国内ミステリー - 文藝春秋の検索結果
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あの子の殺人計画
「あたしって虐待されてるの?」 アリバイトリックに新境地!あなたは絶対に見破れない。 椎名きさらは小学五年生。母子家庭で窮乏している上に 親から〈水責めの刑〉で厳しく躾けられていた。 ある時、保健室の遊馬先生や転校生の翔太らに指摘され、 自分が虐待されているのではないかと気づき始める……。 一方、JR川崎駅近くの路上で、大手風俗店のオーナー・遠山が 刺し殺された。県警本部捜査一課の真壁は所轄の捜査員・宝生と組んで 聞き込みに当たり、かつて遠山の店で働いていた椎名綺羅に疑念を抱く。だが事件当夜、彼女は娘のきさらと一緒に自宅にいたという アリバイがあった。真壁は生活安全課に所属しながら数々の事件を 解決に導いた女性捜査員・仲田蛍の力を借りて、椎名母娘の実像に迫る。 前作『希望が死んだ夜に』の「こどもの貧困」に続き、 「こどもの虐待」をテーマに〈仲田・真壁コンビ〉の活躍を描く 社会派と本格が融合した傑作ミステリー。 芦沢央 推薦! 「構造的であるからこそ、そこにおさまらないものが浮かび上がる 衝撃の先にあるものを描こうとしている小説だと思った」 ※この電子書籍は2020年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
イッツ・ダ・ボム
阿部智里、額賀澪、川越宗一、波木銅らを輩出した 第31回松本清張賞受賞作! 森見登美彦さんが「もはやズルい」と、 米澤穂信さんが「夜の光を放つ、ささやかで切実な犯罪小説――圧倒的だった」と 激賞した鮮烈なデビュー作! ◆◆◆ グラフィティ graffiti おもにエアゾールスプレーやマーカーを用いて街に書かれた名前や絵柄。 ボム bomb 街にグラフィティを書いたり、ステッカーを貼ったりする行為。またはその痕跡。 特に違法に行われるものを指す。 ◆◆◆ 「日本のバンクシー」と耳目を集めるグラフィティライター界の新鋭・ブラックロータス。 公共物を破壊しないスマートな手法で鮮やかにメッセージを伝えるこの人物の正体、 そして真の思惑とは。うだつの上がらぬウェブライターは衝撃の事実に辿り着く。 (第一部 オン・ザ・ストリート) 20年近くストリートに立っているグラフィティライター・TEEL(テエル)。 ある晩、HEDと名乗る青年と出会う。 彼はイカしたステッカーを街中にボムっていた。 馬が合った二人はともに夜の街に出るようになる。 しかし、HEDは驚愕の“宣戦布告”をTEELに突き付ける。 (第二部 イッツ・ダ・ボム) 「俺はここにいるぞ」と叫ぶ声が響く、いま一番クールでアツい小説! -
ITSUKI 死神と呼ばれた女
脚本界の名匠、入魂のエンタテインメント巨編 「年上の女が憧れなんスよ。駄目ですか。ラブしてくれませんか」 周囲の大事な人が次々と死んでいったことから、死神と呼ばれてきた人妻、斎(いつき)。冷え切った夫との生活に倦んでいた時、しなやかでいて荒々しい筋骨と濃密な体臭をまとった男・志田に出会う。 思いがけず落ちた年下男との恋、そして第三の男の登場。天国とはかくやと酔いしれる斎。しかしその恋と性愛が巻き起こしたさざなみは、次第に大波となって、裕福な病院長一家に集う女たちを巻き込んでいく――。その果てに惨劇と憎悪の宴が幕を開けた! 氾濫する美意識と諧謔で描く、生と性、死と詩のジェットコースター・ロマンス小説! ※本作品は、週刊文春、Kindleで連載された「真・天国の恋」を改題、大幅に加筆修正したものです。 -
陰謀論百物語
