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第166回芥川賞受賞作。
ずっと遠くに行きたかった。
今も行きたいと思っている。
自分の中の怒りの暴発を、なぜ止められないのだろう。
自衛隊を辞め、いまは自転車メッセンジャーの仕事に就いているサクマは、都内を今日もひた走る。
昼間走る街並みやそこかしこにあるであろう倉庫やオフィス、夜の生活の営み、どれもこれもが明け透けに見えているようで見えない。張りぼての向こう側に広がっているかもしれない実相に触れることはできない。(本書より)
気鋭の実力派作家、新境地の傑作。
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Posted by ブクログ
Audibleにて。
前半は、「ケーキの切れない非行少年たち」を連想させる内容であった。「推し、燃ゆ」の少女もそうだが、生まれ持った何らかの苦手さがありそうだ。
しかしその特性に気づき、何らかの工夫を凝らせばこの特性を苦手さにしないことは可能なのだ。各種認知特性に対するユニバーサルデザイン、色覚に難を持つ人に対して作られた最近のゲーム(例えばぷよぷよ)のような合理的配慮が求められる。(倫理資本主義の観点から言っても、これは素晴らしい試みだと感じる)
必要なのは、コグトレなのか環境整備の方なのか。おそらく両方だが、個人的にはコスパ&タイパ的に、後者重視で良いんじゃないか?と思う。
明日はどうなるか分からない。この強烈な不安感から逃れるために、人は「黙過」を必要とする。
黙過は、どうしたらよいか分からない時に許された一人で生き抜くための防衛機制だ。「人間」ではなく、「人」である時の生きる手段、それが黙過ではないか。
Posted by ブクログ
制度があったりルール強くある方が楽に生きる事ができそうだ。今風の会社で勤めることのトレンドとして自分の意思が会社の意思よりも反映されやすく、パワーバランスが昔と逆転している気がする。
(フレキシブルな働き方、週休3日、転職のハードルが低くなったり)
自由を求め、何にも縛られない生活が良いのかなぁと信じているのはムショに入る前のサクヤ。冒頭の
「信号なんかに足止めをくらいたくなかった。」
が分かりやすい。
自由であり、自分の意思で物事を決める事ができるようになった今の時代には、生活には溢れるように娯楽が転がっている(ネトフリ、YouTube、スマホゲーム等)。そのせいで、「このままじゃダメだ。」と思っていても、そんな思念を上書きするかのようにあらゆる娯楽が時間潰してくれる。そして、現実生活と向き合う事をおろそかにしてしまう。向き合わなくてもある程度満足出来てしまい、現実に起きた些細な事に対して無視できてしまう。だから、昨日と今日は全く違うのに今日を吸収しようとしなくなる。
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