国内小説 - 講談社文庫作品一覧

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  • 不倫は家庭の常備薬 新装版
    3.8
    不倫は人生の香水である。時々人生にふりかけて楽しむが、ぷんぷんと匂ってはいけない……そんな不倫哲学を持つ30代のOL、一度も浮気したことのない真面目夫、40歳で初めて不倫を成就させるかもしれない人妻、家庭円満のために浮気するという夫――7人の「視点」から不倫が語られる短編集。
  • あなたは、誰かの大切な人
    4.1
    メキシコを代表する建築家の邸までやってきたのは、かつてのビジネスパートナーの「目」になるためだった──建築事務所を営むキャリア女性の生き方を描いた『皿の上の孤独』を含む、六つの小さな幸せのストーリー。
  • 河馬に噛まれる
    4.0
    ウガンダで河馬に噛まれたことから、「河馬の勇士」と呼ばれる元革命党派の若者。彼と作家である「僕」との交流をたどることで、暴力にみちた時代を描く。若者に希望はあるのか。浅間山荘銃撃戦とリンチ殺人という、戦後日本の精神史に深い傷を残した悲痛で惨たらしい事件を、文学の仕事として受けとめた連作集。
  • 大友の皇子東下り
    3.3
    大友の皇子は、生きていた! 戦乱の近江京を逃れ、勇猛な影武者たちを従えて東へ向かっていた――古代日本を震撼させた壬申の乱で、大海人の皇子と皇位を争い敗れ自殺したとされる、悲劇の皇子の最期に潜む数々の謎……。古代史通作家が「日本書紀」の記述の矛盾を衝き、大胆な推理と構想で描く、会心の歴史ロマン。大友の皇子には5人の影武者がいた?
  • お天気おじさんへの道
    -
    R45世代へ贈る、中年受験ライフのススメ――エーロゾル、はなこさん、コリオリ力(りょく)……この気象用語の意味がわかりますか? 天気予報好きが高じて、人気コラムニストが「合格率4.1%」の国家試験に挑んだ! 2年近くにおよぶ「五十の手習い」な日々を克明に描きつつ、受験のコツや天気の知識も身に付く、お役立ちエッセイ。気象予報士・泉麻人、誕生?
  • 巨泉 人生の選択
    3.0
    会社を捨てられますか? 国を捨てられますか? ――人生80年、後半生をどう生きるか? 会社や仕事にしばられず、好きに生きてこそ人生。健康、パートナー、趣味、財政計画の優先順位を守る、快適生活を実現させた、巨泉流生き方のススメ。国や会社、家族のために働いてきた同胞へ、「本当の幸せ」を見つめ直す手がかりに贈りたい名著!
  • スクロール
    値引きあり
    3.0
    YOASOBIの大ヒット曲「ハルジオン」の原作者としても知られる 橋爪駿輝の本作は、北村匠海と中川大志のW主演映画の原作です。 (2023年2月4日全国公開予定) [SCROLL] スクロール 出演:北村匠海 中川大志 松岡茉優 古川琴音 監督・脚本・編集:清水康彦 脚本:金沢知樹 木乃江祐希 原作:橋爪駿輝「スクロール」(講談社文庫) 音楽:香田悠真 撮影:川上智之 照明:穂苅慶人 録音・音響効果:桐山裕行 美術:松本千広 製作:「スクロール」製作委員会 制作プロダクション:イースト・ファクトリー 配給:ショウゲート SCROLL-MOVIE.COM 「僕」の前に突如現れた女子高生ハル。僕の隣に住む元彼の「音」だけでも聞きたいと 僕の部屋に上がってきた「童貞王子」。希望部署にいけずに燻っていたユウスケは バーで出会った菜穂と付き合うが、ある事件取材をきっかけにふたりの関係は変わっていく 「スクロール」。など、全5編収録した鈍色の青春を駆ける物語。
  • 花曝れ首
    4.8
    地獄が恐うおすのんか? 修羅がそんなに恐ろしおすか? 好いた男と見る修羅や。おちる地獄や。おちとみやす――夏の北嵯峨、陽ざらしの化野に立ちあらわれた妖かしの影、秋童・春之助二人の色子が物語る、はかない栄耀のはての無惨な性……。表題作のほか「恋怨に候て」「影の風神」など4篇、魔に憑かれた魂の官能美の極致、妖かしの陶酔境を描ききった伝奇ロマン。身性の毒が、人を花に変える!(作品集「熱帯雨林の客」改題)
  • 秘剣揚羽蝶 源氏九郎颯爽記
    -
    白装孤影の剣士・源氏九郎の秘剣揚羽蝶は、凄絶な死闘の中にも、華麗に舞う……。消えた公儀御用の純金の行方を追い、佐渡金山の大陰謀をあばく「花の幻」、上野寛永寺の御府庫金をめぐる「秘剣の宴」、琉球王女の哀愁を托す「夢の舞曲」、千年黄楊の櫛の謎を究明する「血汐櫛」の4篇を収録する、伝奇時代小説。
  • 酔いがさめたら、うちに帰ろう。
    4.2
    生きてて良かった! そう思える、幸せ……。アルコール依存症で離婚、10回の吐血、再飲酒(スリップ)、そして、ついにアルコール病棟に入院することになった、元戦場カメラマンの「僕」。そこで出会った個性的な面々との生活が、僕を変えた。うちに帰りたい――。依存症を克服し、愛する元妻、子供たちとの時間を取り戻したが、そこには悲しい現実が……。笑って泣ける私小説。浅野忠信・主演で映画にもなった名作――「不器用でも抱きしめようとする生き方に、心、動かされました」(浅野忠信)
  • スペードの3
    3.7
    ミュージカル女優、つかさのファンクラブを束ねる美知代。小学校の同級生の出現によって美知代の立場は危うくなっていく。美知代を脅かす彼女には、ある目的があった。つかさにあこがれを抱く、地味で冴えないむつ美。かつて人気を誇っていたが、最近ではオファーが減る一方のつかさ。それぞれに不満を抱えた三人の人生が交差し、動き出す。私の人生は私だけのもの。直木賞作家朝井リョウが、初めて社会人を主人公に描く野心作!