「陰謀論」が現実になる世がここに―― 一国の大統領が突然、近隣国によって連れ去られ、裁かれる。 国家間ではミサイルが飛び交い、他国への攻撃を想定した大規模演習が行われる……。 かつてなら、まさかまさか、と笑い飛ばされていたような出来事が次々に現実になる世の中で、もはや陰謀論は「陰謀論」では済まされなくなっているのかもしれません。 何が本当で、何が嘘なのか。 収録作「陰謀論百物語」では、ろうそくを前にずらりと座った高名な”陰謀論者”たちが百物語を繰り広げます。 曰く、ロシアのウクライナ侵攻には、ホワイトハウスの地下に存在すると言われる「ブラックハウス」が関係している。曰く、スマホの自撮りで顔が長く写るのは、女性に美しくあらねばという意識を植え付ける「ルッキズム推進勢力」(通称:ルキ推)の策略によるものだ。曰く、「人類の月面着陸成功は陰謀である」という陰謀論は、陰謀である……。 嘘のような陰謀論はしかし、似非陰謀論を広め、世界を混乱させて支配しようとする影の組織が故意に広めているものらしい。それこそが陰謀なのだ、と主張する男まで現れ―― その他、突如厳しくなったコンプラに戸惑う刑務所帰りのヤクザに、「忖度」を合言葉として村おこしに励む村議会の面々、マスク拒否男改め「ゴネラ」とマスク警察改め「モンクコング」の真剣勝負まで……。 コロナ禍を前後して書き紡がれた粒ぞろいの全7編、とくとお楽しみください。 -
嘘か真言か
裁判所の「中の人」から犯罪はどう見えているのか? 新任判事補と癖が強すぎる裁判官が、市内で起こる特殊詐欺事件に挑む。現代の姿を「司法」であぶりだす社会派リーガルミステリー。 日向由衣は裁判官に任官して三年目。念願がかなって志波地方裁判所の刑事部に配属された。しかし、異動が決まった直後から、直近の先輩となる紀伊真言(まこと)裁判官にまつわるさまざまな噂が耳に入っていた。しかも、そのほとんどが悪評である。 紀伊は、理系大学院出身の変わり種だが、プログラムを組むように淡々と裁判を進め、バグを処理するように有罪判決を宣告する、と言われている。そしてもう一つの噂として、紀伊は「被告人の嘘が見抜ける」というのだ。裁判所という場で、こんな非科学的な噂がどこから生まれてくるのか。 また志波地裁に赴任した由衣は、上司となる阿古部長から一つの課題を出されていた。 「紀伊真言が嘘を見抜けるか見抜け」 赴任したばかりの判事補には仕事がない。それならば紀伊の裁判を傍聴して部長の“課題”に答えるしかない。 かくして由衣は紀伊が訴訟指揮をする、窃盗事件の第一回公判に臨む――。 志波市内で連続して起こる特殊詐欺事件、一見して無関係の事実を結び付けて新たな事実をあぶり出す裁判官、新任判事補の成長……裁判所の「中の人」から犯罪はどう見えているのか? 裁判所書記官の経験もある著者だからこそのリアルな読み味が魅力の一冊。 -
うまいダッツ
とある高校の喫茶部。それぞれ好みのおやつを持ち寄る四人は、 不思議な噂を耳にする。 「うまい棒一本で、世界の秘密がわかるらしい」 それはただの都市伝説か、それとも――!? ゆる部活のメンバーがたどりついた「答え」とは。 「おやつ部」のメンバーが、世界の謎にゆるく挑む。 スナックをつまむ指先が光るのは、油のせいだけじゃない、かも。 おいしく楽しく、ときどき切ない5つの物語。 うまい棒一本で、世界の秘密がわかるらしい―― 学内で囁かれる噂の真相とは?(「うまいダッツ」) おばあちゃんが失くしたブローチを探すことになったおやつ部の面々。 探し物の過程で見えてきたものとは。(「チロル・ア・リトル」) お菓子当てクイズに参加することになった四人。 果たして、その勝敗はいかに。(「バカみたいにウケない」) SNS上の友達と気まずくなってしまったメンバー。 会いたくない彼女と会いたい彼女、それぞれの理由とは。(「それは王朝の」) 学年が上がり、初めてできた後輩。 しかし彼らは全員、妙にまじめで――。(「百年の愛」) -
江戸川乱歩傑作選 獣
