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吉田松陰は国防のために、幕府を倒した? すべてをお金で説明する福沢諭吉が今も読まれる理由とは? 趙進化論者、北一輝は天皇のカリスマに賭けた? 小林秀雄はひとつのことしか言っていない? 日本が抱えた難問に答えを出した「考える日本人」。これだけ押さえれば近代日本がわかる。
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Posted by ブクログ
日本の知識人・オピニオンリーダー11人の思想とその原点をわかりやく解説している。各人の経歴など、多少退屈に感じるところもあったが、文章もよみやすく、その時代の思想風潮もよく理解できた。 各人は、多かれ少なかれ、「天皇」をどう位置づけるかにも心を砕いており、天皇は日本独自の思想背景としてなくてはな...続きを読むらぬ存在であったこともよくわかった。近年はむしろ天皇に触れることはタブーのような風潮があるが、(どう位置づけるかにかかわらず)天皇抜きに日本の思想は論じられない、というのが、本書の裏テーマなのかな、と感じた。 知ってるようで知らない日本の代表的な知識人達の主張の概要を学ぶには最適の一冊。
吉田松陰から丸山真男まで、11人の人物の経歴と思想を紹介した新書。 松蔭、丸山を始め、福沢諭吉、岡倉天心、北一輝、美濃部達吉、和辻哲郎、河上肇、小林秀雄、柳田国男、西田幾太郎と、多士済々の人物について述べられており、彼らの思想と生き方を学ぼうとする読者には、格好の入門書と言えるだろう。 福沢諭吉の項...続きを読むでは、慶應義塾が日本で初めて授業料をとる学校だったとのエピソードも。 彼が戦前から戦後まで説得力を持ち続けた唯一の思想家であるのは、人間が独立して生きるにはお金が大事だという経済リアリズムだったからとも。 それぞれの人物について20頁前後でまとめられているのは、1回ひとり90分程度で「夜間授業」という連続講座で語った内容だからだそうだ。
ここ数年、精力的に執筆活動を加速させている片山杜秀氏。従来は主として音楽評論・政治評論を手掛けてきた(特に『未完のファシズム』が名高い)ので、本書のように単なる「政治」カテゴリーに収まらない――なんてったって西田幾多郎や小林秀雄までもが論及されている――ある種、畑違いの著作は珍しい気がする。 タイト...続きを読むル(ちなみに、この本のタイトルは、おそらく映画『12人の怒れる男』をもじったものだろう)にもあるように、この本は、11人の著名な思想家達を一章ずつ取り上げて、その代表的著作を丁寧に――しかし時には掻い摘みながら――紐解いて、彼らの思想の核心に迫っていく日本近現代思想の入門書である。似たような類書はいくらでも(単行本でも文庫本でも)存在するが、所々で片山氏独自の切り口や着眼点が披露されていて、これはこれで大変勉強になるし、また思わず膝を打つ鋭い指摘もあって結構面白い。 個人的に「なるほど、上手くまとめたなぁ」と感心したのは、小林秀雄の中心的な思想を「何かを批評しようと思ったら、たんなる印象論ではなく、必ず《理論》に基づいていなければならない。とはいえ、何もかも全てが《理論》で説明できるわけでもないのだ」と、乱暴ながらも正鵠を射た表現 でまとめている箇所。「批評の神様」と呼ばれる小林秀雄の思想が、こんな単純でいいのか?と感ずる向きもあるだろうが、実際ホントにこんな感じで、自分は苦笑しながらも思わず首肯してしまった。なかなか言い得て妙。 コンパクトな良書ではあるが、敢えて一つ苦言を呈すと、もっと各思想家の「出自や経歴」に関して深く突っ込んでも良かった気がする。伝記的研究こそ腐るほどあるかもしれないが、この本が文庫本・入門書のスタイルをとっていることを鑑みると、「出自・経歴」が彼らの思想形成に及ぼした影響などを、もっと詳しく論じてくれたほうが親切だったろうし、各論にさらに厚みが増しただろう。
吉田松陰。欧米列強は日本にたいして船など高額なもの売る。値は張るが、資金は貸してやるという。しかし借金が返せない場合、日本の土地に租借権を要求。部分的に植民地にしてしまう。徳川幕府は米と通商を結ぼうとしているが、隙あらば侵略を仕掛ける欧米列強のやり方に無防備すぎる。p.26 水戸学では日本を守るのは...続きを読む侍(エリート)であり愚民は反乱を起こさないよう統治するという発想だが、日本を守るためには身分関係なく教育しなければならない。p.28▼丸山まさお。天皇はヒトラーのような独裁者ではない。天皇は万世一系の血統で威光を発しているのでり、天皇自身が主体ではない。天皇は自らの意志によって何かをする気持ちがない。憲法も天皇が主体的に作ったものではない。※臣下は「天皇の意志だ」というが、天皇には意志がないため、責任の所在がわからなくなる。p.244『考える11人の日本人』 ************** 『国の死に方』★3 『大学入試問題で読み解く 「超」世界史・日本史』★3
音楽評論家としてテレビに登場する片山杜秀氏。 本業は思想史研究であり、明治から戦後にわたって名を馳せた11人が選ばれ、著者が考察して本質に迫っていくスタイルをとる。吉田松陰から始まり丸山眞男までが論述されていくが、小林秀雄、西田幾太郎、丸山眞男が印象に残った。 小林秀雄曰く、何でも科学的に説明できる...続きを読むと信じる人が増えると世の中はダメになる。わからないものはわからないまま直視する。理論に頼る無謬主義に警鐘を鳴らし、直観による判断、間違えたら修正する柔軟性を重視している。昨今の◯◯の壁といった、お互いに通じ合えない頑な傾向を喝破している。西田幾太郎は、純粋経験という概念で、事実に従って知る、理屈で分析できなくても瞬間的に把握することを重視している。あるがままに受け止める、無の境地に触れているが、虚無的な態度だけからは何も生まれないという批判にも繋がるだろう。最後に丸山眞男だが、超国家主義というワーディングで、本来責任を持つべき者の主体性の欠如、無責任性が日本の底流にあることを指摘している。政治不信、官僚の不作為、ノブレス・オブリージュから程遠さに情け無さを感じる。
丸山眞男の言う、政治家を含め我が国の天皇ですら「無責任体系」が明治・大正・昭和へと続いている、と言う。奇しくも、平成、令和においても誰一人「責任ある判断、行動、決断ができない」国へと継続しており、「集団的『流れ』に任せた無責任主義」が悲しいかな横行していると感じる、のは私だけだろうか。
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