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「エリは今、眠っているのよ」とマリは打ち明けるように言う。「とても深く」「みんなもう眠ってるよ、今の時間は」「そうじゃなくて」とマリは言う。「あの人は目を覚まそうとしないの」真夜中から空が白むまでのあいだ、どこかでひっそりと深淵が口を開ける。4人の男女はそれぞれの場所で、夜の闇のいちばん深い部分をくぐり抜ける。村上春樹の転換点を示す長編小説。
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Posted by ブクログ
特に大きな出来事が起きる訳では無いけれど、惹き込まれる。物語の内容の面白さというよりも、村上春樹が描く真夜中の東京の情景の美しさに惹き込まれているんだと思う。自分の知らない間に、知らない場所で誰かが何かをしている。時間は自分が寝ている間も止まることなく進み、その時間を知らない誰かも生きている。読んで...続きを読むいて不思議な感覚になった。マリと高橋、マリとカオル、マリとコオロギ、マリとエリ、(主人公?)マリは色々な人との関わりでこれからの人生に影響を受けたと思うが、その後どうなったのかは分からない。これが一晩の出来事に収められているのが凄い。 一目見たときから、その子と友だちになりたいと思ったの。とても強く。そして私たちは、もっと違う場所で、違う時に会っていたら、きっとと仲のいい友だちになれたと思うんだ。 高橋「歩くのはいいことだ。ゆっくり歩け、たくさん水を飲め。」
私が一番好きな作家は村上春樹である。 これまで、ほとんどの長編を読んできたが、その理由を的確に言語化できないでいた。 しかし、今回この本を読んで、何が私を村上春樹に向かわせるのか、理解できた気がする。 結論から言うと、物語を自らで再構築することだ。 村上春樹の作品は不思議な世界で良く分からず、村上...続きを読むワールドと良く言われるが、この分からない程度が程よく心地よいと考察する。分からなすぎたら、興味をなくすが、このちょうど良い塩梅の分からなさを、自らで再構築し、物語を作り上げていく、その過程が愉しいのだ。 何度も何度も読み返して、自分に染み込ますように味わっていきたいと毎回読むたびに思わされる。
久しぶりの再読。本棚にある事さえ忘れていた。深夜11時56分から始まり、早朝6時52分までのお話し。とある視点が本を読んでいる自分の視点として重なる錯覚に陥る。本を読みながら浅井姉妹のそれぞれをのぞき見している。そんな感じ。
村上春樹が描くこの世ではない、この世に似ている別世界が好きで、それが見れそうで見れなかった。この作品の長編バージョンが読みたかった。
う~む 面白かった! 一夜だけの内容だけども 視点を変えることによっていろいろな夜があり それが何らかの形で交差している。 自己だけでは捉えられないものが。 何となくもやの残る感じだけれども きらいじゃないです。
視点からの話が印象的だった。エリの部屋に満ちている空気、場の乱れ、静けさなどが肌で感じられるくらいリアリティをもっていた。 タカハシとマリの会話に癒されつつ、白川との温度差を感じた。 アフターダークは人の無意識の世界を書いているという河合隼雄さんの紹介を読み、「白川」もひとりの人間の中に存在しており...続きを読む、誰しも部分的には逃げられないものを抱えているのだろうかと思った。 人の心のやるせなさを現実味をもって書きつつも、マリとエリの心の交流が、書かれていないストーリーの裏でしっかりと感じられ、最後のシーンはあたたかい気持ちになった。 村上春樹さんの長編にしては珍しく落ち着いた気持ちで読めた。笑
春樹史上最も謎を残したまま完結した。気がする。 たった一晩の話。深夜のようにゆっくりと流れる一冊だった。 出会ってから距離がグッと縮まる高橋と浅井マリ、暴力から逃げる人々、資本主義に組み込まれていく社会。 後半の深夜の都会の描写が素敵。 p250.人間は記憶を燃料にしながら生きていくんやないかな
私は今とっても調子が良いので、とっても面白く読めた。知的好奇心、タコ、テレビ、つるつるのマスク男、結局どういうこと?は分かんないけど、刹那的にこういう時ってあるよなって思った。ラッキー課題図書早く読み終わった!!笑
真夜中から夜明けまでの都会で、少女が様々な人と出会い、疎遠な姉との関係を見つめ直す物語。 村上春樹の小説は「僕」の一人称視点が多い印象があるので、三人称視点の作品は珍しいと感じた。 登場人物の誰もが自己について思索し、話し相手に打ち明ける。夜はそういう時間であるということを描き出している。
初期作を色々読んでいる途中に本書を読んだため、これ本当に作者同じなの…?と思ったような記憶。読後感爽やかで、歯切れの良い感じです。生々しいシーンも少ない。個人的には初期作の雰囲気…なんというか昔のフランス映画っぽいというか「え、だからどうしたの?」という感じ…も好きなのですが、そういう要素は控えめな...続きを読む気がする。
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