巨匠の妖しき名作を桜庭一樹が厳選! 日本推理小説の巨匠・江戸川乱歩が没して50年。 名作に光を当てるアンソロジー第1弾はデビュー作「二銭銅貨」、 明智小五郎初登場の「D坂の殺人事件」、大正期の退屈と倦怠を 犯罪に描いた「屋根裏の散歩者」、絢爛と恐怖の箱庭世界「パノラマ島綺譚」……。 初期傑作にして異形の問題作「陰獣」を中心に、傑作七編と二つの随筆を厳選。 直木賞作家・桜庭一樹が案内する、妖しくも美しい巨匠乱歩の新世界。 【目次】 「二銭銅貨」 「一枚の切符」 「D坂の殺人事件」 「屋根裏の散歩者」 「一人二役」 「パノラマ島綺譚」 「陰獣」 随筆「恋と神様」 随筆「幻影の城主」 監修・新保博久 -
桜虎の道
累計120万を突破した「もぐら」シリーズを手掛ける矢月秀作さんによる、最新長篇! 本作の主人公は司法書士事務所のしがない見習い桜田哲。 桜田はかつて最強の取り立て屋として裏社会で恐れられる存在だった。しかし、現在の上司である尾見と出会ったことで改心し、そのもとで以前の仕事を隠し働いているのであった。 ある日、尾見司法書士事務所には、不動産会社を運営する大口顧客である木下義人より遺言書の預かり証の保管を依頼が舞い込む。しかも木下の要望により、預かり証は桜田が個人で保管することになってしまった。 そんな桜田のもとには、木下の遺言書の内容を探るべく、木下の親族が暴力団やかつてのギャングを送りこんできて…。 そして、いざ戦闘になり、頭に血が昇ると圧倒的な凶暴性を発動してしまう桜田だが…。 預かり証を守り切ることができるのか、そして遺言書にはいったい何が書かれているのか。 一つの遺言書を巡り段々と明らかになる、不動産グループの創業一族が抱える闇も露見し、物語は急展開を見せていきます。 圧倒的バイオレンスアクションが開幕!!! -
お騒がせロボット営業部!
失踪→詐欺→殺人!? 病院で銀行で、残念ロボット・パティが事件を巻き起こす 社会人二年生、ITシステム開発中小会社に勤める外崎朝香は、「ロボット開発課」に異動になる。 社運をかけて開発された身長80センチの人型ロボット『パティ』を売るために東奔西走するが、下がり眉の公家顔というダサい外見と実用性の低さで、大手競合他社の有名ロボットには太刀打ちできない。 トホホな日々が続く中、取引先から「パティが事件を起こした」と衝撃の連絡が!! 「パティにそんな能力はない」と絶対の自信(?)を持つ朝香と人間よりロボットを愛するイケメン・内藤怜央のコンビは、パティを守るために事件の真相を暴こうと奮闘するが!? 元ロボット事業部勤務の著者によるリアル満載のお仕事小説&軽快ユーモアミステリー! -
おむこさんは殺人鬼
この謎は、私を強くする。 『此の世の果ての殺人』で江戸川乱歩賞を最年少受賞しデビュー、 第2作『ちぎれた鎖と光の切れ端』で吉川英治文学新人賞候補、 “Z世代のアガサ・クリスティ”の異名を持つミステリー界の新鋭・荒木あかねの待望の単著第3作は、 “人生の謎”に同志と共に立ち向かう、痛快なミステリー作品集! ◆収録作(全5編) ・同好のSHE 憎いあいつを殺すために乗り込んだ夜行バスで財布盗難が発生。疑われた私を嬉々として庇う女性の正体は? ・震える箱 「隣の女の貧乏ゆすりに腹を立てた」映画館で起きた傷害事件の真相に、“妙な被疑者”専門の取調官が挑む。 ・置き去りイヤリング 東海道新幹線のパーサーが見つけた片方だけのイヤリング。不可解な落とし物はある犯罪に繋がっていて…… ・答え合わせ 雪の上で血を流していた継父。彼の最後の言葉は、僕へのメッセージなのか、犯人を示すヒントなのか。 ・おむこさんは殺人鬼 婚約者は連続殺人鬼? ただの浮気者?「困ってるなら話を聞くよ」元探偵のおばあさんとの隠密調査の結末は。 -
オリンピックを殺す日