  • 盤上に散る
    3.6
    唯一の家族だった母を亡くした明日香は、遺品の中から一通の出されなかった手紙を見つける。宛名は「林鋭生様」。それが将棋の真剣師の名だと知り、明日香は林を捜すことに。ある対局の後、忽然と姿を消したという男と、母との関係は。昭和を生きた男女の切なさと強さを描いた傑作長編。
  • かわいい結婚
    3.6
    「かわいい結婚」…「結婚ってなんなんだ?」という疑問から生まれた作品。結婚して仕事をやめ、専業主婦になった29歳のひかり。しかし、家事能力はゼロ。当然、部屋は散らかり放題。もちろん食事も作れない。夫とは仲良しだけど、こんなに家事が延々と続くなんて……。 騙された!わたし騙された!騙されてた! 結婚生活のリアルをコミカル&ブラックに描く。ほか「悪夢じゃなかった?」「お嬢さんたち気をつけて」二篇収録。
  • 夏の吐息
    値引きあり
    3.6
    永遠に待ち続けると思うのです。世界のどこに行っても、地の果てにいても、私はあなたを待っている。――6年前、突如行方が分からなくなった恋人を待つ女性のモノローグからなる表題作他、濃厚な死の影の間近で紡がれる詩情。著者自ら「この六編を超える作品はもう書けないかもしれない」と語る傑作短編集。
  • さくら、さくら おとなが恋して<新装版>
    3.0
    結婚しない人は恋をすればいい。水曜日の食事だけを男に与えられ、自分の恋に思いを馳せる女。冴えない男だったのに、いつの間にか心惹かれていることに気づく女。不倫と割り切る寂しさ、恋を恋する喜び。男と女の綾なす恋模様を、円熟味あふれる筆致で描く、大人のための12編の小説集。
  • アンマーとぼくら
    3.9
    いつの世までも あなたを思う 母と子、そして家族を描く感動の物語、待望の文庫化! 母の予定に付き合う約束で沖縄に里帰りしたリョウ。実の母は子供の頃に亡くなり、再婚してリョウを連れ沖縄に移り住んだ父ももういない。休暇は三日。家族の思い出の場所をめぐるうち、リョウは不思議な感覚にとらわれる。この三日が、恐らくタイムリミット。三日目が終わったら……終わったら、どうなる? 「過去は変えられない。分かるよね?」 「言いたかったことは、今の君が言えばいい」 「頑張れ。君はもう大人なんだから」 一体、ぼくに何が起こっている?
  • 人事権!
    3.5
    人事の決定権を握る会長の逆鱗に触れたとき、当人はもとより社内に、一瞬にして緊張が高まった。「きみの後を誰にするかは、わたしが考えることだよ!」――なぜかくも人事権は魔力をもつのか。人事異動、左遷、後継者選びなど、運命はたえず左右される。生殺与奪の宝刀をめぐる大企業の修羅場をリアルに描く。
  • 愛されなくても別に
    値引きあり
    4.3
    第42回吉川英治文学新人賞受賞作! 祝デビュー10周年! 時間も金も、家族も友人も贅沢品だ。 息詰まる「現代」に風穴を開ける、「響け! ユーフォニアム」シリーズ著者の代表作! 遊ぶ時間? そんなのない。遊ぶ金? そんなの、もっとない。学費のため、家に月8万を入れるため、日夜バイトに明け暮れる大学生・宮田陽彩。浪費家の母を抱え、友達もおらず、ただひたすら精神をすり減らす――そんな宮田の日常は、傍若無人な同級生・江永雅と出会ったことで一変する!
  • 新装版 風の遺産
    4.0
    偶然がもたらした伊村と蓉子との邂逅。乾徳山、鷹取山、丹沢……。二人は共通の趣味、登山を通して深く関わりあっていった。蓉子は夫から疑惑の目を向けられつつも伊村と冬の谷川岳に挑む。猛吹雪で七日間閉じ込められた彼らを待ち受ける残酷な現実とは? 精緻な心理描写が光る異色山岳小説。
  • イトウの恋
    値引きあり
    3.8
    維新後間もない日本の奥地を旅する英国女性を通訳として導いた青年イトウは、諍いを繰り返しながらも親子ほど年上の彼女に惹かれていく――。イトウの手記を発見し、文学的背景もかけ離れた二人の恋の行末を見届けたい新米教師の久保耕平と、イトウの孫の娘にあたる劇画原作者の田中シゲルの思いは……。
  • 猫のエルは
    4.1
    数多くの猫たちと共に暮らし、作家の眼と深い愛情とで彼らを見つめ続けてきた町田康さんだからこそ書けた、五つの猫の物語。作中の愛すべきユニークな猫たちをヒグチユウコさんがイラストに描き起こした、猫を愛するすべての人に贈る珠玉の作品集。猫の眼で、世界はこんなふうに見えています。〈収録作品〉諧和会議/猫とねずみのともぐらし/ココア/猫のエルは/とりあえずこのままいこう(全5編) 数多くの猫たちと共に暮らし、作家の眼と深い愛情とで彼らを見つめ続けてきた町田康さんだからこそ書けた、五つの猫の物語。 作中の愛すべきユニークな猫たちをヒグチユウコさんがイラストに描き起こした、猫を愛するすべての人に贈る珠玉の作品集。 猫の眼で、世界はこんなふうに見えています。 〈収録作品〉 諧和会議 猫とねずみのともぐらし ココア 猫のエルは とりあえずこのままいこう (全5編)
  • V.T.R.
    3.4
    辻村深月の長編ミステリーから物語が飛び出した。「スロウハイツ」の住人を受け止め、支えたあの作家。物語に生きる彼らと同じ視線で、チヨダ・コーキのデビュー作を味わおう。『スロウハイツの神様』の世界へようこそ。「ねえ、ティー。一人ぼっちにならないで。アタシはあなたを愛してる」。解説・赤羽環。(講談社文庫)
  • アイスクリン強し
    3.5
    西洋菓子は開化の夢――。 明治の築地居留地近く、甘い香り漂う風琴屋(ふうきんや)。今日もまた、お菓子目当ての若様たちが集って嵐が巻き起こる! お江戸が東京へと変わり、ビスキット、アイスクリン、チヨコレイトなど西洋菓子が次々お目見え。築地の居留地で孤児として育った皆川真次郎は、念願の西洋菓子屋・風琴屋を開いた。今日もまた、甘いお菓子目当てに元幕臣の警官たち「若様組」がやってきて、あれやこれやの騒動が……。キュートな文明開化(スイーツ)物語。
  • もう生まれたくない
    3.4
    マンモス大学の診療室に勤める春菜、シングルマザーの美里、二人の謎めいた友人の神子。震災の年の夏、「偶然の訃報」でつながった彼女たちの運命が動き始める――。 新聞に載る死。テレビで騒がれる死。どこかでひっそり終わった死。有名人の死。身近な人の死。名も知らぬ遠い国の誰かの死。 そのどれもが身近で、私たちの人生と隣り合わせにある。死を描くことで今を生きることの意味を見出す、著者新境地。
  • サリエルの命題
    4.0
    1巻1,089円 (税込)
    少子化は正しい。問題は長寿だ。 突然発生した新型インフルエンザで、離島の住民が瞬く間に全員死亡。 そしてとうとう本州にも感染者が。頼みの治療薬の備蓄が尽きる時……。 助かる命に限りがあるなら、将来ある者を優先せよ。 迫真のポリティカル・サスペンス! <内容紹介> 悪魔のウイルスの名は「サリエル」。医療に通じ、癒す者とされる一方で、一瞥で相手を死に至らしめる強大な魔力、『邪視』の力を持つ堕天使――。 日本海に浮かぶ孤島で強毒性の新型インフルエンザが発生し、瞬く間に島民全員が死亡した。それはアメリカの極秘の研究データが流出して人工的に作られたという疑いが。テロの可能性が囁かれるうちに、本州でさらに変異したウイルスの罹患者が現れる。ワクチンもなく、副作用が懸念される治療薬が政府の判断で緊急製造されるが、感染が拡大しても全国民にはとうてい行き渡らない。刻々と事態が変化していくなか、果たしてパンデミックは回避できるのか?
