尊・全著作リスト」「作品相関図」など)のほかに、本書には以下の文章を収録。 電子版あとがき 『ポーラースター1 ゲバラ覚醒』 【関連小文】1 「キューバ・ラブワゴン」 1話「余はいかにしてキューバへたどりついたか。」 【関連小文】2 「キューバ・ラブワゴン」 2話「オラ、ハバナ」 【関連小文】3 「私の週刊食卓日記」 【関連小文】4 「ペルーに酔う」  【関連小文】5 「〈エビータ〉と〈チェ・ゲバラ〉の接点」 【関連小文】6 「テーマソングは成り行きまかせ」
  • スキャンダルの世界史
    5.0
    「人の恥をのぞくのは卑しい欲望と見られている。(中略)だが、人の恥をのぞくのは、人間の深層をのぞき、人間の謎を解きたいという欲望であるかもしれない」。十字軍スキャンダル、性の革命家サド、快楽王子ジョージ四世、乱交好きの王女、エロスのカルト集団、切り裂きジャック、マリリン・モンロー、ジョン・レノン暗殺、ダイアナ妃etc. 権力と欲望にまみれた真実の「裏世界史」。
  • ホモセクシャルの世界史
    4.5
    世界史の中で封印され続けてきたタブー「同性愛」。古代ギリシアから、ルネサンスの禁欲、帝国主義と二つの世界大戦、性意識の増大した二十世紀に花開いた美と多様な価値観。その裏側には、知られざる壮大なホモセクシャル・ネットワークがあった。女性嫌いのルイ13世、英国の同性愛文化の開花、ホモセクシャルの夢の島、ゲイの王国、ホモ狩りの50年代、ナチの同性愛etc.衝撃エピソード満載。
  • 壇蜜ダイアリー
    5.0
    1~2巻1,018~1,100円 (税込)
    2017-2018冬 私はあさましく品がないが幸福者だ 2018春 欲望は抑えると、脇から形を変えてはみ出てくる。 2018夏 仕事の趣は必ず顔や考え方に出てくると思っている。 2018秋 独りで生きることしかできない体に着々と仕上がっている。 勝手に別れた男のことを勝手に思い出し勝手に浸り、学生時代に好きだったプライドの高いクールな女の夢を見る。美人女優の中で自分は華やかな熱帯魚の水槽に出汁をとったあとの煮干しのようだと思い、水泳にヨガにサウナに行っても体脂肪は変わらず、ナマケモノを飼ってナマケモノのために働く理不尽な生活をしたくなる……。 壇蜜のあるがままの日々。今日もまた“自分いじり”に磨きがかかる。 ●著者自ら撮影の写真収録。
  • 特攻 最後のインタビュー
    4.5
    特攻、これだけは伝えたい。 生還した11人からのメッセージ。 多くの“神話”と“誤解”を生んだ特攻。 その真実を知る最後の語り部たちが重い口を開いた。 四式重爆撃機「飛龍」、 百式重爆撃機「呑龍」、 四式連絡艇/四式肉迫攻撃艇「マルレ」、 九七式艦上攻撃機、 九七式戦闘機、 人間機雷「伏龍」、 零式艦上戦闘機、 一式陸上攻撃機、 四式戦闘機「疾風」、 九三式中間練習機。 心ならずも生き残った11人の元特攻隊員のロングインタビュー。 平和を知るために私たちの祖父、そして父たちの熱き想いに耳を傾けよ。 写真・図版多数。
  • 悪声
    5.0
    「ええ声」を持つ「なにか」はいかにして「悪声」となったのか――。 ほとばしるイメージ、疾走する物語。著者入魂の長編小説。 「なにか」は、ある重みをもって、廃寺のコケの上にそっと置かれた――。 京都のはずれの廃寺に捨てられたみどりごは、コケに守られながら生をつなぎ、やがて犬のブリーディングと桜の剪定を生業とする花崎さんに引き取られる。 「なにか」の声は、居合わせた誰もがはっと振り返るような特別なものだった。 長じて歌うことを覚えた「なにか」は、アムステルダムからやってきたサックス・プレイヤーの「タマ」と「あお」の父娘といっしょに、生駒の方舟教会でライブを行う。 奔放な想像力が魅力の、現代を代表する物語作家いしいしんじが、筋立ても分量も、あらかじめ何も決めずに想像の赴くままに書き進めた、少年の一代記。 第4回河合隼雄物語賞受賞作。 解説・養老孟司 ※この電子書籍は2015年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 風をつかまえた少年 14歳だったぼくはたったひとりで風力発電をつくった
    4.5