スポーツビジネスの闇に一石を投じる、衝撃的サスペンス! スポーツ新聞の記者菅谷は、オリンピック取材を仕事の矜持としてきた。 そんな中、大規模なスポーツの祭典「ザ・ゲーム」が アテネで開催されるという情報をキャッチする。 情報が全くない大会の取材に乗り出した菅谷だが、 関係者は一様に口をつぐむばかり。それどころか近年のオリンピックや、 メディアとスポーツの関わり方に疑問を呈される。 出場者も多くは語ろうとしないが、選手にとってザ・ゲームが 理想的な大会であることを匂わせるばかりだ。 そして関係者が口々に言う主催者の「彼」の理念とはいったい何なのか…。 メディアを一切排除した先にあるスポーツイベントに翻弄される菅谷。 「スポーツ」と「メディア」、「巨大スポンサー」。この構造を崩し、 「オリンピック」を壊そうとする首謀者は誰なのか。 菅谷は、謎の組織の正体を暴けるのか。 パリオリンピックを目前に文庫化! 解説=西村章(スポーツジャーナリスト) ※この電子書籍は2022年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
おれたちの歌をうたえ
幼馴染が遺した暗号、隠されているのは、金かそれとも…… 河辺のもとにかかってきたある電話。思い出すのは封印していた真っ白な雪と死体。あの日、本当は何があったのか? 大河ミステリー。 元刑事の河辺は、音信不通だった幼馴染の佐登志が死んだ知らせを受ける。彼が遺したのは、暗号めいた伝言。友からの謎かけに、河辺には封印していたはずの苦い記憶がよみがえる。40年前、故郷で巻き込まれたある事件――。追われるように都会に出た彼らが、歩んできた人生とは? かつての悲劇に迫る、大河ミステリー。 ※この電子書籍は2021年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
終りなき夜に生れつく
「僕はこの終わらない夜を生きていくしかないんだ」 残酷なのに柔らかで美しい。至高のアクションホラー! 作条痕のない窒息死体が連続で見つかった。 この殺人事件に、あの男は関与しているのか。 のちに何件もの大規模テロ事件を起こし、特殊能力を持つ「在色者」たちが派遣を争う「途鎖国」で、やがて犯罪者たちの王として君臨する男、神山。 神山が闇に目覚める瞬間を描く表題作など、傑作ダーク・ファンタジー『夜の底は柔らかな幻』へと続く鮮烈な作品集。 解説・白井弓子 ※この電子書籍は2017年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
音速の刃
「航空機の事故には必ずウラがある」 社運を賭けてビジネスジェットの開発に挑むプロフェッショナルたちの挑戦を描く航空ミステリーの傑作! 航空機メーカー四星工業の技術者・沢本は、元同僚の倉崎の「航空機事故には必ず、発表できないウラがある」という言葉を重く受け止めていた。 かつてのオスプレイの墜落事故なども含めて、過去の事故原因は、いつも謎のままだ――という。 このとき、四星工業は社運をかけて、同社初となる民間航空機の開発に乗り出していた。 ところが四星工業の稼ぎ頭である戦闘機部門の実験中に機体が墜落し、パイロット一人が死亡。 すぐさま事故原因が発表されたが、規事業は暗礁に乗り上げてしまう。 航空機事故の裏側に隠された「真実」に、沢本が迫る。 彼女は四星工業の窮地を救えるのか。 四星工業航空機の設計者である著者が、「航空機事故の原因」というタブーに挑んだ傑作ミステリー。 -
「御宿かわせみ」ミステリ傑作選
「御宿かわせみ」は江戸人情だけじゃない、ミステリも侮れない! これまで発表された全作品の中から、ミステリとしても秀逸な作品を厳選してお届けします。 物理トリックに心理トリック、フーダニットにホワイダニット……。 「御宿かわせみ」には、びっくりするほど秀逸なミステリ作品が多い。 書評家・大矢博子が悩みに悩んで7作品を厳選しました。 巻末には著者に創作の裏話を語ってもらったインタビューも掲載した、読み応えたっぷりの一冊です。 【収録作品】 倉の中(『御宿かわせみ』所収) 風鈴が切れた(『水郷から来た女』所収) 藤屋の火事(『白萩屋敷の月』所収) 矢大臣殺し(『雨月』所収) 残月(『かくれんぼ』所収) 三日月紋の印籠(『佐助の牡丹』所収) 築地居留地の事件(『新・御宿かわせみ』所収) -
カインは言わなかった