  • 竜が最後に帰る場所
    3.9
    しんと静まった真夜中を旅する怪しい集団。降りしきる雪の中、その集団に加わったぼくは、過去と現在を取り換えることになった――(「夜行(やぎょう)の冬」)。古く湿った漁村から大都市の片隅、古代の南の島へと予想外の展開を繰り広げながら飛翔する五つの物語。日常と幻想の境界を往還し続ける鬼才による最重要短編集。 (講談社文庫)
  • アフターダーク
    3.8
    「エリは今、眠っているのよ」とマリは打ち明けるように言う。「とても深く」「みんなもう眠ってるよ、今の時間は」「そうじゃなくて」とマリは言う。「あの人は目を覚まそうとしないの」真夜中から空が白むまでのあいだ、どこかでひっそりと深淵が口を開ける。4人の男女はそれぞれの場所で、夜の闇のいちばん深い部分をくぐり抜ける。村上春樹の転換点を示す長編小説。
  • 貝に続く場所にて
    3.0
    芥川賞受賞の鮮烈デビュー作、待望の文庫化。 あの日行方不明となった彼が、ドイツの私の元を現れる。 忘却に抗う言語芸術の傑作にして、鮮烈なるデビュー小説。 第165回芥川賞受賞作 第64回群像新人文学賞受賞作 ドイツの学術都市ゲッティンゲンに暮らす私の元に、東日本大震災で行方不明になった彼が現れる。 陽に透けないほどの存在感を持つその訪問者に私は安堵するが、死者との邂逅はその街と人の様相を重層的な記憶を掘り起こすように変容させてゆく。 群像新人文学賞と芥川賞をダブル受賞した著者のデビュー作。 解説=松永美穂(ドイツ文学者、翻訳家)
  • コロボックル物語1 だれも知らない小さな国
    4.4
    1~6巻572~726円 (税込)
    私たちが、すっと読み継いでいきたい物語。250万人が愛した、日本の小人(コロボックル)の物語、復刊! ――びっくりするほど綺麗なつばきが咲き、美しい泉が湧き出る「ぼくの小山」。ここは、コロボックルと呼ばれる小人の伝説がある山だった。ある日、小川を流れる靴の中で、小指ほどしかない小さな人たちが、ぼくに向かって手を振った。うわあ、この山を守らなきゃ! 日本初・本格的ファンタジーの傑作。<全6巻> ◎「久しぶりで本書を読んで感じたのは、これはなんと、純度の高いラヴストーリーそのものではないか、という驚きだった。」<梨木香歩「解説」より> ◎「初版が出て五十一年、いつのまにか本は半世紀を越えて生き、作者の私は八十歳を過ぎてしまった。いくつになろうと、私が作者であるのはまちがいないのだが、このごろはなんとなく自分も、読者の1人になっているような気がする。そして読者としての私も、この再文庫化を大いに喜んでいる。」<佐藤さとる> ◎「これが、僕がコロボックルを描く最後になるかもしれない。」<村上勉>
  • 盤上のアルファ
    3.9
    「おまえは嫌われてる」。神戸新報県警担当記者・秋葉隼介は、たった一言で文化部に左遷され、将棋担当を命じられる。そんな秋葉の家に、突然転がり込んだのは、やけ酒の席で大喧嘩をした同い年の不遜な男・真田信繁だった。背水の陣でプロ棋士を志す男が巻き起こす熱い感動の物語。小説現代長編新人賞受賞作
  • ブラフマンの埋葬
    3.7
    ある出版社の社長の遺言によって、あらゆる種類の創作活動に励む芸術家に仕事場を提供している〈創作者の家〉。その家の世話をする僕の元にブラフマンはやってきた――。サンスクリット語で「謎」を意味する名前を与えられた、愛すべき生き物と触れ合い、見守りつづけたひと夏の物語。(講談社文庫)
  • いいわけ劇場
    3.5
    言い訳しながら様々な方法で心のスキ間をうめようとする世間の人たち……。もう「コレ」なしじゃ、生きていけない! ――いいわけしながらやめられない、「だって、コレがないと生きていけないんだもん」。生きていれば、誰にでもあるよね、つらいこと、悲しいこと。だから、わかるよ、その気持ち。何かに依存するあまり、どこか本末転倒なおかしな人たちが次々登場。著者ならではの筆が冴えわたる、哀しくもおもしろい短編小説集。
  • ハツカネズミと人間
    4.5
    いつか自分たちの土地を持ち、 ニワトリやウサギを飼い、 土地からとれる極上のものを食べて暮らす──。 しっかり者のジョージと怪力のレニーは小さな夢をもっていた。 自然豊かな一九三〇年代のカリフォルニア。 貧しい出稼ぎ労働者の、苛酷な日常と無垢な心の絆を描く、 哀しくも愛おしい名作が新訳で登場!