    アフリカの最貧国・マラウイを食糧危機が襲い、ウィリアム少年は食べていくために中学校を退学せざるをえなくなる。。 しかし、知的好奇心にあふれた彼はNPOがつくった図書館に通い、そこで風力発電について書かれた一冊の本と出会います。 電気があれば暗闇と空腹から解放される――ウィリアム少年は発電の仕組みを独学し、廃品を集めて作った風車で発電に成功、そこから大きなチャンスをつかみます。 池上彰さんも「学ぶということが、これほどまでに人生を豊かにしてくれるとは」「私たち日本人が忘れていたことを、この本は教えてくれます」と解説で太鼓判を押す、感動の実話。
  • 平成の東京 12の貌
    3.3
    平成31年は、天皇陛下が退位して皇太子が新天皇に即位し、5月からは新しい元号になります。また、翌年には2回目の東京五輪が開催されます。一回目の東京五輪は昭和39年に開催され、それを契機に昭和後半の日本は高度経済成長の波に乗り、経済大国の道を突き進みました。しかし、平成に入ると、バブルが崩壊し、政治や社会の様々な歪みが顕著となってきました。この間、日本の首都・東京はどのように変貌を遂げたのか。 本書は、月刊『文藝春秋』で連載した「50年後の『ずばり東京』」から、主に東京に住む人々の暮らしや意識の変遷を描いた12本の記事を選んで収録しました。毎回違うノンフィクション作家が自身で取材するテーマや街を選び、リレー形式で執筆したもので、昭和と平成という二つの時代を筆者が行き来するルポルタージュです。 〈本書の内容〉 ゴジラとタワーマンション 高山文彦 保育園反対を叫ぶ人たち 森健 虐待と向き合う児相の葛藤 稲泉連 東大を女子が敬遠する理由 松本博文 「ラジオ深夜便」のある生活 樽谷哲也 エリートが集う「リトル・インド」佐々木実 はとバスは進化し続ける 小林百合子 八丈島の漁師と青梅の猟師 服部文祥 いまどき女子は神社を目指す 野村進 新3K職場を支えるフィリピン人 西所正道 将棋の聖地に通う男たちの青春 北野新太 貨物専用「JR隅田川駅」のいま 長田昭二
  • 昭和の東京 12の貌
    4.0
    平成31年は、天皇陛下が退位して皇太子が新天皇に即位し、5月からは新しい元号になります。また、翌年には2回目の東京五輪が開催されます。一回目の東京五輪は昭和39年に開催され、それを契機に昭和後半の日本は高度経済成長の波に乗り、経済大国の道を突き進みました。しかし、平成に入ると、バブルが崩壊し、政治や社会の様々な歪みが顕著となってきました。この間、日本の首都・東京はどのように変貌を遂げたのか。 本書は、月刊『文藝春秋』で連載した「50年後の『ずばり東京』」から、主に東京の街の変遷を描いた12本の記事を選んで収録しました。毎回違うノンフィクション作家が自身で取材するテーマや街を選び、リレー形式で執筆したもので、昭和と平成という二つの時代を筆者が行き来するルポルタージュです。 〈本書の内容〉 東京五輪 “負の遺産”――首都高とモノレール 古市憲寿 佃――タワマンと神事に則る祭り 中原一歩 銀座――消えた銀座警察 清武英利 谷根千――下町と観光地の狭間で 森まゆみ ひばりが丘――最先端団地の「夢の跡」奥野修司 秋葉原――電気街の六つの地層 神田憲行 山谷――「日雇い労働者の町」は変貌した 水谷竹秀 夢の島――悪臭の山から緑の森へ 福田ますみ 永田町――「権力の三角地帯」は空洞化した 常井健一 吉原――元祖風俗ライターが棲んだ街 小野一光 福生――「70年代の青春」の残り香 三山喬 足立区――高度成長を下支えして 八木澤高明
  • 天才 勝新太郎
    4.2
    武勇伝に隠された天才ゆえの孤独 破天荒な伝説で語り継がれる天才の素顔は誰よりも繊細でナイーブだった。 貴重な資料で、芸術の神に挑んで散った生涯を炙り出す。 「座頭市」と豪快な勝新伝説で知られる勝新太郎。 本書は映画製作者としての勝とその凄まじい現場を スタッフの証言を元に再現し、繊細すぎる実像を浮き彫りにする。 純粋さが加速させる狂気のノンフィクション。 【目次】 序 第一章 神が天井から降りてくる――映像作家・勝新太郎 第二章 負けてたまるか 映画スター・勝新太郎の誕生 第三章 勝プロダクションの設立 第四章 オレは座頭市だ――『新・座頭市』 第五章 神が降りてこない…… あとがき

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