公演直前に姿を消したダンサー。 美しき画家の弟。 代役として主役「カイン」に選ばれたルームメイト。 嫉妬、野心、罠──誰も予想できない衝撃の結末。 芦沢央が放つ、脳天を直撃する傑作長編ミステリー! 男の名はカイン。 旧約聖書において、弟のアベルを殺害し、「人類最初の殺人者」として描かれる男──。 「世界の誉田(ホンダ)」と崇められるカリスマ芸術監督が率いるダンスカンパニー。 その新作公演「カイン」の初日直前に、主役の藤谷誠が突然失踪した。 すべてを舞台に捧げ、壮絶な指導に耐えてきた男にいったい何が起こったのか? 誠には、美しい容姿を持つ画家の弟・豪がいた。 そして、誠のルームメイト、和馬は代役として主役カインに抜擢されるが……。 芸術の神に魅入られた人間と、 なぶられ続けた魂の叫び。 答えのない世界でもがく孤独な魂は、いつしか狂気を呼び込み、破裂する。 “沈黙”が守ってきたものの正体に切り込む、罪と罰の慟哭ミステリー。 『汚れた手をそこで拭かない』が直木賞候補、 『火のないところに煙は』が本屋大賞と山本周五郎賞候補。 『許されようとは思いません』続々重版中、 芦沢央が渾身の力を込めて書き上げた超傑作がついに文庫化! 「この小説そのものが、底の知れない沼のようだ。 読み始めたら、逃げられずに沈んでいく恐怖を快楽にかえて、 読み耽るしかない」──角田光代(解説より) ※この電子書籍は2019年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
家族
「家族って、なんだと思います?」 「現実の世界では、すんなり完全犯罪を 達成できてしまうこともあるんだって学んだんです」 2011年11月3日、裸の女性が交番に駆け込み、「事件」が発覚した。奥平美乃(おくだいら・みの)と名乗るその女性は、半年と少し前、「妹夫婦がおかしな女にお金をとられている」と交番に相談に来ていたが、「民事不介入」を理由に事件化を断られていた。 奥平美乃の保護を契機として、表に出た「死」「死」「死」…… 彼女を監禁していた「おかしな女」こと夜戸瑠璃子(やべ・るりこ)は、自らのまわりに疑似家族を作り出し、その中で「躾け」と称して監禁、暴行を主導。何十年も警察に尻尾をつかまれることなく、結果的に十三人もの変死に関わっていた。 出会ってはならない女と出会い、運命の糸に絡めとられて命を落としていく人々。 瑠璃子にとって「家族」とはなんだったのか。そして、「愛」とは。 「民事不介入」に潜む欠陥を日本中に突きつけた「尼崎連続変死事件」をモチーフとした、戦慄のクライムエンターテイメント! -
片桐大三郎とXYZの悲劇
この一冊で、エラリー・クイーンの“X・Y・Zの悲劇”に挑戦! 推理とユーモアがせめぎ合う、倉知ミステリーの真骨頂がここに。 歌舞伎俳優の家に生まれたものの若くして映画俳優に転身、世界的な人気を博す名監督の映画や時代劇テレビシリーズなどに主演し、日本に知らぬものはないほどの大スターとなった片桐大三郎。 しかし古希を過ぎたころ、突然その聴力を失ってしまった――。 役者業は引退したものの、体力、気力ともに未だ充実している大三郎は、その特殊な才能と抜群の知名度を活かし、探偵趣味に邁進する。 あとに続くのは彼の「耳」を務める新卒芸能プロ社員・野々瀬乃枝(通称、のの子)。 スターオーラをまき散らしながら捜査する大三郎を必死でサポートするのの子。 異色コンビが挑む事件の真相は? クイーンの「ドルリー・レーン四部作」を向こうに回した、本格ミステリー中篇四作をこの一冊で。 〔収録作品〕 冬の章 ぎゅうぎゅう詰めの殺意 春の章 極めて陽気で呑気な凶器 夏の章 途切れ途切れの誘拐 秋の章 片桐大三郎最後の季節 -
神様のたまご 下北沢センナリ劇場の事件簿