  • やがて哀しき外国語
    3.8
    F・スコット・フィッツジェラルドの母校プリンストン大学に招かれ、アメリカでの暮らしが始まった。独自の大学村スノビズム、スティーブン・キング的アメリカ郊外事情、本場でジャズについて思うこと、フェミニズムをめぐる考察、海外で深く悩まされる床屋問題――。『国境の南、太陽の西』と『ねじまき鳥クロニクル』を執筆した二年あまりをつづった、十六通のプリンストン便り。
  • マンガ 老荘の思想
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 マンガで読む「おもしろくてわかりやすい」中国の思想シリーズ第二弾! 乱世の春秋戦国時代に、超然として心穏やかに自由に生きることを説いた荘子と老子の思想が、現代人の閉塞した心に突き刺さる! ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 異常者
    3.0
    異常者に拉致された検事の妻の変心は何故か? 男の血は熱く、哀しい――東京地検検事の妻が、白昼、異常者によって拉致され、陵辱の限りを尽される。遅々として進まぬ捜査に、業を煮やした検事は、一匹狼の調査屋・千年道士に助けを求めた。事件の想像を絶する成り行きが、千年の魂を震撼させた。千年は、深夜の阿蘇山麓へ、香港の暗黒街へと、苛烈な調査行を続けていったが……。
  • 営業零課接待班
    3.8
    苦手な営業に異動となり、ついにリストラ勧告まで受けたマジオこと真島等(まじまひとし)は、接待専門の「営業零課」で再起を図ることに。落ちこぼれ社会人のマジオと仲間たちは修羅場を乗り越え、年間売上50億という無謀な目標を達成できるのか!? 涙も笑いも挫折も成功も、「働くこと」のすべてが詰まった感動の営業小説。(講談社文庫)
  • 改訂完全版 佐伯チズ式「完全美肌バイブル」 123の肌悩みにズバリ回答!
    -
    高い化粧水をケチケチ使うより、安い化粧水をたっぷりのほうが効果的? ストレスでシミが増えるって本当? 目尻のシワをのばすアイクリームの塗り方は? ……あらゆる疑問に佐伯チズがお答えします! ――「いくつになっても肌はキレイになれます」と断言する、佐伯チズ式の美肌術を徹底解剖。乾燥、シミ、シワ、たるみ……あらゆる肌の悩みを解消し、美肌へと導くテクニックをご紹介します。基本のルールだけではなく、最新の化粧品をお試ししたコスメチャートなど、いますぐ役立つ、美肌のコツが必ず見つかる完全版のスキンケア読本。美肌への近道、シミもシワも乾燥も知らない肌に……肌悩みもコスメ選びも、この1冊があれば大丈夫!
  • 勝つ極意 生きる極意
    -
    絶対不敗の勇者はいかにしてつくられたか? 趣味尽きない歴史人物エッセイ。人生ここ一番の勝負で勝った男たち――絶対不敗の人間は、いかにしてつくられたか……。宮本武蔵、大石内蔵助、徳川吉宗、山岡鉄舟など、史上稀なる剣客、名将、大器量人の、厳しい自己鍛練。剣の奥義が処世の指針となる道理と、「勇」に尽きる必勝法。剣の実践者の著者にして初めて可能な、合理的で躍動感にみちた語り口の、興趣つきない歴史エッセイ集。
  • 純情可憐殺人事件
    5.0
    私情がからめば、ルール違反も平気。迷警部・大貫と井上刑事の珍コンビ、お騒がせ大捜査! ――歯科医が殺された。亭主殺しの犯人は必らず妻、を捜査の信条とする大貫迷警部は、井上刑事を連れ、歯科医夫人の逮捕に向かう。ところが、その夫人は、大貫の初恋の人! 当然、大貫は「この人だけは例外!」と叫んで、別の犯人さがしへ……。はたして、真犯人はみつかるのか? ユニークな刑事コンビが、おさわがせの珍捜査を展開する、傑作シリーズの第5弾。
  • 大君の通貨 幕末「円ドル」戦争
    3.0
    幕末、早くも訪れる日米経済戦争の嵐。新田次郎文学賞受賞の力作、歴史経済長編小説。幕府瓦解の真因! ――幕末、泰平の夢やぶる黒船来航と同時に持ちあがった、知られざる日米経済戦争。初めて体験する為替レートの複雑さに苦慮する、幕府の官吏。だが、その複雑さは真実、複雑だったのか? その裏に、力でゴリ押しする列強の圧力は、また謀略は、なかったか? 幕府瓦解の真因に迫り、その真相をさぐる。新田次郎賞を受賞した話題の歴史経済長編。直木賞作家の名作。
  • ぼくらの世界
    4.0
    栄光のホームズ賞授賞式会場で起きた殺人事件。薫クンの推理は? ――ぼく、栗本薫。ぼくが書いた「ぼくらの時代」という推理小説が、かの有名なシャーロック・ホームズ賞をもらうことになったんだ。ところが、こともあろうにその授賞式の会場で、薫クンの担当編集者が殺された。トイレのドアに残されたのは「XY」の文字……。ユ-モア感覚にあふれた、待望の長編青春ミステリー。〈「ぼくらの時代」PART3〉
  • 産む、産まない、産めない
    4.0
    不妊治療を始めるか、続けるか、やめるか、突然の妊娠、仕事と出産、育児をどうするか、流産をどう受けとめればいいのか、独身で産むか、病気で産めなくなることにどう向き合えばいいのか……妊娠と出産をめぐる女性のさまざまな戸惑いや迷いを丁寧にすくいあげる注目作。産む、産まない、産めない―ー「産む性」として揺れ動く女性たちの"心の葛藤"とそれぞれの"人生の選択"を描いた八つの物語。人生のヒントがここにある。
  • ブラックボックス
    3.8
    第166回芥川賞受賞作。 ずっと遠くに行きたかった。 今も行きたいと思っている。 自分の中の怒りの暴発を、なぜ止められないのだろう。 自衛隊を辞め、いまは自転車メッセンジャーの仕事に就いているサクマは、都内を今日もひた走る。 昼間走る街並みやそこかしこにあるであろう倉庫やオフィス、夜の生活の営み、どれもこれもが明け透けに見えているようで見えない。張りぼての向こう側に広がっているかもしれない実相に触れることはできない。(本書より) 気鋭の実力派作家、新境地の傑作。
  • 小説 パーフェクトワールド 君といる奇跡
    4.0
    この世界は不完全。君がいなければ。二十代のつぐみは、偶然初恋の人・樹に再会する。樹は車イスに乗り、もう恋愛はしないと言うが。
  • おかあさん疲れたよ(上)
    3.5
    1~2巻649~691円 (税込)
    第二次世界大戦中にB29の爆撃の中逃げた昭吾と、当時まだ2歳だった美未。夫の昭吾には、売れっ子のラブ・ロマンス作家となった妻の美未には口にしない、戦時中の熱い恋の思い出があった。一緒に爆撃から逃げ、結婚まで望みながらもそれが叶わなかっ たその相手――あぐりへの思いが、戦時中の景色と共に蘇る。
  • 風の歌を聴け
    4.0
    「あらゆるものは通り過ぎる。誰にもそれを捉えることはできない。僕たちはそんな風に生きている」1970年8月、帰省した海辺の街。大学生の〈僕〉は、行きつけのバーで地元の友人〈鼠〉と語り明かし、女の子と知り合い、そして夏の終わりを迎える。過ぎ去りつつある青春の残照を鋭敏にとらえ群像新人賞を受賞した、村上春樹のデビュー作にして「初期三部作」第一作。
  • サウスバウンド
    4.1
    父は国家権力が大嫌い。どうやらその筋では有名な元過激派で、学校なんて行くなと言ったり、担任の先生にからんだり、とにかくムチャクチャだ。そんな父が突然、沖縄・西表島(いりおもてじま)に移住すると言い出し、その先でも大騒動に。父はやっぱり変人なのか? それとも勇者? 家族の絆、仲間の絆をユーモラスに描いた傑作長編。
  • 白いメリーさん
    3.7
    まっ白な帽子に白いスーツ、白いストッキングに白いハイヒール。髪もまっ白という「白いメリーさん」。誰を殺してもいいという年に一度の「日の出通り商店街 いきいきデー」――など、怖すぎて、おもしろすぎる9編を集めた珠玉の短編集。ナニワの奇才・中島らものユニークな世界に思わず引き込まれる一冊!
  • A2Z
    3.8
    文芸編集者・夏美は、年下の郵便局員・成生と恋に落ちた。同業者の夫・一浩は恋人の存在を打ち明ける。恋と結婚、仕事への情熱。あるべき男女関係をぶち壊しているように思われるかもしれないが、今の私たちには、これが形――。AからZまでの二十六文字にこめられた、大人の恋のすべて。読売文学賞受賞作。
  • 美しき一日の終わり
    4.0
    母親を亡くした8歳の秋雨が美妙の家に引き取られたのは、彼女が15歳の時だった。辛くあたる母から秋雨を庇ううちに姉弟という間柄を超えていくようであったが、その思いをずっと胸に秘めたまま、出会いから五十五年となるその日、美妙は娘夫婦と孫娘が起き出す前に、取り壊しが決まった家へと向かう――。
  • 好き好き大好き超愛してる。
    4.1
    愛は祈りだ。僕は祈る。僕の好きな人たちに皆そろって幸せになってほしい。それぞれの願いを叶えてほしい。温かい場所で、あるいは涼しい場所で、とにかく心地よい場所で、それぞれの好きな人たちに囲まれて楽しく暮らしてほしい。最大の幸福が空から皆に降り注ぐといい。「恋愛」と「小説」をめぐる恋愛小説。2009大学読書人大賞受賞。(講談社文庫)
  • ちいさな幸福 All Small Things
    3.7
    恋人と過ごした、どんな時間が1番心に残ってる? デートといってもひとそれぞれ。中学生だった頃の帰り道、地味なパートナーとの淡々としたひととき、年上の女性を追っていったギリシャ旅行……ていねいに紡ぎ出された12の恋模様。読者100人のアンケートによる「最も好きなデート」の実態も収録した短篇集。
  • 犬婿入り
    3.9
    多摩川べりのありふれた町の学習塾は“キタナラ塾”の愛称で子供たちに人気だ。北村みつこ先生が「犬婿入り」の話をしていたら本当に〈犬男〉の太郎さんが押しかけてきて奇妙な2人の生活が始まった。都市の中に隠された民話的世界を新しい視点でとらえた芥川賞受賞の表題作と「ペルソナ」の2編を収録。(講談社文庫)
  • 本のエンドロール
    4.4
    本の奥付に載っている会社名の後ろには、悩みながらも自分の仕事に誇りを持ち、本を造る「人」たちがいる。豊澄印刷の営業・浦本も、日々トラブルに見舞われながら「印刷会社はメーカーだ」という矜持を持ち、本造りに携わる一人。本を愛する人たちの熱い支持を集めた物語が、特別掌編『本は必需品』を加え、待望の文庫化!
  • 旧友再会
    4.0
    どしゃぶりのあとには 虹だって出るさ。 人生は、ままならないことばかり。 優しさとほろ苦さが沁みる「中年共感小説」。 難問だらけの家庭と仕事に、葛藤、奮闘、四苦八苦しているうちに、気がつけば「老い」のとば口に差しかかった男たち。 その戸惑いと寂しさを分かち合えるのが旧友なのか、旧友だからこそ、すれ違ってしまうのか……。 「もう若くはないんだから」が口癖になった人と、なりつつある人にエールを贈る5篇を収録。
  • 今度生まれたら
    3.7
    70代では人生やり直せない? 人間に年齢は関係ない、なんてウソ。 人生100年はキレイごと。 「今度生まれたら、この人とは結婚しない」70歳の主婦、佐川夏江は自分がやり直しのきかない年齢になっていることにショックを受ける。人生を振り返ると、あの時別の道を選んだらどうなっていたかと思うことばかり。進学は、仕事は、結婚は。少しでも人生をやり直すため、夏江はやりたいことを始めようとあがく。 大好評の著者「高齢者小説」シリーズ。 「元気をもらいました」「自分のことのように読みました」「もっと早く読みたかった」 など読者の声多数のベストセラー!