劇場支配人兼名探偵・ウィリアム近松太郎、登場! サブカルチャーの聖地・下北沢で起こる怪事件に、 東西の2大劇作家の名を持つ謎のイケメンが挑む! 進学のため上京した竹本光汰朗は、亡き祖父が作り、今は祖母が経営する 下北沢センナリ劇場でアルバイトとして働き始める。 演劇人やミュージシャンたちが夢を追いかける街で起こる 「甦る死者」や「人間消失」など様々か怪事件を、 劇場支配人・ウィリアム近松太郎とワトソン役の光汰朗が快刀乱麻解決! ACT1 神様のたまご シャーロック・ホームズや金田一耕助が出るパロディ芝居の初日に、 小道具の宝石が盗まれた!? コナン・ドイル「青いガーネット」のパスティーシュ。 ACT2 死と乙女 芝居小屋を狙った連続空き巣事件が発生。 一人で留守番していた光汰朗の前に謎の黒い人影が! ACT3 シルヤキミ 島崎藤村の詩「知るや君」に曲をつけたロックナンバーを歌う 女性ボーカルの正体は? ACT4 マクロプスの旅 下北沢の街が靄に包まれる”シモキタの白い夜”に、 死んだはずの暗黒舞踏のカリスマが出現!? ACT5 藤十郎の鯉 劇団藤十郎一座が上演した歌舞伎の演目「鯉つかみ」の舞台から 役者が消えそのまま失踪した。 横溝正史「幽霊座」のパスティーシュ。 -
神の遺伝子【文春e-Books】
脳科学から古代史まで、あらゆる知識を駆使して“神の遺伝子”の謎に迫る! 日米を股にかけて活躍したスーパー医学者からの最後のメッセージ。 ウィーン医科大学に留学中の医学者・高山菜月は、ある日、中東系の男性から声を掛けられた。「特殊な遺伝子をお持ちの方をさがしています。」 同じ頃、菜月はウィーンで起きた米国人記者殺しの捜査で、日系人のFBI捜査官の訪問を受ける。 記者が残した6つの意味不明の文字が〈若い女性の遺伝学者〉を意味する可能性があるというのだ。 〈神の遺伝子〉を持つ者の正体と、記者に始まる連続殺人の真相を求める物語が、いま幕を開く。 著者は東大医学部を卒業後の1976年、アメリカで臨床研究を受けて救急医療の現場で臨床医として活躍、同時にファンクショナルMRIの世界的権威としても知られる。さらに脳科学者として、脳の中の水分子から〈脳とこころ〉の秘密を解き明かす 「脳の渦理論」を提唱するなど、まさに三刀流の活躍で世界の医学会に貢献した。 惜しくも2018年7月に亡くなったが、この作品は三刀流のスーパー医学者が我々に残した“最後のメッセージ”である。 【本書は電子書籍オリジナル小説です。】 -
枯葉色グッドバイ【新カバー版】
※このコンテンツは、2008年11月に配信を開始した電子書籍の表紙を新たにし、文庫版解説と追記を加えたものです。本文内容に変更はありません。 名探偵は、せつないホームレス マンションで親子三人が惨殺された。一人残された美少女が心を開いたのは、デカ上がりのホームレス探偵! 傑作書き下し長篇 現住所=代々木公園の西門そば。仕事=リヤカーでの廃品回収。主食=焼酎。煙草=原則として路上で調達。ホームレスで元刑事の椎葉明郎は、かつて指導した女性刑事・吹石夕子に雇われる。日当は二千円。依頼は、事件の真相解明。両親と次女の一家三人が殺された事件だ。物証からは犯人像が浮かばず、怨恨でもなさそうだ。では犯人の狙いは何か。その夜、外泊していた長女は事件に関係があるのか? モテない女性刑事とホームレス探偵の捜査の行方は……。 解説 池上冬樹 単行本 2003年10月 文藝春秋刊 文庫版 2006年10月 文春文庫刊 -
合本 アナザーフェイス【文春e-Books】
イクメン警察官・大友鉄。堂場作品の中でも最も刑事らしくない刑事が活躍する大人気シリーズがついに完結! 大友鉄は警視庁捜査一課に所属する刑事だったが、妻に先立たれ、男手一つで息子の優斗を育てると宣言し、育児との両立のために刑事総務課に異動した。 昼休みにはスーパーのチラシを吟味し、夕食の献立を考える日々だが、刑事時代の大友の能力を買う上司によって、時に事件捜査の助っ人に引っ張り出される。 学生時代には劇団で役者をやっていた経験から演技力を生かした内偵捜査や、得意の訊問で捜査に貢献し、優斗がひとり立ちした暁には捜査一課への復帰も考えている――。 第一作『アナザーフェイス』では小学校二年生だった優斗が、最終巻『闇の叫び』では高校進学とともにある決意をし、大友の人生も新たな岐路に直面する。 シリーズ累計140万部を突破した大人気シリーズを、お求めやすい合本で一気読み! 【収録作品】 『アナザーフェイス』 『敗者の嘘 アナザーフェイス2』 『第四の壁 アナザーフェイス3』 『消失者 アナザーフェイス4』 『凍る炎 アナザーフェイス5』 『親子の肖像 アナザーフェイス0』 『高速の罠 アナザーフェイス6』 『愚者の連鎖 アナザーフェイス7』 『潜る女 アナザーフェイス8』 『闇の叫び アナザーフェイス9』 -