  • 告解
    4.3
    罰を受けても罪は消えない。なら、どう生きていけばいい? 『天使のナイフ』『友罪』『Aではない君と』―― 贖罪と向き合い続けた著者だから描けた入魂の傑作長編小説。 「自分は運が悪かっただけだ……」 女性を撥ねるも、逃げてしまった大学生 「やらなければいけないことがあるんだ」 愛する妻を奪われ、犯人の出所を待つ男 ひき逃げ事件の加害者と被害者遺族。両者の運命が交わる先にあるものは――? 深夜、飲酒運転中に何かを撥ねるも、逃げてしまった大学生の籬翔太。翌日、一人の老女の命を奪ってしまったことを知る。罪に怯え、現実を直視できない翔太に下ったのは、懲役四年を超える実刑だった。一方、被害者の夫・法輪二三久は、ある思いを胸に翔太の出所を待ち続けていた。贖罪の在り方を問う傑作。
  • 1973年のピンボール
    3.8
    「電灯のスイッチを切って扉を後ろ手に閉めるまでの長い時間、僕は後ろを振り向かなかった。一度も振り向かなかった」東京で友人と小さな翻訳事務所を経営する〈僕〉と、大学をやめ故郷の街で長い時間を過ごす〈鼠〉。二人は痛みを抱えながらも、それぞれの儀式で青春に別れを告げる。『風の歌を聴け』から3年後、ひとつの季節の終焉と始まりの予感。「初期三部作」第二作。
  • 終わった人
    4.1
    大手銀行の出世コースから子会社に出向、転籍させられそのまま定年を迎えた田代壮介。仕事一筋だった彼は途方に暮れた。生き甲斐を求め、居場所を探して、惑い、あがき続ける男に再生の時は訪れるのか?シニア世代の今日的問題であり、現役世代にとっても将来避けられない普遍的テーマを描いた、大反響ベストセラー「定年」小説。
  • 身分帳
    3.8
    映画監督西川美和が惚れ込んで映画化権を取得した、 『復讐するは我にあり』で知られる佐木隆三渾身の人間ドラマ!  映画『すばらしき世界』(2021年2月公開)原案。 復刊にあたって、西川美和監督が書き下ろした解説を収録。 人生の大半を獄中で過ごした前科10犯の男が、極寒の刑務所から満期で出所した。 身寄りのない無骨者が、人生を再スタートしようと東京に出て、職探しを始めるが、 世間のルールに従うことができず、衝突と挫折の連続に戸惑う。 刑務所から出て歩き始めた自由な世界は、地獄か、あるいは。 伊藤整賞を受賞した傑作ノンフィクション・ノベル。
  • ヴァラエティ
    3.7
    迷惑、顰蹙、無理難題。人生、困ってからが面白い! 奥田英朗の蔵出し短編集! 貴重な対談2本も収録。脱サラで会社を興した38歳の社長。渋滞中の車にどんどん知らない人を乗せる妻。住み込みで働く職場の謎めいた同僚……。微妙な空気を絶妙に表現する奥田英朗ならではの人間ドラマ!短編、対談からショートショートまで、あれこれ楽しい贅沢な一冊。コアなファンにも、はじめて読む人にもおすすめです。
  • ネタ元
    3.7
    事件記者とそのネタ元。騙し合い、ときに共闘するその特別な関係が、日本の歴史を作り続けた。時代をえぐる著者渾身の短編集!
  • ミスキャスト
    3.6
    「今日も奥さん、仕事っていって出かけたでしょう。でも違いますよ。男の方がどうしても会いたいって言ってきたからですよ」突然かかってきた電話から、妻・典子に不倫の疑いを抱く原岡。が、そんな彼は会社の同僚、元妻の姪という二人の女性と逢瀬を重ねていた。深みにはまってゆく男と女たちの行方は――。
  • 流星ワゴン
    4.3
    死んじゃってもいいかなあ、もう……。38歳・秋。その夜、僕は、5年前に交通事故死した父子の乗る不思議なワゴンに拾われた。そして――自分と同い歳の父親に出逢った。時空を超えてワゴンがめぐる、人生の岐路になった場所への旅。やり直しは、叶えられるのか――? 「本の雑誌」年間ベスト1に輝いた傑作。
  • 家族写真
    3.4
    ちっちゃい赤ん坊だった準子が嫁に行くんだぞ――男手一つで育てた娘を嫁がせる「結婚しようよ」。あの主人公が同年代の54歳と知って愕然とする「磯野波平を探して」。もはや見ないふりできない肥満解消のため家族でダイエットに励む「肉村さん一家176kg」他。短編の名手による、笑って泣ける7つの家族の物語。
  • 家電の神様
    3.7
    街の電器屋さんvs.大手家電量販店の戦い!大手家電メーカーで働く轟雷太は長引くデフレの影響で入社三年目にして突如リストラされてしまう。転職活動を諦めた彼は実家の母が経営する店を継ぐ決意をする。そこは昔ながらの地域密着型の「街の電器屋さん」。だがそこも近所の大手家電量販店に客を奪われ、経営は風前の灯火だった!<文庫書き下ろし>
  • キリの理容室
    4.0
    ギリギリの成績ながらも専門学校を卒業し、夢だった理容師への第一歩を踏み出した神野キリ。 しかし、キリを受け入れてくれた理容室はたった一軒。 キリと父を捨てた母・巻子がかつて勤めていた「バーバーチー」だった。 母の師である広瀬千恵子の店で働くことに複雑な思いを抱えつつも、一人前の理容師になって母を見返すために張り切るキリ。 最初は空回りして失敗ばかりで落ち込むも、様々な客と接していくうちに少しずつ変わっていき――。
  • 新装版 ブラック・ジョーク大全
    3.5
    もともとの反社会的な要素に加えて、狂気の笑いでもあるのがブラック・ユーモア。一見お気楽な笑いの裏には、つらく、苦汁に満ちた思い、あるいは本源的な恐怖が潜んでいる。時の試練をくぐり抜け、ますます切れ味鋭くなった傑作ジョークを、一気に集めた600余編。隠し味の毒スパイスが、かえって薬になるか?
  • 被取締役新入社員
    4.0
    ダメ男・鈴木信男はたまたま試験を受けた一流広告会社になぜか採用される。彼に与えられた使命は、他の社員の軽蔑を一身に浴び、社内ストレスの“はけ口”となること。表向きは新入社員、実は役員待遇の「被取締役(とりしまられやく)」。信男は天性のダメ人間ぶりを発揮し、「ひとりいじめられっこ政策」は成功を収めたかに見えたのが……。森山未來主演でドラマ化! 1403作品の頂点に選ばれた、ドラマ原作大賞受賞作。
  • 空白を満たしなさい(上)
    4.1
    ある夜、勤務先の会議室で目醒めた土屋徹生は、帰宅後、妻から「あなたは3年前に死んだはず」と告げられる。死因は「自殺」。家族はそのため心に深い傷を負っていた。しかし、息子が生まれ、仕事も順調だった当時、自殺する理由などない徹生は、殺されたのではと疑う。そして浮かび上がる犯人の記憶……。
  • マチのお気楽料理教室
    3.6
    シリーズ累計92万部 『居酒屋ぼったくり』の著者、最新刊! 元ツアコン・万智の 絶品「郷土料理」教室は 「思いやり」に溢れている…… お題は『どんどろけ飯』『トンテキ』『冷や汁』etc. ざっくりだけれど、楽しく、美味しく、親切に。 ツアーコンダクターとして15年間、国内外を旅してきた常磐万智(ときわまち)は、 義母の介護のため退職。旅先で料理について学んだ経験を生かし、 義母の死去後、自宅で料理教室を営むことに。 珍しい郷土料理を扱う教室には、亡き妻を偲び、あるいは両親のため、 老若男女の生徒たちが通ってくる。そして万智の家庭にもある事情が……
  • 縁

    3.7
    嫌なことがあったなら、良いことだってきっとある。 見知らぬ人との予期せぬ「つながり」が、あたたかな奇跡を紡ぎ出す! 本屋大賞第二位『ひと』の小野寺史宜が紡ぐ、傑作群像劇。
  • 新装版 わたしが・棄てた・女
    4.3
    大学生の吉岡が二度目のデイトで体を奪ってゴミのように棄てたミツは、無知な田舎娘だった。その後、吉岡は社長令嬢との結婚を決め、孤独で貧乏な生活に耐えながら彼からの連絡を待ち続けるミツは冷酷な運命に弄ばれていく。たった一人の女の生き方が読む人すべてに本物の愛を問いかける遠藤文学の傑作。(講談社文庫)
  • 僕が死ぬまでにしたいこと
    4.0
    生まれたときからロス(損)している世代と言われているけれど、 そろそろ本当の自分の人生を起動したいーー。 40歳、フリーランスのライター、正規雇用経験なし、未婚。 たった一人の肉親である母を亡くしてから、漠然とした喪失感を抱えていた。 ある日、偶然再会した元同僚の「死ぬまでにやりたい10のこと」リストの作成を手伝ってから、 少しずつ世界が変わり始める。 --「ロスジェネ世代」と言われた自分たちは、いったい何を「ロス」してしまったのだろうか。 すべての人生を肯定する、注目若手作家の話題作! 文庫化に際し『ロス男』より改題。
  • 青い小さな葡萄
    5.0
    フランスのリヨンに留学した日本の一青年を主人公に、戦争で片腕を失ったドイツの神学生、拷問・虐殺をひそかに行った対独抵抗組織の内なる暗黒を描くことにより、人間と人間の疎外、異人種ゆえのコンプレックス、裁く者と裁かれる者の憎しみという問題を追究。遠藤文学の原点ともいうべき処女長編。
  • 悪霊の午後(上)
    4.0
    1~2巻660円 (税込)
    現代の魔女・南条英子の妖しい魅力を描く長編サスペンス。交通事故で夫を亡くした若く美しい未亡人に魅せられる男たち。作家・藤綱は、英子の夫の事故死に疑問を抱き、不可思議な事件の糸をたぐり寄せて、戦慄する。彼女のつつましやかな昼の素顔の下に隠されている魔性とは……。遠藤文学の異色作。<上下巻>
  • やむにやまれず
    値引きあり
    3.3
    時は、過ぎてゆく。何かを成し遂げても何ひとつなさなくても。青春を遠く離れ、その間に何かを得、多くを失った。そんな記憶の断片からなる18の物語は、いまだ胸に残る希望の欠片(かけら)と諦観の間で揺れている。豊かなユーモアとペーソス、やせ我慢と自嘲、感情と論考、それらに昭和の匂いが織り込まれた上質の短編集。(講談社文庫)
  • 首の鎖
    4.0
    勝村瞳子、独身。自分を疎ましがる母の介護と、実家の店でこき使われているうちに一日が終わる。恋人には、妻がいる。 そんな中、病院の待合室で丹羽顕と出会う。彼は、妻からのDVに悩まされていた。 愛しているのに苦しい、家族への複雑な想いを初めて理解し合えた二人は、ある殺人事件を機に共犯者となるが――。
  • 塚原卜伝十二番勝負
    4.0
    剣の極意を求める壮絶な決闘を描き、剣豪小説に新しい息吹をもたらした会心作。剣の聖地・鹿島に生まれ、香取神道流の奥儀を極めて、17歳で武者修行の旅に出る。めざすは、諸流達人の集まる京都だ。一人の若者が古今無双の剣士と称されるまでの名勝負をリアルに描き、謎多き塚原ト伝の実像に迫る、長編力作。
  • 和解・小僧の神様 ほか十三編
    -
    透徹した人間観察の眼で、生命観にあふれた独自の世界を築き、格調高い近代日本文学の典型を創造した志賀直哉の初期中短編集。表題作のほか「網走まで」「城の崎にて」など13編を収録。原本に、志賀直哉を正しく理解するための数編の短篇と自筆の絵などを加えた完全版。
  • 私はあなたの瞳の林檎
    4.7
    ずっとずっと好きで仕方がない、僕の初恋の女の子。でも僕の告白はいつだって笑ってかわされる。この気持ちをどうしたらちゃんと、分かってもらえるのだろうか。表題作をはじめ、思春期のあの頃、誰もが直面したあの壁に、恋のパワーで挑む甘酸っぱすぎる作品集。
  • 通りすがりのあなた
    4.0
    「きっと人間の美しさも醜さも飲み込んで、 太宰のようなかつてない作家になっていくに違いない」 岩井俊二推薦! 言葉や距離を超えて築かれる、友達とも恋人とも名づけられない“あなた”との関係。 7通りの切ない人間模様を描く、はあちゅう初の小説集。 大学三年の一年間、モラトリアムに逃げこむように香港大学に留学したサホは、マイケルというABC(アメリカン・ボーン・チャイニーズ)と出会う。冴えない自分と、人気者の彼。付き合っているようで、本当のところはわからない。やがてマイケルは、奇妙な「秘密」を漏らすようになって―― (「世界が終わる前に」) 17歳の夏休み、パナマに短期留学をすることになったハルナ。ホームステイ先では日本との習慣の違いに右往左往し、学校ではスペイン語が全く分からず困り果てる毎日。そのうえ、クラスで冴えないジェニファーがあれこれ世話を焼いてくるようになって、正直ちょっと迷惑なのだが…… (「友達なんかじゃない」) 念願の世界一周旅行を始めた矢先、ボリビアで高山病になったリサを助けてくれたのは、同じく旅行中のコウさんだった。同じルートの少し先を旅するコウさんとは、会えそうでなかなか会えない。コウさんを追いかけて旅するうちに、リサの中で彼に伝えたい言葉が溢れてきて―― (「世界一周鬼ごっこ」)
  • レモンタルト
    3.9
    「もう、ずっと前から義兄(あに)のことが好きだった」姉は若くして逝った。弟の私は、姉の夫だった義兄と、遺された一軒家でふたり暮らしをしている。会社では無理難題を持ちかける役員のもとで秘密の業務にあたり、私生活でも奇妙な事件ばかり。日増しに募る義兄への思いと、亡き姉への思慕。もどかしい恋の行方と日常にひそむ不思議を、軽やかに紡ぐ連作集。
  • 写楽の謎の「一解決」
    3.5
    役者絵で名高い浮世絵師・写楽は、その生涯がまったく謎につつまれ、今日まで多種多様の人物像が描かれてきたが、その決着はついていない。本書は、美術に造詣の深い、日本文学界の巨匠である著者が、その鋭い分析と大胆な推理に基づいて、日本美術の点と線を明かす、興味深いひとつの試論である。
  • 百鬼解読
    3.9
    不気味に魅了する妖怪たちの正体! 希代の妖怪案内書――妖怪とは何か? いかにその名と姿を与えられ、今に伝えられてきたのか? 姑獲鳥、魍魎、火車、絡新婦、ひょうすべ……京極夏彦の「妖怪シリーズ」に登場する妖しきものどもを網羅、解読し、学問的に位置づけた驚異のガイドブック。妖怪世界の奥深い魅力へと誘う、初心者から研究者まで必読の一冊。
  • 伝説のロック・ライヴ名盤50
    3.8
    ビートルズが、ジミヘンが、クラプトンが……ロックの歴史に名を刻んだ、そのステージを聴け! ロックの神が降りたライヴの数々――「ビートルズは演奏がヘタだった」という「定説」の真偽、「ディランがフォークソングを捨てた裏切りのステージ」の真相……伝説に勝る真実はなし? いや、それならば、その「伝説」を、いま聴いてみませんか? 生きた音楽の輝きとミュージシャンの切実な叫びを伝える、奇跡の一発録り、必聴ライヴ盤50枚!