キッドナッパーズ
オール讀物推理小説新人賞を受賞した幻のデビュー作「キッドナッパーズ」と書籍未収録作品で編んだオリジナル短篇集! 「大声をだすな」 宅配便を装って侵入してきた男は、健次郎の腹にナイフを突きつけてきた。 平凡な日常に突如押し入ってきた犯罪者は声が甲高く、背が低く、野球帽をかぶった……小学生と見まがわんばかりの中学生!? 少年は「これは誘拐だ」と断じた。だが被害者は健次郎ではなく犯人であるはずの少年自身だという。 摩訶不思議な誘拐事件は二転三転し、ラストで意外な結末が待っていた! オール讀物推理小説新人賞受賞の表題作ほかを6篇収録。 解説・宇田川拓也 【オール讀物推理小説新人賞「選評」から】 「これこそ逆転に次ぐ逆転の連続で、着地がどうなるのかまったく予想できなかった。」(高橋克彦委員) 「何とか読者を面白がらせ、驚かせようとする創意工夫が、今回の作品に結実した」(宮部みゆき委員) 【収録作品】 キッドナッパーズ 目刺し 架空の風景 十字架ジュース ごとんがたん べつばら おなじ本でも -
キッドナッパーズ【文春e-Books】
直木賞作家・門井慶喜のデビュー作「キッドナッパーズが電子版で登場! オール讀物推理小説新人賞を受賞した、逆転また逆転の誘拐ミステリー。 「大声をだすな」 宅配便を装って侵入してきた男は、健次郎の腹にナイフを突きつけてきた。 平凡な日常に突如押し入ってきた犯罪者は声が甲高く、背が低く、野球帽をかぶった……小学生と見まがわんばかりの中学生!? 少年は「これは誘拐だ」と断じた。だが被害者は健次郎ではなく犯人であるはずの少年自身だという。 摩訶不思議な誘拐事件は二転三転し、ラストで意外な結末が待っていた! 宮沢賢治の父・政次郎を描いた『銀河鉄道の父』で直木賞を受賞した門井慶喜さんのデビュー作。 2003年のオール讀物推理小説新人賞受賞作です。 [オール讀物推理小説新人賞「選評」から] 「これこそ逆転に次ぐ逆転の連続で、着地がどうなるのかまったく予想できなかった。」(高橋克彦委員) 「何とか読者を面白がらせ、驚かせようとする創意工夫が、今回の作品に結実した」(宮部みゆき委員) -
希望が死んだ夜に
「教えてください。彼女を殺したのは誰ですか?」 本屋大賞2019発掘本で話題になった社会派ミステリー! 神奈川県川崎市で、14歳の女子中学生・冬野ネガが、同級生の春日井のぞみを殺害した容疑で逮捕された。 少女は犯行を認めたものの、動機は一切語らない。 県警捜査一課の真壁は“半落ち”のままの容疑者に納得がいかず、所轄の生活安全課の女性刑事・中田蛍とともに捜査を続けると、やがて意外な事実が浮かび上がってきた。 ネガは母親の映子と川崎市登戸のボロアパートに暮らしている。 母はあまり働かなくなり、生活保護も断られた。 まわりに頼れる大人や友人がいないネガだったが、あるとき運命的な出会いがあって……。 単行本刊行時からSNSでじわじわと噂が広まり、本屋大賞2019発掘本でも話題となった隠れた傑作が待望の文庫化。 現代社会の暗部を描いた話題作! 「面白い作家が、凄い作家になる瞬間がある。本書を読んだとき、天祢涼は凄い作家になったと、感嘆した」(細谷正充) 「彼女を死に至らしめたのは社会ではないか? 社会派×青春×ミステリーの見事な融合。本書に出会えてよかった」(ベル 文学YouTuber) 解説・細谷正充 ※この電子書籍は2017年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
京都感傷旅行 十津川警部シリーズ