  • 何でもない話
    3.3
    心臓の凍るような恐怖と、絶妙のユーモアを織りまぜた、10編の小説世界。なにげない平凡な日常生活のかげに、人知れぬ秘密を隠し持って生きねばならない人間という小さな存在……。あるテレビ・ディレクターの人生を描く表題作ほか、「姉の秘密」「爪のない男」「恐怖の窓」「猫」「気の弱い男」「知らぬが仏」などを収録。
  • 幕末「住友」参謀 広瀬宰平の経営戦略
    -
    倒産・乗っとりの危機を救った参謀の大戦略とは何か、その全容を描いた歴史経済小説。危急存亡の事態をいかに打開したのか? ――巨額な借金と経営乗っとりの大ピンチを救った、野性あふれる参謀の戦略とは何か? その男・広瀬宰平は、住友の礎である別子銅山を守りぬくため、幕府を相手に、一歩も引けをとらぬかけひきを展開する。内にむかっては、膨大な金利支払いを解決するため、大胆な経営体制を敷く。危急存亡に対処した手腕を描く!
  • 男の城
    値引きあり
    -
    マイホームができてみると、設計図の書斎は子供部屋に化けていた。桐原は怒った。妻や義母から逃避する書斎こそ、夢にまで見た男の城ではないか。そしてやっと手に入れた書斎は廊下脇の貧相な部屋。それでも桐原の心のなかでは大書斎なのだ――。女臭ふんぷんたる当世マイホームの中で、けなげに生きる男たちを絶妙な語り口で描く傑作集。
  • 老人のための残酷童話
    3.3
    昔話の裏側にある摩訶不思議な世界。鬼に変貌していく老婆を捨てた息子と、その嫁の意外な末路とは……。「姥捨山(うばすてやま)」や、織女(おりひめ)と牽牛(けんぎゅう)の「天の川」といった、有名な昔話をベースにしながらも、独特の解釈で綴られた10の物語。大ベストセラー『大人のための残酷童話』の著者が、性欲や物欲、羞恥心といった、人間の奥底にひそむ感情を見事に描きだす。
  • 大江戸えねるぎー事情
    4.0
    かつて世界第一の規模を誇ったころの江戸は、じつに無駄のない省エネ都市として栄えていた! その知られざる豊かな知恵を掘り起こし、尨大なエネルギーを消費して「無」へと突き進みつつある現代人の生き方に警鐘を鳴らすべく、精密なデータをもとに両時代の暮らしを比較活写する、異色の新文化論。図版の多数掲載。意外や意外、江戸時代の快適生活がわかる新・江戸論の決定版!
  • 楊貴妃伝
    3.5
    「在天願作比翼鳥 在地願為連理枝」――白居易の傑作「長恨歌」に歌われた玄宗皇帝と愛妃・楊貴妃。寵愛をほしいままにし、権力さえも手中にした貴妃の、波瀾に満ちた短い生涯。時が移っても、変わらぬ人間の業を、絢爛な絵巻のごとく流麗に描き出す。唐代の壮大な叙事詩にして、今なお熱く胸を打つ傑作長編小説。
  • 回転木馬のデッド・ヒート
    3.9
    「それはメリー・ゴーラウンドによく似ている。それは定まった 場所を定まった速度で巡回しているだけのことなのだ。どこにも行かないし、降りることも乗りかえることもできない。誰をも抜かないし、誰にも抜かれない」人生という回転木馬の上で、人は仮想の敵に向けて熾烈なデッド・ヒートをくりひろげる。事実と小説とのあわいを絶妙にすくいとった、村上春樹の8つのスケッチ。
  • 熊の場所
    3.7
    猫殺しの少年「まー君」と僕はいかにして特別な友情を築いたのか(『熊の場所』)。おんぼろチャリで駅周辺を徘徊(はいかい)する性格破綻(はたん)者はゴッサムシティのヒーローとは程遠かった(『バット男』)。ナイスバディの苦学生であるわたしが恋人哲也のためにやったこと(『ピコーン!』)。舞城パワー炸裂の超高純度短編小説集! (講談社文庫)
  • バルス
    3.7
    トップレベルの私立大学に通う百瀬陽二の就職戦線は冴えなかった。名の知れた大企業への就職に囚われていた陽二は、再チェレンジする為に就職留年を決める。留年のあいだ派遣会社を通じて世界最大のネット通販会社《スロット》の物流センターでアルバイトをすることに。そこで見たのは、派遣労働の過酷な職場環境、さらに膨大な商品の運送業務に忙殺される大手総合物流企業の厳しい現場だった。 東京から各地方に向かう東北・東名・中央・常磐など主要高速道路で、ほぼ同時に宅配便を配送するトラックが走行中に荷台から出火し交通麻痺となる。格差社会への不満を抱えた集団「バルス」により犯行声明がマスコミに届き、次なる犯行予告が伝えられた。宅配会社は荷物の受け付けを中止、それに伴いネット通販会社の出荷も停止、あらゆる産業で事業が滞りはじめた。追い打ちをかけるように、バルスは予想を超えた要求をつきつけてきた!
  • すいばれ(『霞町物語』講談社文庫所収)
    -
    不羈奔放のあげくにその夏湘南を追い出された僕は、キーチとたどりついた内房の海岸で「谷さん」に出会った。いきずりの恋をしたミサをめぐって覚えた初めての嫉妬と「谷さん」の告白。高度経済成長期の申し子としての幸せな青春の中で、僕らは大人の分別を学ぶことになる。
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