安倍晴明、小野篁の伝説が蘇る。京都歴史ミステリー。 還暦を迎えた沢田秀一は、大学時代の「鉄道友の会」の仲間と、 かつて交際した西野京子が営む京都の料亭旅館で再会した。 だが、仲間の男は「私は、欺されたのか?」とメモを遺し不審死を遂げ、 さらに京子の生家は陰陽師だと詮索した女も遺体で見つかった。 10年前、 東京で起きた事件との関連に気付いた十津川警部は京都へ向かう。 陰陽師は、人を、殺せるのか。 千年続く呪法と古都の闇に、十津川警部が挑む。 ※この電子書籍は2018年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
恐怖症店
あなたが、この世でもっとも恐れるものは――ホラー作家・梨 最新小説「恐怖症店」 ウェブ怪談が生んだ 現代ホラーの申し子 《梨》が 〈あなた〉に捧げる (悪)夢のような 物語「恐怖症店」。 さあ、ご一緒に。この先の〈あなた〉へ。 「ああ、欲しい。 それさえあれば、もっと不自由に 生きていけるのに!」 ◎あらすじ ある港街で、女が小さな露店を開いている。 女は、その集落に於いては珍しい黒色の洋袴を履き、寂れた裏通りの一角を陣取るように敷いた茣蓙の上に坐っていた。夕間暮れに、そこだけが影のように黒い。 道を行き交う人々は誰も、その黒い女に目を向けなかった。まるで、その姿が全く見えていないかのように。 ふいに足を止めたひとりの少女が言う。「あの… あなたは――何、なのですか?」 女が営むのは「恐怖症店」。 あなたに運があればめぐり逢い、与えられるでしょう。あなただけのフォビアを。 *2024年~25年、東京・名古屋で約10万人を集めた「行方不明展」の制作陣「梨×闇×テレビ東京・大森時生」が再びタッグを組んでお届けする展覧会「恐怖心展」。本作はその〈episode 0〉にあたる物語です。 [恐怖心展:2025年7/18~8/31、BEAMギャラリー(渋谷)にて開催。 主催:闇、テレビ東京、ローソンエンタテインメント] *本書は電子オリジナルです。表紙デザイン・梨 「恐怖症店」を収録したアンソロジー『令和最恐ホラーセレクション クラガリ』(背筋、澤村伊智、梨、コウイチ、はやせやすひろ×クダマツヒロシ、栗原ちひろ著)も、別途2025年8月5日に文春文庫より刊行されます。 -
虚擬街頭漂流記
第一回島田荘司推理小説賞受賞作 2020年、台湾政府は大地震の被害で寂れた台北きっての繁華街・西門町をネット上に仮想都市として再建する計画を進めていた。仮想都市=ヴァーチャストリートの制作に携わるエンジニア・顔 露華はシステムのバグを点検するため、上司の大山とともにヴァーチャストリートへ進入し、謎の男の撲殺死体を発見する。 仮想空間でその人間に起った出来事は、特殊なスーツを装着することで現実の人体にも反映される。つまり、現実世界でもその男は殺されたのだ。だが、殺人が起った時間帯にヴァーチャストリートに存在したのは露華と大山のみ。しかも二人には完璧なアリバイが? SF的設定の中に構築された高度なトリックと、結末に思わず涙する感動のストーリー。アジアから逆輸入された21世紀本格ミステリーの傑作登場。 -
キングレオ
京都を舞台にスター探偵が駆ける! ロジックとキャラクターの魅力を兼ね備えた新たな名探偵小説の誕生だ。 京都の街で相次いで起きた殺人事件。 なぜかすべて、シャーロック・ホームズ譚を模していた。 解決に乗り出したのは、日本探偵公社の若きスター・天親獅子丸と、助手の大河。 大河は獅子丸をモデルにした『キングレオ』シリーズのスクリプトライターでもあった。 無関係に思われた事件を追っていくと、謎の天才犯罪者の存在が浮かびあがってくる。 エスカレートする犯人の挑発。 獅子丸はついに、師である老獪な名探偵と対決することに! 有栖川有栖さんも「なるほど、これは名探偵だ。その推理は、速い、鋭い、面白い」と推薦。 京大ミステリ研出身の俊英がすべてのミステリファンに贈る自信作! 解説・円堂都司昭